子どもたちを中心につながる、魅力あるまちづくり
愛知県小牧市では、「住みたい」「住み続けたい」と思われる魅力あるまちづくりを推進している。その一環として、2015(平成27)年の市政60周年を期に「こども夢・チャレンジNo.1都市宣言」を制定。これまで以上に子育て支援の充実を図り、子どもたちの夢へのチャレンジを応援していくことで、「子どもを中心に世代を超えて、市民がつながり、支え合う、住みよいまち」を目指している。
そんななか、2021(令和3)年3月に小牧駅前にある再開発ビル「ラピオ」内に、「こまきこども未来館」がオープンした。
市民の意見を取り入れた基本理念
施設の整備にあたり、基本構想から設計、運営に至るまで、その都度複数回のワークショップを開催。さまざまな世代の市民や有識者に意見を求め、2018(平成30)年3月に「(仮称)小牧市こども未来館整備基本構想」を策定し、3つの基本理念を打ち出した。
①こどもの夢への挑戦を応援する施設
②こどもを中心に世代を超えて市民がつながる施設
③こども・子育ての中核となる施設
先行して整備された子育て支援の拠点「子育て世代包括支援センター」、ラピオ内に既にあった男女共同参画社会の形成に向けた学習やスポーツによる健康増進などを図る「まなび創造館」と「えほん図書館」を含めて「こまき多世代交流プラザ」として、地域ぐるみでの子育て・子育ちの中核を担う施設とした。
限られた空間を工夫して子どもたちがめいっぱい楽しめる場を
ラピオは地上5階建てで、地下は415台収容できる市営駐車場となっている。その2~4階に「こまきこども未来館」が誕生した。
「子どもが利用する施設であることから、安全面には特に配慮しました。ですが、遊具についてはすべてのリスクを排除することは難しく、少し危険なことにもチャレンジするという遊具としての面白味がなくなることや、日常生活において判断可能な事故回避能力を育むという遊具に求められる教育的側面を阻むことにもなるため、必要なリスクは容認(管理)し、不必要なハザードのみを排除するよう、設計しました」と館長。
ビルの構造上、柱が多いことから広い空間を取ることができず、有効に活用できるように、遊具や部屋の配置を工夫したという。
そのなかで子どもたちが大喜びしているのが「シンボルツリー」だ。その名のとおり、木をイメージした遊具。2階から4階に新たに設けられた吹き抜けの真ん中に、子どもの成長を象徴する大きな木製の幹、そこから豊かな葉を想像させるネットが張られている。
体を思いっきり使って遊べるものとしては、ほかにも木製のアスレチックやボルダリングなどがある。また、最新のデジタル技術を利用し、ボールを投げて当たった壁に花火の映像が出たり、魚が泳いでいたり、双方向型の新しい遊びが体験できるデジタルラボもある。
未就学児を対象とした遊具は4階に。ごっこ遊びができるおもちゃや積み木、マット遊び、ボールプールなどを用意。スタッフが常駐し、子育ての悩みを気軽に相談できる環境も整える。
中高生も夢中に!体験ひろば
体を思いっきり動かしたり、玩具で遊んだりする以外に、「学校や家庭では体験できない新しい学び」が見つかる講座を開催する「体験ひろば」がある。
オープンスペースでは、用意された紙やペンなどを使って自由に工作を楽しめる。
ワークショップでは、専門性の高い講師から、デジタルからアナログまでさまざまなことを学ぶことができる。
そのほかiPadを使ったドローン操縦の体験ができたり、2021年度には森の間伐材を利用した鉛筆作りやコマ撮りアニメを作成したりする講座なども開かれた。
プログラミングや映像編集、楽曲作成ができるパソコンやソフトもあり、ここは中高生に人気だそうだ。とはいえ、小学生以下の利用率に比べると中高生の割合は少ないため、こういった機器を活用する魅力的な講座の企画の必要性も課題としてある。
体験ひろばは、「みつける」「つくる」「つたえる」がモットー。子どもたちに気付きを与える場となっている。
子育て世代以外にも、幅広く市民が集う場所づくり
基本理念の②に沿ったものとして、2階に「交流広場」がある。
ここには卓球、ビリヤード、ボードゲームや将棋、リバーシなどが用意されている。こういったものを通して、普段は接することのない世代とも気軽に楽しむことができるはずだ。
課題を解消しながら、より活用される施設に
館長は「安心して子育てをしていくためには、身近な地域における関わりのなかで、子育てについての助言や手助けを受けられる環境が整備されていることが重要だと考えています。地域で同年代やさまざまな年代との交流ができることも、子どもの成長において大切です。こまきこども未来館がそれらを実現できる居場所になれば」と語る。
オープンから1年4ヶ月あまり。課題も見えてきた。午前中は乳幼児、夕方4時以降は小学生が多く来館するが、その合間の時間だ。遠足や校外活動といった積極的な団体受け入れなどで、閑散時間の有効活用を図っていきたいとのことだ。
子どものための新施設がまちの未来も担う。
取材協力:小牧市
こまきこども未来館
http://www.city.komaki.aichi.jp/admin/soshiki/kodomomirai/tasedaipuraza/zigyousuisin/kodomomiraikan/31327.html














