- 無理のない返済計画を立てる
- 住宅ローンを組む際に大切なのが、最初に用意する「頭金」と、年収に占める年間返済額の割合である「返済負担率」です。一般的に、頭金は物件価格の1〜2割、返済負担率は年収の20〜25%以内が目安といわれています。これらを参考にして、無理のない資金計画を立てましょう。
詳しくは、「無理のない返済計画を立てるためのポイント」をご覧ください。 - 物件価格以外にかかる諸費用を把握する
- 住宅購入時には、物件の価格とは別に、税金や手数料などの「諸費用」が必要です。目安は新築物件で物件価格の3〜7%、中古物件で6〜10%ほど。諸費用ローンもありますが、現金で用意しておくと安心です。
詳しくは、「物件購入価格以外の諸費用にも目を向けよう」をご覧ください。 - 購入後にかかる年間の維持費も確認する
- マイホームは、購入後も税金や修繕費などの「維持費(ランニングコスト)」がかかります。一戸建て・マンションともに固定資産税や火災保険料などが必要で、マンションの場合は、さらに管理費や駐車場代なども毎月かかります。
詳しくは、「【一戸建て・マンション】ランニングコストは年間どのくらいかかる?」をご覧ください。
マイホームの購入時には多くの人が利用する住宅ローンですが、他の借り入れと比べて金額が高額であり返済も長期にわたるため、より綿密な返済計画が必要となります。
今回は予算に関する失敗例をご紹介したうえで、無理のない資金計画を立てるために押さえるべきポイントを詳しく解説します。
物件購入予算に関する失敗例

物件の購入予算を決めるときには、さまざまなリスクに目を向けながら、無理のない計画を立てることが大切です。
ここではまず、予算に関して失敗しがちなケースを具体例とともに見ていきましょう。
当初から無理のある計画を立ててしまった
住宅ローン返済が苦しくなってしまう主要な原因は、年収に対して借入額を高く設定してしまうことにあります。
予算よりも先に購入プランを固めてしまったり、現実的な家計状況が反映されないまま購入に踏み切ってしまうケースも少なくありません。
借入額が適正額よりも大きければ、当然ながら毎月支払い額も大きくなるため、家計のやり繰りが苦しくなってしまいます。
特に頭金なしのフルローンで住宅を購入した場合には、こうした傾向が強くなりやすいため注意が必要です。
収入状況・ライフスタイルが変化してしまった
住宅ローンの借入額は申請時の収入を基に計算するのが一般的ですが、途中で転職やボーナスの支給停止といった状況変化に見舞われてしまう可能性もあります。
また、子どもの進学や高齢の親との同居などにより、家計の支出が購入時よりも増えてしまうケースもあるでしょう。
そのため、返済額の設定を上限ギリギリにしてしまうと、申請時には何とか返済を続けていけると感じていても、途中でやり繰りが難しくなることも多いのです。
諸費用やランニングコストを考慮していなかった
住宅を購入するときには、税金や手数料などの諸費用が発生します。
また、購入後も固定資産税や維持費といったランニングコストが発生するため、毎月の返済額をこれまで住んでいた賃貸物件の家賃と同額に設定すると、返済がきつくなってしまう可能性が高いです。
諸費用やランニングコストの目安と内訳は後ほど詳しくご紹介するので、資金計画を立てるまでに把握しておきましょう。
無理のない返済計画を立てるためのポイント

無理のない返済計画を立てるためには、いくつか押さえておきたいキーワードがあります。
ここでは、「頭金」と「返済負担率」という2つのキーワードから、住宅ローン借入額を決めるときのポイントについて解説します。
頭金の役割と目安割合
住宅の購入予算は「頭金+住宅ローン借入額」で決まります。頭金とは購入時に現金で支払う部分の金額で、住宅ローン借入額を減らして、総支払い額を抑える役割を持っています。
頭金として用意した金額が多ければ多いほど、利息がかかってしまう借り入れ分を減らすことができるため、総支払い額を大幅に節約できるのです。
また、「フラット35」のように、1割以上の頭金を用意することで、より低利率で利用できる住宅ローンもあります。
そのため、多くの場合で住宅購入額の「1~2割程度」の頭金が用意されています。ただ、住宅の購入時には現金で支払わなければならない諸費用が発生するため、その分の費用は残しておかなければなりません。
また、引越し代や家具・家電購入費、購入後の生活費として少なくとも「生活費半年分の予備費」も残しておけると安心です。これらを踏まえて、頭金は「自己資金-(諸費用+予備費)」で計算しておきましょう。
返済負担率の目安
「返済負担率」とは、「年収に対する年間における住宅ローンの支払い額の割合」のことです。
住宅ローン借入額を計算するうえでとても重要な指標となります。というのも、住宅ローンの利用計画は、「毎月どのくらいなら無理なく返済できるか」というポイントに着目して立てる必要があるのです。
一般的に無理のない割合は「25%以下」とされており、毎月支払い額に換算すると「年収×25%÷12ヶ月=年収の48分の1」となります。
まずは毎月支払い額を年収の48分の1に設定して、そこから借入可能額をシミュレーションしてみましょう。
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【年収別】住宅ローン借入可能額の目安表

これまで見てきたように、毎月返済額を年収の48分の1に設定することを前提に置けば、年収別に借入可能額の目安を知ることができます。
今回は以下の条件に基づいて、実際に借入可能額を計算してみました。
条件
- 返済負担率:25%
- 世帯年収:400~900万円を100万円刻みで計算
- 借入期間:20年、30年、35年の3パターンで計算
- 金利:フラット35の最頻金利※を参照する
- その他の条件:頭金なし
※2021年8月現在で「20年は1.410%」「21年以上は1.540%」(頭金を用意しない場合)
| 借入可能額 | ||
|---|---|---|---|
返済期間20年 | 返済期間30年 | 返済期間35年 | |
年収400万円 | 1,741万円 | 2,391万円 | 2,693万円 |
年収500万円 | 2,173万円 | 2,996万円 | 3,375万円 |
年収600万円 | 2,612万円 | 3,601万円 | 4,056万円 |
年収700万円 | 3,051万円 | 4,206万円 | 4,737万円 |
年収800万円 | 3,490万円 | 4,812万円 | 5,419万円 |
年収900万円 | 3,929万円 | 5,417万円 | 6,100万円 |
上記のように、同じ年収であれば返済期間が長ければ長いほど借入可能額は大きくなります。ただ、返済期間が長くなると利息負担分は大きくなるため、総支払い額も増えてしまいます。
また、返済期間が長いほど、ライフプランや収入が変化するリスクも高まるので、より綿密な返済期間を立てなければなりません。
現在の年齢や健康状態などを考慮して、どのくらいの年齢まで返済を続けられるかを慎重に検討しましょう。
物件購入価格以外の諸費用にも目を向けよう

先ほどもご紹介したように、住宅を購入するときには物件価格以外の諸費用がかかります。ここでは、諸費用の目安割合と注意点について解説します。
諸費用の目安割合
諸費用の項目にはさまざまなものがあり、購入する住宅の種類によって必要なものも異なります。そのため、以下のように住宅の種類に応じて若干の違いが見られます。
諸費用の目安割合
- 新築一戸建て
注文住宅:物件価格の3~6%(すでに土地を取得している場合)
建売住宅:物件価格の6~9%
- 新築マンション:物件価格の3~6%
- 中古一戸建て:物件価格の6~9%
- 中古マンション:物件価格の6~9%
たとえば、3,000万円の建売住宅を購入するのであれば、諸費用の目安は「180~270万円」となります。
このように、諸費用を合計すると大きな金額になるため、資金計画を立てるときにはあらかじめ計算に入れておくことが大切です。
諸費用に関する注意点
諸費用は原則として現金払いなので、あらかじめまとまった資金を用意しておく必要があります。
現金を準備するのが難しい場合は、「諸費用ローン」や「諸費用込みで利用できる住宅ローン」を利用するといった方法もありますが、一般的な住宅ローンよりも金利が高く設定されているので、返済の負担が大きくなってしまうのがデメリットです。
また、諸費用ローンは別途で手数料もかかってしまう点に注意が必要となります。
さらに、諸費用のなかにはローンの対象外となってしまう項目もあるため、なるべく自己資金の範囲で賄えるように十分な貯蓄をしておくほうが安心です。
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【一戸建て・マンション】ランニングコストは年間どのくらいかかる?

住宅ローンの返済計画を立てるときには、購入後のランニングコストにも目を向けておくことが大切です。ここでは、一戸建てとマンションのそれぞれについて、維持費の内訳や目安を解説します。
一戸建てのランニングコスト
一戸建ての維持費には、大きく分けて4つの項目があります。
一戸建ての維持費
- 固定資産税、都市計画税
- 修繕費用の積み立て
- 各種保険費用
- 自治会費用
固定資産税や都市計画税は住宅の固定資産税評価額に基づいて計算されるため、個別の要因によって負担額に差があります。
また、自治会費用は家を購入するエリアによって異なるため、あらかじめ地域の情報を調べておくといいでしょう。
修繕費用についてはトータルで500万~600万円程度かかるとされています。そのため、仮に30年居住することを考えると、「1年あたり20万円程度」の積み立てを自分で進めていく必要があるといえます。
これらの費用を総合的に考慮すると、年間では40万~50万円程度のランニングコストを捻出しなければならない計算になります。
維持費はまとめて確保しようとすると家計のバランスを崩す要因となってしまうので、できるだけ毎月均等に積み立てられるように計算しておきましょう。
マンションのランニングコスト
マンションの場合は、一戸建ての維持費に加えて、共用部分の「管理費」や「修繕積立金」が毎月発生します。また、自家用車を所有する場合は駐車場代も計算に入れておく必要があります。
管理費は月額1万円程度が相場ですが、立地や総戸数、管理体制などによっても異なります。
修繕積立金は毎年一定ではなく、築年数が経過するごとに値上がりするケースも多いので、事前に購入するマンションの情報をチェックしておくことが大切です。
これらの費用を考慮すると、マンションの場合も年間で40~50万円程度は維持費として見積もっておく必要があるでしょう。
住宅ローンについて悩んだときには「住まいの窓口」に相談してみよう

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「住宅ローンの組み方」や「予算を決めるコツ」「住まい探し・家づくりの進め方や注意点」といった幅広いテーマについて、納得がいくまで何度でも無料で相談することが可能です。
また、購入後のライフプランも含めて詳細に住宅ローン相談をしたいという方に向けて、無料でファイナンシャルプランナー(FP)の紹介も取扱っています。
FPはお金と家計に関する専門家であり、「教育費や介護費とのバランスを考えて返済計画を立てたい」「お得な控除や特例措置について知りたい」といった場合に頼れる存在です。
新築住宅はもちろん、中古の購入やリフォームなどでも利用できるので、ぜひご活用ください。
住まいの窓口に資金計画を相談する
まとめ
- 収入の低下やライフプランの変化、ランニングコストを想定してゆとりのある返済計画を立てる
- 無理のない返済負担率の目安は25%以下
- 頭金を用意するときには諸費用や予備費を手元に残して計算する
- 諸費用やランニングコストの目安と内訳を事前に理解しておく
- 住宅ローンや住宅費用の相談にはLIFULL HOME’S「住まいの窓口」が便利
よくある質問
Q.1:住宅ローンは、年収の何倍まで借りるのが一般的ですか?
A.1:多くの金融機関では年収の8倍程度まで借り入れできますが、これはあくまで上限である「借入可能額」です。安心して返済を続けるには、年収の5〜6倍を「無理なく返せる額」の目安にするのがおすすめです。将来の教育費や老後の資金なども考えて、余裕のある資金計画を立てましょう。
Q.2:毎月の住宅ローン返済額は、どのくらいが目安ですか?
A.2:家計に無理のない毎月の返済額は、「手取り月収の20〜25%以内」が目安といわれています。たとえば、手取り月収が30万円なら、毎月の返済額は6万〜7万5,000円が目安です。ボーナス払いを考えている場合は、将来減額される可能性も踏まえて慎重に計画することが大切です。
Q.3:住宅ローンの「返済負担率」とは何ですか? どのくらいに抑えると安心ですか?
A.3:「返済負担率」とは、年収に対する年間のローン返済額の割合のことです。一般的に、この返済負担率を25%以内に抑えると、家計を圧迫しにくいといわれています。金融機関によっては30〜35%まで借り入れできることもありますが、無理のない返済のためには25%以内を目安にすると安心です。
Q.4:年収400万円の場合、いくらまで借りるのが無理のない範囲ですか?
A.4:年収400万円の場合、無理なく返済できる借入額の目安は2,000万〜2,400万円程度(年収の5〜6倍)です。この場合の毎月の返済額は、約6万5,000〜8万1,000円(返済負担率20〜25%)が目安となります。まずは、自分の家計状況と照らし合わせて、毎月いくらまでなら返済できるかシミュレーションしてみましょう。
Q.5:「借入可能額」と「無理なく返せる額」はどう違うのですか?
A.5:「借入可能額」は、金融機関が審査で決める「貸し出せる上限額」です。これは必ずしも「無理なく返せる額」とは限りません。一方、「無理なく返せる額」は、将来のライフプランや急な出費なども考えたうえで「安心して返済を続けられる額」を指します。上限額で借りるのではなく、自分の家計に合った金額でローンを組むことが重要です。
Q.6:住宅ローンを組む前に、まず何をすればよいですか?
A.6:まずは、現在の家計の収支を把握し、毎月の支出を見直すことから始めましょう。次に、出産や子どもの進学、車の買い替えといった将来のライフイベントを予測し、長期的な資金計画を立てることが大切です。そうすることで、自分にとっての「無理なく返せる額」が具体的に見えてきます。
Q.7:頭金を多く用意するメリットは何ですか?
A.7:頭金を多く用意する(物件価格の1〜2割が目安)と、借入額を減らせるため、毎月の返済額を軽くしたり、返済期間を短くしたりできます。また、金融機関によっては、頭金の割合に応じて金利が優遇されるケースもあり、最終的な総返済額を抑えられる可能性もあります。
更新日: / 公開日:2021.11.04










