- 金利タイプと返済方法の選択が重要
- 固定金利と変動金利、元利均等返済と元金均等返済の特徴を理解し、家計の状況に合わせて適した金利タイプと返済方法を選ぶことが、安定した返済計画の第一歩です。自己資金の有無も総支払額に影響します。
詳しくは、「住宅ローンを組むうえで押さえておくべきポイント」をご覧ください。 - 返済シミュレーションで具体的な計画を立てる
- 住宅ローンシミュレーターを使って、借入期間ごとの毎月返済額と総支払額を把握しましょう。借入期間が短くなるほど総支払額は抑えられますが、無理のない返済額を設定することが大切です。
詳しくは、「毎月の支払額と総支払額は? 返済シミュレーション」をご覧ください。 - 年収と返済負担率から適切な融資額を判断する
- 年収倍率や返済負担率を参考に、3,500万円の住宅ローンを組むために必要な年収の目安を知ることが重要です。返済負担率を20~25%以内に抑えることで、安定した返済を続けられる可能性が高まります。
詳しくは、「3,500万円の住宅ローンを組む際に必要な年収は?」をご覧ください。
住宅ローンを利用するうえでは、家庭の経済状況を踏まえて、綿密に返済計画を立てる必要があります。その際、重要となるのは住宅ローンに対する年収の割合と毎月の返済額です。
今回は3,500万円の住宅ローンを借りることを想定し、必要な年収や毎月の支払額、総支払額について詳しく見ていきましょう。
住宅ローンを組むうえで押さえておくべきポイント

住宅ローンを組むうえでは、事前に理解しておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、金利の種類と特徴について解説します。
固定金利と変動金利
住宅ローンの金利タイプには、大きく分けて固定金利と変動金利の2種類があります。固定金利は利率が一定であり、安定した返済計画を立てやすい点が大きなメリットです。
一方で、変動金利は半年に一度、金利の見直しが行われます。ただ、金利の見直しごとに支払額が変わるわけではなく、5年ごとに更新されるのが一般的です。
また、金利が上昇したとしても、支払額の増加率は25%以内に制限されます。スタート時の金利は固定金利よりも低く設定されているため、金利が上昇しなければ総返済額を抑えられる点がメリットです。
資金にゆとりがある世帯では、変動金利の利点を生かしやすい
どちらを選ぶのかは、家庭の状況によって異なるものの、夫婦共働きなどで資金にゆとりがある世帯では、変動金利の利点を生かしやすいとされています。
毎月の支払額を増やして、金利の上昇が起こる前に返済が済んでしまえば、総支払額を抑えることができるのです。また、もし金利が上昇したとしても、資金に余裕があれば無理なく対応することが可能です。
元利均等返済と元金均等返済
住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済(がんりきんとうへんさい)」と「元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)」の2つがあり、借り入れのタイミングでどちらかを選択することになります。
元利均等返済は、毎月の返済額が一定になるため、返済の計画を立てやすくなる点が特徴です。
元金均等返済は支払う元金が一定であるものの、利息分は残った元金を基に計算されるため、返済スタート時の負担額が大きくなります。そして、返済を重ねるごとに負担額が減少していくのです。
元金均等返済には総支払額が安くなるといったメリットがあるため、スタート時から安定した返済計画を立てられる元利均等返済と比較したうえで、適した方法を選ぶことが重要です。
はじめての家づくり講座 無料で住まいの窓口に相談する
自己資金(頭金)の役割と金額の目安

住宅を購入する際には、ある程度の自己資金を用意して、不足分を住宅ローンで補っている人が多いといえます。
住宅金融支援機構が行ったフラット35利用者調査(2019年度)によれば、注文住宅と土地付き注文住宅、建売住宅、マンション購入のいずれにおいても、平均で購入価格の1~2割程度の頭金が用意されています。
頭金の割合が高いほど、住宅ローンの借入額が抑えられるため、利率を合わせて考えると総支払額に大きな差が生まれることもあります。
また、フラット35のように、自己資金の割合に応じて金利が変動するタイプの住宅ローンも少なくはありません。

毎月の支払額と総支払額は? 返済シミュレーション

安定した支払いを続けるためには、毎月の返済額と総支払額を明確にしておくことが大切です。ここでは、LIFULL HOME’Sの住宅ローンシミュレーターを使って、実際の返済計画をイメージしてみましょう。
住宅ローンシミュレーターの使い方
住宅ローンシミュレーターでは、利用者の条件や融資額などを入力して、具体的な返済計画を確認することができます。
利用する際には、「物件価格」「年収」「頭金」「年齢」「返済期間」「金利」などを順に設定していきましょう。
パソコンで利用する場合、金利プランについては、種類や利率の異なる複数のプランを3つまで同時に計算できるため、ローンの種類を見比べる際にも便利です。
3,500万円の住宅ローンを組んだ際の返済シミュレーション
今回は「頭金なしで3,500万円の住宅ローンを借りる」場合を想定して、返済期間15年、25年、35年の順に計算してみましょう。なお、今回は利率を「1.5%の固定金利」として設定します。
実際には、借入期間が長くなるにつれて、金利も高くなる場合があるため注意が必要です。
借入期間 | 15年 | 25年 | 35年 |
|---|---|---|---|
毎月返済額 | 21万7,260円 | 13万9,978円 | 10万7,165円 |
総支払額 | 3,910万6,810円 | 4,199万3,314円 | 4,500万9,113円 |
この結果から見ても明らかなように、借入期間が短くなればなるほど、総支払額を抑えることができます。
15年と35年では600万円ほどの差が生まれるため、無理のない毎月の返済額を設定しつつも、できるだけ返済期間を短縮することがポイントだといえます。
住まいの窓口に資金計画を相談する
3,500万円の住宅ローンを組む際に必要な年収は?

住宅ローンの融資限度額は利用者の年収と密接な関係があります。ここでは、3,500万円の住宅ローンを組む際の年収の目安について解説していきます。
年収倍率から見る年収の目安
年収倍率とは、住宅の購入金額に対する年収の割合を示した数字です。
住宅金融支援機構が行ったフラット35利用者調査(2019年度)によると、年収倍率の全国平均は「土地付注文住宅で7.3倍」「建売住宅で6.7倍」「マンションで7.1倍」と、いずれも7倍程度となっています。
年収倍率から考えると、3,500万円の住宅を購入するには500万円以上の年収が必要だといえます。
ただ、年収倍率はあくまでも頭金を含んだ「住宅購入価格」の比率であり、「住宅ローン融資額」の比率を直接的に示しているわけではありません。
返済負担率から見る年収の目安
返済負担率とは、年収に対する返済額の割合を示した数字です。返済負担率を20~25%以内に抑えることができれば、安定した返済を続けられる可能性が高いとされています。
多くの住宅ローンでも、返済負担率は審査の重要項目とされているため、特に目を向けておく必要があります。たとえば、「年収400万円未満の場合は30%以下」、「年収400万円以上の場合は35%以下」といった基準が設けられているのが一般的です。
そこで、先ほどシミュレーションをした返済額を基に、具体的な比率を計算してみましょう。まず、毎月の返済額を基に、年間の返済額を求めます。
返済期間15年では「21万7,260円×12ヶ月=260万7,120円」、25年では「13万9,978円×12ヶ月=167万9,736円」、35年では「10万7,165円×12ヶ月=128万5,980円」です。
この数字から、年収別の返済負担率をデータでまとめてみます。
| 返済期間15年 | 返済期間25年 | 返済期間35年 |
|---|---|---|---|
年収500万円 | 52.1% | 33.6% | 25.7% |
年収600万円 | 43.5% | 28.0% | 21.4% |
年収700万円 | 37.2% | 24.0% | 18.4% |
年収800万円 | 32.6% | 21.0% | 16.1% |
※1.5%の固定金利で計算
この結果を踏まえると「返済期間35年であれば年収600万円以上」「25年であれば年収700万円以上」が適正な範囲であるといえます。
また、年収500万円の場合は、返済期間が35年であっても、ややゆとりのない設定であると判断できるのです。

住まいの窓口に資金計画を相談する 無料で住まいの窓口に相談する
返済をスムーズに行うためのポイント

住宅ローンの返済は長期間に及ぶため、支払いが滞らないよう計画的に行っていくことが重要です。ここでは、返済をスムーズに行ううえで気をつけるべきポイントを解説します。
繰り上げ返済で総支払額を減らす
繰り上げ返済とは、資金の余裕が生まれたタイミングで、毎月の返済とは別に任意の額を支払うことを指します。
繰り上げ返済をした金額は、利息ではなく、元金の支払いに充てられるため、総支払額をカットすることが可能です。
「期間短縮型」と「返済額軽減型」
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つがあり、それぞれ異なる特徴をもっています。
期間短縮型は繰り上げた分のお金を返済期間の短縮に充てる方法であり、返済額軽減型は毎月の返済額を縮小することに充てる方法です。
利息の負担を減らす効果が高いのは期間短縮型であるものの、返済額軽減型はその後の生活にゆとりが生まれるといったメリットがあります。そのため、ライフステージの変化を頭に入れながら、実情に合った方法を選択することが大切です。
また、無理な返済をしようとするのではなく、繰り上げ返済には余剰金を充てることもポイントです。緊急の出費に備えて、ある程度のお金は手元に残しておきましょう。
住まいの窓口に資金計画を相談する
共働きで住宅ローンを組むときの注意点

夫婦共働き世帯の場合、夫婦どちらかが単独でローンを契約する方法とともに、二人で協力しながら組む方法もあります。ここでは、夫婦で協力して住宅ローンを組む際の注意点を見ていきましょう。
収入合算契約とペアローン契約
収入合算契約とは、夫婦の収入を合算して融資限度額を増やす方法です。大きなメリットは、ローン契約を1本にまとめながら、融資額の幅を広げられる点にあります。
一方、ペアローン契約はそれぞれが個別にローンを組み、融資限度額を増やす方法です。それぞれが主債務者となるため、夫婦どちらも住宅ローン控除を受けられ、大きな節税効果が期待できる点にメリットがあります。
ただ、ローンが2本になってしまうため、その分の手数料や諸費用がかかってしまう点には注意が必要です。
夫婦で協力してローンを組む際の注意点
主な注意点としては、贈与税に関してです。夫婦で住宅ローンを組んだ際に、負担割合と実際の住居持ち分割合が異なっていると、一方が相手に金銭的な利益を与えたとみなされてしまうことがあります。
また、夫婦間で相手の返済を肩代わりしたときも、金銭贈与があったとみなされるケースがあります。その場合は、夫婦間であっても贈与税が発生してしまう可能性があるため、利用前に確かめておくことが大切です。
万が一、離婚をして住まいがバラバラになった場合も、返済義務がなくなるわけではありません。そのため、さまざまな事情を考慮しながら、慎重に判断する必要があります。
毎月の返済額と必要な年収を基に住宅ローンの融資額を判断しよう
- 住宅ローンを利用する際には金利のタイプや頭金の目安を押さえておく
- 住宅ローンシミュレーターを利用して、毎月の返済額を算出する
- 年収倍率と返済負担率から融資限度額を決める
- 繰り上げ返済の方法とポイントを押さえておく
- 限度額を増やすために、夫婦で協力してローンを組むのも一案
よくある質問
Q.1:住宅ローンの金利にはどのような種類がありますか?
A.1:住宅ローンの金利には、大きく分けて「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。固定金利は返済期間中の金利が一定で、安定した返済計画を立てやすいのが特徴です。一方、変動金利は半年に一度金利の見直しがありますが、一般的に5年ごとに返済額が更新され、金利が上昇しても支払額の増加率は25%以内に制限されるのが特徴です。変動金利はスタート時の金利が固定金利より低く設定されているため、金利が上昇しなければ総返済額を抑えられる可能性があります。
Q.2:住宅ローンの返済方法にはどのような種類がありますか?
A.2:住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。元利均等返済は、毎月の返済額が一定になるため、返済計画が立てやすいのが特徴です。元金均等返済は、返済スタート時の負担額が大きいですが、総支払額を抑えられるメリットがあります。
Q.3:住宅購入時に頭金はどのくらい用意すればいいですか?
A.3:多くの人が住宅購入価格の1~2割程度の頭金を用意しています。頭金の割合が高いほど、住宅ローンの借入額を抑えることができ、結果的に総支払額も減少します。住宅ローンによっては、自己資金の割合に応じて金利が変動する場合もあります。
Q.4:3,500万円の住宅ローンを組んだ場合の毎月返済額と総支払額はいくらになりますか?
A.4:金利や借入期間によって異なりますが、たとえば金利1.5%の固定金利で3,500万円の住宅ローンを組んだ場合、借入期間が15年なら毎月約21.7万円、総支払額は約3,911万円、25年なら毎月約14万円、総支払額は約4,199万円、35年なら毎月約10.7万円、総支払額は約4,501万円となります。借入期間が短いほど総支払額は抑えられますが、毎月の返済額が高くなりますので、無理のない範囲で期間を検討することが大切です。
Q.5:3,500万円の住宅ローンを組むには、年収はいくら必要ですか?
A.5:年収の目安は、年収倍率と返済負担率の2つの視点から考えることができます。年収倍率では、住宅購入価格の7倍程度が目安とされており、3,500万円の住宅を購入するには500万円以上の年収が必要とされています。また、年収に対する返済額の割合を示す返済負担率は、20~25%以内に抑えることが安定した返済につながるとされています。シミュレーション結果に基づくと、返済期間35年であれば年収600万円以上、25年であれば年収700万円以上が適正な範囲と考えられます。
Q.6:住宅ローンの返済負担率とは何ですか?
A.6:返済負担率とは、年収に対する年間の返済額の割合を示した数字です。多くの住宅ローン審査で重要な項目とされており、年収400万円未満の場合は30%以下、年収400万円以上の場合は35%以下といった基準が設けられているのが一般的です。安定した返済を続けるためには、返済負担率を20~25%以内に抑えることが推奨されています。
Q.7:住宅ローンの総支払額を減らす方法はありますか?
A.7:総支払額を減らす方法として「繰り上げ返済」があります。繰り上げ返済は、毎月の返済とは別に任意の額を支払うことで、支払った金額は利息ではなく元金の返済に充てられるため、総支払額を減らすことができます。繰り上げ返済には、返済期間を短縮する「期間短縮型」と、毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」の2種類があります。利息負担を減らす効果が高いのは期間短縮型ですが、ご自身のライフステージに合わせて選択することが大切です。
Q.8:共働き夫婦が住宅ローンを組む際の注意点はありますか?
A.8:共働き夫婦が住宅ローンを組む方法には「収入合算契約」と「ペアローン契約」があります。収入合算契約は夫婦の収入を合算して融資限度額を増やす方法で、ローン契約が1本にまとまるのがメリットです。ペアローン契約はそれぞれが個別にローンを組み、夫婦どちらも住宅ローン控除を受けられる節税効果が期待できますが、ローンが2本になるため手数料や諸費用が余分にかかる点に注意が必要です。また、贈与税や離婚時の返済義務についても事前に確認しておくことが大切です。
更新日: / 公開日:2021.02.05










