- 家の購入は物件価格と諸費用、維持費が必要
- 家の購入には、物件価格のほかに諸費用がかかります。一戸建てで物件価格の6~9%、マンションで3~6%が目安です。また、購入後もマンションの修繕積立金や一戸建てのメンテナンス費用といった維持費がかかり続けます。
詳しくは、「家の購入にかかる費用は大きく3つに分けられる」をご覧ください。 - 購入に必要な貯金額は諸費用+頭金
- 家の購入前に準備すべき貯金額は、諸費用と頭金を合わせた金額が目安です。たとえば3,000万円の一戸建ての場合、諸費用180万~270万円、頭金300万~600万円を合わせた480万~870万円程度あると安心です。
詳しくは、「家の購入に必要な貯金額はいくら?」をご覧ください。 - 購入後も最低6ヶ月分の生活費は残す
- 家の購入で貯金をすべて使い切ってしまうのは避けましょう。購入後も生活費や子どもの教育費などがかかります。万が一の事態に備えるためにも、最低でも現在の生活費の6ヶ月分程度は手元に残しておくと安心です。
詳しくは、「すべて使うのはNG! 家の購入後に残しておくべき貯金額」をご覧ください。
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「マイホームを購入予定だが、どのくらいの貯金が必要か分からない」とお悩みの人も多いのではないでしょうか。
ここでは、家の購入に必要な費用の詳細、購入前や購入後に必要な貯金額などについて説明します。
家の購入にかかる費用は大きく3つに分けられる

家を購入する際に必要な貯金を考える前に、購入費用が全体でどれくらいになるのかを考える必要があります。ただ家の購入費用とは、土地や建物の費用だけではありません。
ここでは、家を購入する際に必要な費用を3つに分けて説明します。
住宅購入時の諸費用
家を購入する際には、土地や建物の購入費用とは別に諸費用がかかります。諸費用は、一戸建て住宅の場合は購入価格の6~9%、マンションの場合は3~6%前後かかるといわれています。
たとえば、3,000万円の一戸建て住宅を購入した場合、諸費用は180万円~270万円程度かかるということです。なお、諸費用の支払いは、原則“現金”という点にも注意が必要です。
住宅購入時の諸費用とは、具体的に何なのか、その相場はいくらくらいなのかを以下の表にまとめました。
【住宅購入時の諸費用】
諸費用 | 内容 | 相場 |
|---|---|---|
印紙税 | 売買契約書に貼る印紙代 | 売買価格が1,000万円超~5,000万円以下の場合2万円 |
不動産取得税 | 不動産取得時に発生する地方税 | 固定資産税評価額の3% 税額軽減措置により0円になるケースもあり |
登録免許税 | 不動産登記の際に発生する国税 | 固定資産税評価額の0.1~2% |
司法書士への報酬 | 司法書士による登記手続きに必要な報酬 | 1万円~13万円前後 |
固定資産税清算金および都市計画税清算金 | 固定資産税や都市計画税の清算金 | 固定資産税評価額の6分の1×1.4%(標準税率)の日割り金額 |
修繕積立基金 | 新築マンションの引き渡し時に必要な、修繕費用の積立金 | 20万円~40万円ほど |
仲介手数料 | 物件の売買を仲介する不動産会社などに支払う費用 | 物件価格×3%+6万円+消費税 |
住宅購入費
最も大きな割合を占めるのが、住宅購入費です。購入時に頭金として購入価格の1~2割程度を現金で、残りを住宅ローンで支払うケースが一般的です。
住宅金融支援機構の「2018年度 フラット35利用者調査」を基に、頭金の額とその割合の平均を見てみましょう。
【住宅購入費の頭金の額と割合(融資区分別)】
| 平均の頭金の額(万円) | 住宅購入費用に対する頭金の割合 |
|---|---|---|
注文住宅 | 636.5 | 18.7% |
土地付き注文住宅 | 447.0 | 10.9% |
建売住宅 | 293.2 | 8.5% |
マンション | 714.1 | 16.1% |
中古一戸建て | 203.0 | 8.2% |
中古マンション | 310.5 | 10.4% |
購入する住宅の種類にもよりますが、住宅購入費用の1~2割の頭金を用意するのが平均的であることが分かります。
住宅の購入時には、住宅購入費用と諸費用を考慮したうえで、現金を用意しておくと安心でしょう。
住宅購入後の維持費
住宅を購入する際には、購入時の費用だけでなく購入後の維持費も考慮しておく必要があります。維持費は一戸建ての場合とマンションの場合で異なります。
マンションの場合には、修繕積立金という形で毎月維持費がかかります。たとえば、最初は5,000円でも、5年ごとに5,000円ずつ値上がりし、20年後は毎月2万5,000円になるといったケースもあります。
また、固定資産税もかかりますし、駐車場を借りる場合は駐車場代も必要です。そのほかにも、マンションの専有部分のリフォーム代がいずれ必要になります。
そのため、都内のマンションなら、年間50万円程度は用意する必要があるでしょう。
一戸建ての場合には、マンションのように積立金として徴収されることはありません。しかし、いずれ外壁工事やバリアフリー工事をしたいのであれば、自分で住宅の維持費を積み立てておく必要があります。
マンションとは違い、リフォームをいつ行うのか、どれくらいの費用をかけるのかなどを、すべて自分で計画しなければなりません。
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家の購入に必要な貯金額はいくら?

では、家を購入する際に必要な貯金額はいくらなのでしょうか? 購入する家の価格によっても異なりますが、少なくとも上記で紹介した諸経費と頭金は用意しておくと安心です。
たとえば、3,000万円の一戸建てを購入する場合について考えてみましょう。
すでに説明したとおり、諸経費は180万円~270万円程度、頭金は300万円~600万円程度。そのため、合わせた480万円~870万円程度の貯金を用意しておくといいでしょう。
余裕がある場合は頭金を増やすことも検討しよう
余裕がある場合は、頭金を増やすことを検討してみましょう。頭金を増やせば借入金額を減らせるので、その分返済額を減らせるからです。
返済額が減れば、ローンの返済計画に余裕が生まれます。頭金をどれくらい用意すれば余裕を持った返済計画にできるのかを、しっかり検討しましょう。
頭金が用意できない場合はフルローンを組むことも可能
頭金を用意できない場合、頭金なしのフルローンを組むことも可能です。ただし、フルローンの場合、いくつかのリスクを理解しておく必要があります。
1つ目のリスクは、住宅ローンの審査が通りにくくなることです。頭金がない場合、頭金ありの場合と比べると審査を通るのが難しいといわれています。
通常、住宅ローンは家や土地に銀行の抵当権が設定され、ローンが払えない場合は銀行が物件を売却することになっています。
しかし、頭金なしだとローンの残高が多くなり、売却してもローン返済できない可能性が高まります。そのため、審査に通りにくいのです。
2つ目は、総返済額が増えてしまうというリスクです。頭金なしだと借入額が大きくなるため利息額も増え、返済の負担が大きくなってしまいます。
ただ、近年は諸費用まで貸してくれて、物件価格以上の借り入れができる(オーバーローン)金融機関も増えています。気になる人はそちらもチェックしてみてください。

すべて使うのはNG! 家の購入後に残しておくべき貯金額
頭金を増やすと返済額を減らすことができ、返済計画に余裕が生まれます。しかし、頭金を確保することにとらわれすぎて、購入後に貯金額がゼロになるのは避けたほうがいいでしょう。
なぜなら、住宅の購入後も、生活費はもちろん、子どもの教育費、車の購入費用、車検代などがかかるからです。ですから、家の購入後も、ある程度の貯金を残しておく必要があります。
具体的には、最低でも今かかっている生活費の6ヶ月分程度は確保しておきましょう。
「家賃を払いながら頭金をためる」と「フルローンを組む」はどっちがいい?

住宅を購入する際には、「家賃を払いながら頭金をためる」と「フルローンを組む」という2種類の方法がありますが、結局どちらがいいのでしょうか?
結論からいうと、条件次第でどちらがいいのかは変わるので、それぞれの条件で正しくシミュレーションすることが大事です。
ここでは2つのケースについて、LIFULL HOME’Sの住宅ローンシミュレーターを使い、総支払額から考えてみましょう。
「3,000万円の住宅を購入し、全期間固定金利1.5%の住宅ローンを利用する前提」でシミュレーションをしてみます。
A:5年間で頭金600万円貯金し、家賃は月8万円 → 30年ローンで2,400万円借りる
B:貯金せずに頭金ゼロでフルローン → 35年ローンで3,000万円借りる
| A.頭金600万円 | B.頭金ゼロ |
|---|---|---|
借入額 | 2,400万円 | 3,000万円 |
毎月の返済額 | 7万3,484円 | 9万1,855円 |
総返済額 | 3,086万3,392円 | 3,857万9,239円 |
借り入れ前にかかった金額 | 1,096万円 ・頭金:600万円 ・5年分の家賃:480万円 ・2年に一度の更新料(2回分):16万円 | 0円 |
必要な総額 | 4,182万3,392円 | 3,857万9,239円 |
シミュレーションした結果、必要な総額はAの頭金を用意するほうが325万円ほど高くなっています。頭金を貯金する期間に支払った、家賃の負担が大きかったことが分かります。
もちろん、金利や借入額、返済年数、家賃、貯金期間など、条件が変わればどちらが得なのかも変わります。
そのため、頭金をためたほうがいい、フルローンのほうがいいなどとは一概にいえません。それぞれのケースでシミュレーションすることが重要なのです。
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購入への悩みがあるなら専門家に相談するという手も

家を購入する際にどのようにローンを組めばいいかお悩みの人は、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。
FPはそれぞれの収入や支出に応じた無理のないローン返済計画について、相談に乗ってくれます。
LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」なら、経験豊富なアドバイザーから具体的なアドバイスをもらえるほか、提携しているFPを紹介してもらうことも可能です。
「家を買うのは初めてなので、何から考えたらいいか分からない」「お金のことだけでなく、住まいのこと全般を相談したい」などという人は、無料で利用できるLIFULL HOME’S「住まいの窓口」を利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ
マイホームを購入する際には、購入価格の1~2割程度の頭金が必要といわれています。また家の維持費など購入後に必要な経費もあります。
家を購入する前に、購入時や購入後に必要な費用を調べて、どれくらい貯金しておくべきか、返済計画はどうするかなどを十分検討しておきましょう。
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よくある質問
Q1:家の購入には、物件価格以外にどんな費用がかかりますか?
A1:家の購入時には、物件価格以外に「諸費用」と「維持費」がかかります。諸費用は、一戸建てで物件価格の6~9%、マンションで3~6%が目安とされており、印紙税や不動産取得税、仲介手数料などが含まれます。また、購入後には固定資産税や、マンションであれば修繕積立金、一戸建てであれば将来的なリフォーム費用などの維持費がかかります。
Q2:頭金はどのくらい用意すればいいですか?
A2:頭金は、住宅購入費の1~2割程度を用意するのが一般的です。たとえば3,000万円の一戸建ての場合、300万~600万円程度が目安となります。頭金を増やすことで住宅ローンの借入額を減らし、毎月の返済額や総返済額を抑えることができます。
Q3:頭金なしで家を購入することはできますか?
A3:はい、頭金なしのフルローンを組むことも可能です。ただし、頭金がある場合に比べて住宅ローンの審査が通りにくくなる傾向があります。また、借入額が大きくなるため、総返済額が増えるというリスクも理解しておく必要があります。
Q4:家の購入後も貯蓄は必要ですか?
A4:はい、家の購入後も貯蓄は非常に重要です。最低でも、現在の生活費の6ヶ月分程度の貯蓄は手元に残しておくことをおすすめします。住宅ローンの返済以外にも、子どもの教育費や車の購入・維持費など、予期せぬ出費に備えるためです。
Q5:頭金をためてから買うのと、フルローンで早く買うのはどちらが良いですか?
A5:どちらが良いかは、個々の状況によって異なります。記事のシミュレーションでは、頭金を600万円ためるのに5年間家賃を払い続けた場合、フルローンで早く購入するよりも総額が高くなるケースが示されています。金利や借入額、返済年数、家賃、貯蓄期間など、さまざまな条件によって結果が変わるため、ご自身の状況に合わせてシミュレーションを行うことが重要です。
Q6:家の購入や資金計画について相談したい場合、どこに相談すればいいですか?
A6:住宅購入や資金計画について悩んでいる場合は、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。FPは、収入や支出に応じた無理のないローン返済計画についてアドバイスをしてくれます。LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」では、経験豊富なアドバイザーに無料で相談できるほか、提携のFPを紹介してもらうことも可能です。
更新日: / 公開日:2020.09.11










