家を購入する際には、物件価格だけではなくその他もろもろの費用もかかりますが、多くの場合、この初期費用は現金で支払わなくてはなりません。

マンションや一戸建てなど、物件の種類によって初期費用も変わってきます。初期費用がどのくらいかかるのか、事前にシミュレーションしておきましょう。

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不動産の初期費用

 

家を購入する際に必要となる初期費用の内訳は、「頭金」と「住宅購入にかかる諸費用」という2つに大きく分けられます。

 

これら2つの初期費用は、基本的に住宅ローンの借入額には含まれず、現金で支払うことになりますのでご注意ください。

 

家を購入する際に、物件価格の一部を現金で最初に支払う分を「頭金」といいます。その相場は、物件価格の10~20%が一般的です。

 

住宅購入では、頭金の他に、住宅ローンを組む際の費用、不動産取得にかかわる費用などさまざまな諸費用も発生します。

 

この諸費用の相場は、注文住宅や新築マンションでは物件価格の3~6%、新築・中古一戸建てや中古マンションでは6~9%が一般的です。

 

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住宅購入にかかる初期費用のうち諸費用については、「不動産取得にかかる費用」「住宅ローン契約にかかる費用」「その他の費用」という3種類に分けられます。

 

住宅種別ごとに1つずつ見てきましょう。

 

土地や住宅など不動産を購入すると、不動産取得に関する以下のような費用がかかります。

 新築マンション新築一戸建て
(建売住宅・注文住宅)
中古マンション中古一戸建て
申込証拠金××
手付金
仲介手数料×
不動産取得税
固定資産税・
都市計画税
印紙税
登録免許税・
司法書士費用

申込証拠金

 

基本的に、新築物件の購入申し込みをする際にのみかかるお金です。2~10万円前後を、売買契約前に支払います。

 

申込証拠金の取扱いですが、申し込みをキャンセルした場合は買主へ返金され、契約成立時には次に説明する「手付金」の一部に充当されます。

 

手付金

 

買主が売主へ「購入の意思」を示すために支払うお金で、のちに購入価格の一部に充当されます。

 

売買契約の成立時に物件価格の5~10%を現金で支払うことが多いですが、最終的には、売主・買主の協議によってその割合が決められます。売買契約後にキャンセルした場合は返金されません。

 

仲介手数料

 

主に中古住宅購入の際に、仲介役となる不動産会社へ支払うお礼金です。仲介手数料の相場については、法律上の上限額をそのまま適用する会社がほとんどです。

 

売買価格が800万円超の物件では「売買価格×3%+6万円+消費税」が仲介手数料の上限となります。一方、売買価格が800万円以下の物件の場合は、2024年7月1日の制度拡充に伴い「低廉な空家等の媒介特例」が適用され、「一律30万円+消費税」が上限となります。

 

不動産取得税

 

不動産を所持することになったときに1回のみ課税される地方税です。

 

相場は「固定資産税評価額の3~4%」が目安となっていて、その割合は取得年月日により異なります。一定の条件下では、2027年3月までの税額軽減措置の適用となります。

 

固定資産税・都市計画税

 

毎年1月1日時点の不動産所有者に課税される税金です。不動産の所有者が途中で変わった場合は、日割相当額を買主が売主へ支払うケースがほとんどでしょう。

 

土地については、200m2以下の部分について評価額が1/6に減額される措置もあります。

  • (固定資産税評価額÷6×1.4%)を日割り計算した金額=固定資産税額の目安
  • (固定資産税×0.3%)を日割り計算した金額=都市計画税額の目安

印紙税

 

売買契約書に印紙を添付して支払う税金で、売買価格によって税額が変わります。物件価格が1,000万円超5,000万円以下の場合、印紙税額は2万円です。ただし、2027年3月末までは軽減措置により印紙税額は1万円となります。

 

登録免許税・司法書士費用

 

登録免許税は、不動産の所有権を移転登記する際に支払う税金です。

 

移転登記の手続きについてはその道のプロである司法書士に依頼することが多く、その際には司法書士へ支払う事務代行料もかかります。

 

中古マンションを購入して所有権移転登記をする場合、土地と建物の税額目安はそれぞれ「固定資産税評価額×2%」です。ただし、土地は2026年3月末まで、建物は2027年3月末まで軽減措置の対象となります。

 

また、ネット銀行の中にはローン保証料が無料の代わりに、高い事務手数料を設定しているところもあります。

 

家を購入するとき、ほとんどの方が住宅ローンを利用するでしょう。家を現金購入する際には関係ありませんが、住宅ローンを利用する場合は以下のような費用も必要です。

 新築マンション新築一戸建て
(建売住宅・注文住宅)
中古マンション中古一戸建て
住宅ローン借入費用
保証料
各種保険料
印紙税
登録免許税・司法書士費用

住宅ローン借入費用

 

住宅ローンの契約を結ぶときに、ほとんどの場合で金融機関へ事務手数料(借入額×1~3%)を支払います。また、フラット35を利用する際には、物件調査手数料(4~8万円ほど)もかかります。

 

保証料

 

住宅ローンの返済がスムーズにいかなくなった場合に、返済を保証会社が肩代わりしてくれるのが「住宅ローン保証」です。借入額の約0.5%~2%の金額を、保証会社へ一括または分割で支払います。

 

また、ネット銀行の中にはローン保証料が無料の代わりに、高い事務手数料を設定しているところもあります。

 

各種保険料

 

住宅ローンの契約では、火災保険・団体信用生命保険への加入が条件となっている場合がほとんどです。

 

契約期間は一般的に1~10年、火災保険料の目安は10年一括契約で15~40万円となっています。

 

団体信用生命保険料は、多くの場合ローン金利に含まれています。他に、地震保険に加入する場合もあります。

 

印紙税

 

住宅購入の売買契約時に加え、住宅ローンを利用する際はローンの契約時にも印紙税を支払わなくてはなりません。

 

印紙税額の税率は契約書に記載の金額により異なりますが、売買契約書と同様、契約価格が1,000万円超5,000万円以下の場合は2万円です。ただし、軽減措置はありません。

 

登録免許税・司法書士費用

 

住宅ローンを利用する場合にも、抵当権の設定で移転登記が必要です。

 

登録免許税額は本則「借入額×0.4%」となりますが、2027年3月末までは軽減措置の適用を受けられます。また、司法書士へ依頼する場合は、その費用(借入額×4~8万円ほど)も再度かかります。

 

主に新築一戸建てや新築マンションを購入した場合は、以下のような費用がプラスされます。

 新築マンション新築一戸建て
(建売住宅・注文住宅)
中古マンション中古一戸建て
修繕積立基金×××
地盤調査費・
改良工事費
×××
地鎮祭・上棟式にかかる費用×××
水道負担金×××

修繕積立基金

 

新築マンションの購入に際して、共用部分の大規模修繕工事費用の積立基金を設立するための前払い金が「修繕積立基金」となります。

 

金額の目安は数十万円で、専有面積に比例して高くなります。入居後に毎月支払う修繕積立金とは別のものです。

 

地盤調査費・改良工事費

 

新築一戸建てを建てる際にかかる費用です。地盤を調査して、地盤が弱い場合は改良工事を施します。

 

地盤調査費の相場は10万円前後で、地盤改良工事の費用はさまざまとなっています。

 

地鎮祭・上棟式にかかる費用

 

地鎮祭は土地の神様に工事の無事を祈るもので、上棟式は棟上げまで無事に行われたお祝いです。こちらも新築一戸建てを建てる際にかかる費用ですが、施主の希望で行わない場合もあります。

 

水道負担金

 

新築で注文住宅や建売住宅を購入する際に、上下水道の水道管を道路から引き込んで設置する費用を負担します。相場は自治体によりますが、数十万円支払うこともあります。

 

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不動産とお金イメージ

家を購入する際の初期費用を、できるだけ抑えたいという人も多いでしょう。今回ご紹介した中で安くすることが可能なのは、仲介手数料と各種保険料でしょう。

 

不動産会社へ支払う仲介手数料には、法律で上限が設定されています。

 

800万円超の物件では「物件価格×3%+6万円+消費税」が仲介手数料の上限となっていますので、この上限以下で売主と協議することが可能です。

 

また、仲介を挟まずに売主から直接物件を購入、あるいは新築マンションをデベロッパー(不動産開発会社)から購入する場合には、仲介手数料が発生しません。

 

火災保険料は月払い・年払い・10年間一括払いなど、支払い方法が選べます。10年間一括払いにすれば、払込保険料の総額をかなり節約できます。

 

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住宅ローンの多くでは借入金の用途を物件価格のみに制限していますが、中には初期費用にも利用できる住宅ローンもあります。
 
諸費用込みで組める住宅ローンを設定している金融機関(例)

ネット銀行イオン銀行
auじぶん銀行

楽天銀行(金利選択型)

ジャパンネット銀行
大手銀行みずほ銀行
三菱東京UFJ銀行

ただし、オーバーローンという形になることから、金利が高くなったり、物件を売却しづらくなってしまったりというリスクもありますので、利用する場合は十分な検討が必要でしょう。

 

家を購入するときにかかる初期費用は、現金購入の場合と、住宅ローンを利用する場合とで大きく変わってきます。

 

オーバーローンという形も可能ですが、節約のためにも、できれば頭金+初期費用分の現金を準備してから住宅ローンを申し込むのがよいでしょう。

 

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更新日: / 公開日:2020.09.03