結婚や子どもの誕生などを機にマイホーム取得を考える人は少なくありません。
しかし、外観や間取りなどマイホームそのものに対するイメージは描きやすくても、住宅取得にかかわる費用はなかなか想像がつかない人が多いようです。
住宅購入にかかる諸費用はいくらぐらいか、自分が安心して買える物件価格は何千万円なのか、心配なことも多いでしょう。
そこで、この記事では、現在の家計から考えられる住宅購入可能額や諸費用のこと、無理のない毎月返済額を決めていくための住宅ローンシミュレーターの使いこなし術をまとめました。
住宅購入予算を決めずに物件を見にいくと、身の丈を超えた住宅ローンを組んでしまう可能性も出てきます。
これから住宅取得を目指す人、物件巡りをしていて資金計画や住宅ローンに不安のある人はぜひご一読ください。
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住宅ローン、いくら借りるべき?

マイホームは人生でもっとも高い買い物といっても過言ではありません。
実際に、購入物件を決める前後に筆者のところへ家計相談にお越しいただくことがありますが、相談者の不安は大きく分けて次の2つがあるようです。
ひとつは、購入したい物件の価格がわが家に見合っているかどうか。もうひとつは、住宅ローンの毎月返済額に無理がなく、ちゃんと完済できるかどうかです。
まず、手元資金や家計収支を踏まえて物件予算を決めます。そのうえで、予算を念頭に物件選びを進めていくのが理想的な流れですが、現実は逆のケースになりがちです。
その結果、気に入った物件価格から住宅ローンを計算した際、「返していけるのだろうか」と不安を感じることに……。
賃貸暮らしの人は、現在の家賃・管理費・駐車場代を基準に住宅ローンの毎月返済額を決める場合が少なくありません。
けれど、いわゆる「家賃並み」の住宅ローンであっても、住み替え後の家計を圧迫してしまうことがあります。
住宅購入後にかかる税金や将来の修繕費用、部屋数が増えたことで光熱費が上がるなど、賃貸住宅では考えられなかった出費があるからです。
そのため今の家賃をベースに毎月返済額、物件予算を決めることはおすすめできません。
とくに、30歳を過ぎて借入期間35年の住宅ローンを組もうとしている人は要注意です。なぜなら、住宅ローンの完済が定年後になってしまう可能性が高いからです。
定年後に退職金で住宅ローンを完済すればいいと考える人が多いのですが、何十年後の退職金が現状どおりかどうかはわかりませんよね。
仮に現状どおりであったとして、老後を過ごす虎の子のお金、退職金を減らすことで老後の生活が立ち行かなくなる危険性があります。
頭金ゼロで変動金利タイプの住宅ローンを組もうとする人も、綿密なシミュレーションが必須です。
なぜなら、借入金利がこの先上昇した場合、住宅ローンの残高によっては毎月返済額が一気に1万円以上アップする可能性があるからです。
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住宅ローンのシミュレーションをするのに必要な項目
住宅ローンのシミュレーションをする際、目安程度のシミュレーションでいいのか、それとも繰り上げ返済や諸費用も含めた精緻な数字が欲しいのかで少し異なりますが、次に挙げる項目がおおむね必要です。
購入可能な物件価格を調べたいとき
- 額面(税込み)年収(直近年度の源泉徴収票または確定申告の控えで確認)
- 年齢(ローン完済時の年齢に制限があるため)
- 希望する毎月返済額、ボーナス時返済額
- 借入期間
- 借入時金利
上の項目に加えて、
物件価格から返済プランを立てたいとき
物件価格
頭金
諸費用(仲介費用など売買契約時に必要な費用と住宅ローンを借りるときに必要な費用、火災保険の保険料など)
金利(変動金利プランであれば、当初金利に加えて期間経過後の想定金利も)
繰り上げ返済額・実行時期
などを決めます。
実際の住宅ローン融資の金利はこの時点ではわかりませんので、いったんは金融機関ホームページで得られた最優遇金利でかまいません。
諸費用もピンとこないと思いますので、新築物件の場合は物件価格の2~5%、中古物件であれば5~10%の少し多めで、切りのいい数字を入れておき、具体的な金額がわかったら再シミュレーションすればよいでしょう。
一般的に返済期間が長くなるほど、月々の返済額は少なくなりますが、総返済額は増えます。また返済期間が短いと年間返済額が上がり、その分、融資審査が厳しくなることがあります。
実際に購入可能な物件価格をシミュレーションしてみよう

これから住宅購入を考えるなら、まずは購入可能な物件価格を把握することが重要です。購入可能な物件価格の試算をしてみましょう。
今回使ったのはこちらのシミュレーターです。
> 購入可能な物件価格を調べたいとき
> 物件価格から返済プランを立てたいとき
たとえば、額面年収が650万円の35歳会社員が、今の家賃より1万円低い8万円を毎月返済額として想定(ボーナス返済なし)。※頭金は300万円の想定
住宅ローンの借入期間は35年で、借入金利は全期間固定金利の最多金利1.29%(※)で計算してみます。
※ 新機構団信付きの【フラット35】の最多金利(2019年5月筆者調べ)
上記ケースでの借入限度額は2,703万円。また購入目安額は、
新築物件 2,895万円
中古物件 2,759万円
となりました。
この予算を元に、資金にゆとりをもてるよう、この金額マイナス100万円を物件購入予算として物件のネット検索や住宅展示場巡りをスタートすると、物件の絞り込みもスムーズで家選びが楽になるのではないでしょうか。
もちろん、金利プランによって購入予算は変わります。金利が高くなれば購入予算は小さくなるからです。ただ、最初は固定金利で、購入物件予算を見積もることをおすすめします。
固定金利で決めた購入予算で、じっくり物件を探すことにはメリットがあります。
たとえば、時間をかけて探す間にボーナスなどを貯めて頭金を増やせますし、予算オーバーの物件が気に入ったときも、頭金を増やす、金利プランを変更して変動金利とのミックスプランにするなど、毎月返済額をあまり変えずに資金計画することも可能です。
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金利プランを変えてシミュレーションをしてみよう

条件を変えて住宅ローンのシミュレーションをしていくと、物件購入予算だけでなく、将来の返済イメージも明確になってきます。
たとえば、3,000万円の物件を頭金ゼロで住宅ローンを組むにしても、金利プランが変われば、当然毎月返済額が変わります。
例えば3年固定金利と全期間固定金利で比較をしてみましょう。
3年固定金利の場合、当初毎月返済額=7万6,557円、それ以降は10万4,451 円と、返済額は2万円以上アップします。
一方、全期間固定金利の場合はずっと8万8,801円です。将来の金利は誰にもわかりませんが、前提条件を変えてシミュレーションをすることで、マイホーム取得後の生活をイメージしてみましょう。
前提条件 ※諸費用別
35歳会社員
頭金ゼロ 借入額3,000万円 借入期間35年 ボーナス払いなし
1)3年固定金利・・・当初金利0.4%、当初期間以降の金利2.5%
2)全期間固定金利・・・当初金利1.29%
定年後の住宅ローン完済がどうしても嫌であれば、借入期間を1年ずつ短くしていき、毎月返済額がどのあたりまで返せそうかシミュレーションしてみることもできます。
全期間固定金利の代表選手である【フラット35】は、借入期間が20年超かそれ以下かで金利が変わります。毎月の返済額次第ですが、20年と35年のシミュレーション比較もやってみてはいかがでしょうか。
また、頭金ゼロ・変動金利で住宅ローンの借り入れを考えている人は、将来の金利上昇に備えて貯蓄を積み増しておきましょう。
たとえば「住宅ローン減税期間が終わる翌年からボーナスで100万円ずつ毎年繰り上げ返済する」といった返済計画を最初に練り上げておくと、貯めるモチベーションも継続しやすいはず。
繰り上げ返済を組み入れたシミュレーションにもチャレンジしてみてください。
家探しも佳境に入り、ある程度物件価格が固まってきたら、金融機関のシミュレーションページも利用してみましょう。
金融機関サイトのシミュレーションでは借入する際の諸費用を一緒に計算してくれることが多いので、住宅資金全体を考える役に立ちます。
まとめ

物件選びから始めてしまいがちな住宅購入計画。しかし、何十年もの借金である住宅ローンにおいては、優先すべきは「借りられる」より、安心して「返せる」ことです。
最初にいくらの物件を買うかで、大げさではなくその後の人生が変わります。
住宅ローン借り入れ後の家計を見据えてしっかりと、諸費用や手元資金と相談しながら入念にシミュレーションすることをおすすめします。
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更新日: / 公開日:2019.06.06










