「きれいなビーチのある海の近くで暮らしたい」「広い空と日々変化する夕日、海沿いの散歩やビーチでバーベキューを楽しみたい」そんな思いがあるけれど、実際のところ海の近くに住むってどうなのだろう?
東京から地方に移住し、海のそばの家を手に入れた私が、幸せな海のある暮らしを実現したプロセスや自邸のリノベーション、そして暮らして感じる日常の現実を紹介します。
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憧れていた海のある暮らしをかなえよう
現在、毎日がバケーションのような環境で暮らしている私ですが、東京で生活していた30歳までは、将来きれいなビーチの近くに自分の家を手に入れるなんて夢にも思っていませんでした。
初めての土地で、知り合いなし、職なし、金なし、コネなしでスタートした私が、夢のような海のある暮らしをどのように実現させたのか、実体験を紹介します。
東京から海が日常にある地方へ移住

近所のビーチ
31歳のときに旅をして回った愛媛が気に入り、「こんなきれいな海の近くに住みたい」と移住しました。
満員電車から解放され、高層ビルやアスファルトに囲まれた大都市を離れ、空が広く、海や山が日常にある、アウトドア好きにとってはパラダイスのような場所です。
私が移住したのは10年以上前のことですが、最近では移住のハードルも下がり、「豊かな環境で暮らす」ことが実現しやすくなっています。
理想とする暮らしを思い描くところからすべてが始まる
春はピクニック、夏はビーチ遊び、秋はキャンプ、そして冬は温泉。思い描いていた理想の暮らしが移住によって現実になりました。ただし「理想の住居」を手に入れるまでには時間がかかりました。
土地勘もなく知り合いもいなかったので、まずは賃貸からスタート。何度か場所を変えて賃貸生活をする中で、近所の人たちや周辺環境を知ることができただけでなく、自分が理想とする住まいについても具体的になってきました。
移住後に建築設計の仕事に就き、日々家づくりに携わることで、豊かな暮らしについて考え続けることになりました。
おすすめプロセス
- 理想とする暮らしを具体的に思い描く
- 理想に近い環境に移住してみる
- 賃貸生活からスタートし、周辺環境や近所の人たちとの関わりを学ぶ
- 理想とする住まいが明確になってから不動産を手に入れる
賃貸派だった私が持ち家派に!?

庭に面するLDK
実を言うと、私は長い間、賃貸派でした。土地に縛られない自由を優先させてきたからです。
ところが賃貸物件では良質の空間が手に入らないことに耐えがたくなってきました。豊かな住まいを考えたときに、どんな空間で毎日を過ごすかは、とても重要になります。
建材の質とその空間がつくりだす空気、無垢材の温かさ、庭があって土いじりができるスペース、そして長期にわたる健康への影響…。自分の家を手に入れたい思いが強くなっていきました。
そこで視点を変えることにしました。
「家を手に入れても自由を確保できればいいんだ」
新築より中古リノベーションを選んだ訳
理想の住まいが明確になり、自由に対する考え方を変えてから、手持ちの予算の範囲内でリノベーションをする前提で中古住宅を探しました。
新築ではなく、古い家をリノベーションすることにしたその理由は、次のようなものでした。
- 不安定な自営業のため、ローンが組めない可能性が高く、費用を抑えたかった
- 撤去して新たに建てるよりもかなり費用を抑えられる
- 新築と違って一度にすべてを工事する必要がない
- 固定資産税が安いまま(改装では税率は上がらない)
- 暮らしながらのDIYも楽しめる
もし都会なら、最高のロケーションで敷地にも余裕がある一戸建て住宅を購入することは実現できなかったでしょう。
地方だったからこそ、海のそばに中古住宅付きの土地を手に入れることができたのです。
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リノベーション一挙公開
私とパートナーと2匹の猫が暮らしている家の間取り、そして実際のリノベーションの様子を紹介します。

間取り図
こちらが海のそばにある築53年の中古住宅付きの敷地とリノベーション後の間取り。
敷地面積は約300平米、木造2階建て住宅の延床面積124平米。

リノベーション後のリビングから庭を見る
海を背にしていることからオーシャンビューではないですが、海までは徒歩10秒という近さで、LDKからは常に庭が眺められる、いいところ取りの家なのです。
リノベーションで検討すべきポイント

工事完成後
リノベーションで検討すべき点を5つ挙げてみます。
- テーマを決め、予算内で何を優先するかを明確にしよう
- 屋根裏の雨漏り、床下の劣化具合を確認しよう
- 築30年以上たっていたら、電気配線と水道配管は取り替えよう
- プロの職人さんに依頼する工事とDIYを分けて計画しよう
- 素材選びは健康と気持ちに影響を及ぼすので慎重に
わが家のリノベーションのテーマは「環境を汚さない土に還る素材でつくる」でした。 素材と空間の質は譲れない点でしたが、工事範囲は予算に合わせて柔軟に対応しました。
つくる過程もとことん楽しもう
私がリノベーションを選んだ大きな理由のひとつが、つくる過程を自ら関わって楽しみたかったから。メインとなる部屋に集中して予算を投入し、そのほかの部屋はDIYを楽しむことにしました。

解体後
和室2部屋をつなげてLDKにするために天井や床を解体し、電気配線と水道配管はこの機会にすべて刷新しました。

工事の様子
天井や壁、床の仕上げ材が自然素材なのはもちろん、建具や造作家具にも無垢材のみを使用しました。

フローリング張り
フローリングは厚さ30mmの杉板。断熱材の代わりに空気層をとることで断熱効果を出しました。

しっくい塗りDIY
壁下地は石こうボードではなくモイス(MOISS)という土に還るボードを使用。しっくい塗りはDIYで挑戦しました。

建具工事
建具はすべて無垢材で建具屋さんに依頼しました。

ガラス工事
ガラスは遮熱タイプのLow-E複層ガラスを採用し、省エネ効果だけでなく、昼間に外から家の中が見えにくくなりました。

家具工事
キッチンやカウンター、デスクも大工さんに造作してもらいました。

家具工事
こちらはヒノキを使ってつくった書斎コーナー。

エントランス
エントランスは手を入れすぎず、古い壁や天井を残しました。
古い日本家屋がここまで変わる! 驚きのBefore・After
築53年のありきたりな日本家屋がここまで快適に変わる!「古い家は住みにくい」を覆すリノベーションのBefore・Afterをご覧ください。

リビング1 Before

リビング1 After

リビング2 Before

リビング2 After

キッチン Before

キッチンAfter

リビング3 Before

リビング3 After
「海の近くで暮らしたい」をかなえてみた現実は?
リノベーションが終わり、生活が落ち着いてから季節がめぐりました。デメリットも検討しつつ、日々の暮らしの現実をお届けします。
こんなにも幸福度UP! 海のある日常生活
「毎日がバケーションみたいだね」。引越しをしてから海沿いをパートナーと散歩するたびに、口にしてしまうセリフです。
言葉での説明より、説得力のある日常風景の写真をご覧ください。

近所の海辺の散歩コース
満員電車で通勤していた東京での日々を思うと、この環境が日常だなんて夢のようです。

散歩のついでにちょっと泳ごう、と海に入るパートナー

家族や友人とのバーベキュー
海の近くに住むデメリットは?
田舎で不便なのでは
穏やかできれいな瀬戸内海のビーチが広がる環境にありながら、愛媛県松山市の郊外にあるわが家は、JRの最寄り駅やスーパーまで徒歩圏内。
コンビニやドラッグストアも何軒もあり、生活で困ることはありません。瀬戸内海は人が少ないので、プライベートビーチのように独占できるビーチが数多くあります。
台風時の強風は
海の近くの家といえば、心配なのは台風時の暴風雨。でも場所によって状況は大きく変わります。
同じ四国でも高知の太平洋沿いは、台風の被害が大きいことで有名ですが、ここ愛媛県の瀬戸内海は、波も穏やかで台風の被害もめったにありません。

海を背にしたわが家を庭から見る
海が見える土地にありながらも、一つ裏手で海を背にしているわが家。海からの強い風が遮られているため、風の強さはかなり緩和されます。車も直接潮をかぶることがありません。
オーシャンビューが譲れないポイントでなければ、強風を緩和できる一つ裏手もありですね。
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本当の豊かさを考えたときに

わが家の食事風景
暮らしの豊かさは、「家」だけでなく、「周囲の環境」も含めて考える必要があります。
住環境が与える幸せな気持ち
どんなにお金をかけてこだわった家であっても、窓からの景色が隣家の外壁だったり、道路が近く通行人の目が気になったりする場合には、カーテンを閉めて過ごすことになります。
一方、窓の景色が海や庭の木々で、青い空や移り変わる景色を感じられるとしたら、日々の幸福度に大きく貢献してくれるでしょう。
また、交通量の多い道に面していて、人工物ばかりで自然に触れることがない環境では、子どもを近所で遊ばせることに心配な一面も。

夕日
家の外へ一歩出ると、夕日を見ながら海沿いを散歩できる…そんな環境で生活できたら、日々の幸福度は確実に上がるでしょう。
幸せな家づくりは「空間の質」が決め手

山桜の無垢材でつくったキッチン
キッチンの性能や収納の多さ、クロスの柄や掃除のしやすさにこだわる人は多いと思いますが、目に見えないけれど幸福度に大きな影響を与える空間の質も見逃すことはできません。
賃貸マンションやアパートでの生活で、合板のフローリング、ビニールクロスやクッションフロアに囲まれた住空間が当たり前だった私が、自然素材でリノベーションした空間で暮らしてみて変化したこと、気づいたことがあります。
- 空気がきれいで深呼吸したくなる
- 気持ちがゆったりする
- 調湿や消臭効果が高い
- 無垢材は時間を経ていい味となる
空気がよくて気持ちがゆったりするというのは、まさに幸せと直結しています。新建材は新しくできたときがピークですが、自然素材は年月を経て、いい味となり、愛着が湧くものです。
環境を変えると人生が変わる

近所の道の駅をパートナーと散歩(愛媛県松山市)
理想の生活を考え続け、海の近くに住みたいと地方へ移住し、ついには海のそばの家を手に入れました。私にとって海のある生活は、デメリットが思いつかないほど大きな恩恵を与えてくれています。
それはまさに長年考え続けてきた「心豊かな暮らし」です。皆さんもぜひ、理想の場所と住まいを思い描き、理想の現実を手に入れてください。
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