太陽光発電は、太陽の光を利用して発電する環境にやさしい設備です。住宅に設置をすれば、生み出した電力を自家利用することができるため、経済的なメリットも大きいとされています。

しかし、設置には高額な費用がかかるため、収支のバランスにきちんと目を向けておく必要があるのです。

今回は4人家族の場合を想定して、費用対効果のシミュレーションをしながら解説していきます。
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太陽光発電のある家

 

太陽光発電は、環境にやさしい点や停電しても電気が使えるといった長所とともに、経済的なメリットも備えています。ここでは、金銭面のメリットについて、大きく2つに分けて見ていきましょう。

 

太陽光発電をして得られた電力は、電力会社に売却をすることができます。売電価格は毎年変化しているものの、固定価格買取制度(FIT)を利用すれば、10年間は一定額で買い取ってもらえます。

 

この制度を利用すれば、収益を事前に予測することができるため、設置からコスト回収までの計算がしやすくなるのです。

 

太陽光発電で得られた電力は、自家利用することができます。電気料金は年々上昇しており、現在ではインターネットの普及により自宅で過ごす機会も増えていることから、自家発電できる設備があるのは大きな強みとなります。

 

また、発電と消費をセットで行うことで、家庭での節電意識が高まりやすい点もメリットといえるかもしれません。

太陽光発電の設置費用

 

太陽光発電の導入を検討する際には、収支のバランスを見極めるためにも、設置とメンテナンスの費用に目を向けることが大切です。ここでは、それぞれの費用の目安について見ていきましょう。

 

太陽光発電の設置費用は、設置件数の増加や部品の低価格化などにより、毎年安くなっています。

 

経済産業省の「調達価格等算定委員会」の資料(※)によれば、2020年時点、新築住宅への設置費用の平均は28.6万円/kW、既存住宅の場合は32.7万円/kWとされています。

 

一般的な住宅では、4~6kW程度の容量が目安であるため、平均的な設置費用は新築で110~170万円程度となるケースが多いです。

 

(※)経済産業省 「2020年11月27日 第63回 調達価格等算定委員会/資料1 太陽光発電について

 

メンテナンスについては、主に点検とパワーコンディショナーの入れ替えが中心となります。

 

経済産業省では4年に一度、機器の故障や発電力などを点検することが推奨されています。定期点検は無償で行ってもらえることもあるものの、有償の場合は1回あたり2万円程度が目安です。

 

また、パワーコンディショナーの交換時期は15年程度が目安であり、入れ替えには20万円ほどかかるのが一般的です。

 

2つを合計すると、およそ15年で30万円程度のメンテナンス費用がかかると考えられます。

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太陽光発電のある家

 

太陽光発電を設置する際には、いくつかの注意点にも目を向ける必要があります。ここでは、損をしないために押さえておくべきポイントを紹介します。

 

太陽光発電は、天候や屋根の形状などによって発電量が異なります。また、日照時間の短い冬場は発電量が少なくなるなど、シーズンごとの変動もあります。

 

そのため、収支の計算は1ヶ月単位ではなく、1年ごとに行うほうが適切だといえます。

 

通常、売電価格は設置費用から一定範囲の利益が生まれるように設定されるものです。そのため、設置費用が安くなっている現在では、売電価格も下降しています。

 

たとえば、固定価格買取制度の売電価格は、2012年度が10kW未満で42円/kWhとされていたのに対して、2020年度では21円/kWhまで減額されているのです。

 

そのため、収支を計算する際には、最新のデータをもとに行う必要があります。

 

一般的に、固定価格買取制度の期間が終了する11年目からは、それまでよりも売電価格が低下します。

 

売電価格自体が低くなっていることを踏まえると、より自家消費を中心に考える重要性が高まっているといえるのです。

 

発電した電力は、蓄電池を活用することで、一定期間にわたってためておくことができます。そのため、あらかじめ蓄電池の設置にも目を向けておくといいでしょう。

太陽光発電の費用対効果

 

ここでは、太陽光発電の設置費用をどのくらいの期間で回収できるのか、具体例を基にシミュレーションしてみましょう。

シミュレーションのモデルケース

 

シミュレーションを行うにあたり、まず以下の条件を設定します。

条件

  • 出力:5kW
  • 設置費用:130万円
  • 年間発電量:6,000kWh
  • 売電価格:FIT中21円/kWh、FIT終了後8円/kWh
  • 自家消費率:30%
  • 売電率:70%
  • 電力会社から購入した場合の電気代:27円/kWh
  • 4年に一度の点検費用:2万円
  • 15年に一度のパワーコンディショナー入れ替え:20万円

出力と設置費用、年間発電量は、一般的な家庭で設置するタイプをもとに計算しています。また、売電価格は2020年度の21円/kWhで設定し、固定期間終了後は8円/kWhまで落ちると想定しました。

 

電力の利用割合については、毎年6,000kWhのうち30%の1,800kWhを自家消費し、70%4,200kWhを売電すると仮定しています。すると、以下のようなシミュレーション結果となりました。

 

 

電気代節約金額

売電収入

金銭メリットの累計

メンテナンス費用

収支合計

設置時

 

 

 

 

-130万円

1年目

4万8,600円

8万8,200円

13万6,800円

-116万3,200円

4年目

4万8,600円

8万8,200円

54万7,200円

2万円

-77万2,800円

8年目

4万8,600円

8万8,200円

109万4,400円

2万円

-24万5,600円

10年目

4万8,600円

8万8,200円

136万8,000円

+2万8,000円

11年目

4万8,600円

3万3,600円

145万200円

+11万200円

12年目

4万8,600円

3万3,600円

153万2,400円

2万円

+17万2,400円

15年目

4万8,600円

3万3,600円

177万9,000円

20万円

+21万9,000円

 

このケースでは、4年に一度の定期点検と15年に一度のパワーコンディショナーの入れ替えを検討しても、収支はプラスになる結果に。

 

また、固定価格買取制度が終了する10年目には、設置費用を回収できることも分かります。

 

ただ、今回は損害保険料などのコストを換算せず、電気代の価格も一定であることを前提としています。あくまでもひとつのケースにすぎないため、実際に設置をするときには、より詳細に設定して計算しましょう。

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4人家族

 

平均的な4人家族の場合、太陽光発電だけで電気代をまかなうことは可能なのでしょうか? ここでは、先ほどのシミュレーションで利用した目安の数字を基に、具体的な計算を行います。

 

総務省統計局の家計調査(2020年)によれば、平均的な4人家族の電気代は年間14万1,828円とされています。

 

また、この金額をシミュレーションで使用した1kWhあたりの電気代で(27円/kWh)割ると、年間電力消費量は約5,252kWhとなります。

 

具体的な数字は、条件や立地などによって異なるものの、一般的に出力1kWあたり、年間約1,000~1,200kWhの発電量が得られるとされています。

 

そのため、出力4~5kW設備があれば、4人家族分の年間消費電力はまかなえる可能性が高いと考えられます。

 

ただ、発電量や消費量は季節ごとにバラつきがあり、まったく電力会社の供給電力を使わないと想定するのは現実的ではありません。あくまでも大幅な節約につながるという点を理解しておきましょう。

オール電化の家

 

年々設置費用が安くなっているといっても、太陽光発電の導入にはそれなりに費用がかかります。そのため、導入を検討するのであれば、よりメリットを生かせるような住宅づくりにも目を向けることが大切です。

 

ここでは、太陽光発電と相性の良い住宅として、「オール電化」と「ZEH住宅」の2点を紹介します。

 

オール電化とは、住宅にある生活家電をすべて電力によりまかなえるものにすることを指し、具体的にはこれまでガスを使用していたガスコンロをIHクッキングヒーターにし、ガス給湯器を電気温水器にすることなどを指します。

 

電力で家庭内の設備を動かせるため、太陽光発電と相性の良い仕組みとされているのです。主なメリットとしては「光熱費が節約できる」「災害時の復旧速度が速い」といったものが挙げられます。

 

ガスの基本料金がかからなくなるだけでなく、火災保険料が割引される可能性もあるなど、金銭的なメリットは大きなものがあります。

 

一方、使用できる調理・暖房器具が限定されてしまう点はデメリットです。また、導入には費用がかかるため、トータルコストを踏まえて判断することが大切です。

 

太陽光発電と相性の良い住宅には、ZEH住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)があります。

 

ZEHとは、高断熱などによって高い省エネルギー性が実現されたうえで、再生可能エネルギーを導入し、「年間のエネルギー消費量収支がゼロ」になることを目指した住宅のことです。

 

ZEH住宅として認定されれば、光熱費を抑えられるのはもちろん、政府から一定の補助金を受け取ることもできます。

 

新築に太陽光発電を導入する予定があるのであれば、住宅の性能にも目を向け、ZEH住宅の実現を検討するのもいいでしょう。

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太陽光発電のある家

 

  • 太陽光発電の金銭的メリットは、売電収入と電気代節約の2点
  • 売電価格は年々下降しているものの、固定価格買取制度によって10年間は一定になる
  • 設置費用とメンテナンス費用を考慮し、損をしないように導入を検討する必要がある
  • 一定以上の出力があれば、4人家族の電気代をまかなえるだけの電力が得られる
  • 太陽光発電と相性の良い住宅についても理解を深めておく
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