日本は世界でも有数の地震大国で、何度も大きな地震の被害に遭ってきました。そんな日本の住宅は、耐震構造や制震構造、免震構造など、地震に強い構造を採用しているものが多くなっています。
今回はその中でも免震構造に注目し、効果や注意点について詳しく解説していきます。地震に強い住まい選びの参考にしてみてください。
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免震構造とは

免震構造とは、建物と基礎の間に絶縁部材を入れた免震層をつくることで、地震によるダメージが直接建物に伝わらないようになっている構造のことです。実際の効果として、7割から8割もの揺れをカットできるといわれています。
耐震構造との違いは?
免震構造と似ている言葉として耐震構造が挙げられます。
耐震構造とは、柱や梁、耐力壁、筋交いなどを強化することで、建物自体の強度を高めて建物全体で地震に対抗する構造のことです。頑丈な柱や梁で建物自体が地震に耐えられるように考えられています。
一方、免震構造は上述のように、建物と基礎の間に積層ゴムなどの絶縁部材の層をつくることで建物の揺れを緩和し、倒壊を防ぐという構造です。
耐震構造と異なる点としては、建物自体が揺れないため家具や備品の転倒リスクが低くなり、室内への影響を減らせることが挙げられます。
免震構造の仕組み

免震構造は、免震装置「アイソレータ」と「ダンパー」で構成されています。それぞれ詳しく解説していきます。
アイソレータとは
アイソレータの役割は、周期が短く激しい揺れを長い周期の揺れに変えることです。アイソレータは、地震によって起きる建物の揺れをできるだけ減らすために、建物をゆっくり移動させて地震の力を軽減させる免震装置です。揺れの周期を長くするだけでなく、建物の重量を支える役割も同時に担っています。
ちなみにアイソレータには、「積層ゴムアイソレータ」「すべり支承」「転がり支承」などの種類があります。
ダンパーとは
ダンパーとは、アイソレータなどによって周期の長いゆっくりとした揺れに変わった建物をできるだけ早く止める役割を持つ免震装置です。
建物の基礎の上にあるアイソレータが、建物を支えながら働く免震装置であることに対して、ダンパーは揺れを吸収し建物を止める役割はありますが、土台として建物を支える役割は担っていません。
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免震構造の効果は以下のとおりです。
地震の揺れが直接住宅に伝わることを防ぐ
免震構造は地震の揺れが直接建物に伝わることを防いでくれます。建物と基礎の間にある免震装置が揺れを吸収し周期の長い揺れに変えてくれるので、建物本体にダメージが届きにくくなるのです。
耐震構造の場合、一度の地震は耐えられたとしても、その分のダメージは蓄積されてしまいます。その結果、震度7の地震には耐えられたのに、その後の震度4や震度5の地震に耐えられず、倒壊につながる可能性があります。
その点、免震構造は建物自体に直接ダメージが伝わりにくい仕組みのため、大きな地震が続いたとしても倒壊リスクは低くなります。
家具の転倒を防止する
免震構造は、地震による室内への影響も緩和するので、家具や備品の転倒を防止します。免震装置アイソレータによって揺れをゆっくりにして、建物に伝わる揺れを一定以下に抑え込めるため、室内への影響は少ないのです。
一方、耐震構造の場合は、強く大きな地震が発生したときに建物を倒壊させない可能性は高いのですが、室内への影響は免震構造ほど抑えられません。発生した地震に耐えることに特化した構造であるため、建物へのダメージは大きく、当然家具や備品の転倒リスクも高くなります。
家具や備品、家電などの転倒を防ぐことは、人が下敷きになったり家電の転倒により火災が発生したりという二次災害を同時に防ぐことにもつながります。大きな地震であればあるほど二次災害での被害の規模も大きくなるため、家具などの転倒を防ぐことは免震構造の持つ大きな役割だといえるでしょう。
免震構造を導入する際の3つの注意点

免震構造を導入する際の注意点を3つ紹介します。
導入・維持コストが高額
免震構造を導入する際はコストが高額なことに注意しなければなりません。免震構造は他の構造と比べても導入に高額なコストがかかります。立地条件などの要因によって細かい金額は変わってきますが、一戸建て住宅であれば工事費だけで300万円~500万円程度かかるのです。この高額なコストこそが免震構造の最大のデメリットだといえるでしょう。
また、免震構造は工事費だけでなくメンテナンスにも費用がかかります。免震装置には紹介したもの以外にもさまざまな種類があり、経年劣化の可能性を鑑みて耐用年数を確認しつつ、部品の交換や点検を定期的に行わなければなりません。
日本の住宅で、地震のダメージを大きく軽減できる免震構造よりも、耐震構造が採用されることが多い理由は、この高額な導入・維持コストの影響が大きいのです。
地震以外の自然災害には強くない
免震構造は台風や津波などの地震以外の自然災害には決して強くはありません。免震構造は仕組み上、建物と地面を絶縁しているため地震の影響は少ないのですが、台風などの強風の影響はそのまま受けてしまいます。
特に高層の免震住宅になると、強風時に建物が大きく揺れ、船に乗っているような揺れにすら感じることもあります。逆に言うと低層の免震構造の建物であれば、強風の影響をそこまで受けることはないでしょう。
地下室をつくれない
免震構造は免震装置を建物と基礎の間に設置することで成り立っているため、免震構造を採用した建物では基本的に地下室をつくることができません。
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今回は免震構造の仕組みについて詳しく解説してきました。高層マンションに住もうとしている人や、一戸建ての地震対策をどうするか考えている人などは、免震構造の特徴を知ったうえで検討してみてはいかがでしょうか。
免震構造の新築マンションを探す 地震に強い新築一戸建てを探す 耐震・免震・制震住宅の住宅カタログを探す更新日: / 公開日:2020.11.16










