「西日」(にしび)という言葉はあっても、他の方角には「日」がつく言葉はありません。それほど西から射す日差しは強力であり、特徴的ということかもしれません。そのため、玄関を西側に設けるとなると、少し不安がある…という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、西玄関の間取りにはメリットもあり、一概に「避けるべき」とは言えません。また、西日の強さは様々な方法で解消することもできます。今回は西玄関の間取りのメリット、およびデメリットの解消方法をご案内します。
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西玄関の間取りにした場合、次のようなメリットが考えられます。

日光が入る量を制限しやすい

西日の強さは「西日が当たる部屋の畳が焼けてしまう」といったことからも避ける人が多いようです。しかし、玄関は日光が入る量を制限しやすい(窓をつくる場合も部屋ほど大きくならず、遮熱フィルムなどでの対応も可能)ので、床や畳を傷める心配は少ないでしょう。

 

玄関や玄関周りがじめじめしない

玄関は湿気がたまりやすい場所です。傘やレインコートなど濡れたものを置く場合もあり、靴にも湿気がたまりがちになります。こういったときには、西日の強い日差しが役立つでしょう。さっと靴を外に出して干すこともできます。

 

日光が当たる時間が長い南側に部屋を配置しやすい

玄関を西側にすることにより、南側にLDKを配置しやすくなります。お昼前から午後にかけてのほどよい日差しが当たるスペースを、家族が最も長く過ごす場所にすることが可能です。

 

しかし、これは玄関を「南以外に配置した場合」に共通するメリットであり、西に玄関を配置した場合のみ得られるメリットではありません。ただ、西側にLDKを配置しなければ、リビングの床が西日で焼けてしまうということが避けられるので、西側を効率よく使うという意味ではメリットとも言えるかもしれません。

他の場所と比べると、どうしても強い日光が当たる西側。このデメリットを解消しつつ西玄関の間取りにするには、どうすればいいのでしょうか。その方法としては、次の5つが考えられます。

西玄関であっても西を向いていない玄関にする

出玄関(横入り玄関)にして西側には壁をつくり、玄関のドアは別の方角を向いているドアをつくる方法です。玄関の位置としては西となりますが、ドアを開けても玄関の中まで西日が入りにくく、家を出る際に眩しいといったことも緩和されます。

西玄関のドアを日焼けに強いものにする

長年日光に当たり続けることで、ドアに使用される素材によっては変色することがあります。そのため、業者の方と相談して日焼けに強いものを選ぶことをおすすめします。

玄関上の屋根を大きくする

玄関まで日光が当たらないよう、玄関の上の屋根を大きくする方法です。玄関前に広いテラスのようなスペースができるので、ガーデニング作業や自転車・三輪車置き場などにも便利です。

サンシェードなど日除けになるものを設置する

日除けになるサンシェードを屋根から吊るす方法です。サンシェードは大きな布のような日除けのことで、2階から吊るすこともできます。サンシェードの種類を選べば、インテリアとしても楽しめるものになります。日差しの弱い日や、不要な季節には片付けてしまうことも可能です。

暑さ対策としてひさしや窓用の遮熱フィルムを活用

玄関の上部に「ひさし」(張り出した小さな屋根)を設置したり、玄関に窓がある場合には遮熱フィルムを貼ったりすることで、室内の温度が上がるのを防ぐことができます。断熱効果の高い窓ガラスも販売されているので、建設会社に確認してみましょう。

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玄関は「長く滞在する場所」ではないため西玄関を設けても、日差しはあまり気にならない可能性があります。部屋を西側に設けるよりは、西玄関にする間取りを選んで他の場所の過ごしやすさを優先させたほうが、「生活しやすい間取り」を考えやすいかもしれません。

 

西日対策を講じることも可能です。周囲の家の玄関がどちらの方向を向いているのか、西玄関の間取りの家はどのような対策を行っているのかなども見て、検討してみてはいかがでしょうか。

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更新日: / 公開日:2019.06.19