部屋探しをしていて、安く素敵な部屋が見つかったら嬉しいですよね。しかし、その安さや借り手がつかなかった理由が、”事故物件であるから”ということが後から発覚したらどうでしょう。
事故物件の場合、次の入居者が「嫌だな」とか「気持ちが悪いな」と感じてしまうような、心理的瑕疵があるために相場よりも安くなります。
知らず知らずのうちに納得のできない物件に住んでいたということにならないよう、万が一に備えて、事故物件の定義や告知義務、事故物件を見分けるポイントなどについて整理します。
物件を探す

一般的に、事故死や自殺、殺人、火災等の災害、不祥事など、種別を問わず人が住むのをためらうような、何か心理的な瑕疵がある物件を“事故物件”と言います。
俗に“ワケあり物件”とも呼ばれています。
借り手にとっては、物件についてのどんな些細な情報でも、入居を決める前には知っておきたいところです。しかし、実は不動産会社や大家さんにとって借り手に事故物件である事実を“告知する義務”を常に負っているわけではない、という点は注意が必要です。

 

事故物件の見極め方とは

事故物件の見極め方とは

 

裁判所の過去の事例で、“賃貸契約を結ぶにあたり重要な情報であるため告知すべき”と判断されたケースもあるようですが、厳密な定義や約束事として、借り手に事故物件であることを告知するよう定めるルールは存在しません。

 

実際、事故物件の定義はやや曖昧なところがあります。
例えば、独居の高齢者が老衰で亡くなったようなケースは、事故物件とは認識されず、通常通りに貸し出されている可能性の方が高いです。
しかし事件性のある亡くなり方ではなくても、部屋で住人が亡くなっていた部屋は避けたいと感じる方もいるかもしれません。
そこで、もし気に入った部屋が見つかったら、次にあげる確認ポイントを積極的にチェックしてみましょう。

事故物件かどうかを借り手側から推測するには、5つのチェックポイントを確認すると良いでしょう。

1:告知義務が実行されたか

事故物件であることが事前に伝えられれば、自力でチェックポイントを確認する必要はありません。また、物件情報に「告知事項あり」「心理的瑕疵」「特別募集」などの記載がある場合も、見分ける目安になります。しかし、法ではっきりと告知義務の定めがあるわけではない中で、必ずしも告知があるとは限りません。もしも不動産会社や大家さんが自ら、貸し手には不利益ともとれる事故物件に関する情報を伝えてきたならば、相手方の賃貸契約に対する真摯な姿勢を見て取ることができます。

 

それでは、告知がなかった物件が、事故物件かどうかを借り手が自力で判断することはできるのでしょうか。
以下の4つのチェックポイントはそのような時に役に立ちます。

 

物件情報の記載から分かるものもあります。

2:家賃が相場より安い

建物や地域によって家賃相場がありますが、同じ建物の他の部屋と比べても明らかに家賃設定が低い場合、借り手のつかない事故物件の可能性が考えられます。

3:リフォーム箇所を観察する

仮に事故物件を再び賃貸に出そうとしたとき、損傷した部分があればリフォーム

をする必要があります。
不自然にフローリングだけが真新しくなっていたり、一部の部屋だけ特別にリフォームされていたりするなど、全体から見た時に不自然さを感じるリフォームがあれば、事前に不動産会社にその理由を確認しておくと良いでしょう。

 

建物名の変更には理由があるのでしょう。

4:建物名を変更している

事件化してしまい広く報道される事態になった場合、建物名を変更することがあります。
建物名を聞いて事件のことを思い出されることを避けようと、イメージを変えるために名称変更されているケースは度々見られます。

5:更新不可の“定期借家契約”

契約期間が約1~2年で家賃は安く、更新のない初回期間だけの賃貸契約である「定期借家契約」で募集されることもあります。これは初回期間のみ相場よりも安い賃料で貸し出し、それ以降はもとの家賃に戻して再募集したいと考えているからのようです。

物件を探す

 

事故物件と聞くとどうしてもネガティブなイメージばかりが先行しますが、不動産会社や大家さんがどれだけ親身に対応してくれるかによって、デメリット以上のメリットが見出せるケースもあるでしょう。
“部屋探し”という原点に返った時、どこにメリットを感じて契約するかは人それぞれです。
事故物件であっても、家賃を下げてくれるだけではなく心理面での配慮も行き届いた大家さんであれば、逆にメリットの多い掘り出し物の物件ともなり得るでしょう。

 

家賃重視、デザインや間取り重視、代々の入居者に問題がないことなど賃貸物件に求める希望は人それぞれですが、毎日居住する場所だからこそ双方が必要な情報をしっかりと交換することは重要です。

 

“事故物件だから借りない。安いから事故物件を借りる”といった表面上の理由だけで判断するのではなく、事故物件ごとのメリット・デメリットを洗い出して検討し、しっかり事実を確認することが、トラブルを防ぐ一番の方法でしょう。

 

入居を決めるポイントは人それぞれです。重視するポイントは何だったか整理しましょう。

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更新日: / 公開日:2017.09.07