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住まいコレクション | 憧れ続けた日本でただ一軒のボートハウスに住まう | おもちゃコレクター 北原照久氏

神奈川県逗子市にある北原照久氏のボートハウス

世界的なおもちゃコレクターとして有名な北原照久氏。そのご自宅はこれもまたコレクションと言えるほど歴史的価値の高い邸宅です。逗子の海の上に佇む白亜の邸宅は、昭和初期に旧竹田宮別邸として建造されたもの。地下室にボートの停泊場を持つという日本で唯一のボートハウスとしても有名です。北原氏が恋焦がれて手に入れたという、ご自慢のご自宅にお伺いしました。

石原裕次郎氏も泊まった日本で唯一のボートハウス

北原氏が30代の頃に一目惚れをして、その後約20年かけて手に入れたのが逗子にある旧竹田宮邸でもある佐島邸。逗子の海を一望する立地に立ったそのご自宅は、敷地500坪に2LDKのゲストハウスとご夫婦が暮らす2LDKの離れが並んでいます。驚くのはこの邸宅がボートハウスであること。地下には海とつながる停泊場があり、そのままボートで海に出ていくことができます。

実はこのお家、海を愛する方々には有名なランドマーク。小説にもこの家のことが登場しています。

「石原慎太郎氏の著書『弟』の中に、この家のことが語られています。“地下室からヨットをつなぐ桟橋にも通じるという夢のような別荘があるのを見た。この家のことは裕次郎も知らないだろうと自慢げに話してみたら、なんと裕次郎はそこに泊まったことがあるという”そんなエピソードが綴られています」(北原氏)

まずは、その地下室を見せていただくと、まさに海に通じる停泊場がありました。波がコンクリートにあたって時折「ドーン」と大きな音を響かせます。家の中でこんな音を聞くなんて、日本全国探してもこの家だけに違いありません。

「最近は自分でヨットに乗ったりはしませんが、友人達が誘いにきてくれます。ヨットやクルーザーはこの場所には入ってこれないので、テンダーやジェットボートで海から迎えにきてくれます」

地下室を出るとそこには、海にせり出して形のプールが登場。北原氏も夏はここでお酒を嗜みながら楽しむのだとか。この日は低気圧の影響で、海の色が若干くすんでいましたが、天気の良い日は海の色もプールと同じように真っ青に澄んで、まるで海の中に漂う気分を味わえるのだとか。なんともロマンチック。

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青々とした芝生の庭に海を臨んで建つゲストハウス

逗子の海を間近に絶好のロケーションに佇む佐島邸。昭和初期に旧竹田宮別邸として建造され、戦後はイギリス人の邸宅として。その後何代かオーナーが変わる中で1998年に北原氏のご自宅に。大型のライトやカーブの美しい外観など、船舶をモチーフにしています。

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地下にある停泊場

海からの訪問者の入口。この邸宅の玄関口とも言えます。北原氏の憧れの人、加山雄三氏もこちらから遊びに来てくれたそうです。最近の北原氏は奥様と一緒にここからシュノーケリングで海に出ていくのが日課だとか。

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プール脇のデッキに立つ北原氏

プールに続くデッキに立つ北原照久氏。タイル張りの階段の下はもう海。まさに海の上に建つ家。ブルーのジャケットにホワイトパンツという北原氏出で立ちが、さわやかな海の景観にマッチしてなんともオシャレです。

建物の年代に合わせたインテリアやアンティークの逸品が並ぶ

海の上に建つなんともロマンチックな邸宅、しかし、海の潮風、湿気と乾燥を繰り返す環境は、建物にとって厳しい条件とも言えます。北原氏がこの家に移り住んだ当初は、その前に5年ほど人が住んでいなかったこともあり、内装・外装ともにボロボロだったと言います。

「改修するには住みながらですけど、1年かかりました。なるべく建物が建てられた現状に戻してあげるように、内装は当時のアールデコ様式に。外観などは少し僕の趣味が入って昔のブラウン管で見たアメリカの印象を活かして、ミントグリーンの色調を施しています」

もちろん、インテリアにも北原さんなりのこだわりが随所に見られます。並んでいるのは、建物が建てられた時代と同時期のアンティーク家具。1930年代に建てられたゲストハウスの応接室には、建築家フロンク・ロイド・ライトのテーブル。ソファーはポール・フランク。離れは1960年代の建物のため、そちらも年代をあわせたテーブル、ソファーが設えられていました。

「この家はイギリス人の方が29年住まれた後、オーナーさんが何人か変わられています。バブルも経ていましたので、内装がゴージャスでした。応接間には豪華なシャンデリアが飾られていて。でも僕はこの家には合わないと思いました。だから建物の年代に合わせたアンティークの照明に替えています」

その後、北原氏がこの邸宅を購入した噂を聞きつけて、かつてのイギリス人オーナーがこの家を訪れたことも。

「そこで言ってくれたのが、“私たちが住んでいた頃よりも、家が喜んでいる”という一言。何よりも嬉しい褒め言葉でした」

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ご夫婦で住まう離れ

こちらのソファー、窓際のテーブルも、北原氏自らロサンゼルスのアンティークショップで買い付けたもの。建物と年代を合わせた1960年代の作品。ゲストハウスが海を一望できるとしたら、ここからは緑が広がるお庭を独り占め。それぞれ異なるロケーションが楽しめます。

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ゲストルームの客間のレストルーム

この佐島邸には各部屋にレストルームとバスがあります。こちらの窓は可愛らしい円形窓。船をモチーフにした家ならではのあしらいです。

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ゲストハウスの客間

ここが噂の石原裕次郎さんも泊まられたお部屋。もちろんイギリス人オーナーが住まわれていた時代とのことですが、感慨深いものがあります。床は1930年代に建てられた当時のままだそうです。

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ゲストルームの客間

壁面に掛けられた印象的な絵は横尾忠則氏の作品『ナタリーの海』。北原氏の尊敬するアーティストの横尾氏ですが、北原氏のコレクションから様々なアイデアを得ていると嬉しいコメントをいただいたとか。この絵も直接横尾さんから譲っていただいたものだそうです。

ロケーションは財産、自分の家を見てときめくかが大切

北原氏が住まい選びの中で最も大切にしているのが「ロケーション」だと言います。その点こちらの邸宅は抜群のロケーション。ゲストハウスの半球状にせり出した窓辺からは180°パノラマの海が見渡せます。正面には江ノ島、その左には晴れた日にはくっきりと裾野まで姿をあらわす富士。夕暮れ時には刻々と色を変える夕日の美しさを堪能できる場所。

「ロケーションが素晴らしいと、人生を変えるし、人格まで変えてしまうと思います。朝、目を覚まして海を眺めるでしょう。仕事だってこの場所でしていると頭が冴えてきます。外国では、家の外観も飾ったりしますよね。なんのためかと言ったら、もちろん道行く人を楽しませるためでもあると思いますが、自分が帰っている時に家を見て“ときめく”ためだと思うのです」

また、家は人を呼ぶためのものでもあると言い切る北原氏。

「僕は、この家を買う前に、誰を呼ぶかリストアップまでしましたよ。本当に好きな物に囲まれて、いろんな方と集って美しい景色を見る。人生が豊かになりますよね。うちではガーデンパーティもしょっちゅうです。一番多い時で200人から集まりますから」

いつも、1日1回は「いい家だね」と住まいに言葉をかけるという北原氏。どんどん家がよくなり、素晴らしい出会いをもたらしてくれると言います。

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ゲストハウスの玄関にて

「夢は努力し続けていれば、叶うもの。叶うという字は口に十と書きますね。だからどんどん声に出した方がいい。僕もずっとこの家に住みたいと言い続けました。まだまだ夢はあります。今度は70歳までに宇宙に行きます」

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ミントグリーンの屋根と広々としたお庭

夏場は3日に一度は芝の手入れをするという広々としたお庭。頻繁にガーデンパーティが催されます。バーベキューをしたり、ケータリングでおもてなし。51歳からギターを始めたという北原氏。時にはガーデンライブが開催されます。

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半球型の出窓

ゲストルームの出窓からは、180°パノラマの海が見渡せる最高のロケーション。正面には江ノ島、その左には大きく映る富士の山。双眼鏡ですぐそばの島を覗くとたくさんの野鳥の姿が観察できました。北原氏曰くたまにペンギンみたいな動物もいるのだとか。

#プロフィール / 北原照久氏 コレクター

1948年東京都生まれ。高校に最下位に近い成績で入学しながら、恩師の「やればできる」という言葉に発奮し、800人のゴボウ抜きをして総代に。19歳のヨーロッパ留学時に古い物を大切にする文化にショックを受ける。帰国後、柱時計を拾ったことからコレクター人生が始まる。25歳の時におもちゃのコレクションに目覚め、1986年「ブリキのおもちゃ博物館」設立。現在、コレクションを収める倉庫は計420坪。そのコレクションの数々はジョン・アラン・ラセター監督に『トイ・ストーリー』のインスピレーションを与えるなど、各界に影響力がある。人生に遅いということはない、と50歳以降から始めた趣味は、エレキギター、ゴルフ、サーフィン、ダイビング、そしてマジック。

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ライター

  • 福島朋子
  • 福島朋子
  • フリーランスライター/編集者
  • 1974年生まれ。日経BPコンサルティングでクロスメディアコンテンツの制作などに従事。2012年にフリーランスに転身。3人姉妹の長女として、都内にある“狭小住宅の実家”に悩む日々。読者目線で住まいのお悩みに迫ります!

(2017/03/29)

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