全国【新築一戸建て】2017年物件検索条件ランキング

絶対になくてはならない条件は駐車場

日本全国で最も検索された新築一戸建てに求める条件、第1位に輝いたのは「駐車場あり」でした。

しかも、47都道府県のうち、1県を除く46の都道府県で「駐車場あり」が1位になるという圧倒的な人気の高さを証明しました。

住宅の購入を検討している人たちは、それだけマイカーの所持率も高いということですね。

ちなみに、唯一「駐車場あり」が1位に選ばれなかったその県は徳島県。徳島県では全国平均10位の「オール電化」が代わりに1位となり、突出した利便性や安全面への関心の高さがうかがえる結果となりました。

まずは周辺環境よりも住宅スペックを重視

第2位には「所有権」がランクイン。所有権とは、簡単に言うと“その土地を自分のものとして自由に使用できる権利”のこと。

一戸建てには、土地の権利として、大きく分けて「所有権」と「借地権」の2種類があります。後者の「借地権付き建物」だと、地主から借りた土地に家を建てるために価格が抑えられ、土地の固定資産税も不要な代わりに、地代を毎月支払う必要があります。

所有権が全国ランキング2位となっていることから、新築一戸建てには借地権ではなく、土地込みで自身の資産とし、安心して住み続けたいという方が圧倒的に多いということが伺えます。

第3位はカウンターキッチン。広々とダイニングまで見通すことができる開放的なキッチンは、料理を作る人にとっては夢のスペース。

また、家族と向かい合ったまま食事の支度ができるので、目の届く範囲で家族の様子を見守れ、コミュニケーションの場としても重要視されています。

その他には、意外と周辺環境に求める条件は少なく、トップ20位以内を見ても4位に「小学校800ｍ以内」が入り、少し飛んで17位に「中学校800ｍ以内」、
19位「総合病院800ｍ以内」、20位「公園400ｍ以内」という結果に。

まずは何はともあれ、住宅設備や住宅自体のスペックを重視する傾向が全体的に見られました。

東京都と大阪府のランキング

次は、東京都と大阪府の「新築一戸建て」物件検索条件ランキングです。どのような条件がランクインし、どのような違いがあるのか見てみましょう。

大都市とその近郊では重視するポイントが類似

東京都と大阪府、どちらも1位から3位まで「駐車場あり」「所有権」「カウンターキッチン」と全国平均とまったく同じ結果となりました。

実は、東京都近郊の千葉県、埼玉県、神奈川県、そして大阪府近郊の兵庫県、京都府、奈良県もまた1位から3位までまったくこの通りのランキングとなっています。

大都市を中心とする生活圏内では、ライフスタイルが似ており、重要視するポイントも近いのかもしれません。

「床暖房」を求める東京都民…全国トップの高さ

注目すべきポイントは4位。大阪府では9位だった「床暖房」が東京都で4位にランクインという結果に。

部屋をじんわり足元から暖めて、寒い日でも快適に過ごすことができる床暖房。1年のうち使用期間が限られる設備であり、設置する初期費用に加えて、使用時のランニングコストもかかります。

冬の平均気温は東京都と大阪府はほぼ同じながら、それでも床暖房を求める人が多い東京都と、そこまで優先度は高くないという大阪府に分かれました。

この東京都の「床暖房」が4位という順位は、全国的に見てもトップの高さ。

寒さが厳しい北海道や東北6県を見ても、「床暖房」は岩手県の8位が最も高くランクインし、最も低い福島県においては14位という結果に。

東京都では寒さに敏感という面以外にも、設備としての床暖房が広く浸透しており、標準装備が当たり前と考えている人が多いのかもしれません。

北海道と沖縄県のランキング

北海道と沖縄県のランキング

最後に、日本の最も北と南に位置する北海道と沖縄県の「新築一戸建て」物件検索条件ランキングを見てみましょう。

風土もまったく異なるだけに、どのような違いが出てくるのでしょうか。

沖縄県民は将来への意識が高い？

まず目を引くのは沖縄県4位の「総合病院800ｍ以内」。全国平均が19位ということから見ても、かなり重要視されていることがわかります。

かつては長寿県として知られ、2015年の内閣府のデータでも高齢化率が全国で最も低いにも関わらず、近くに総合病院を求めるということは、長くその土地で生活していくうえでの安心感や万が一に備えるという堅実さの表れなのかもしれません。

また沖縄県では全国平均18位の「バリアフリー」が10位にランクインしていることからも、将来に備えるという意識が高いことが見て取れます。

北海道では和室が人気

次に注目すべきは、北海道で5位となった「和室」。

全国平均は24位と低く、トップ5に「和室」がランクインしたのは北海道以外に青森県（2位）と福島県（4位）のみ。トップ10まで広げてみても徳島県（8位）が加わるだけで、フローリングが主流となった現在ではそこまで優先して求められる条件とは言えません。

それにもかかわらず、北海道で高い人気を誇る理由は詳しくは分かりませんが、面積の広さや風土、気候が関係しているのかもしれません。

同じく唯一トップ5にランクインした青森県も福島県もそうですが、冬の寒さが厳しく、家の中にいる時間が長くなる分ストレスも貯まります。よりくつろぎたい、リラックスしたいという思いが畳を敷いた癒し空間、和室に繋がっているのかもしれません。

北海道民よりも沖縄県民が「床暖房」を熱望
最後に、気になるのは沖縄県7位の「床暖房」。冬の寒い時期でも10度を下回ることがほとんどない温暖な気候にもかかわらず、北海道（11位）よりも高い順位にランクインする結果となりました。

この「床暖房」7位は、全国平均と同じであり、山梨県や長野県と同じ順位です。一見、沖縄ではそこまで優先度が高くない条件のように思えても、実は求めている人が多いという、まさにランキングを見てみないとわからない潜在的な需要を垣間見ることができました。

ランキングから将来も含めた理想の暮らしが見えてくる

新築一戸建てを建てるときには、一般論や周りに合わす必要はなく、将来を見据えて自分たちにとってどんな暮らしが理想的なのかをシンプルに考えられるといいですね。

ぜひ、ランキングを見て、自身の求める条件の参考にしてみてください。