都心と郊外、あなたはどちらに住みたいですか。それぞれのメリット・デメリットは何となく想像できても、具体的にイメージしづらいという方も多いのではないでしょうか。

街の住み心地は、実際に住んでいる人の声にヒントがあります。そこで今回は、東京23区に家を購入した200人と、東京23区以外に家を購入し、かつ自宅から1時間以上かけて東京23区にある職場へ通う300人に意見を聞きました。

この調査から、お住まいのエリアについてよかったと感じていることや、エリアを選ぶ時に重視した点などに違いが見えてきました。以下、結果をご紹介します。

※なお、この記事においては便宜上、東京23区を「都心」、東京23区以外で、かつ通勤に1時間以上かかる場所を「郊外」と定義しています。詳細の条件は末尾の調査概要をご覧ください。
無料で住まいの窓口に相談する物件を探すあなた専用!住宅購入のやることリスト

住む場所を探す時、みなさんはどのような点を大切にしますか。「買い物のしやすさ」「子どもの遊び場所はあるか」「休日のすごしやすさ」など、さまざまなポイントがあるでしょう。

 

都心居住者と郊外居住者に、エリアを選ぶ時に意識した点をすべてあげてもらったところ、重視したポイントに差が見えてきました。

 

都心居住者200人

1位交通の利便性65.5%
2位自分が通勤しやすいこと51.5%
3位治安が良いこと・防犯33.0%
4位住まいの資産価値が下がりにくいエリアであること27.5%
5位病院や医療機関が充実していること19.5%

郊外居住者300人

1位交通の利便性41.7%
2位自分が通勤しやすいこと33.0%
2位治安が良いこと・防犯33.0%
4位自然環境の豊かさ30.3%
5位子育て環境・教育環境28.3%

 

意外にも、トップ3までは都心、郊外ともに同じでした。実際に住まいを購入しようと考えた時、「交通利便性」「通勤しやすいこと」「治安」については、居住場所を選ぶには外せない条件となるためでしょう。大きく違ったのは4位からです。都心居住者では「住まいの資産価値が下がりにくいエリアであること」「病院や医療機関が充実していること」がランクインしたのに対し、郊外居住者では「自然環境の豊かさ」「子育て環境・教育環境」が挙がりました。

 

エリアに対する意識の違いは、その差を見比べることによってより特徴を理解しやすくなります。ここでは、都心居住者と郊外居住者を比較し、それぞれが特に重視する傾向が見られた項目をピックアップしました。

 

■都心居住者がより重視していたこと
交通の利便性
自分が通勤しやすいこと
住まいの資産価値が下がりにくいエリアであること
飲食店や商業施設のにぎやかさ
病院や医療機関が充実していること

 

■郊外居住者がより重視していたこと
自然環境の豊かさ
子育て環境・教育環境
車の利用しやすさ
自然災害の少なさ・防災

 

都心居住者のほうが郊外居住者に比べて気を付けて見ていた点は、交通の利便性や通勤面です。そのほか「資産価値が下がりにくいエリア」と将来の売却や資産性も視野に入れていることがわかりました。

 

一方、郊外居住者では「自然環境の豊かさ」や「子育て環境・教育環境」でのポイントの高さが際立ちます。通勤に時間はかかっても、暮らす場所に対して自然環境や子育てのしやすさを重視したいと考えたようです。

 

エリアを選ぶ際に、意識したこと
郊外居住者の降順に並べています。

 

 郊外居住者都心居住者差分
交通の利便性41.7%65.5%-23.8
治安が良いこと・防犯33.0%33.0%0.0
自分が通勤しやすいこと33.0%51.5%-18.5
自然環境の豊かさ30.3%13.5%16.8
子育て環境・教育環境28.3%14.5%13.8
車の利用しやすさ18.0%10.5%7.5
自然災害の少なさ・防災17.3%10.0%7.3
病院や医療機関が充実していること13.3%19.5%-6.2
駐車場代がおさえられること12.7%9.5%3.2
住まいの資産価値が下がりにくいエリアであること12.0%27.5%-15.5
エリアの今後の発展性10.3%8.5%1.8
飲食店や商業施設のにぎやかさ9.7%18.0%-8.3
近所付き合い・地域コミュニティが良いこと4.7%4.0%0.7
物件を探す 駅徒歩5分、3LDK以上で3,000万円以下の物件

続いて、実際にそのエリアに住んでみて、「よかった」と思うことを尋ねました。この質問では、都心と郊外で大きな違いが見られました。

 

都心居住者200人

1位買い物が便利である46.5%
2位自分が通勤しやすい45.0%
3位公共交通機関が充実している41.0%
4位治安が良い30.5%
5位土地勘がある28.0%

郊外居住者300人

1位静かである39.7%
2位自然が豊かである33.7%
3位治安が良い32.3%
4位買い物が便利である31.7%
5位土地勘がある28.3%

 

都心では、「買い物が便利である」「自分が通勤しやすい」「公共交通機関が充実している」が上位3位を占め、暮らしに生活利便性、交通利便性の高さを求めていることが明らかになりました。
一方、郊外では「静かである」「自然が豊かである」「治安が良い」が上位3位を占め、自然豊かな住環境に魅力を感じていることがわかる結果となりました。

 

都心は商業施設や公共交通機関が充実

都心は商業施設や公共交通機関が充実

「実際に住んでみてよかったと思うこと」では、都心と郊外で大きく差が開く傾向が見られました。10ポイント以上の差があった項目を挙げてみると、それぞれの魅力や差がはっきりとわかってきます。

 

■都心居住者が住んでみてよかったと思うこと
自分が通勤しやすい
公共交通機関が充実している
買い物が便利である
通勤時間を有効に使える

 

■郊外居住者が住んでみてよかったと思うこと
自然が豊かである
静かである
子育て環境が良い
座って通勤できる

 

実際に暮らしてみると、エリアのよさを実感するポイントにはかなり差があるようです。これを踏まえると「通勤のしやすさを取るのか、自然環境を取るのか」というのがひとつの大きな選択肢になりそうです。その際は、暮らしに対する譲れないものをイメージしてみると、答えを導きやすいでしょう。

 

そのエリアで家を購入して、良かったと感じたこと
郊外居住者の降順に並べています。

 

 郊外居住者都心居住者差分
静かである39.7%25.0%14.7
自然が豊かである33.7%13.0%20.7
治安が良い32.3%30.5%1.8
買い物が便利である31.7%46.5%-14.8
土地勘がある28.3%28.0%0.3
子育て環境が良い24.0%9.5%14.5
座って通勤できる20.7%9.5%11.2
公共交通機関が充実している19.7%41.0%-21.3
自分が通勤しやすい17.3%45.0%-27.7
子育て中のファミリーが多い15.3%11.0%4.3
住まいを安く購入できた15.3%10.5%4.8
病院や医療機関が充実している14.7%16.5%-1.8
仕事場とプライベートを分けて生活できる13.7%6.5%7.2
趣味が楽しめる環境である11.3%8.0%3.3
物価が安い11.0%9.0%2.0
全国的に名前の知られたエリアである5.3%11.5%-6.2
通勤時間を有効に使える3.7%15.0%-11.3

 

物件を探す 駅徒歩5分、3LDK以上で3,000万円以下の物件 駅まで徒歩5分の便利な物件

それでは住まいの購入後、暮らし方にどのような変化を感じたのでしょうか。都心に住んでいる人、郊外に住んでいる人それぞれのトップ5をご紹介します。

 

都心居住者200人

1位買い物がしやすくなった32.5%
2位家ですごす時間が増えた28.0%
3位老後の住まいの不安がなくなった19.0%
4位家族がのびのびとすごすようになった16.5%
5位趣味をより楽しめるようになった14.5%

郊外居住者300人

1位買い物がしやすくなった27.0%
2位家ですごす時間が増えた24.6%
3位家族がのびのびとすごすようになった23.4%
4位老後の住まいの不安がなくなった19.8%
5位休日が充実するようになった19.2%

 

1位、2位はどちらも同じで「買い物がしやすくなった」「家ですごす時間が増えた」となりました。ほかにも「老後の住まいの不安がなくなった」「家族がのびのびとすごすようになった」など、同じ項目が上位に挙がっています。このことから、都心、郊外にかかわらず、家を購入することによって得られるメリットには共通点があると言えそうです。

 

郊外居住者に比べ、都心居住者のほうが暮らし方に変化を感じた人が多かった項目を見てみましょう。

 

■都心居住者がより暮らし方に変化を感じた
「買い物がしやすくなった」
「家ですごす時間が増えた」
「出勤前や帰宅後の平日の生活が充実するようになった」

 

買い物がしやすくなり、平日でも帰り道にどこかに寄る時間が増えるなど、日々の利便性が充実しやすいことがうかがえます。「家ですごす時間が増えた」というのは、通勤時間が短いことで、自宅にいる時間が増えているのが要因かもしれません。移動時間をコンパクトにし、その分プライベートの時間をしっかり作ることができる点が都心の魅力と言えそうです。

 

一方、郊外居住者が都心居住者に比べて高いポイントだったのは、このような項目でした。

 

■郊外居住者がより暮らし方に変化を感じたこと
「家族がのびのびとすごすようになった」
「休日が充実するようになった」
「子どもが転校せずに済むようになった」
「子どもを安心して外で遊ばせられるようになった」

 

家族や子どもがのびのびと楽しんで暮らしている様子がうかがえます。平日の通勤には時間がかかりますが、休日は充実しやすくメリハリのついた生活が送りやすいのではないでしょうか。周辺環境を大切にしたい方、特に子育て中の方にとっては、郊外には魅力がふんだんにあるようです。

 

暮らし方の変化について「よかった」と思うこと
郊外から降順に並べています。

 

 郊外居住者都心居住者差分
買い物がしやすくなった27.0%32.5%-5.5
家ですごす時間が増えた24.6%28.0%-3.4
家族がのびのびとすごすようになった23.4%16.5%6.9
老後の住まいの不安がなくなった19.8%19.0%0.8
休日が充実するようになった19.2%14.0%5.2
趣味をより楽しめるようになった15.6%14.5%1.1
子どもが転校せずに済むようになった12.4%7.5%4.9
遠出せず、近くのお店や公園などに出かけることが増えた9.8%9.5%0.3
出勤前や帰宅後の平日の生活が充実するようになった8.8%12.0%-3.2
近隣住民とのコミュニケーションが増えた8.0%6.0%2.0
近くにいる親や親族とのコミュニケーションが増えた7.4%4.5%2.9
友達や親族を家に呼びやすくなった7.2%7.0%0.2
外食をする回数が減った7.2%6.5%0.7
家族で一緒に出かけるようになった6.8%4.5%2.3
子どもを安心して外で遊ばせられるようになった6.8%3.5%3.3
住まいのメンテナンスやリフォームが楽しくなった6.4%6.0%0.4

 

物件を探す 駅まで徒歩5分の便利な物件 無料で住まいの窓口に相談する

どの質問においても差が見られた点をまとめると、都心、郊外には以下のようなメリット・デメリットがあると言えるでしょう。
交通利便性
都心>郊外
通勤のしやすさ
都心>郊外
自然環境
都心<郊外
子育て環境
都心<郊外

今回の調査を参考に、みなさんにもぜひ、重視したい項目を洗い出してみることをおすすめします。そして、都心派なのか郊外派なのか、自分や家族の好みと優先順位を考えてみましょう。

 

実際に通勤できるか心配な方や、そもそも通勤時間が1時間以上となると、どこまでが通勤圏内なのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。そんな時は、不動産・住宅情報ポータルサイトを活用してみるといいでしょう。

 

同じ1時間であっても、通勤のしやすさによってストレスの感じ方は変わってきますよね。LIFULL HOME’Sの「通勤・通学時間から探す」を利用すると、通勤所要時間やルート、家賃相場や実際の物件情報を簡単に検索することができます。

 

土地勘がない場所について知りたい時は、街の特徴や家賃相場などを調べられる「まちむすび」がおすすめです。街の印象をランキング形式で見られ、住んでいる人の口コミ情報もチェックできます。リアルな声をもとにしているので、実際にその街に足を運んだかのようにイメージできるでしょう。
「まちむすび」

 

物件を探す 無料で住まいの窓口に相談する

【調査実施期間】
2018年5月25日~5月27日
【調査対象者】
都心居住者:
事前調査で「ご自身または配偶者が購入した家に住んでおり、東京23区に住んでいて、東京23区内にある職場へ通勤している」と回答した人
郊外居住者:
事前調査で「ご自身または配偶者が購入した家に住んでおり、
 自宅から1時間以上かけて東京23区内にある職場へ通勤している」と回答した人
【調査方法】
インターネット調査
【有効回答数】
都心居住者:200サンプル
郊外居住者:300サンプル

 

記事の利用や掲載についてはこちら→ info-media@LIFULL.com

 

物件を探す

更新日: / 公開日:2018.07.24