ママたちはどういう思いを抱えて家事や育児、そして仕事を両立しているのでしょうか?そして子育ての舞台とも言える住まい。家事や育児、仕事、そして住まいとの関係の中で、ママ達の実状について迫ってみました。
今回HOME'Sでは、ママ達の現状を探るべく、今回は賃貸から住まいを購入して住み替えたワーキングマザー75名の調査結果をお届けします。また、ワーキングマザーによる交流会を通じた取り組みについてもご紹介します!
賃貸から持ち家に住み替えることで何が変わったのか。家事と育児、仕事を両立するためのヒントを探ってみましょう。
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住まいを購入したきっかけとは?
まず、”賃貸”から住まいを”購入”して住み替えたワーキングマザー75人に対し、そのきっかけを尋ねてみました。2位「子どもが成長したため」、4位「家族の人数が増えたため」、5位「子どもの入学・卒業のタイミングに合わせて」など、子どもに関わる項目が上位に並びます。
自由意見でも「家族が5人になってアパートでは手狭になってきたので、長男が小学校に入学するタイミングで」「上の子が幼稚園に入るタイミングだったので、幼稚園→小中学校と子どもが、ずっと同じ地区で過ごせるよう落ち着きたかった」などが見られました。長子が幼稚園や小学校に入るタイミングがひとつのきっかけになるようです。
1位は「住宅ローンを支払える年齢を考えて」。2位との差は小さいものの、子どものことだけでなく、ライフプランを考えて計画されていると言えるでしょう。
賃貸から持ち家に住み替えたきっかけランキング【複数回答可】(n=75)※上位15位
| 順位 | 住み替えたきっかけ | |
|---|---|---|
| 1位 | 住宅ローンを支払える年齢を考えて | 24.0% |
| 2位 | 子どもが成長したため | 22.7% |
| 2位 | もっと広い住まいで暮らしたかったため | 22.7% |
| 4位 | 家族の人数が増えたため | 17.3% |
| 5位 | 子どもの入学・卒業のタイミングに合わせて | 13.3% |
| 6位 | 結婚のため | 12.0% |
| 6位 | 月々の支払いを減らしたかったため | 12.0% |
| 8位 | もっと便利なところで暮らしたかったため | 9.3% |
| 8位 | もっと落ち着いたところで暮らしたかったため | 9.3% |
| 8位 | もっと設備が充実した住まいで暮らしたかったため | 9.3% |
| 11位 | 実家の近くに住むため | 8.0% |
| 11位 | 現在の住まいの更新時期が近づいたため | 8.0% |
| 11位 | ローンの金利が低水準だったため | 8.0% |
| 14位 | 子どもの保育園や学校のエリアに合わせて | 6.7% |
| 15位 | 転勤や単身赴任のため | 4.0% |
賃貸から持ち家に住み替えたきっかけランキング【複数回答可】(n=75) ※上位15位
賃貸から持ち家に住み替えてどう変わった?
賃貸から住まいを購入することになり、一体何を諦め何が改善されたのでしょうか?結果から、重視していることが見えてきました。
住まいの設備や機能は概ね向上したという人が多いようです。これを除くと、近隣の方とのコミュニケーションや家族や友人と過ごす時間など、コミュニケーションを重視したことが分かります。一方で、「以前よりも悪くなった」が「以前よりも良くなった」を唯一上回ったのが電車やバスなど公共交通機関の利便性。毎日利用する通勤/通学先への距離は諦めなかった分、繁華街に近いことやターミナル駅という条件の優先度は下げたようです。

以前と比べた生活環境の変化【単一回答】(n=75)
マンションを探す 一戸建てを探す 注文住宅を探す働いていても家事はほぼ女性の仕事?
ワーキングマザーにとって、仕事と育児の両立のために夫の協力は不可欠。しかし現実は厳しそうです。家事は夫と妻のどちらがやるか尋ねたところ、結果は妻がやる人がほとんどでした。半分程度で分担できているという回答は2.7%に留まります。「すべて妻がやる」は38.7%を占めました。

賃貸から持ち家に住み替えたきっかけランキング【複数回答可】(n=75) ※上位15位
ワーキングマザーが考える理想の暮らし方
理想だと思う暮らし方を自由意見で具体的にお答えいただいたので、その一部を紹介します。その結果、現実とかけ離れた回答はほとんど見当たりませんでした。現状の暮らし方に対する不満が次々と飛び出した結果と言えます。
「もっと家事を手伝って欲しい、分担したい」
「もっと時間に追われない暮らしがしたい」
「プライベートの時間や空間がほしい」
家事分担で不平等感があり、時間にいつも追われているママにとって、家族であってもお互いを尊重し合い自分の時間が確保できる状況が望ましいと考えているようです。
理想だと思う暮らし方は?【自由意見】
■家事を分担。夫が協力的
「旦那さんは定時で帰宅。家のことも手伝ってくれる」
「夫が早く帰ってきて家事を手伝ってくれる」
「家事も分担して自由がいっぱいの家」
「家事などお互いが助け合って生活する」
■時間的なゆとりのある暮らし
「時間に余裕のある暮らし」
「時間に追われずのんびり暮らしたい」
「時間に追われることなく、働き、家族との時間を大切にできる日々の暮らしが理想」
■プライベートの時間や空間がある
「自分の事は自分でしたり、お互い助け合って家事をしたりしてリラックスして住むこと」
「自分のやりたいことを自由にできる住まいがいいですね」
「家族みんなが公私ともに快適に住める暮らし方」
「家族の時間を大切にできるくらし」
「個室のある暮らし」
■明るい家
「明るくてリビングに家族皆があつまる暮らし方」
「笑いが絶えない家」
■ご近所づきあいはほどほどに
「近所付き合いは、深入りせずお裾分けをする程度の関係がいい」
「自治会の拘束がない住まい」
■もっと子どもに時間を割きたい
「本当は子供は学童に通わせないで、子供が学校終わったら自宅に帰って来られる環境を作りたいが、実際は出来ない」
ワーキングマザー交流会の取り組み
住まいの周辺環境や住まいそのものを見直すことによって改善できる部分もありますが、時間の使い方については暮らし方そのものを見直さなければ難しいこともあると言えます。どうすれば理想的な暮らしを送ることができるのでしょうか?
その解決策のヒントになるのが、ワーキングマザーたちの情報・ノウハウ共有のための活動です。
住みたい街ランキングでも上位の常連になりつつある武蔵小杉。ここで「武蔵小杉ワーキングマザー交流会」が開かれています。この会は武蔵小杉に住むワーキングマザーたち自身が地元とのつながりとより暮らしやすくなるための情報共有を目的として始めたものです。
これまでに4回開催され(2016年3月時点)、ワークショップやセミナー、食事会など、様々なかたちで交流の機会を提供。地域にまつわるものから家事・育児や仕事などに関するノウハウまで広く情報交換が行われ、リピーターも多い人気イベントです。
今回は、2016年2月28日(日)に行われた交流会の様子についてご紹介します。内容は主催者による挨拶、講演、グループディスカッションという流れで計2時間。今回の講演は、株式会社Lifull FaM 代表取締役 秋庭 麻衣さんが行いました。
■周囲が応援したくなる会社との上手な付き合い方とは
「育児も、仕事も、happyに」をテーマとした講演内容では、育児休業からの復帰や子どもの進級・進学などの新生活をこれから迎える方へ向けて、以下のようなアドバイスがありました。
- 周囲を味方につけて、サポートしたくなる人になる
- やれる時には何でもやります、という姿勢を示す
- アサーションスキル(相手に受け入れもらいやすい伝え方)を身に付け、無駄な会議や電話を気持ちよく断る
- ルーチン業務よりもチャンレンジ業務が渡されるように働きかける
- 社内外でロールモデルを見つける
会社における上司、同僚、部下との付き合い方も重要です。
秋庭氏からは、「上司が気を遣いすぎて、仕事をあまり渡さなかったり、責任の軽い仕事ばかり渡すと、モチベーションが下がっていわゆる“マミートラック”に陥ってしまいます。」というお話もありました。接し方に慣れている上司は多いとは言えないでしょう。だからこそ上司に対して自ら掛け合うことの必要性についても強調されていました。
社内ロールモデルとして多くの試行錯誤を重ねてきた秋庭さんの話を聞きながら、大きくうなずいたり、熱心にメモをとる参加者たち。自分が勤める会社以外の先輩ワーキングマザーの意見は聞きたくてもなかなか機会がないもの。そうした話を地元で気軽に聞けることもこの会の魅力のようです。

武蔵小杉ワーキングマザー交流会の様子
講演後には、子どもの年代別に分かれたグループディスカッションが行われ、ワーキングマザーがいかにサバイバルな生活を送っているかが語られました。その中でいくつか工夫しているママの声をご紹介します。
■ポイントはメリハリをつけるということ
「(夫にお願いする)お迎えの日を決め、その日にめちゃくちゃ仕事を入れる」
「夜は諦めて寝る。朝起きるようにしている」
夜、自宅で仕事や家事をすると、お子さんが起きてしまい、作業効率も落ちてしまうという声もありました。上手に朝活したり、仕事をする日を決めているという人の声にママたちが大きくうなずいている姿が印象的でした。
食材の宅配サービスを上手に活用しているママたちもいました。既に食材が切られており、約10分で調理ができるキットなど、時短につながるアイテムも多いです。買い出しと調理の時間が節約できます。食材の宅配サービスを利用しなくても、まとめ買いをし、週末に作り置きをしておけばずいぶんと楽になると言えるでしょう。妥協だと捉えずに上手に時間をつかいこなす手段として真似したいですね。
二人以上のお子さんがいる方の声にも目が向けられました。これから二人目が生まれてから職場に復帰される方や二人目を考えている方もいましたが、一人目ですでに大変な思いをしたのに、今後やっていけるのだろうかという漠然とした不安があるようです。
先輩ママは、「二人だからといって育児が二倍に増えるわけではない。増えることと、変わらないことを整理することが大切」と語りました。
「上の子どもに下の子どもの面倒を見てもらい、上の子どもを褒めるという作業で楽になった」というママの声には、会場内で笑いが起こっていました。
仕事面、生活面ともワーキングマザーは日々試行錯誤の連続です。身近な人に聞くことや工夫を知ることによって、改善できることもあります。ワーキングマザーの理想の暮らしに、前向きなコメントが並ぶ日は近いかもしれないですね。
秋庭さんにはより詳しい「働くママの実状を考えた、住まいと暮らし方」についてインタビューしてみました。次回、配信いたします。

グループワークの様子
調査概要とイベント概要
【調査実施期間】2016年3月8日~3月9日
【調査対象者】事前調査で10年以内に「賃貸」から「持ち家」に住み替えたと回答した人のうち、子どものいる共働きの女性を集計対象とした
【調査方法】インターネット調査
【有効回答数】75サンプル
「武蔵小杉ワーキングマザー交流会 第4回ワークショップ」の案内(武蔵小杉ブログより)
http://musashikosugi.blog.shinobi.jp/Entry/3344/
※次回の「武蔵小杉ワーキングマザー交流会」は2016年夏ごろ開催予定。
Lifull FaM(子育てを楽しむパパとママのためのポータルサイト)
http://lifull-fam.com/
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更新日: / 公開日:2016.04.13









