近畿圏の『住みたい街ランキング』2023年版の中間発表で、神戸市の中心部である「三ノ宮」が『借りて住みたい街ランキング』1位を獲得。さらに、同じく神戸市の「垂水」が『買って住みたい街ランキング』7位に急上昇しています。

なぜ今、住みたい街として神戸市に注目が集まっているのでしょう。人気の理由を探るため、街の魅力と、子育て支援や助成金制度など行政サービス、また、再整備・リノベーションが行われている3つの街に注目してみました。

阪急神戸三宮駅北側の「サンキタエリア」

阪急神戸三宮駅北側の「サンキタエリア」

まずは、住みたい街として“選ばれる理由”をご紹介します。

人気の理由その1

神戸市は街と自然がそばにあり、多様な住環境を持った街。交通利便性と生活利便性のバランスも◎

  • 海と山が身近で、商業施設が集まっており、都会的な街並みが広がる神戸市の中心地「三宮」
  • 神戸市には10路線以上の鉄道が乗り入れ、各駅を中心に路線バスも充実
  • 「三宮」には JR線、阪神線、阪急線、神戸市営地下鉄などが乗り入れ、市内アクセスや大阪方面へのアクセスもスムーズ。「大阪」駅へはJR 線で約21分と、毎日の通勤・通学も便利
  • 百貨店からショッピングセンター、スーパーまで、商業施設が幅広くそろっており、ライフスタイルに合わせて使い分けることができる

人気の理由その2

保育園だけではなく、学童の待機児童問題も解決。共働き世帯にうれしい神戸市の細やかな子育て環境

  • 神戸市は2022年、保育所等の待機児童ゼロを達成。 全国的に、学童保育の待機児童が1万人を超えるなか、神戸市は待機児童ゼロ。さらに、利用料金は月額8,000円~1万円という地域もあるなか、神戸市は4,500円
  • 子どもが病気の時に預かってくれる病児保育施設(病院や診療所と併設)も22ヶ所と充実
  • 児童館の数は120ヶ所以上あり、その数は、政令指定都市で第2位。子どもの遊び場としてはもちろん、子育て中の親たちの孤独や不安が解消できるような場として活用されている
  • 所得制限なしで、外来医療費が、2歳まで無料。3歳以上は、中学3年生まで1医療機関等あたり1日上限400円(月3回目以降無料)。入院医療費は、高校3年生まで無料

人気の理由その3

大阪の通勤圏内にありながら、家賃がリーズナブル

 

神戸市内は家賃相場がエリアによって異なり、ファミリー物件でも、リーズナブルに住めるエリアがあります。

 

(単位:円)

神戸市内

1R、1K、1DK

1LDK、2K、2DK

2LDK、3K、3DK

3LDK、4K、4DK

神戸市

56,103

81,674

94,662

111,958

神戸市須磨区

50,404

68,564

84,457

92,147

神戸市垂水区

46,088

70,085

77,551

94,018

神戸市西区

40,501

57,126

63,226

74,089

神戸市中央区

63,080

98,988

138,071

165,316

周辺都市

1R、1K、1DK

1LDK、2K、2DK

2LDK、3K、3DK

3LDK、4K、4DK

大阪市

62,288

99,578

130,303

144,535

吹田市

63,268

101,064

109,913

107,636

京都市

56,442

88,021

105,897

122,976

出典:「LIFULL HOME’S家賃相場」(集計期間:2021年1月から2022年10月)

 

神戸市の中心部は単身者向けの賃貸物件も多いのですが、垂水区や西区ではファミリータイプの賃貸物件が豊富で子育てしながら30分程度で「三宮」にも通勤・通学可能な利便性が魅力です。

 

表のとおり、ファミリータイプの物件(2LDK~3DK)の賃料は垂水区や西区の平均で6万~7万円台、名谷駅のある須磨区でも8万円台半ばと手頃で、子育てしながら将来の物件購入に向けての貯蓄も可能です。

人気の理由その4

移住を後押しする補助金が充実。

「こうべぐらし応援補助金『住みかえーる』」は最大95万円を補助

  • こうべぐらし応援補助金『住みかえーる』」は、最大95万円を補助。
  • 賃貸なら「子育て応援賃貸住宅住み替え補助」が活用でき、「こうべ移住型」で最大25万円、「団地活用型」で最大35万円が補助される。その他、中古住宅や土地の取得なら「子育て応援住宅取得制度(最大95万円)、親世帯との近居または同居するなら「親・子世帯近居・同居住み替え助成(最大20万円)」が活用できる
  • 神戸市外から市内に転入する内陸部産業団地の就業者世帯は「”はたらく✕くらす” 神戸移住支援制度」で最大30万円が補助(※『住みかえーる』とも併用可)
  • 神戸市が供給・管理する中堅所得者層のための賃貸住宅「シティハイツ」なら、家賃が2割減免に。その他、神戸住環境整備公社の賃貸住宅では、市外からの移住で月々5,000円、新婚・子育て世帯で月々5,000円~1万円の家賃支援制度も (※いずれも、『住みかえーる』と併用できる場合あり)

 

住みかえーる

 
JR三ノ宮新駅ビル外観(全景)イメージパース(JR西日本作成)

JR三ノ宮新駅ビル外観(全景)イメージパース(JR西日本作成)

神戸の玄関口である三宮駅周辺では、「人が主役の居心地の良いまち」をめざして、新駅ビルの開発や駅前空間の整備など大規模開発が進行中です。

 

神戸の象徴となる新しい駅前空間「えき≈まち空間」の核となる取り組み「三宮クロススクエア」(東側・第1段階)のイメージ。2029年度頃の第1段階の完成を目指す

神戸の象徴となる新しい駅前空間「えき≈まち空間」の核となる取り組み「三宮クロススクエア」(東側・第1段階)のイメージ。2029年度頃の第1段階の完成を目指す

「えき」と「まち」との回遊性の向上を目的とした「三宮駅周辺歩行者デッキ」のイメージ

「えき」と「まち」との回遊性の向上を目的とした「三宮駅周辺歩行者デッキ」のイメージ

さらに、「リノベーション・神戸」プロジェクトでは、市内各駅において駅前駐輪場の整備、地域の安全・安心を守る街灯、防犯カメラの増設などを実施。

 

市西部の「名谷」「西神中央」「垂水」の駅周辺において業務・商業機能、行政機能、文化・子育て環境などの充実を図る整備を進めるとともに、駅周辺の住機能の強化に取り組んでいます。

ホームズのおすすめポイント

神戸は海に面していると同時に山が迫る昔からの景勝地で、風光明媚で温暖な気候も好まれています。江戸時代、安政の開国以来の貿易港として世界の架け橋として栄えてきた神戸は旧居留地や神戸南京町などエキゾチックな雰囲気もあり、大阪とも京都とも違った華やかさと上品さが住んで楽しい人気の理由です。

 

さらに注目すべきは最大95万円の補助「こうべぐらし応援補助金『住みかえーる』」。

交通利便性の高い都市で、ここまで高額な補助金があるのは心強いものです。上手に活用してみましょう。

(コメント:LIFULL HOME’S総研 中山 登志朗)

「リノベーション・神戸」の取り組みもあり、ますます注目される「名谷」「西神中央」「垂水」。その魅力をお伝えします。

歩車分離された名谷エリアの風景

歩車分離された名谷エリアの風景

街の特徴

人気の神戸市の中でも、名谷はコストパフォーマンスが◎

 

閑静なエリアとにぎわいエリアが近接し、賃貸・中古住宅(マンション・一戸建て等)・土地も豊富。ニュータウンのため、道路、歩道、公園が計画的に配置されており、安全で快適に暮らせます。また、UR賃貸住宅もあり、礼金など初期費用を抑えることも可能です。

 

今後、順次、住宅供給を行っていく計画で、それに伴い、駅前に保育園が新設されるなど、ますます発展していくことが見込まれています。

 

名谷にあるショッピングセンター「須磨パティオ」の買物広場

名谷にあるショッピングセンター「須磨パティオ」の買物広場

名谷駅周辺の住宅街 (ルゼフィール名谷東ほか)

名谷駅周辺の住宅街 (ルゼフィール名谷東ほか)

アクセス

三宮や大阪も通勤・通学圏内。高速道路も近く、長距離移動に便利

 

名谷は、神戸市営地下鉄西神・山手線で直通19分と、「三宮」にほど近いニュータウン。「三宮」で乗り換えれば40分程度で「大阪」駅にアクセスできます。

 

高速鉄道のICもあり、車でのアクセスもスムーズ。淡路島へも約20分で行けます。

将来性

大規模再開発「名谷活性化プラン」でエリアの発展性も

 

駅周辺には百貨店やショッピングモールが集まっています。駅前に保育園があり、公民連携による職住近接オフィス「神戸名谷ワークラボ AOZORA」があるなど、育児と仕事の両立もしやすい環境です。

 

大規模再開発「名谷活性化プラン」によって、2021年3月には、大丸須磨店の4階に「名谷図書館」がオープン。商業施設「須磨パティオ」にある中庭「買物広場」は、人工芝にリニューアルされ、誰もがくつろげて、にぎわう空間に生まれ変わりました。

 

「大丸須磨店」の4階に「名谷図書館」がある

「大丸須磨店」の4階に「名谷図書館」がある

公園も敷地内にある落合団地(UR賃貸住宅)

公園も敷地内にある落合団地(UR賃貸住宅)

緑豊かな環境、ゆとりある広さ、家賃もリーズナブルなUR賃貸住宅(神戸市須磨区)

緑豊かな環境、ゆとりある広さ、家賃もリーズナブルなUR賃貸住宅(神戸市須磨区)

名谷はこんな人におすすめ

  • 賃貸住宅を借りて、コスパ良く暮らしたい
  • 子育てに優しい環境で暮らしたい
  • 街と自然のそばで暮らしたい

西神中央全景

街の特徴

閑静な住宅街と自然が共存。西神中央には子育てしやすい環境がある

 

商業施設でにぎわう駅周辺エリアから少し離れると、一戸建てが立ち並ぶ、落ち着いた住宅街が広がっています。

 

少し車を走らせれば田園風景が広がる里山へ。観光農園や貸農園で農業体験もでき、直売所などで新鮮な野菜を購入することもできます。

 

ファーマーズマーケットなどで、地元産の新鮮な野菜が気軽に手に入る

ファーマーズマーケットなどで、地元産の新鮮な野菜が気軽に手に入る

アクセス

「西神中央」駅は地下鉄の始発で着席通勤も

 

神戸市営地下鉄西神・山手線の始発で、「三宮」から電車で直通約30分。始発電車なので座って通勤・通学ができます。

 

バスのアクセス網も充実しており、自宅と駅が離れていても安心です。

将来性

「西神中央」駅前には商業施設が充実。リノベーションでさらに便利な施設がそろう

2022年に4月、駅前にオープンしたショッピングセンターのほか、駅周辺には商業施設が充実しています。

 

さらに、「西神中央活性化プラン」により駅前開発が進み、2022年2月には西区役所が移転。10月には「西神中央ホール(なでしこ芸術文化センター)」がオープンしました。街の機能が駅周辺に集結し、さらに便利になっています。

 

知と芸術が融合し新たな出会いが生まれる交流モール「西神中央ホール(なでしこ芸術文化センター)」

知と芸術が融合し新たな出会いが生まれる交流モール「西神中央ホール(なでしこ芸術文化センター)」

駅前東側一帯に広がる「プレンティ広場」

駅前東側一帯に広がる「プレンティ広場」

西神中央はこんな人におすすめ

  • ゆとりある一戸建てに住みたい
  • 都心とほどよい距離感で暮らしたい
  • 進化する街で便利に暮らしたい
垂水エリアでは、海岸や高台から「明石海峡大橋」が見える

垂水エリアでは、海岸や高台から「明石海峡大橋」が見える

街の特徴

暮らしの中で海を身近に感じることができる垂水

 

なんといっても、海のすぐそばに暮らすことができるのが垂水エリアの魅力。駅から徒歩4分で海に出ることができます。

 

一方で、駅前には駅直結の商業施設や昔ながらの商店街があり、駅徒歩圏内にアウトレットモールも。海を身近に感じながら、便利に暮らせるのはこの街ならではです。

 

また、文教地区であり教育環境も充実。子どもたちがいきいきと暮らせる住環境があります。

 

海を感じながら暮らせる「垂水」エリア

海を感じながら暮らせる「垂水」エリア

アクセス

JR で三宮や大阪へも通勤・通学圏内。「垂水」駅からは便利な路線バスが多数運行

「垂水」駅から「三宮」駅まで電車で約18分。「大阪」へも約42分でアクセスできます。バス路線も、複数路線あり、垂水区内のどこに行くのにも便利です。

将来性

リニューアルによる文化・子育て環境などのさらなる充実

「垂水活性化プラン」のもと、「新垂水体育館」が「垂水スポーツガーデン」に移転オープン、「児童館」の移転とともに、利用料無料の乳幼児が室内で安心して遊べる「おやこふらっとひろば」が新設されます。2025年には「垂水図書館」が駅前広場に移転オープンし、面積も3倍強になるなどの文化・子育て環境の充実や、他にも業務・商業・行政機能の充実を図る整備が進められています。

 

また、三井アウトレットパークマリンピア神戸施設建替え及びマリンピア神戸西側にある人工ラグーンに新たなレジャー施設が整備される予定です。

 

「垂水図書館」完成イメージ

「垂水図書館」完成イメージ

三井アウトレットパークマリンピア神戸のイメージ。ウォーターフロントに新たな憩いの場に

三井アウトレットパークマリンピア神戸のイメージ。ウォーターフロントの新たな憩いの場に

垂水はこんな人におすすめ

  • 海辺の街でのんびり暮らしたい
  • 都会的な便利さも捨てがたい
  • 充実した教育環境で子育てしたい
 

ホームズのおすすめポイント

「名谷」「西神中央」「垂水」はいずれも以前から神戸市内では知られた落ち着きのある住宅地です。今回、優れた住環境、自然環境を有するこれらのエリアを大規模に再開発し、生活利便施設や公共施設を整えることによって、将来性があって長く住み続けることができる住宅地として注目されることでしょう。

多様性を高めることで街のポテンシャルが向上し、居住快適性や生活利便性がさらに高まれば、将来の資産性にも期待が持てます。

(コメント:LIFULL HOME’S総研 中山 登志朗)

新興住宅地、下町、海辺の街、里山など、エリアごとに特色があり、ライフスタイルに合わせた多様な暮らしがかなう神戸市。

今まさに、市内各エリアでリノベーション計画が進んでおり、もっと快適に、もっと便利に、進化を続けています。

 

リモートワークの普及などでライフスタイルが多様化した今、自分らしく自然体でいられる“こうべぐらし”を選択する人も増えています。

 

『住みかえーる』など、充実の補助金制度もうまく利用して、“こうべぐらし”をはじめてみませんか?

 

住みかえーる

 

取材協力

神戸市

 

撮影協力

UR都市機構西日本支社

更新日: / 公開日:2022.12.12