長野県南部にある「飯田市」をご存じですか。

飯田市は長野県の最南端にあたる伊那谷の中心都市で、同じく南信州の都市である諏訪市や伊那市、駒ヶ根市を中央自動車道で南下していくと到着します。愛知県名古屋市までは高速道路を利用して2時間ほど。岐阜県中津川市や土岐市などの近隣都市へは1時間程度です。

私は飯田市出身で、約20年間を飯田市で過ごしました。暮らしていた当時は見渡す限り山しかない街だと思っていたのですが、上京して飯田を離れてから街の魅力や個性、人の温かさに気付きました。

この記事では、飯田市出身の私が住みやすさを紹介します。飯田市の物件を探す

見渡す限り山が広がる自然の豊かな街、飯田市。どんな魅力があるでしょうか。

飯田市の概要

福島てっぺん公園から望む飯田

飯田市は長野県南部に位置する南信地方の中心都市の1つです。2024年7月末時点での人口は約10万人で、世帯数は約4万世帯でした。

飯田市の南部は、下栗の里やしらびそ高原、遠山郷などの自然が豊かなエリアです。南アルプスの山々が連なり、静岡県の県境もあります。静岡県との県境では、例年綱引きで県境を決める「峠の国盗り綱引き合戦」が行われています。

また、市を横切るように天竜川が流れ、天竜峡「そらさんぽ」などの渓谷の景勝地や天竜川の舟下りなどのアクティビティスポットが充実。北部には古くから飯田城の城下町として栄えた「丘の上」エリアや、大型スーパーなど商業施設が集まるアップルロードなどがあります。

市内には長野県辰野町から愛知県豊橋市までをつなぐJR飯田線が通っています。JR飯田線はSuicaなどの交通系ICが使えないローカル感あふれる路線ですが、「秘境駅」と呼ばれる極端に利用者が少ない駅が人気を集め、県外からの観光客が多いマニアックな路線です。

飯田駅前からは、名古屋行きの高速バスが運行しており、2時間ほどで名古屋市に到着します。

天竜川と南アルプスがつくり出した風光明媚な地

天竜川からの眺め

飯田市は赤石山脈など山岳地帯が広がる南アルプスの谷地に位置しています。天竜川は静岡県浜松市まで流れて太平洋につながる大きな河川です。

天竜川が徐々に谷地を削っていき「河岸段丘」という独特の階段のような地形をつくり出しています。そのため、少しでも高台に上ると、川に向かって景色が開けて見えるような景観をしています。

他県から訪れた人にとっては、高低差がわからなくなる不思議な地形に感じるそうです。実際、市内の多くの場所から川までの景色がひな壇のように見えるさまは、遠近感のない屏風絵のようで独特の光景です。天気は必ず山の方向から崩れ、雨が降り出す前には雲が山を越えて降りてくるのがわかります。

近隣には環境省によって「日本一きれいに星空が見える場所」に認定された阿智村があり、飯田市でも市街地から離れると非常に美しい星空を見られます。夜景も美しく、高層ビルなどの余計な光がないため、山のふもとから川沿いにかけてまるで天の川のように家屋の明かりだけが輝いています。

アップダウンの激しい道が多く、自転車移動は少々骨が折れる土地です。元気な学生の自転車通学は見かけますが、基本的に車での移動がメインになります。

リニアモーターカーの駅が開業予定

丘の上結いスクエアの「レゴ」ジオラマ。大阪大学レゴ部による作品

リニアモーターカーの駅が開業予定のため、駅前広場の工事や整備が進められています。駅の建設予定は2031年12月。開業後は品川まで約46分、名古屋まで約24分という近さで首都圏や大都市へのアクセスがとても便利になります。

また、三遠南信自動車道の工事も進められ、2023年には青崩トンネルを貫通。静岡方面へのアクセスがさらに向上することを期待されています。

フルーツの街、飯田。街路樹でりんごがなっている「りんご並木」 も

飯田市はりんごをはじめとした、さまざまな果物の産地です。直売所やスーパーには、梨やブドウなど季節によって色とりどりの新鮮なフルーツが並びます。収穫シーズンには果物狩りに訪れる人も多いです。

飯田市のりんご並木

丘の上エリアにはりんごの木々が街路樹として植えられた「りんご並木」があります。飯田東中学校の生徒さんがお世話をしていて、秋になるとたくさん実をつけています。

飯田の市街地は1947年の大火事により多くの建物が焼けてしまいましたが、再建の折に延焼防止と復興のシンボルとしてりんごの木が植えられました。国道153号線沿いにもりんごの木が街路樹として植えられています。この道はアップルロードと呼ばれ、地域の人々に親しまれています。

お祭り好きな街。「りんごん」などの個性派なお祭りが開催される

飯田市では夏祭りの開催が多く、特に7~8月にはほぼ毎週末、街のどこかで花火が上がっています。

例年8月初旬には飯田のお祭りの代名詞である飯田りんごんを開催。「りんごん、りんごん、ホイ、おいな~」という掛け声に合わせて踊り歩くお祭りで、毎年多くの参加者が開催地である丘の上に集まります。

天竜川を流れる灯籠が幻想的な「時又の灯ろう流し」や7年に一度開催され地域ごとの獅子舞が披露される「お練りまつり」なども人気のお祭りです。

どちらかというとシャイで優しい人が多い地域だと感じますが、お祭り好きな一面もあります。

天気のいい日が多い

飯田市のある長野県南部は全国的にも日照時間が多く、「晴れの国」として有名な瀬戸内海に並び雨の少ない地域です。また、飯田に住んでいると、台風が直撃することも少なく感じます。海から遠く離れた内陸で、南アルプスなどの大きな山脈に囲まれているので、台風や前線の影響を受けにくいです。

長野県内では暖かい気候の地域なので、降雪量も県北部と比べると圧倒的に少なく、晴れの日が多くて天気が崩れにくいので、住みやすい土地だと感じています。

飯田市の住みやすさ

畑作や稲作が盛んで、「およりてふぁーむ」や「りんごの里」などの直売所では、地産地消の新鮮な果物や野菜がたくさん販売されます。直売所は朝から新鮮な農作物を求める人でにぎわっています。

飯田市立動物園

飯田市立動物園という入場無料の動物園があります。ペンギンやニホンザル、鳥類の仲間たちなどが飼育され、展示も充実しています。

「かざこし子どもの森公園」や「野底山森林公園」のような大規模な公園やアスレチック広場も多いので、お子さんが外で思いっきり走り回ることができる環境です。「かざこし子どもの森公園」では子ども向けのピザ作りや工作体験などのワークショップや科学教室も開催されています。

実際に家を探すとなると、家賃相場も気になるところですね。ここでは、一人暮らしからファミリー向けの物件まで、飯田市の家賃相場を紹介します。

飯田市の一人暮らし向け物件の家賃相場

飯田市のワンルーム・1K・1DKの家賃相場は、4.94万円です。近隣の諏訪市は5.84万円、伊那市は4.81万円、駒ヶ根市は3.89万円でした。

伊那市よりは相場が高いものの、近隣都市と比較するとややリーズナブルな傾向です。ちなみに、県庁所在地である北信地方の長野市は4.94万円、中信地方の松本市は5.42万円でした。

家賃参照元:LIFULL HOME'S家賃相場 長野県(2024年8月11日時点)

〈飯田市の間取り別家賃相場〉

ワンルーム:6.27万円

1K:4.53万円

1DK:5.15万円

1LDK:6.22万円

家賃参照元:LIFULL HOME'S家賃相場 飯田市(2024年8月11日時点)

飯田短期大学は2023年から共学化しましたが、大学付近には女子向けの単身アパートも充実しています。

飯田市のファミリー向け物件の家賃相場

続いて、ファミリー向け物件です。飯田市の2LDK・3K・3DKの家賃相場は、5.42万円と、近隣の市に比べると抑えめです。伊那市・駒ヶ根市は6.04万円、県庁所在地の長野市は7.81万円、松本市は6.77万円でした。

家賃参照元:LIFULL HOME'S家賃相場 長野県(2024年8月11日時点)

飯田市は市内の子育て支援施設が10ヶ所以上と多く、未就学児の受け入れ先が充実しています。

〈飯田市の間取り別家賃相場〉

2LDK:5.10万円

3DK:6.24万円

家賃参照元:LIFULL HOME'S家賃相場 飯田市(2024年8月11日時点)

飯田市の住みやすいエリアの特徴と魅力

最後に、飯田市内のエリアをもっと具体的に紹介します。飯田市は、利便性がよくショッピングに適した地域から、のどかな田園風景が広がる地域まで、さまざまな特色の地域が混在しているのが特徴です。

飯田市の中でも、エリアによってその表情はまったく異なります。飯田市の中でも、住みやすいおすすめのエリアを5つ選びました。

アップルロードの通る鼎地区付近は、飯田市の中でも利便性の高い地域です。高速道路の飯田ICが近く、JR飯田線の駅は鼎駅・切石駅・下山村駅の3つが存在しているので、アクセスも良好といえます。

アップルロード付近にはイオン飯田アップルロード店やアピタ飯田店などの大型スーパーや飲食店、ミスタードーナツが併設されている大型書店「平安堂」、コメダ珈琲店をはじめとするカフェなどがあり、買い物や食事に便利です。

施設情報:アピタ飯田店

所在地:長野県飯田市鼎名古熊2461

営業時間:9:00~21:00

鼎エリアは、新しいお店が続々と増えていて、飯田市初となるスターバックスコーヒーが2024年9月にオープンしました。「パン工房ローカリズム」は地元の人に大人気のベーカリーで、焼き上がり時間を狙って多くの人が訪れます。

市内で最大規模の病院「健和会病院」もあり、いざというときに安心です。飯田OIDE長姫高等学校と下伊那農業高等学校という2つの高校のほか、飯田短期大学もあり教育機関も充実しています。

このように、鼎地区付近は交通の便がよく、施設も充実しているため、通勤通学の時間帯はもちろん、一日中多くの人でにぎわっている印象です。

アップルロード付近には新興住宅街があり、比較的新しい家が並びます。松川の南側、河岸段丘を境に下段は古くからあるエリアで、長く暮らしている人も多いです。上段の風越山側は街の喧騒から離れて落ち着いて住めるエリアです。

妙琴公園キャンプ場や2つの体育館があり、のびのびと体を動かし自然の中でキャンプを楽しむこともできて、子育て世代にも嬉しい地域といえます。

飯田駅前の様子

JR飯田線の飯田駅は、飯田市の顔であり赤い駅舎がチャームポイントです。駅前には「一茶堂」などお土産処やカフェが充実し、電車の待ち時間にも利用できます。高速バスの発着所があり、東京や名古屋、大阪行きなどのバスが駅前から発着していて便利です。

駅から少し離れた「丘の上エリア」には、市役所や公園、大きな図書館・美術博物館・動物園など、市の施設が充実しています。飯田市立動物園から北に向かって市のシンボル「りんご並木」が伸びています。周囲には昔ながらのお店や飲食店も多く、散策するのも楽しいです。

国道256号線沿いの飯田市美術博物館はもともと飯田城跡であり、「丘の上エリア」は古くから城下町として栄えていました。碁盤の目状の特徴的な町並みは当時の名残です。

歴史ある和菓子屋さんなども多いのがこの付近の特徴で、特に「いとうや」は県外からも多くの人が訪れるほど人気があります。「和泉庄」のあんこがぎっしり詰まったきんつばも有名です。

大宮諏訪神社から伸びる桜並木

大宮諏訪神社から伸びる桜並木は、春になると花見客でにぎわう場所です。桜並木の中には「ハミングパル」という人形劇のからくり時計があり、日中の毎正時に演奏が始まります。実は飯田市は人形劇の街としても有名で、毎年夏には「いいだ人形劇フェスタ」が開催されています。「ハミングパル」はそんな人形劇の街を象徴する時計台です。

駅から北西方面の風越山麓には、「かざこし子どもの森公園」という遊具や施設の充実した広い公園があります。子ども向けの体験教室なども開催されているので一日中遊べます。

上郷飯沼の景色

上郷地区は子育て世代に便利なエリアです。御殿山という高台を上ると、小学校・中学校・2つの高校があります。付近に伊那上郷駅があり、通学時間には学生をはじめたくさんの人が利用しています。野底山森林公園という大きな公園や上郷グラウンドがあるので、子どもがのびのび遊ぶのにもぴったりなエリアです。

下段は国道153号線が通り、イオン飯田店やヤマダ電機などの大型店舗、マクドナルド・なか卯・丸亀製麺などのチェーン店、「らーめん ふたつ矢」「東京庵 別館」などの人気の飲食店があります。東京庵はよく家族や祖父母とご飯を食べた思い出のお店で、サクサクの天ぷらがとてもおいしくておすすめです。

この付近はリニアモーターカー駅が新設される予定になっています。それに伴って道路の拡張工事が進められたため、この数年で国道沿いの景色が様変わりしました。下段の飯沼地区には耳鼻科や小児科、眼科などの病院が集まっているので通院にも便利です。

元善光寺の本堂

座光寺地区は、元善光寺という由緒あるお寺の門前町として栄えたエリアです。元は長野市にある善光寺のご本尊が奉られていたお寺ということで「元善光寺」と称されています。

麻績の舞台桜

元善光寺の近くにある「麻績の里 舞台桜」呼ばれるしだれ桜の大木は、花見の時期には多くの人が訪れます。

国道沿いには書店「平安堂座光寺店」やゲームセンターの「アピナ飯田店」、ファミリーレストランなども多く便利です。飯田市は人口1万人あたりの焼肉店の数が多いことでも有名なのですが、座光寺地区にも「陽富園」などの人気店が並びます。

座光寺スマートICがあるので、高速道路からのアクセスにも便利な地域です。リニア長野県駅予定地からも近いため、完成後にはリニアと高速道路の中継地としてさらに利便性が高まっていくでしょう。風越山側には果樹園や田畑が広がり、スマートICを降りて市街地まで下っていく道のりは山からの絶景が楽しめます。

元善光寺駅付近には廃校になった高校を利用した複合施設「エス・バード」が、高森町との境目には「あんしん市場」などの直売所があり、野菜や果物、地域の特産品などの買い物にも便利です。

天竜峡

飯田市の豊かな自然や景観が存分に楽しめる川路地区は、天竜川沿いにのどかな自然が広がります「天竜川総合学習館 かわらんべ」では天竜川の自然や生き物たちの生態系などを観察・学習できます。

また、近年川路駅前にはおしゃれなカフェやレストランが続々と増えています。「カワジキッチン」は地元野菜を使ったパスタがおいしく、「cafe niwa nowa」ではまるでケーキのようなふわふわのマフィンが人気です。

「ココロファームビレッジ」は地元野菜の直売所とレストランが併設され、いい景色の中で食事や買い物を楽しめます。

そらさんぽ天竜峡

天龍峡大橋に併設された遊歩道「そらさんぽ天竜峡」などの景勝地や「天竜川の舟下り」などのアクティビティスポットも近く、天竜川のつくり出した美しい峡谷の自然を満喫できます。

このように、自然に囲まれた暮らしやおしゃれなカフェめぐりが好きな人におすすめのエリアです。

「丘の上」エリアからの眺め

飯田市は天竜川と山脈に囲まれた豊かな自然の中にあり、気候も安定しているので長野県内では比較的暖かく、住みやすい街です。大自然を満喫できる地域もあれば、国道沿いには便利な商業施設が集まるエリアもあるので、日々の生活にもお出かけにも便利です。

将来は東京や名古屋までもリニアモーターカーで1時間以内とアクセス面でも利便性が高まることが期待され、どんどん便利に進化していく街でもあります。引越し先を探している方は、これからの発展が楽しみな飯田市も選択肢に入れて検討してみてくださいね。

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