シモキタ古着文化の先駆者「HAIGHT&ASHBURY」
「下北沢と言えば?」
そう聞かれて「古着の街」と答える人も多いはず。一度でも「シモキタ」に興味を持ったことがある人なら異論はないはずだ。そんな古着の街「下北沢」において、20年以上もその理由の一端であり続けているお店がある。
北口を出て3分ほど歩くと、真っ赤な巨大ハイヒールが見えてくる。その脇の、これまた大きな矢印に導かれ階段を登ると、そこが「HAIGHT&ASHBURY(ヘイト&アシュバリー)」。海外から直接買い付けてきたヴィンテージ&アンティーク古着を扱う人気店だ。
店内には2000点を超える商品が所狭しと並べられている。洋服はもちろん、帽子や靴、ネクタイからバックまで揃っており男女問わずトータルコーディネートを楽しむことができる。結婚を控えている女性のためには100年前のウェディングドレスも用意されております。

HAIGHT&ASHBURY

挑戦してみる?!100年前のウェディングドレス。重ね着したらかわいいと思います!
おもちゃ箱をひっくり返したような店内にノックアウト!
「ヴィンテージ古着のデパート」を標榜するだけあって、客層は老若男女全体に及び、地方からはるばる訪れるお客さんも多いのだと言う。60代女性の常連さんもいると聞くと、やっぱりシモキタだな、と一人納得してしまう。それだけ幅広い人に愛され続けるにはもちろん理由がある。お店のこだわりとして真っ先にスタッフの並木さんが発した言葉は「コミュニケーション」だった。
スタッフさんたちは親身になってお客さんの話を聞き、コーディネートのアドバイスをしてくれるのだ。下北沢に憧れて暮らし始めるのなら、このお店でコミュニケーションを取りながら洋服選びをしてみたらどうだろう?気軽に相談すれば優しく対応してくれますよ。お目当てのスタッフさんが接客中のときは、お店の外にある喫煙場所で待つお客さんもいるそうです。

「HAIGHT&ASHBURY」スタッフの並木さん。買い付けで年に数回海外を訪れる並木さんは普段着もおしゃれ!

HAIGHT&ASHBURY
下北沢駅の物件を探す 街の情報を見るHAIGHT&ASHBURYのスタッフが語るシモキタの魅力
一見強面のスタッフ、並木さんにシモキタの魅力を語ってもらった。
「1時間もあればまわれてしまうコンパクトな街の中に、色んな雑多なものが詰まっている。そこが面白いんです。バンドマンがいればお芝居をする人がいて、サブカルでレトロな格好の人がいれば今どきのギャルだって普通に歩いている。この街はどんな格好も許されるし許容してくれる懐の広さがありますね。」
たしかにシモキタは「古着の街」であるが、それだけではない。雑多なシモキタをひと言でくくることは無理がある。「コンパクトで雑多」。一見強面だがホントに優しい並木さんの言葉が心に残る。
どこを見ても気になるモノがある店内。棚の中からマネキンの手元までじっくり見て回って、自分の好きなスタイルを見つけて!

HAIGHT&ASHBURY
HAIGHT&ASHBURY
住所: 東京都世田谷区北沢2-37-2 2階
営業時間: 12~22時
シモキタを代表する老舗の古着屋さん。
店内のオブジェなどを見るのも楽しいお店。

スタジャンを中心にした男女のコーディネート例。90年代ミックスファッションで、男性の全身で40,000円超。
下北沢駅の物件を探す 街の情報を見る「HAIGHT&ASHBURY」番外編。 ニューヨークジョー(入浴場?!)
「HAIGHT&ASHBURY」の姉妹店が、同じく下北沢にある「NEW YORK JOE EXCHANGE」。
かつて銭湯だった場所を古着屋さんに改装している。銭湯らしく天井が高いのが分かりますか?元銭湯なので、足元はタイル!
壁のネオンがとってもおしゃれな「NEW YORK JOE EXCHANGE」。
比較的安価な洋服が揃っているので、下北沢で暮らしはじめたら重宝しそうです。

NEW YORK JOE EXCHANGE
都心まですぐそこ! 下北沢の交通事情は?
下北沢駅には井の頭線と小田急線が乗り入れており、渋谷や新宿に一本で出られる。急行で渋谷まで3分、新宿には10分で行けてしまう。茶沢通りを辿ると三軒茶屋の街もすぐそこだ。そのため自転車を利用する人も多く、実際、便利。だが、下北沢の街は小高い丘に挟まれていて坂道が多いので注意が必要だ。暮らしはじめて道が分かってきたら、坂道を避けた独自のルートを開発する楽しみもありそうですよ。

このなだらかな坂が分かるでしょうか。下北沢の住宅街は坂道が多いので、自転車利用はちょっと大変です。/ 下北沢の商店街はシャッターもアート!開店前にアート鑑賞?できるのは下北沢在住ならでは、かも!
下北沢駅の物件を探す 街の情報を見る一度は言ってみたい?! 「住所は?」「シモキタだよ。」
北口も南口も商業施設は駅前に小さくまとまっていて、狭い道が入り組んでいる。商店街は意外に狭く、少し歩けば急に住宅街が広がる。強いて言うなら北口はコンパクトでオシャレな空気が強く、南口は飲食店が多く大衆的な賑やかさがあるように思う。どちらも駅のすぐ近くにスーパーがあり、中でもダイエー系列の「foodium」はなんと24時間営業だ。庶民的なスーパーのオオゼキも南口を出てすぐの線路沿いにあり、普段の買い物に困ることはないだろう。
北口、南口ともに人で賑わっているにもかかわらず、低層な建物が多いからか落ち着いた雰囲気が漂う。繁華街を抜けると街の喧噪はだんだんと和らいでいき、小学校や幼稚園も顔を出す。公園や緑道などの緑も意外と多い。
下北沢の街を挟む小高い丘の上には、閑静な住宅街が広がっている。大きな一戸建てやデザイナーズ住宅も多く、憧れの下北沢の中でも、さらに憧れの地域と言えるかもしれない。

(左上)下北沢でも丘の上は高級住宅街が広がる (右上)下北沢の北口のようす。狭い道の両脇に店舗がずらっと並ぶ。 (左下)下北沢の街を上から見ると・・、高い建物が少ないことに驚きます! (右下)下北沢の商店街を抜けたところにある「北沢川緑道」
「シモキタ=演劇の街」の始まりはここから。 下北沢に引越したら演劇三昧なんていかが?
「下北沢と言えば?」
そう聞かれた時に「演劇の街」と答える人だってこれまた多いはず。シモキタには今でも大小たくさんの劇場が存在するし、シモキタから巣立っていった役者や劇団が数知れずであることに異論を唱える人はいないはず。そして、何事もそうであるように、シモキタにだって「演劇の街」となる始まりがある。
南口を出て、茶沢通りを東北沢方面へと進む。ちょうどカーブの膨らみのあたりに突然昭和レトロな二階建ての建物が見えてくる。「鈴なり横丁」と読めるネオン管のすぐ下の、真っ黒な看板の上を白く踊るカタカナに目をこらす。
「ザ・スズナリ」・・、下北沢を「演劇の街」と言わしめるきっかけとなった劇場だ。
「ザ・スズナリ」の創立は30年前。今でも7つの劇場を擁するここ下北沢において、一番古くからある劇場である。ということは「ザ・スズナリ」が産声を上げた瞬間に、「演劇の街、下北沢」も誕生したことになる。・・なんかスゲー!
スズナリが鎮座する建物自体の歴史は半世紀近くに及び、もとはアパートだった二階部分を改良して劇場にしたそうだ。一階部分には当時のままの造りで小さな飲み屋さんが密集している。
ただ古いだけでなく歴史の当事者としての威厳を兼ね備えた劇場は、いつしか演劇人なら一度は立ってみたいステージとなった。お話をうかがった事務所も当時の和室の匂いをそのままに残しており、下北沢の演劇界を根底から支えてくれているような印象を抱いてしまう。
かといって「ザ・スズナリ」は過度に偉ぶったりはしない。演目を制限したりせずに、常にノンジャンルで門戸を開放し、毎日さまざまなお芝居が公演されている。シモキタに演劇を産み落としたビッグママ(偉大な母)の懐はさすがに広いのだ。ただ、当然ですが・・・、誰でも出られるってわけじゃないかんね!!

ザ・スズナリ
下北沢駅の物件を探す 街の情報を見る演劇の街シモキタ
主任の市川さんに、初めて演劇を見る人に向けて観劇のススメを尋ねてみた。
「下北沢では街なかやお店の中で演劇のポスターや公演案内のチラシをたくさん見ることができます。それらを見て、一人でも知っている名前があれば、まず手始めに、そのお芝居を観賞してみたらいかがでしょうか」
最近の流れとして、芝居小屋や劇団の数は増えているのだそうだ。数ある表現活動において、生で体感できる演劇が活況なのは、インターネットなど顔の見えないコミュニケーションが増えた今だからなのか、などと酔った頭で考えたりもする。
ともあれ、気軽に演劇を楽しめるのは下北沢ならではのこと。せっかくシモキタに住んだなら、ぜひ劇場に足を運び、生の迫力を味わってみてはいかがだろうか。
「ザ・スズナリ」以外にも下北沢には大小合わせて7つの劇場がある。
街のいたるところに演劇のポスターが貼ってあるので、下北沢に引越したらぜひ、生の演劇の迫力を体験して!

「ザ・スズナリ」の客席。レトロでシンプル、潔くてかっこいいです。
ザ・スズナリ
住所: 東京都世田谷区北沢1-45-15
「ザ・スズナリ」は「座・鈴なり」から!?
昼と夜とで表情を変える外観だけでも見る価値アリ!

下北沢には大小合わせて7つの劇場がある
下北沢駅の物件を探す 街の情報を見る更新日: / 公開日:2012.11.21









