賃貸物件の部屋を探すときは、家賃をいくらに設定すべきか悩む人も多いでしょう。家賃は収入額に応じて適切な範囲で設定するのが理想ですが、給料の何割を目安にすればいいのでしょうか。

今回は、家賃の給料に占める割合の目安や、給料別のシミュレーションについて紹介します。

賃貸物件を探すあなた専用!引越しまでのやることリスト

家賃は給料の何割を目安にするのがいい?家賃は給料の何割を目安にするのがいい?

 

国土交通省の2020年度「住宅市場動向調査」(※)によると、民間賃貸住宅に住んでいる人の平均家賃は7万6,059円(月額)、共益費の平均額は4,575円(月額)となっています。

 

また、世帯年収の平均は486万円のため、家賃が収入に占める割合は約2割、給料から各種保険料や税金を天引きされた手取り額(額面の約8割)に対する割合は3割未満ということになります。

 

家賃を給料の何割に設定するかは、生活費や住む場所、貯蓄額などによって異なります。

 

一般的には家賃は給料の3割以下が目安といわれていますが、都市部ではなかなか手頃な家賃の部屋が見つからないことや、3割以下に設定すると生活費が苦しいといったケースもあります。

 

まずは、毎月の支出額について把握し、節約できそうな項目を考慮したうえで給料の2割、3割といった目安で部屋探しをするのがいいでしょう。

 

※ 国土交通省「令和2年度 住宅市場動向調査 報告書

家賃のシミュレーション

 

それでは、家賃を給料(手取り額)の2割、3割に設定した場合を例に、シミュレーションしてみましょう。

 

総務省統計局の2021年「家計調査」(※)を参考にした想定値ですが、あくまで目安となります。

 

※ 総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯 2021年

支出項目

家賃2割

家賃3割

家賃

3万6,000円

5万4,000円

食費

4万円

4万円

水道光熱費

1万5,000円

1万5,000円

携帯電話・インターネット

1万円

1万円

衣類

2万円

1万5,000円

交際費・娯楽費

2万円

1万5,000円

雑費

1万5,000円

1万円

交通費

1万円

1万円

保険

5,000円

5,000円

貯金

9,000円

6,000円

合計

18万円

18万円

手取り18万円で家賃を2割、3割に設定した場合、交際費や娯楽費を抑えるなどの工夫が必要です。

 

貯金をすることは可能ですが、急な出費などを考えると、家賃を3割にした場合は生活費にあまり余裕がないでしょう。

支出項目

家賃2割

家賃3割

家賃

5万円

7万5,000円

食費

5万円

5万円

水道光熱費

1万5,000円

1万5,000円

携帯電話・インターネット

1万円

1万円

衣類

2万5,000円

1万5,000円

交際費・娯楽費

3万円

2万5,000円

雑費

2万5,000円

1万5,000円

交通費

1万円

1万円

保険

1万円

1万円

貯金

2万5,000円

2万5,000円

合計

25万円

25万円

手取りが25万円の場合は、家賃を2割、3割に設定しても一定金額を貯金に回せます。しかし、外食が多かったり、上記の項目以外に出費がかさんだりする場合などは、生活費が厳しくなる可能性があります。

 

生活費をシミュレーションしてみると、一般的には家賃は給料の3割が目安といわれているものの、2割程度の方が家計にも余裕が生まれることが分かります。

 

都市部などは家賃が給料の4割以上ということも十分考えられるので、上記を参考に自分の生活費をシミュレーションして、節約できる項目を見つけてみましょう。

 

賃貸物件を探す

家賃以外の支出も考慮することが大切

 

家賃が家計の支出に占める割合は大きいものの、それ以外にも管理費や共益費など、住む物件によって毎月の固定費が発生します。

 

また、一人暮らしの場合とパートナーと一緒に住む場合とでは、家計の支出金額が異なります。家賃は毎月の固定費から逆算して適切な額を決めることが大切なので、まずは家計における支出全体について把握することが大切です。

 

旅費や医療費、冠婚葬祭費、娯楽費、交際費など、毎月の支出額が決まっていない項目については、ひとまとめにして資金計画を立てるのもおすすめです。

 

たとえば、通院で出費がかさんだ場合は交際費を抑える、冠婚葬祭の予定が入った月は旅行や外出を控えるなど、予算内でやりくりできるように調整してみましょう。

どうしても家賃が給料の3割以上になる場合の注意点は?

 

都市部など、住むエリアによっては家賃が高いケースがあります。

 

たとえば、一人暮らし用のワンルーム(1R)や1K、1DKの間取りで、都内の家賃相場(2022年6月時点)を見てみると、新宿区は10.4万円~、中野区は8.7万円~などとなっています。

 

家賃を少しでも抑えるためには、駅から少し距離のある物件を選ぶ、築年数が古い物件にする、狭くても生活しやすそうであれば検討するなど、物件に求める優先順位について見直してみるといいでしょう。

 

また、すでに家賃が給料の3割以上の部屋に住んでいる場合は、毎月の家計管理をしっかりと行い、外食を控えて自炊にしたり、通信費は安いプランを検討したりするなど、自分に合った節約を心がけましょう。

 

家賃は給料の2~3割程度であれば、節約をしながら無理なく暮らすことができます。ただし、個人のライフスタイルや住んでいるエリアによって、家賃の適切な価格帯は異なります。

 

地価の高いエリアは家賃が高くなる傾向があるため、家賃の家計に占める割合が高くなる場合は、節約できる項目を決めて調整するようにしましょう。

 

賃貸物件を探す

更新日: / 公開日:2022.06.29