なぜシェアハウスが増えてきているのか

シェアハウスとは？

まずシェアハウスとは何を指すのか分からない人もいるでしょう。他人と住まいを分かち合うスタイルを表す言葉は、シェアハウスの他にもゲストハウスやルームシェアなどがあります。

他人と一緒に住むという生活スタイルは最近生まれたものではなく、昔から存在していました。特にお金のない若者たちが家賃を抑えるために、6畳1間ほどの部屋で一緒に生活するというのは住まいをシェアする伝統的なスタイルといえるでしょう。

ただし、ルームシェアとシェアハウスの違いは、ルームシェアのように個人が知り合いと一緒に住むのではなく、シェアハウスは不動産会社が間に入り、契約をして入居します。

シェアハウスを選ぶ人が増えている

シェアハウスを選ぶ理由

それでは、なぜ若者たちはシェアハウスを選ぶのでしょうか。

一つ目の理由は都心の家賃の高さです。20代の若者たちは就職で地方から都心に出てきたものの、安月収に比べて高い家賃に悩まされます。
安いアパートがあっても部屋は狭く、風呂が部屋にないなど快適な生活環境とは言えないところも多いです。こうした都心特有の住宅背景から、シェアハウスが選ばれるようになってきています。

もう一つの理由は人とのつながりです。不況が続く日本社会では若者が車や時計を買わなくなったと言われています。高級な物を手に入れることに夢を見る人は少なくなりました。

そうした若者にとって重要なことは人とのつながりや、その場の体験です。シェアハウスでは人間関係が薄いと言われる都心でも、さまざまな人とつながることができ、会社では得られないような友人関係が築くことができます。こうした背景からシェアハウスが若者の間で支持を集めてきました。

若者にとって重要なことが変わってきた

スポーツや料理教室などテーマ別シェアハウスの登場

最近では、さらに多様な体験を提供するシェアハウスが増加しています。その一つが同じ趣味を持つ人たちのシェアハウスです。

例えば、神奈川県にはトライアスロンをコンセプトにしたシェアハウスがあります。ここにはアスリートが住んでいて、共有スペースには、自転車などでのトレーニングができる場所もあります。

このシェアハウスはアスリート限定ということではありません。運動好きの人なら、ジムに通わなくても家で運動ができ、アスリートにアドバイスをもらうこともできるというメリットもあります。運動好きな仲間を作りたいという人にもオススメです。

東京都内には学びと遊びをコンセプトにしているシェアハウスもあります。
1階のリビングが共有スペースとなっていて、そこで毎月教室が開かれます。内容は料理教室やアロマ教室などさまざまです。一緒に住む仲間と共に学ぶことで、同じ趣味を持つ人とつながることができます。

一人暮らしでは続かなかった趣味も、同じ家に住むハウスメイトと一緒なら続けられるかもしれません。

料理教室が開かれるシェアハウスも

他にもペットとの暮らしを前提として作られたシェアハウスや、音楽好きが集まるシェアハウス、サーファーが集まる海辺のシェアハウスなどテーマはさまざまです。

その中でも特殊なのが、婚活シェアハウスです。その一つが東京都内にあり、260人の男女が住める大型のシェアハウスで、広々としたキッチン、ソファーや大型テレビがあるカフェラウンジ、ウッドデッキなど充実した設備がそろっています。

婚活シェアハウスといっても、婚活だけが目的ではなく、人との交流や自然な出会いができることがメリットです。シェアハウスで料理をしたり、リラックスした姿で過ごしたりすることで、外でデートをする姿とは違う一面が見られることも婚活にとってプラスの材料になるのでしょう。

趣味でつながるシェアハウスも人気

楽しい面だけでなく、デメリットにも注意

どのシェアハウスも不動産サイトで探したり、話を聞いたりすると、楽しくて充実した生活が待っているような気になるでしょう。

しかし、交流の機会が多かったり、同じ趣味だったりして、濃い人間関係ができてくることで、合わない人がいたり、リビングで1人ゆっくりしたくてもできなかったりとストレスに感じてしまう可能性も考えられます。

本当に同じ趣味の人と毎日生活する環境が良いか、新しい恋人との出会いのために婚活シェアハウスを選ぶのか、十分に吟味してから選択してみましょう。
もちろん自分の目的に合致していて、仲間が増え、都心で新しい経験ができる可能性もあるので、まずは情報収集をして理想のシェアハウスを見つけてください。

一人の時間が減ってしまうことも？