LIFULL HOME'Sマーケットレポートとは

不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」で掲載された物件データおよび、ユーザーが不動産会社に問合せた物件(反響物件)データを月次で集計し、翌月25日頃に公開しています。面積、駅徒歩分数、築年数など、エリア別の詳細データはExcelデータをご覧ください。

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【賃貸】首都圏・近畿圏で平均掲載賃料が過去最高値を更新

2025年9月の賃貸物件の平均掲載賃料は、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)シングル向き8万6,635円(前年同月比110.0%)、ファミリー向き14万3,502円(同111.7%)、近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府)シングル向き6万2,240円(同106.3%)、ファミリー向き8万7,746円(同104.8%)となり、いずれも2021年2月の計測開始以降の最高値を更新した。

特に東京23区(シングル向き118,778円、同115.4%/ファミリー向き239,287円、同113.4%)、大阪市(シングル向き7万5,063円、同111.6%/ファミリー向き13万7,882円、同114.1%)における賃料上昇が顕著だ。また、福岡市(シングル向き6万7,610円、同118.1%/ファミリー向き13万4,579円、同118.6%)は東京23区や大阪市をも上回る賃料上昇率で、地方都市のなかでは頭一つ抜けている。

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賃貸物件の平均掲載賃料賃貸物件の平均掲載賃料

LIFULL HOME'S総研 渋谷雄大のコメント

シングル向き、ファミリー向きともに、大都市圏の都心部を中心に賃料相場の上昇が継続してる。東京23区や大阪市では、2024年7~9月期には新築物件が賃料上昇を牽引していた(東京23区、大阪市ともに新築で前年同期比109%、築1~10年で同106%、築11年以上で同104%)のに対し、2025年7~9月期は既築物件でも上昇率が高まり(東京23区が新築で同104%、築1~10年で同109%、築11年以上で同110%、大阪市が新築で同110%、築1~10年で同109%、築11年以上で同117%)、市場全体で賃料の改定が進行しているといえる。

新築物件の賃料相場上昇要因は、資材価格、労務費、エネルギー価格の上昇による建築コストの増加だが、既築物件でも固定資産税、修繕・メンテナンスコスト、金利負担の増加など賃貸経営に関わるコストが大きくなっており、入居者再募集を機に募集賃料を値上げする動きが活発化している。なお、福岡市については、引き続き新築物件が賃料相場上昇の主な要因となっている。

賃貸物件の平均掲載賃料賃貸物件の築年数別平均掲載賃料

【中古マンション】東京23区ファミリー向けの平均掲載価格が初の1億円突破

2025年9月の中古マンションの平均掲載価格は、首都圏シングル向き4,740万円(前年同月比130.8%)、ファミリー向き5,200万円(同129.4%)、近畿圏シングル向き2,722万円(同129.8%)、ファミリー向き3,129万円(同116.5%)となり、いずれも2021年2月の計測開始以降の最高値を更新した。

賃貸物件同様、東京23区(6,183万円、同134.5%/ファミリー向き1億167万円、同150.6%)や大阪市(シングル向き3,385万円、同146.8%/ファミリー向き3,402円、同137.2%)における価格上昇が顕著だ。

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中古マンションの平均掲載価格中古マンションの平均掲載価格

LIFULL HOME'S総研 渋谷雄大のコメント

東京23区のファミリー向き中古マンションの掲載価格は1億167万円(前年同月比150.6%)となり、初めて1億円を突破した。なかでも東京都心6区(千代田区、中央区、港区、文京区、渋谷区、新宿区)では1億6,097万円で同152.5%に達する一方、東京市部では3,423万円で同106.8%にとどまり、都心と郊外での価格の二極化が鮮明になっている。この傾向は大阪市においても同様だ。

また、東京・大阪の都心部では、2024年1~3月期頃より築浅物件の掲載比率が増加しており、価格上昇要因の一つとなっている。新築物件が高額で分譲される状況を受けて、新築物件と比較検討されやすい周辺の築浅物件が強気の価格設定で売りに出されるケースも多く、築浅物件を中心にキャピタルゲインを目的とした取引が増えている可能性がある。

中古マンションの平均掲載価格ファミリー向き中古マンション エリア別平均掲載価格・エリア別平均掲載築年数

【中古一戸建て】ファミリー層では、一戸建て購入への需要シフトが顕在化

2025年9月の中古マンションの平均掲載価格は、首都圏3,798万円(前年同月比107.2%)、近畿圏シングル向き2,545万円(同103.9%)となった。東京都の中古一戸建ての平均掲載価格は6,138万円で前年同月比115.7%と、中古マンション(同145.4%)に比べて安定的に推移している。

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中古一戸建ての平均掲載価格中古一戸建ての平均掲載価格

LIFULL HOME'S総研 渋谷雄大のコメント

ファミリー層のニーズは賃貸から購入へ、特に一戸建てへのシフトが見られる。2022年7~9月期を基準(=100)とした東京都のファミリー向き物件の問合せ数は、賃貸が92に減少する一方、購入は132と拡大。その内訳では、中古マンションが127、中古一戸建てが141と、中古一戸建てへの関心が強まっている。

なお、中古マンション市場では、価格の上昇に比例して問合せ数が増加する動きもある。価格上昇基調を背景に、住みながらも将来的な売却や賃貸への転換を視野に入れた「半投半住」的な需要が存在し、価格上昇局面がむしろ住まいを資産形成の一部と考える層の購入意欲を喚起している可能性がある。

このように、都心部で高額マンション需要が拡大する一方、郊外では価格安定性を背景に一戸建て需要が強まっており、消費者ニーズが二極化している。

中古一戸建ての平均掲載価格東京都 ファミリー向き物件 タイプ別問合せ数(賃貸vs購入、中古マンションvs中古一戸建て)

調査概要

集計対象データ

2021年2月~2025年9月にLIFULL HOME'Sで登録・公開された居住用賃貸マンション・アパート
シングル向き:ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2K
ファミリー向き:2DK、2LDK、3K、3DK、3LDK~

LIFULL HOME'S 不動産データソリューションについて

不動産・住宅情報サービス『LIFULL HOME'S』で保有する大規模な不動産情報や外部データを、お客さまのご要望に沿って提供しています。不動産データの活用により、事業課題の解決や新たなビジネス機会の創出をサポートします。詳細は下記URLをご覧ください。
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分析担当

LIFULL HOME'S総研 渋谷 雄大(しぶや たけひろ)
2015年、株式会社LIFULLに新卒入社。LIFULL HOME'Sの営業として、賃貸マーケットを担当した後、 2020年よりLIFULL HOME'S PRESS編集部で最新の不動産市況を発信する「LIFULL HOME'Sマーケットレポート」などを担当。2025年よりLIFULL HOME'S総研にも所属。

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