新潟を中心に多くの住宅供給実績をもつアサヒアレックスホールディングス
不動産・住宅業界を取り巻く環境は、変化が止まらない。
少子高齢化と人口減少の進行により住宅需要は全国的に縮小、地方では空き家の増加が深刻化している。また、建築資材価格や人件費の高騰、省エネ基準の強化などにより建設コストは上昇傾向が続いている。一方でテクノロジーは進化し、AI時代が到来している。数ある業界の中でも遅れているものの一つといわれる不動産・住宅業界は対応を求められる。
このような背景から特に住宅業界は、新築供給中心のモデルから既存住宅の利活用やリノベーション、街づくりを含めた総合的な価値提供へと業界の構造転換が求められている。
この企画は、住宅を取り巻く社会課題や環境の変化に対応し、挑戦を続ける不動産・住宅業界が向かう方向を企業のトップが語るという企画である。
今回は、新潟を中心に住宅・不動産・リフォーム分野を幅広く展開する企業であるアサヒアレックスホールディングス株式会社を紹介。
アサヒアレックスホールディングスは、高気密・高断熱を備えた注文住宅や分譲住宅を主力とし、設計・施工からアフターサービスまで一貫した住まいづくりを行っている。グループ全体で累計4千棟規模の住宅供給実績を持ち、年間では約150棟前後の住宅を手がけている。また、街づくりを意識した分譲開発やリフォーム、不動産事業にも注力し、グループ売上は大きく成長。性能・デザイン・暮らしやすさを総合的に追求する地域密着型企業として、新潟の住環境向上に貢献している企業だ。
「一生安心して暮らせる家」を追求し「トータルライフカンパニー」を掲げるアサヒアレックスホールディングス株式会社の代表取締役会長 石倉茂雄 氏に、創業からの企業の歩みと、2025年宣言されたばかりの「100億宣言」に込めた想いについて伺った。
「CSなくして企業なし」という企業理念と価値観
-石倉会長が起ち上げられてから、御社は2026年で創業44年を迎えられます。起業の経緯をお聞かせください。
石倉会長:私は20代の頃、大手プレハブメーカーの営業職をしていました。不動産会社の社長にヘッドハンティングされたのですが、その際、「2年間で会社を黒字にする。黒字にしたら辞める」と宣言していました。実際に2年間で宣言通り黒字化を達成して退職したんです。それは“自分が住みたい家をお客様に提供したい”という夢を実現するために独立したかったからです。
新潟は夏は暑く、冬は非常に寒く、風が強いという、日本でも有数の施工が難しいエリアです。そこで、当時は新潟でほとんど普及していなかった2×4住宅にフォーカスしたんです。 2×4は在来工法に比べて坪単価は高くなりますが、断熱性・気密性が高く、耐震性や耐火性にも優れているという「性能の高さ」に確信がありました。工期も短く、お客様や大工の負担も減ります。
1982年4月、新幹線が開通する年に「朝日住研(当時)」を設立しました。当初は私と現場監督等含めてわずか3名のスタートでした。
-御社が創業以来大切にしている企業理念や価値観について、教えていただけますでしょうか?
石倉会長:創業以来変わらない基本理念は、独立のきっかけでもある「自分が住みたい家をお客様に提供する」というものです。自身が住みたくないような家を提供することは、お客様を裏切る行為であると社員に伝えています。25年前からは「CS(顧客満足)なくして企業なし」という覚悟のもと経営の軸にCSを据え、お客様との縁を何よりも大切にしています。
ーその理念は、実際の家づくりや顧客対応にどのように反映されていますか?
石倉会長:お客様との関係は「単なる顧客」ではなく「遠い親戚よりも近くのアサヒアレックス」と呼んでいただけるような「親派(しんぱ)」へと深めることを目指しています。具体的なお客様への対応としては、一例ですが、定期的な訪問のほか、「着工式」を行っています。着工前は形のない注文住宅だからこそ、関わる社員・職人全員が参加し、責任感と安心感を醸成する「顔の見える家づくり」ができるようにという思いからです。コロナ禍でいったん中断せざるを得なかったのですが、また再開する予定です。また、着工後も「お引渡し式」を行い、スタッフも参加。責任をもって引渡しをしています。
グループ企業同士のシナジーが生むトータルライフサポート
-注文住宅・不動産・リフォーム・アフターサービスなど、グループ企業が複数ありますが、その理由と強みを教えてください。
石倉会長:グループ全体のシナジーを活かした“トータルライフサポート”が強みです。グループ企業には、優秀な社員がトップとして経営に携わる「企業内独立」の仕組みによって、各専門分野(不動産、環境事業、施工など)に責任感の強いリーダーが配置されています。これにより、土地探しから施工、エネルギー(太陽光・蓄電池)、リフォームまで一貫した高い品質を提供できます。
お客様は、異なるサービス(例えば住宅購入と太陽光設置)をバラバラに選ぶ手間がなくグループとして一つの窓口で多様な選択肢を安心して検討できます。また、太陽光発電については初期費用がネックですが、環境事業部門がメーカーから直接仕入れる仕組みを構築しているため、高品質な設備を適正価格で提供できるといったコスト面のメリットもあり、その分をお客様に還元できます。
「性能重視」の家づくりを支える大工の内製化
-住宅性能(断熱・気密・耐震・ZEHなど)において、御社が最もこだわっているポイントは何ですか?
石倉会長:創業時から新潟では珍しかった2×4住宅を専門に手掛けた経緯もそうですが「性能重視」の家づくりには強いこだわりがあります。新潟の厳しい気候に適した住環境を実現するため、特に構造を活かした気密性と断熱性は大切にしています。太陽光発電と蓄電池を組み合わせたZEH(ゼロエネルギーハウス)の標準化を推進していくことで、省エネも創エネもできる住宅を提供していきたいと思っています。実際に、家全体をわずか2台のエアコンでまかなえるほどの高い効率を実現できる事例があり、光熱費の負担軽減という形でお客様に還元できると考えています。
ー家づくりの品質管理や施工体制において、御社ならではの特徴は何がありますか?
石倉会長:技術革新が進んでいる業界でもありますが、それでもやはり高品質を提供するには人が行う専門分野である大工の知識と技術は大切だと考えています。品質管理・施工体制の肝として現場のことを熟知する技術者が不可欠です。建築業界では高齢化も進み深刻な大工等の職人不足にあります。そこで弊社では2010年から大工の内製化に取り組んでいます。アサヒアレックスグループの家づくりは、「アサヒ建友会」という腕利き職人集団と、社員大工の「アサヒデプト」が高品質な家づくりを支えてくれています。
建設中でも徹底した施工管理をしています。上棟後は手間を惜しまずブルーシートで全体を囲い、構造材が雨に濡れて狂いやひび割れが生じるのを防ぎます。現場を大切にし、細部にまで行き届いた品質管理体制を敷いています。
全社員で実施するCS訪問。「遠くの親戚より、近くのアサヒ」
ー御社はCSを経営の中心においていらっしゃいますが、引き渡し後のアフターサポートで、特に力を入れていることはどういったものがあるのでしょうか?
石倉会長:全社員で実施するCS訪問です。年に約3,800軒を訪問しています。また、引き渡し時には関わった全スタッフや職人に対するアンケートを実施し回収、その結果を私自らが確認して改善に繋げています。お客様の言葉は何より大切な経営への提言だと考えています。
建てて終わりにせず、何十年経っても「何かあればアサヒさんに」と相談をいただける関係性構築にはCSへの取組みは欠かせません。CS訪問を25年以上継続している結果、親子二代で家を建てていただくケースや、数十年後のお客様が当時の打ち合わせメモを大切に持参してリフォーム相談に来られるといった長い信頼関係を築いています。「遠くの親戚より、近くのアサヒ」と呼ばれていきたいです。
地域を支える「住まいの町医者」
ー長年、御社が地域で住宅を提供されている中で、評価されている価値をどうお考えでしょうか?
石倉会長:変わらない強みは「性能への妥協なき姿勢」と「お客様第一の精神」です。一方で変えてきた強みは、住宅単体から「住環境全般」へと領域を広げた組織の多様性とデジタル活用です。そのうえで、大手メーカーにはない、地域のかゆいところに手が届く「小さな配慮」が私たちの強みです。
今後は家づくりだけでなく、街づくりもしていかなければと考えています。新潟市中央での170区画に及ぶ街づくりや、老朽化した旧市内の建物を再生させて地域の活性化を図る取り組みなど、街そのものを守る姿勢も私たちの価値であると考えています。地域を支える「住まいの町医者」として存在価値を発揮していきたいと考えています。
「100億宣言」「DX戦略」は幸福追求企業であるためのもの
ー御社は2025年、2030年度までに売上高100億円を目指す「100億宣言」をされました。その真意と掲げているDX戦略についてお聞かせいただけますでしょうか。
石倉会長:「100億宣言」は、社員が幸せに働くためのひとつの指標です。大きな成果をあげることで、お客様へのサービスの拡大があり、社員の幸せがあります。儲けることが中心ではなく、大きな影響力を責任とともに持てる企業でありたいという宣言です。そのための基盤として「人間らしいDX」を目指していかなくてはいけないと考えています。単に効率化にテクノロジーを使うのではなく、40年分(約4,000棟)の設計データや打ち合わせメモ、さらにCS訪問で得られる「動的な情報」を統合したCRM(顧客関係管理)が、次の成長の鍵になると確信しています。
その先にお客様のライフステージの変化を正確に捉え、親戚以上の付き合いをデジタルで支える体制が整いつつあります。例えば、お子様の自立タイミングに合わせたリフォームなどの最適な提案やライフステージに合わせた住み替えの際の買い取り再販などを、過去の経緯を全て把握した上で行えるようになり、よりパーソナライズされた顧客体験を提供できるようになると考えます。
ー最後に石倉会長の想いをお聞かせください。
石倉会長:ずっと一貫している「お客様と社員を家族のように大切にする『親派づくり』の精神」です。私たちは、地域に必要とされ続け、社員が「この会社に入ってよかった」と誇れる、磐石な幸福追求企業でありたいと考えています。そのための100億宣言であり、DX戦略であり、その根底はCS経営です。
これからのアサヒアレックスホールディングスにぜひ期待をしていただきたいです。
■取材協力
アサヒアレックスホールディングス
https://asahi-alex-holdings.com/
















