不動産情報ライブラリとは?

国土交通省では、円滑な不動産取引を促進する観点から、オープンデータ等を活用し、不動産取引の際に参考となる情報(価格、周辺施設、防災、都市計画など)を重ね合わせて表示できるWebGIS「不動産情報ライブラリ」の運用を令和6年4月より行っている。

不動産取引の際に参考となる情報の多くは、国や地方自治体などの複数の機関から、さまざまな形式で公開されているが、不動産情報ライブラリは、これらの情報を一元的に集約し、誰でも簡単に、無料で閲覧することが可能となっている。
また、地図上でデータを閲覧するだけではなく、掲載情報の一部をAPIで提供している。
不動産情報ライブラリ:https://www.reinfolib.mlit.go.jp/

図1 地図表示画面(価格情報と洪水浸水想定区域(想定最大規模)を選択・表示)図1 地図表示画面(価格情報と洪水浸水想定区域(想定最大規模)を選択・表示)

令和6年度の利用実績(ページビュー数)

運用開始を行った令和6年4月から令和7年3月までの利用実績を紹介。

公開から1周年を迎え、おかげさまでたくさんのアクセスがあり、1年間で累計約1,800万のPVとなった。
公開当初の4月は話題になったこともありたくさんのアクセスがあり、その後も毎月約100万PVとなっており、誰もが不動産情報を簡単に閲覧できるサイトとして安定的に稼働している。(※表一参照)

表1 累計ページビュー数(2024/4/1~2025/3/31)表1 累計ページビュー数(2024/4/1~2025/3/31)

令和6年度の利用実績(地図画面表示編)

不動産情報ライブラリの地図表示でよく見られているコンテンツのトップ10を紹介する。

# 項目 PV数
1 国土交通省地価公示 1,989,862
2 不動産取引価格情報 1,706,481
3 都道府県地価調査 1,690,682
4 成約価格情報 1,528,770
5 都市計画区域/区域区分 532,023
6 洪水浸水想定区域(想定最大規模) 350,279
7 用途地域 305,970
8 土砂災害警戒区域 301,393
9 津波浸水想定 280,310
10 災害危険区域 266,436

表2 地図画面表示の掲載情報PV数トップ10(2024/4/1~2025/3/31)

特によく閲覧されているのは、不動産の価格に関する情報となっている。
2位の「不動産取引価格情報」は、不動産情報ライブラリでのみ公開している情報となるため、アクセス数が多いと考えられる。価格情報に次いで、防災関連の情報がよく閲覧されており、不動産取引・住まい探しにあたっては、周辺地域の災害リスクに関する情報を考慮することが必須であると考えられる。

令和6年度の利用実績(API編)

APIは1年間で累計約4,700万のリクエスト数があり、API利用申請者数は2,800者を超えた。
個人でも多くの方に利用いただいているほか、自治体など不動産業以外の業態においても幅広く活用されている。
APIリクエスト数のトップ10を紹介する。

# 項目 リクエスト数
1 都道府県内市区町村コード・名称取得 16,508,554
2 地価公示・地価調査 6,217,489
3 不動産取引価格・成約価格(位置情報なし) 5,865,456
4 将来推計人口 4,722,067
5 用途地域 2,983,190
6 学校 1,791,099
7 不動産取引価格・成約価格(位置情報あり) 1,785,169
8 小学校区 1,266,735
9 地形区分に基づく液状化の発生傾向図 981,810
10 医療機関 497,963

表3 累計APIリクエスト数トップ10(2024/4/1~2025/3/31)

APIリクエストにおいては、価格情報の他に、学区などの周辺施設の情報がよく利用されており、自宅周辺の環境の情報収集が重要視されていると考えられる。
9位の「地形区分に基づく液状化の発生傾向図」は令和6年10月に新規に追加したコンテンツになる。APIで情報を提供しているのは不動産情報ライブラリのみのため、多くの方に利用されているのではないかと考える。(令和7年5月現在)

API活用事例の一例を紹介する。
株式会社LIFULLの「AIホームズくんBETA LINE版」では、通学区からの物件検索とエリア毎の不動産取引価格相場の確認が可能となっており、機能の一部に不動産情報ライブラリのAPIが利用されている。
このように不動産情報ライブラリのAPIを活用して、新たなサービスを構築するなどし、新規ビジネスの創出につながる動きもみられている。
もし不動産情報ライブラリのAPIを活用されている事例があったら、後述するアンケート等にて、お知らせいただければ幸いである。

国交省では不動産取引の際に参考となる情報を重ね合わせて表示できるWebGIS「不動産情報ライブラリ」の運用を行っている。これまでにどのような利用実績があったのか、データを紹介する。https://lifull.com/news/33504/ より引用

令和7年度のデータ更新と今後について

令和7年度は、4月、7月、9月、10月、令和8年1月、3月にデータ更新を行うほか、新たなコンテンツも追加予定だ。

新たなコンテンツについては不動産情報ライブラリのお知らせ欄と地理空間情報課Xにて順次公開予定。また、追加後には、利用方法なども紹介していく予定である。

不動産情報ライブラリお知らせ欄:https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
地理空間情報課X:https://x.com/gis_mlit

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