中東情勢の悪化と原油高騰が日本経済に与える影響
2026年2月28日、米国とイスラエルによる共同軍事作戦「オペレーション・エピック・フューリー」が始動し、最高指導者ハメネイ師が死亡したことで、中東情勢は一気に悪化した。
世界の海上原油輸送の約4分の1、LNG(液化天然ガス)の約5分の1が通過する文字通りのエネルギー大動脈であるホルムズ海峡はイランにより事実上の「封鎖」状況にあり、原油先物価格は急上昇した。日本が輸入する原油の約9割以上はホルムズ海峡を経由していることからかなりの影響が出ることが確実だ。すでにガソリン価格は上昇しており、今後 電気・ガスなどのエネルギー価格の上昇も必至だろう。3月9日には日経平均も一時4,000円程度下げた。
原油高騰に伴う建築工事費の追加上昇という懸念
建築工事費は2021年以降上昇を続け、高止まりが続いているが、今回の原油高騰が追加的なコスト上昇圧力となる。鉄骨・鉄筋などの製造コスト、輸送費、現場の重機燃料費はいずれもエネルギー価格に連動する。いろいろな試算が出ているが、今回の原油高騰により5~10%の追加上昇がありそうだ。
建築工事費の上昇は新築マンション・新築一戸建ての価格上昇に直結する可能性が高い。特にこのこところ一戸建ては価格上昇していながらも好調の兆しが見えていたのだが、心配される。
一方で、金の価格が上昇しているように、有事においては現物資産の価格は上昇する可能性があり、不動産もその一つだ。ただ、金の資産性の背景に「希少性」があるように、不動産においても「希少性がある物件」に限られるだろう。
吉崎誠二の不動産投資ニュースピックアップについて
不動産エコノミストの吉崎誠二が、不動産投資に関わる方なら知っておくべきという観点でニュースを厳選し、豊富な経験に基づくコメントとともに伝えるコーナー。投資家や業界関係者はもちろん、不動産投資に関心がある人にとって、重要な動きを理解できるほか、新たな視点を得ることができるはずだ。



