小岩駅(2025年9月〜)
JR小岩駅(東京都江戸川区)では、駅の南北で市街地再開発事業が進められている。南側が「南小岩六丁目地区」および「南小岩七丁目地区」、北側が「JR小岩駅北口地区」となっている。
JR小岩駅は、江戸川区の北端に位置し、JR中央・総武緩行線が乗り入れている。このため、秋葉原駅や新宿駅まで乗換不要でアクセスすることができるなど、都心へのアクセス性に優れている。JR東日本によると1日平均約12万人(2023年度。乗車人数)が利用しており、江戸川区では北部の主要駅に位置付けている。
再開発3地区の概要は次のとおり。このうち、竣工時期が最も早いのが「南小岩六丁目地区」であり、これまでにⅠ・Ⅱ街区が竣工しており、最終区画となるⅢ街区が2025年9月の竣工(分譲住宅の引き渡しは2026年3月中旬)を予定している。
<再開発概要>
1.JR小岩駅北口地区第一種市街地再開発事業
用 途:住宅(総戸数:731戸、「パークシティ小岩 ザタワー」)、店舗、業務、保育所
規 模:地下1階・地上30階、高さ約110m
建築工事完了予定:2027年1月
2.南小岩六丁目地区第一種市街地再開発事業(Ⅲ街区)
用 途:住宅(総戸数367戸、「プラウドタワー小岩フロント」)、商業
規 模:地上1階・地上33階、高さ約110m
建築工事完了予定:2025年9月
※出典:東京都公式ページ、各再開発事業計画書等
3.南小岩七丁目地区第一種市街地再開発事業
用 途:住宅(約1,100戸)、公益施設、保育所、店舗等
(注)2023年10月に都市計画決定。現在、事業計画認可時期は未定。
なお、江戸川区の場合には、地形上のリスクとして河川洪水があげられるが、再開発の建築物はそれぞれ水害対応を踏まえた設計(例えば機械室の上層階設置)とするなど、リスク低減が図られている。河川沿いでの居住では、水害リスクを把握する必要があるが、このような再開発により一時避難機能の充実や浸水戸数の低減、より俯瞰的には流域一体での減災対応(流域治水対策)が進められているため、そうした計画を踏まえた上で地域の将来性を見ると生活をイメージしやすいかもしれない。
今後も、JR小岩駅南北では、段階的に市街地再開発が進められ、大規模な住宅供給が行われる予定であり、都心への近さや住みやすさなどから継続して注目されていくエリアといえる。
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大崎・五反田駅(2026年2月〜)
JR大崎駅および五反田駅(東京都品川区)周辺では、両駅の中間に位置する東五反田二丁目と、大崎二丁目・三丁目で市街地再開発事業が進められている。再開発の事業名称は前者が「東五反田二丁目第3地区第一種市街地再開発事業」、後者が「大崎駅西口F南地区第一種市街地再開発事業」である。
このうち、「東五反田二丁目第3地区第一種市街地再開発事業」については、街区名称が「大崎リバーウォークガーデン」、住宅棟の名称が「ブランズタワー大崎」である。総戸数は約390戸を予定している。また、「大崎駅西口F南地区第一種市街地再開発事業」では、住宅として約450戸が供給予定とされている。
<再開発概要>
1.東五反田二丁目第3地区第一種市街地再開発事業
1街区(業務棟)
用 途:事務所、店舗等
規 模:地下2階・地上20階、高さ約103m
2街区(住宅棟)
用 途:住宅(総戸数389戸、「ブランズタワー大崎」)、保育所等
規 模:地下1階・地上40階、高さ約150m
建築工事完了予定:2027年5月
2.大崎駅西口F南地区第一種市街地再開発事業
用 途:住宅、事務所、店舗、保育所等
規 模:地下3階・地上37階、高さ149m
建築工事完了予定:2026年2月
※出典:東京都公式ページ、各再開発事業計画書等
両駅はいずれもJR山手線の主要駅であり、これまでにも駅周辺では市街地再開発事業が活発に行われている。その背景には、国から都市再生特別措置法に基づく「都市再生緊急整備地域」に指定され、大規模低未利用地の土地利用転換や既成市街地の再構築といった目標のもとに市街地の再編が積極的に進められてきたことがあげられる。
今後も、JR品川駅への近接性や羽田空港をはじめとした臨海部へのアクセス性などを活かした開発が進められることが想定され、継続的に発展していくことが考えられる。
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東京駅・八重洲エリア(2026年2月〜)
日本の玄関口といえる東京駅。新幹線や在来線特急をはじめ、多くの路線が乗り入れている同駅だが、駅の東側にあたる八重洲エリア(日本橋リバーウォークに関係する八重洲一丁目北地区を除く)では、3地区で市街地再開発事業が進められている。
この3地区の再開発のうち、「東京駅前八重洲一丁目東B地区」では、2026年2月に竣工が予定されている。
<再開発概要(東B地区)>
名 称:TOFROM YAESU TOWER
用 途: 事務所、店舗、医療施設、カンファレンス、劇場等
規 模:地下4階・地上51階、高さ約250m
建築工事完了予定:2026年2月
※出典:東京都公式ページ、各再開発事業計画書等
3地区の市街地再開発では、「東京駅前の交通結節機能の強化」の共通目的のもと、地下空間に大規模なバスターミナルが整備される。すでに2022年に竣工した東京ミッドタウン八重洲の地下空間にはバスターミナル東京八重洲が供用しているが、当該バスターミナルとは八重洲地下街等を通じて相互アクセスできるようになる。
3地区すべての建築工事が完了するのは2029年頃の予定となっている。八重洲といえば、従来はビジネス街という印象が大きいが、今回の再開発によりビジネス機能に加えて、商業やホテル、劇場といった機能を持つ施設が誕生する予定であり、集客機能が強化される。
八重洲エリアは、再開発が進む日本橋エリアにも近く、地下・地上において一体でより魅力的な歩行者の都市空間がつくられる。さらに、つくばエクスプレスの東京駅延伸も控えており、丸の内側以上に賑やかになる可能性を有している。そうなれば、八重洲や日本橋、京橋に近い居住エリアはこれまで以上に注目される。
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日本橋駅(2026年3月〜)
東京メトロ銀座線ならびに東西線が乗り入れている日本橋駅周辺では、日本橋地区の首都高地下化事業と合わせて日本橋リバーウォークを形成すべく日本橋川沿いの6地区で市街地再開発事業が進められている。
首都高の地下化工事が2035年頃完了、日本橋の上空に架かる首都高の撤去は2040年頃までに完了する予定である。
地下化工事と一体的かつ連携して進められる市街地再開発事業のうち、「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」が先行して2026年3月に竣工を迎える。日本橋付近に来訪したことがある方なら、建築工事が進められている超高層建築物が目にとまったことがあるかもしれない。
<再開発概要>
用 途: 店舗、事務所、カンファレンス施設、ビジネス支援施設、ホテル、サービスアパートメント等
規 模:地下5階・地上52階、高さ約284m
建築工事完了予定:2026年3月
(注)上記情報はC街区のみ。この他、A・B街区でも店舗等が建築される。
※出典:東京都公式ページ、各再開発事業計画書等
日本橋一丁目中地区の再開発以外にも日本橋駅・日本橋川沿いのエリアでは、大規模な市街地再開発が複数展開される。加えて、首都高地下化事業により日本橋上空に青空が広がり、国の重要文化財である日本橋が再び注目される日は近い。また、このような再生型の新しいまちづくり・都市計画は、国内外から多くの注目集めることが予想され、これまで以上に多くの観光客等が来訪することが予想される。
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月島駅・豊海地区(2026年6月〜)
近年、人口増加が著しい中央区の湾岸エリアでも、東京の経済成長を支えるなど、東京港の変遷と関係が深く、趣きのある既成市街地が色濃く残っているのが月島駅や勝どき駅周辺(豊海地区を含む)である。
【月島駅】
東京メトロ有楽町線と都営大江戸線が乗り入れている月島駅では、2地区で再開発が進められており、それぞれの市街地再開発事業の名称は、「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」と「月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業」である。
<再開発概要>
1.月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業
用 途:住宅(総戸数744戸、「セントラルガーデン月島 ザ タワー」)、店舗等
規 模:地下1階・地上48階、高さ約182m
建築工事完了予定:2028年6月(引き渡し予定:2029年3月)
(注)上記は計画建物A・BのうちAのみ。B棟は子育て支援施設等。
2.月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業
用 途:住宅(総戸数1,285戸、「グランドシティタワー月島」)、店舗、保育所、デイサービス等
規 模:地下2階・地上58階、高さ199m
建築工事完了予定:2026年6月(引渡し予定:2026年12月)
(注)上記はA街区のみの情報。B街区はグループホーム等。
※出典:東京都公式ページ、各再開発事業計画書等
【勝どき駅(豊海)】
勝どき駅は、月島駅の南側に位置し、都営大江戸線が乗り入れている。現在、勝どきエリアに隣接する豊海地区において「豊海地区第一種市街地再開発事業」が進められている。
<再開発概要>
用 途:住宅(総戸数2,046戸、「THE TOYOMI TOWER MARINE & SKY」)、店舗、公益施設、保育所等
規 模:地下1階・地上54階、高さ約189m
建築工事完了予定:2027年3月(引き渡し予定:2027年8月)
※出典:東京都公式ページ、各再開発事業計画書等
鉄道や路線バスを利用することで都心への優れたアクセス性を有する月島・勝どきエリアは、ファミリー層を中心に注目を集めるエリアであるが、今後も継続してエリアの価値を向上させるような再開発が進められる。
その理由として、都市再生特別措置法に基づく特定都市再生緊急整備地域のエリアが含まれていることや、月島エリアの木造密集市街地の解消、さらには、つくばエクスプレスの東京駅延伸と合わせて進められている「都心・臨海地下鉄新線」の計画があるためである。特に地下鉄の新線計画は、勝どき駅と東京駅がダイレクトに結ばれることとなるため飛躍的に利便性が向上する。
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浦和駅(2026年6月)
JR浦和駅(埼玉県さいたま市浦和区)では、駅西のリニューアルが進行している。同駅は1日平均約9万人(2023年度。乗車人数)が利用しており、さいたま県内では、大宮駅に次ぐ利用者数がある。同駅には上野東京ラインや湘南新宿ライン、京浜東北線が乗れ入れており、東京・新宿両方へのアクセス性に優れているのが特徴である。
同駅西口では、住宅や商業、業務、市民会館等が入る複合施設の建築工事が進められている。街区名称は「浦和カルエ」、住宅名称は「URAWA THE TOWER」となっている。
<再開発概要>
名 称:浦和カルエ
用 途:住宅(総戸数525戸、「URAWA THE TOWER」)、商業、業務、市民会館など
規 模:地下2階・地上27階、高さ約99m
建築工事完了予定:2026年6月(住宅部分は、2026年10月引き渡し予定)
※出典:再開発事業計画書等
浦和駅から東京駅までは、平均約25分で到達するため都心まで30分圏内であることが魅力的であり、駅周辺には大規模商業施設に加えて、小規模な個人店舗も多い。さらに、旧中山道の宿場町として栄えてきた歴史があるほか、旧浦和市時代から県庁所在地として成長してきた歴史を有しており、文化的な都市でもある。そうした都市の歴史的な成り立ちが、浦和の住みやすさや暮らしやすさに関係している。
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板橋駅(2027年6月〜)
JR板橋駅の西側では、2地区で市街地再開発事業が進められている。それぞれ「板橋駅板橋口地区第一種市街地再開発事業」と「板橋駅西口地区第一種市街地再開発事業」となる。このうち、板橋口地区については、駅直結の住宅・商業・公共機能を有する複合施設の建築が進められており、2027年6月の竣工が予定されている。
<再開発概要>
1.板橋駅板橋口地区第一種市街地再開発事業
用 途:住宅(総戸数388戸)、商業、公益施設等
規 模:地下3階・地上24階、高さ約126m
建築工事完了予定:2027年6月
2.板橋駅西口地区第一種市街地再開発事業
用 途:住宅(総戸数約390戸)、店舗、事務所、公益的施設等
規 模:地下2階・地上37階、高さ140m
建築工事完了予定:2029年度
(注)上記はA街区のみの情報。B街区では、地上6階建ての事務所等が予定されている。
※出典:東京都公式ページ、各再開発事業計画書等
板橋駅はJR埼京線が乗り入れており、JR池袋駅まではわずか一駅の近さである。一方、板橋区の主要駅でありながらも、宿場町であった趣きのある商店街が板橋らしさを形成しており、駅前空間には滞留や滞在、賑わいといった市街地空間が広がっているとはいえない。しかしながら、今回の駅前の市街地再編ならびに駅前広場の再整備が行われることで、緑に溢れ滞在可能な空間に生まれ変わる予定である。都心へのアクセス性に優れている板橋駅は今後もより注目されていくと考えられる。
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今回は、2025年度後半から2027年度に竣工する再開発の建築物を紹介した。この他にも、注目される市街地再開発として、2026年春に全面開業を予定している高輪ゲートウェイシティがある。この他にも自由が丘駅や青梅駅前、小川駅西口などで再開発事業の完了が予定されているので、引き続き注目してほしい。














