住宅購入の際は一定の条件を満たすことで補助金や減税制度などを受けられますが、2022年より、子育て世帯や若者夫婦の住居費負担の支援強化として、「こどもみらい住宅支援事業」がスタートしました。

今回は、新設されたこどもみらい住宅支援事業の特徴や手続きの流れ、よくある疑問などを紹介します。
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家を建てる際に受け取れる補助金「こどもみらい住宅支援事業」とは?

家を建てる際に受け取れる補助金「こどもみらい住宅支援事業」

マイホームを購入するきっかけは、人によってさまざまです。貯蓄が増えて賃貸から購入に踏み切る人もいれば、結婚や出産などの生活の変化で購入を考える人もいるでしょう。マイホーム購入には一定の資金が必要になります。特に若い世代は貯蓄額が少なく、経済的な理由から購入を見合わせるケースも少なくありません。

 

そんな若者夫婦や子育て世代の住宅費支援強化と、2050年カーボンニュートラルの実現を目的とし、2021年度の補正予算案に「こどもみらい支援事業」が盛り込まれ、閣議決定されました。

 

子育て世代や若者夫婦世帯が高い省エネ性能の住宅を購入したり、住宅の省エネ改修等をする際は、一定の条件を満たすことで国から補助金を受け取ることができます。この制度は2022年3月から交付申請が開始しました。将来的に省エネ性能を有する住宅が増えていくことが期待されています。

住宅

まずは、基本的な制度の概要についてみていきましょう。

補助事業の対象とそれぞれの対象者は以下のとおりです。

補助対象となるケース

対象者

注文住宅の新築 ※子育て世帯または若者夫婦世帯が取得する場合のみ

建築主

新築分譲住宅の購入 ※子育て世帯または若者夫婦世帯が取得する場合のみ

購入者

リフォーム

工事発注者

  • 子育て世帯…申請時点で2003年4月2日以降に生まれた子どもがいる世帯
  • 若者夫婦世帯…夫婦であり、申請時点でいずれかが39歳以下(1981年4月2日以降出生)の世帯

2050年カーボンニュートラルの実現という観点から、新築の場合は以下の2つの要件を満たした住宅を購入することが、補助金を受け取るうえでの条件となります。

対象住宅の要件

要件1:以下の1~3のいずれかに該当する住宅であること

 

  1. ZEH住宅(ZEH、Nearly ZEH、ZEH ReadyまたはZEH Orientedなど)
  2. 高い省エネ性能等を有する住宅(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅)
  3. 一定の省エネ性能を有する住宅(日本住宅性能表示基準で定める断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4の性能を有する住宅。ただし、断熱等性能等級4の基準のうち、結露の発生を防止する対策に関する基準を満たさない住宅も対象)

 

要件2:住戸の延べ床面積が50m2以上であること

リフォームについては、子育て世帯や若者夫婦世帯といった特定の世帯要件はありません。ただし、対象となるリフォーム工事は、以下の1~3のいずれか、もしくは1~3の工事と同時に4~8の工事を行うケースが対象となります。

リフォームする場合の対象要件

(必須の工事)

1. 開口部の断熱改修

2. 外壁・屋根・天井または床の断熱改修

3. エコ住宅設備の設置

 

(任意の工事)

4. 子育て対応改修(家事負担の軽減のための設備の設置、防犯性向上のための開口部の改修、生活騒音へ配慮した開口部の改修、キッチンセットの交換を伴う対面化改修など)

5. バリアフリー改修

6. 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置

7. 耐震改修

8. リフォーム瑕疵保険等への加入

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こどもみらい住宅支援事業で受け取れる補助金額

こどもみらい住宅支援事業で受け取れる補助金額は、住宅の性能や工事内容によって異なります。

住宅の種類

補助額

ZEH住宅

100万円/戸

高い省エネ性能等を有する住宅

80万円/戸

一定の省エネ性能を有する住宅

60万円/戸

工事の種類

補助額

住宅の省エネ改修(必須)

住宅の子育て対応改修、耐震改修、バリア

フリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事等(任意)

最大30万円/戸 ※工事内容に応じて補助額が設定

リフォーム工事については、工事内容に応じて補助額が設定されますが、5万円未満の場合は補助申請ができません。また、子育て世帯・若者夫婦世帯等には、以下のように最大60万円の特例があります。

世帯の属性

既存住宅の有無

補助額

子育て世帯または若者夫婦世帯

既存住宅の購入あり

最大60万円/戸

子育て世帯または若者夫婦世帯

既存住宅の購入なし

最大45万円/戸

その他の世帯(法人を含む)

安心R住宅の購入あり

最大45万円/戸

その他の世帯(法人を含む)

既存住宅の購入なし

最大30万円/戸

既存住宅は売買契約額が100万円(税込)以上であること、補正予算案閣議決定日の2021年11月26日以降に売買契約を締結していることが条件となります。また、リフォームは居住目的で購入した住宅でリフォーム工事を行う場合にのみ、今回の補助金制度が適用されます。

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こどもみらい住宅支援事業の補助金を受け取るための手続き

こども未来住宅支援事業の補助金を受け取るためには、手続きが必要になります。この手続きの申請は工事を請け負う事業者や販売事業者(ハウスメーカーや工務店など)が行います。そのため、住宅購入者は共同事業者としてすべての申請手続きに協力することになります。

 

ただし、対象者に直接振り込まれるわけではなく、補助金は住宅事業者に振り込まれます。 共同事業実施規約の取り決めに従い、 以下のいずれかで住宅事業者から還元されます。

  1. 契約代金(最終支払い)の一部に充当
  2. 現金の支払い(契約代金を精算済みの場合に限る)

また、注意したいのが、「こどもみらい住宅事業者」としてあらかじめ登録している事業者が対象となる点です。ハウスメーカー選びの段階から補助金を受けることが可能か、事前に担当者に確認する必要があるでしょう。

 

参照:https://kodomo-mirai.mlit.go.jp/assets/docs/general_user.pdf

2021年11月26日以降に工事請負契約等を締結していること、施工会社からこどもみらい住宅支援事業の事務局に事業者登録を行った後で着工するものであることが、補助対象となります。

 

また、補助金の申請期間は、2022年5月時点で2023年3月31日まで(締め切りは予算の執行状況に応じて公表※)となっていますので、最新情報については事務局のホームページで確認するようにしましょう。

 

※締め切りが2022年10月31日から2023年3月31日までに延長されました

子育て世帯や若者夫婦世帯は、住民票の写しが必要になります。また、そのほかにも一定の要件に適合した住宅であることを証明する書類や、対象工事内容に応じた証明書類など、申請にあたっては複数の書類が必要になります。事業者が申請手続きは行いますが、必要な書類はすぐに用意できるように何が必要になるか確認し、早めに準備しておきましょう。

こどもみらい住宅支援事業の補助金に関する注意点

今回の補助金の対象となる住宅は、ZEH住宅や一定以上の省エネ性能を有する住宅となります。高性能の省エネ住宅を建てる場合は、建築費用が一般住宅よりも割高となり、認定を受けるための費用も必要となります。

 

申請のための書類や添付図書の作成費用などもかかるため、補助金を受けることを想定していても、事前に見積もりでトータルコストを確認するようにしましょう。また、原則として国のほかの補助金との併用ができない点にも注意が必要です。複数の補助金を検討している場合は、地方公共団体などの補助制度が併用可能かどうか確認するようにしましょう。

子育て世代

新設されたこどもみらい住宅支援事業は、若者夫婦や子育て世代の住宅費支援の強化と、2050年カーボンニュートラルの実現を目的とした補助金制度です。利用を検討している人は、ハウスメーカー選びの際に補助金を受けたい旨を伝えたうえで住まいづくりを進めましょう。

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更新日: / 公開日:2022.03.17