非正規雇用でも組める住宅ローン
パートやアルバイトは収入が不安定と見なされ、一般的な住宅ローン審査は厳しい傾向にあります。しかし、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」は雇用形態を問わないため、一定の収入があれば利用できる可能性があります。
詳しくは、「パート・アルバイトでも住宅ローンを組める可能性はある?」をご覧ください。
住宅ローン審査通過のための準備
住宅ローン審査を通過するには事前の準備が重要です。他の借入を完済して信用情報をクリーンにしたり、頭金を用意して借入額を減らしたりすることで、返済負担率を下げることができ、審査に通りやすくなります。
詳しくは、「住宅ローン審査に通過するために押さえるべき4つのポイント」をご覧ください。
夫婦で協力してローンを組む
共働き夫婦であれば、二人の収入を合わせて申し込む「収入合算」や、それぞれがローンを組む「ペアローン」を利用できます。一人で申し込むよりも借入可能額を増やせるため、住宅購入の選択肢が広がります。
詳しくは、「共働き夫婦なら収入合算やペアローンもひとつの方法」をご覧ください。

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厚生労働省の調査(※)によれば2024年4月時点、パートタイム労働者比率(事業規模5人以上が対象)は29.86%とされており、世帯主が非正規雇用であるケースも決してめずらしくはありません。

そんなパートやアルバイトといった非正規雇用者の中には、住宅ローン審査はハードルが高く、マイホームを諦めなければならないと感じている人もいるでしょう。しかし、きちんと収入があれば、住宅ローンの利用は可能です。

 

今回はパート・アルバイトの人でも住宅ローンを利用できるのかどうか、審査の仕組みや注意点を踏まえながら解説していきます。

(※)厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年4月分結果速報」

パートやアルバイトの収入

パートやアルバイトをしている人は、以下のような理由から公務員や正社員と比べて審査が厳しくなってしまう面があります。

  • 人員削減のターゲットになりやすい
  • 収入向上の機会が少ない
  • 住宅ローンはその他のローンよりも長期の返済になる

住宅ローンは、返済期間が20年、30年と長期になるのが特徴です。住宅金融支援機構の調査(※)によれば、返済期間(約定貸出期間)の平均は27年とされており、安定的かつ継続的な収入を見込めることが貸し出しの前提であるといえます。

 

そのため、仮に現在の収入額が正社員と比べて同程度であったとしても、パートやアルバイトで働いている人は不利になってしまうのです。

 

たとえば、企業が人員削減を行うことになっても、正社員の場合は解雇の条件が厳しいため、基本的には非正規雇用者が先に対象となってしまいます。そうした面から、非正規雇用者の住宅ローン審査はハードルが高いのが現状なのです。

 

(※)住宅金融支援機構「2020年度 住宅ローン貸出動向調査

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住宅ローンを組む

これまでに見てきた理由から、パート・アルバイトの場合は、一般的な民間の金融機関が取り扱う住宅ローンを利用できないケースがほとんどです。それでは、正規雇用者でなければ住宅ローンを利用できないのかというと、実際には利用できる場合もあります。

 

ここでは、パート・アルバイトでも利用できる可能性のある「フラット35」の仕組みについて詳しく見ていきましょう。

フラット35とは、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して取り扱う長期固定金利の住宅ローンです。フラット35の審査基準は一般的な金融機関とは少し異なり、一定以上の年収がある場合に限り、雇用形態にかかわらず申し込むことができます。

 

そのため、パートやアルバイトの人でも、しっかりとした収入があれば、利用できる可能性があるのです。ただし、審査そのものが緩いというわけではありません。

 

フラット35の場合は、特に購入する住宅に関する審査が厳しく、物件検査を受けて基準に適合していると認めてもらう必要があります。また、融資額や返済負担率などについては、通常の住宅ローンと同様に審査の対象となります。

 

正社員と比べて審査で不利になってしまうことには変わりないため、通過するためのポイントを理解したうえで、適切な準備を進めていきましょう。ここからは、住宅ローン審査通過のために、押さえておくべきポイントを解説していきます。

 

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住宅ローンの審査

住宅ローン審査を有利に運ぶためには、大きく分けて4つのポイントを押さえることが大切です。

住宅ローンの審査では、利用者個人の信用情報が細かくチェックされます。過去にクレジットカードやキャッシングなどのお金を延滞しているなど、金融事故を起こしてしまっている場合には、審査の通過が難しくなってしまうのです。

 

信用情報に不安がある場合には、JICC(株式会社日本信用情報機構)やCIC(株式会社シー・アイ・シー)などの信用情報機関で自身の情報を取り寄せ、事前に確認しておきましょう。

 

また、自動車ローンや教育ローンなど、住宅ローン以外のローンを組んでいる場合も審査に影響を与えます。そのため、住宅ローンを借りるまでに、これらのローンを完済しておくのが望ましいです。

返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合のことです。たとえば、年収300万円の世帯で月々8万円ずつ返済する計画を立てた場合、返済負担率は「8万円×12ヶ月÷300万円=32%」となります。

 

返済負担率が高いと、返済中の滞納リスクも高くなるため、審査では不利になってしまいます。多くの金融機関では、返済負担率30~40%以内を上限として設定しており、安定して返済できる目安は25%以内とされています。

 

非正規雇用の場合は、収入の安定性が低くなるため、できるだけ返済負担率を抑えることが大切です。

借入金額を減らす一番の近道となるのは、頭金(自己資金)をためることです。住宅購入に充てられる自己資金率を高めれば、融資額を削減できるため、審査に通りやすくなります。

 

また、フラット35の場合は融資率が9割以内であるかどうかで金利が変わり、頭金が多いほうが低金利で利用できます。こうした理由から、審査に不安がある場合には貯金がたまるまで待って、受けてみるのも有効です。

住宅ローンの審査項目にはさまざまなものがあります。特に勤続年数や年収に関する基準は、金融機関によって大きく異なるため、条件に合いそうな借入先を見つけることが大切です。

 

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夫婦でペアローンを組む

共働き夫婦の場合は、住宅ローンの審査時に夫婦の収入を合算することで、単独で申し込むよりも審査に通りやすくなったり、融資額を増やせたりするメリットがあります。

 

ここでは、夫婦の収入を合わせる2つの方法について見ていきましょう。

収入合算とは、夫婦それぞれの年収を合算して行う契約方法です。詳しい方法は金融機関によって異なり、どちらかがアルバイトやパートの場合は半額として計上するといったケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

 

収入合算には「連帯債務」と「連帯保証」の2つの方法があり、それぞれ仕組みや特徴は異なります。

 

連帯債務の場合は、夫婦の一方が主たる債務者となるものの、債務自体はどちらも同額であり、それぞれが住宅ローン控除を受けることが可能です。

 

連帯保証の場合は、夫婦の一方が債務者、もう一方が連帯保証人となって契約します。連帯債務との違いは、連帯保証人は債務者ではないという点ですが、債務者の支払日がきた時点で債権者から支払い請求がきたら、連帯保証人にも返済義務が生じます。

収入合算の場合は、夫婦それぞれの年収を足し合わせるものの、組むローンの本数はあくまでも1本です。それに対してペアローンは、夫婦それぞれが別々に住宅ローンを組み、2本の住宅ローンで1軒の住宅を購入する仕組みとなっています。

 

たとえば、2,400万円の住宅を購入する際、夫が1,200万円、妻が1,200万円の住宅ローンを組むといったイメージです。

 

収入合算とペアローン、それぞれの契約方法には異なるメリットとデメリットが存在しているため、夫婦で話し合いながら、家庭の実情に合わせた方法を選ぶことが大切です。

 

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住宅ローンの借入額

最後に、住宅ローンの借入額の目安を年収別に見ていきましょう。ここでは、LIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を使って、借入限度額や毎月の返済額を計算します。

シミュレーションにあたり、まずは具体例として、以下の項目を設定しました。

  • 年齢30歳
  • 頭金なし
  • 返済負担率25%
  • 金利は固定金利1.5%で計算

この条件を基に、25年返済、35年返済のそれぞれで計算を行うと、シミュレーション結果は以下の表のようになりました。

 

年収

毎月返済額

借入可能額(25年返済)

借入可能額(35年返済)

200万円

4.2万円

1,050万円

1,372万円

300万円

6.3万円

1,575万円

2,058万円

400万円

8.3万円

2,075万円

2,711万円

500万円

10.4万円

2,600万円

3,397万円

あくまで一例で概算ではあるものの、もし住宅の購入価格に到達しない場合には、頭金をためておく必要があると考えておきましょう。

住宅ローンは長期にわたる返済が必要となるため、ライフスタイルの変化や健康状態に関するリスクにも目を向けておくことが大切です。また、住宅の購入にあたっては、税金や諸費用といった購入代金以外のコストもかかります。

 

そのため、トータルコストを明確にしたうえで、賃貸を続けた場合と比較検討することも大切です。

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住宅ローンを組む

  • パートやアルバイトの場合、正社員よりも住宅ローン審査が厳しい
  • 一定以上の年収があれば、フラット35を利用できる可能性がある
  • 審査に通過するためのポイントを押さえておくことが重要
  • 共働き夫婦なら収入合算やペアローンを検討するのもひとつ
  • 借入額が高いと審査では不利になるため、頭金をためておくことも大切
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Q1:パート・アルバイトでも住宅ローンは組めますか?

A1: はい、パートやアルバイトの方でも、住宅ローンを組める可能性があります。特に「フラット35」は、雇用形態にかかわらず一定以上の年収があれば申し込むことができます。ただし、審査自体が緩いわけではないため、事前の準備が重要です。

Q2:パート・アルバイトだと住宅ローンの審査は厳しいと聞きましたが、なぜですか?

A2: パートやアルバイトの方は、正社員と比べて人員削減の対象になりやすかったり、収入向上の機会が少なかったりする傾向があるため、長期にわたる住宅ローンの返済能力が不安視され、審査が厳しくなることがあります。

Q3:フラット35とはどのような住宅ローンですか?

A3: 「フラット35」は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して提供する長期固定金利の住宅ローンです。一般的な金融機関の審査基準とは異なり、雇用形態に関わらず一定以上の年収があれば申し込みが可能です。ただし、購入する住宅に関する審査が厳しい特徴があります。

Q4:住宅ローンの審査に通るために、具体的にどのようなことをすれば良いですか?

A4: 住宅ローンの審査を有利に進めるためには、以下の4つのポイントを押さえましょう。
・信用情報(クレジットカードやローンの支払い状況など)を事前に確認し、問題があれば解消しておく。
・年収に対する年間返済額の割合である「返済負担率」をできるだけ下げる。
・借入金額を減らすために、頭金を多く準備する。
・ご自身の条件に合った金融機関の借入条件を細かく確認する。

Q5:共働き夫婦の場合、住宅ローンで有利になる方法はありますか?

A5:共働き夫婦の場合、「収入合算」や「ペアローン」といった方法で夫婦の収入を合算することで、単独で申し込むよりも審査に通りやすくなったり、融資額を増やせたりするメリットがあります。どちらの方法が良いかは、ご夫婦の状況によって異なりますので、よく検討することをおすすめします。

Q6:収入合算とペアローンの違いは何ですか?

A6: 収入合算は、夫婦それぞれの年収を合算して1本の住宅ローンを組む方法です。連帯債務や連帯保証といった形があります。一方、ペアローンは、夫婦それぞれが別々に住宅ローンを組み、2本のローンで1軒の住宅を購入する方法です。

Q7:住宅ローンの借入額は、年収によってどのくらいが目安になりますか?

A7: 年収によって借入可能額の目安は変わります。例えば、年収300万円で返済負担率25%、金利1.5%の場合、35年返済であれば約2,058万円が借入可能額の目安となります。ただし、これはあくまで目安であり、頭金の有無や返済期間によっても変動します。

Q8:住宅ローンの返済計画を立てる際に注意すべきことはありますか?

A8: 住宅ローンは長期にわたる返済が必要となるため、ライフスタイルの変化や健康状態に関するリスクも考慮に入れることが大切です。また、住宅購入には、物件価格以外に税金や諸費用といったコストもかかるため、トータルコストを明確にした上で計画を立てましょう。

更新日: / 公開日:2021.05.27