- 分譲マンションを賃貸に出す利点と注意点
- 分譲マンションを賃貸に出すと、資産として持ち続けながら家賃収入を得られますが、空室リスクや維持管理のコストも発生します。将来的に再度住むことや売却も可能ですが、住宅ローン控除が受けられなくなる点には注意が必要です。
詳しくは、「分譲マンションを賃貸に出すメリット・デメリット」をご覧ください。 - 分譲マンションを賃貸に出すための手順
- 分譲マンションを賃貸に出すには、まず仲介を依頼する不動産会社を探し、賃貸借契約の方法を選択します。その後、不動産会社と契約を結び、入居者を募集し、審査を経て賃貸借契約を締結するという流れが一般的です。
詳しくは、「分譲マンションを賃貸に出す5つの手順」をご覧ください。 - 分譲マンション賃貸の費用と税金の知識
- マンションを賃貸に出す際には、リフォーム代や管理委託料などの費用がかかります。家賃収入から経費を差し引いた不動産所得には所得税・住民税が課税され、確定申告が必要です。経費にできる項目を把握しておきましょう。
詳しくは、「分譲マンションを賃貸に出す際の費用と税金」をご覧ください。
これまで住んでいた分譲マンションを手放す際には、売却だけでなく賃貸にも目を向けてみると、より適した答えが見つかることもあります。
今回は分譲マンションを賃貸に出すメリット・デメリット、具体的な手順、注意点などを詳しく見ていきましょう。また、賃貸に出して成功させるために押さえておきたいコツも併せて解説します。
分譲マンションを賃貸に出すメリット・デメリット

まずは、分譲マンションを賃貸に出すメリット・デメリットを見ていきましょう。
分譲マンションを賃貸に出すメリット
分譲マンションを賃貸に出すもっとも大きなメリットは、資産として持ち続けながら家賃収入を得られる点にあります。売却とは異なり、所有権を手放すことはないため、将来的にもう一度自分の居住用として利用したり、改めて売却を検討したりすることが可能です。
また、賃貸に出すことで、税制上のメリットが得られる可能性もあります。賃貸による収入は、ほかの所得と合算して課税される「総合課税」の対象となるため、所得金額の計算上で損失が出た場合には節税対策につながるのです。
さらに、賃貸の場合は、経費として計上できる項目が多いところも利点の1つです。
分譲マンションを賃貸に出すデメリット
大きなデメリットとして挙げられるのは、空き室となるリスクがある点です。立地に恵まれなかったり、築年数が経っていたりする場合には、借り手が見つからずに賃料が得られないケースもあります。
分譲マンションを貸し出す場合、入居者の募集や日常の清掃、設備の修繕といった維持管理が必要となるため、借り手がいなければその分のコストを回収できなくなってしまうのです。さらに、資産として保有し続ける限りは、固定資産税などを負担し続けなければなりません。
また、賃貸に出すことにより、住宅ローン控除の要件に適合しなくなるため、特別控除を受けられなくなる点にも注意が必要です。
分譲マンションを賃貸に出す5つの手順

分譲マンションを貸し出すまでの流れは、大きく5つに分けることができます。ここでは、主な手順とポイントを紹介します。
手順1:仲介を依頼する不動産会社を探す
まずは、賃貸物件を取り扱っている不動産会社を探すことが第一歩となります。自分で入居者を探すことも不可能ではないものの、法律などの専門的な知識が必要であるため、仲介を依頼するほうが無難です。
仲介依頼を受けた不動産会社は、賃料設定から物件の引き渡しまで、取引の全般にわたる手続きを主体となってサポートします。
手順2:賃貸借契約の方法を選択する
賃貸物件の契約には、「普通借家」「定期借家」「サブリース」といった3通りの方法があります。
普通借家契約とは、一般的な賃貸物件で用いられる契約形態のことであり、通常は2年に1度の更新を行います。原則として、借主が更新を望む場合には、正当な事由がない限り貸し手側から拒絶することはできません。そのため、いずれ居住する物件に戻す予定がある場合には注意が必要です。
定期借家契約は、更新をしないことを定めた賃貸借契約で、期間の満了により一旦必ず終了します。ただし、再契約を禁止するものではなく、合意のうえで再契約を結ぶこともできます。1年未満でも契約が可能であるなど、普通借家契約に比べて、貸し手に有利な契約ができるのが特徴です。
しかし、国土交通省の「住宅市場動向調査」(令和2年)によれば、賃貸において定期借家契約が利用されている割合は全体のわずか2%とされています。そのため、認知度の低さや貸し手に有利な契約形態が関係して、借り手を見つけにくい点がデメリットです。
サブリースは、不動産会社に物件を貸し出し、不動産会社から借主へまた貸しをする方法です。家賃の10%ほどの手数料がかかるものの、維持管理を不動産会社に任せられる点がメリットです。

手順3:不動産会社と契約を結ぶ
不動産会社に仲介を依頼する方法には、「媒介契約」「代理契約」の2種類があります。どちらも入居者の募集は不動産会社が行ってくれるものの、媒介契約の場合は貸主が入居者を選ぶことができます。
一方、代理契約は入居者の選定も不動産会社に任せる形態です。トラブル予防のために自分で入居者を判断したい場合には媒介契約、遠方で動きにくい、特にこだわりがないといった場合には代理契約が適しています。
手順4:入居者の募集
仲介の契約が決まってからは、賃料などの条件を設定して入居者の募集が始まります。広告の掲載などは不動産会社が行ってくれるため、必要に応じて相談しながら手続きを進めましょう。
手順5:賃貸借契約の締結
入居希望者が見つかったら、「内見」をしてもらい、入居の申し込みへと進みます。内見の際には貸主が立ち合いをすることはなく、不動産会社の担当者に鍵を貸し出して手続きを進めてもらうのが一般的です。
物件を気に入ってもらい、入居申し込みが済むと、入居審査を経て賃貸借契約の締結となります。
売却を相談する不動産会社を探す分譲マンションを賃貸に出す際の注意点

分譲マンションを賃貸に出すときには、損失やトラブルを避けるためにいくつか気をつけておくべきポイントがあります。ここでは、主な注意点について見ていきましょう。
契約形態に気をつける
前述したとおり、普通借家契約は貸手の都合によって更新を断ることができません。そのため、いずれ居住用に戻す予定があるのであれば、普通借家契約は避けるべきだといえます。
住宅ローンが残っている場合は必ず金融機関へ相談する
住宅ローンが残っている場合には、無断で賃貸に出すと契約違反になり、残債の一括返済が求められてしまう可能性があります。そのため、必ず融資を受けている金融機関へ相談しましょう。
また、場合によっては、より金利の高い「セカンドハウスローン」や「事業用ローン」への切り替えが必要なケースもあります。
管理の手間やコストを考慮する
管理会社などに管理の委託をしない場合は、貸し出している期間も管理義務が生じます。管理業務は集金やクレーム対応、設備トラブルの解消といった幅広い分野にわたるため、専門家へ委託するほうが安心です。
分譲マンションを賃貸に出す際の費用と税金

賃貸と売却のメリットを比較する際には、コストや税金の面にも目を向ける必要があります。賃貸でかかる主な費用について見ていきましょう。
費用はどのくらいかかる?
費用については、主にリフォーム代、設備交換費、管理委託料などの項目が挙げられます。室内のクリーニングやリフォーム、設備の不具合の解消について、どのくらいの費用がかかるのか見積もりを出してもらうといいでしょう。
また、管理委託料は家賃の5~10%が相場とされています。これらの費用は経費として計上できるため、正確な金額を把握しておくことが大切です。
支払うべき税金は?
賃貸によって発生する税金は、主に所得税・住民税の2種類です。所得税・住民税は賃貸によって得られた利益(不動産所得)に対してかかるものであり、確定申告をして納税する必要があります。
固定資産税や都市計画税は、マンションを保有しているだけでかかってしまうものであるため、賃貸として出さなくても支払う必要があります。ただ、これらの税金はその他の費用とともに経費として計上することが可能です。
不動産所得は「年間の賃料収入-経費(クリーニング・リフォーム代+管理委託料+固定資産税・都市計画税+その他費用)」によって求めます。どの項目を経費として認められるのかは、仲介を依頼する不動産会社に相談しておくと安心です。
売却を相談する不動産会社を探す分譲マンションを賃貸に出して成功させる3つのコツ

分譲マンションを賃貸に出して成功させるには、「不動産会社選び」「家賃設定」「需要の見極め」の3つのポイントを押さえるのがコツです。
不動産会社選びのポイント
賃貸の取扱いをしている不動産会社のなかから、「集客力が高い」「管理内容とコストのバランスがいい」といったポイントを意識しながら探していきましょう。
また、担当者の対応や人柄も重要な判断基準のひとつです。賃貸に出すまでにはさまざまな手続きが必要であり、その後もトラブルなどがあれば対応してもらうことになるため、安心して任せられる誠実な相手を見極めましょう。
適切な家賃設定を行う
家賃を決める方法としては、「賃貸事例比較法」が用いられるのが一般的です。賃貸事例比較法とは、周囲の似たような物件の家賃と比較をしながら、築年数や階数、設備の違いなどを考慮して算出する方法です。
LIFULL HOME’Sの「家賃相場」では、立地・間取り・築年数といったさまざまな条件を組み合わせながら、駅・市区町村ごとの相場を簡単に調べることができます。賃料の妥当性を確かめるために、参考にしてみるといいでしょう。
需要を見極める
賃貸に出すうえで、もっとも避けたいのは空き家リスクです。賃貸需要を見極めるためにも、まずは「単身者向け」「ファミリー向け」などのターゲットを明確にしましょう。
ターゲット層が明確になると、どのような条件が優先されやすいのかを把握することができます。たとえば、単身者向けであれば交通アクセスのよさ、ファミリー層なら治安や周辺環境の利便性など、それぞれのニーズが異なるため、狙いを明確にすることが大切です。
また、不動産会社が親身になってくれる場合は、どのようなマンションに需要が集まるのかも教えてもらえます。そのうえで、条件に該当しなければ、空き家にしておくよりも思い切って売却するのもひとつの方法です。
賃貸に出すメリットや注意点を理解して売却と比較検討しよう

- 賃貸に出せば資産として保有しながら収入が得られるほか、再入居や売却といった選択肢も広がる
- 維持管理コストがかかるため、借り手が見つからないとデメリットが大きい
- 分譲マンションを貸し出すまでの流れを把握しておく
- 賃貸でかかる費用と税金の仕組みを理解しておく
- 信頼できる不動産会社選び、適切な賃料設定、需要の見極めが賃貸成功のカギ
よくある質問
Q.1:分譲マンションを賃貸に出すか売却するかで迷っています。賃貸のメリットとデメリットを教えてください。
A.1:分譲マンションを賃貸に出す一番のメリットは、家賃収入を得ながら資産として持ち続けられる点です。将来的に自分で住む、あるいは改めて売却を検討することもできます。また、家賃収入を得るためにかかった費用は経費として申告できるため、節税につながる可能性があります。
一方のデメリットは、入居者が見つからない「空室リスク」です。空室の間も管理費や固定資産税などの維持費はかかり、収入がないまま支出だけが続く恐れがあります。また、賃貸に出すと住宅ローン控除が利用できなくなる点にも注意が必要です。
Q.2:将来的にまた自分が住む可能性があるので、期間限定で貸したいのですが、可能ですか?
A.2:可能です。その場合は「定期借家契約(ていきしゃっかけいやく)」という契約方法を選ぶとよいでしょう。この契約は、あらかじめ決めた期間が満了すると契約が終了するのが特徴です。一般的な「普通借家契約」では、正当な理由がない限りオーナーから契約更新を断るのが難しいため、将来自分で住む予定があるなら定期借家契約が適しています。
Q.3:住宅ローンがまだ残っています。賃貸に出す際に注意すべきことはありますか?
A.3:住宅ローンが残っている物件を賃貸に出す場合は、必ず事前にローンを利用している金融機関へ相談してください。無断で賃貸に出すと契約違反となり、ローンの残額を一括で返済するよう求められるリスクがあります。金融機関に相談した結果、金利が比較的高い事業用ローンへの切り替えが必要になることもあります。
Q.4:賃貸に出すには、まず何から始めればいいですか?
A.4:まずは、賃貸の仲介を行う不動産会社を探し、相談することから始めましょう。個人で入居者を探すことも不可能ではありませんが、契約や法律に関する専門知識が必要になるため、不動産会社に依頼するのが一般的です。不動産会社は、家賃の設定から入居者の募集、契約手続きまで一貫してサポートしてくれます。
Q.5:賃貸に出すとき、具体的にどのような費用がかかりますか?また、税金はどうなりますか?
A.5:主な費用には、入居者募集のためのハウスクリーニング代やリフォーム費用、古くなった設備の交換費用などがあります。不動産会社に管理を任せる場合は、管理委託料(家賃の5%程度が目安)も必要です。税金については、家賃収入からこれらの経費を差し引いた利益(不動産所得)に対して、所得税と住民税がかかります。年に一度、確定申告をして納税する必要があります。なお、所有している限りかかる固定資産税なども経費として申告できます。
Q.6:家賃はどのように決めればいいですか?
A.6:一般的には、周辺にある似たような条件の物件の家賃を参考にして決めます。物件の立地や築年数、階数、部屋の広さや設備などを考慮して、適切な家賃を設定することが大切です。不動産会社に相談するほか、LIFULL HOME’Sの「家賃相場」のようなサイトを使い、所有する物件に近い条件で相場を調べることもできます。
Q.7:入居者が見つからない「空室リスク」が心配です。どうすればいいですか?
A.7:空室リスクを避けるには、所有するマンションがどのような人(単身者、ファミリーなど)に需要があるのか、「ターゲット」を明確にすることが大切です。例えば、単身者向けなら駅からの距離、ファミリー向けなら周辺の治安や利便性などが重視される傾向にあります。ターゲットのニーズを理解し、物件の魅力をアピールしましょう。信頼できる不動産会社であれば、地域の賃貸ニーズについてアドバイスをもらえるでしょう。
Q.8:入居者とのやりとりや建物の管理も、すべて自分で行う必要がありますか?
A.8:自分で行うこともできますが、家賃の集金やクレーム対応、設備のトラブル対応など、管理業務は多岐にわたります。専門的な知識も必要になるため、管理業務は不動産会社などの専門家へ委託するほうが安心です。管理委託料はかかりますが、その費用は経費として申告することが可能です。
Q.9:不動産会社との契約には、どのような種類がありますか?
A.9:不動産会社に仲介を依頼する契約には、主に「媒介契約」と「代理契約」の2種類があります。一番の違いは、「最終的に誰に貸すかを自分で決めるか、不動産会社に任せるか」という点です。
・媒介契約:最終的に入居者を自分で選びたい方向け
・代理契約:遠方に住んでいるなどの理由で、入居者選びもお任せしたい方向け
どちらの契約でも、入居者募集は不動産会社が行います。
Q.10:賃貸経営を成功させるために、一番大切なことは何ですか?
A.10:主な成功のコツは、以下のとおりです。
1. 信頼できる不動産会社をパートナーに選ぶこと
2. 周辺の相場をよく調べて、適正な家賃を設定すること
3. 所有するマンションがあるエリアの賃貸ニーズを正確に見極めること
この3点を押さえることが、賃貸経営を成功させるためのカギとなります。
更新日: / 公開日:2021.03.25










