中古住宅を購入するときに、ぜひ知っておきたいのが「すまい給付金」制度についてです。新築でなくても中古住宅の購入時にも利用できます。
すまい給付金の実施期間は、2014年4月から2021年12月31日まで。
この期間内に住宅の引き渡しを受けて入居し、1年3ヶ月(*)以内に必要書類を揃えて申請すれば、最大50万円がもらえます。
ただ最初は、難しい書類をいくつも集めたり、記入したりと戸惑うことも多いと思います。「誰か分かりやすく教えて!」という声に応え、ここではできるだけ簡潔に、すまい給付金について説明します。
*当初の申請期限は1年以内でしたが、2015年4月1日から当面の間、1年3ヶ月以内に延長中。
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すまい給付金とは…最大50万円もらえる!
すまい給付金に申し込むと、消費税10%時には最大50万円がもらえます。
厳密に言うと、現金でもらえるわけではなく、指定した本人の口座にすまい給付金事務局からお金を振り込んでもらえます。
もらえる額は、以下の通り。
- 消費税10%:10万円、20万円、30万円、40万円、50万円 (5段階)
購入した住宅の金額ではなく、基本的に収入が低い方ほど多くの給付金を受けられる仕組みとなっています。
住宅ローン減税とも併用可能です。しかし、長ければ10年近く継続してもらえる住宅ローン減税とは違い、すまい給付金がもらえるのは1度きり。
1人1回限りなので、1度もらうとこの先また住宅を買ったとしても、すまい給付金を再び受け取ることはできません。
すまい給付金がもらえないケース

すまい給付金の対象となる方、及び住宅に関する条件は、いくつか細かく設けられています。
それらを見る前に、まず最初にすまい給付金がもらえるか、もらえないのかの大きな分かれ目となる、大前提となる条件からチェックしましょう。
これから中古住宅を購入予定の方はしっかり覚えておいてください。
1. 「個人が売主の中古物件」はすまい給付金の対象外
消費税がかからない個人が売主の中古物件の場合だと、残念ながらすまい給付金を受け取ることはできません。必ず、売主が宅地建物取引業者でなければなりません。
なぜなら、すまい給付金は2014年4月、消費税が5%から8%へ引き上げられたことをきっかけに生まれた制度で、大きくなってしまったマイホーム購入時の消費税負担を減らすことが目的だからです。
もし、これから購入予定の物件に、消費税がかかるのか不明な場合は、事前に「すまい給付金の対象となりますか?」と売主や不動産会社に一言確認しましょう。
2. 「第三者による品質検査がされていない中古物件」は対象外
中古物件の場合は、以下4つのうちのどれか1つに当てはまらなければ、すまい給付金を受け取ることはできません。
- 既存住宅売買かし(瑕疵)保険に加入
- 既存住宅性能表示制度を利用(耐震等級1以上のもの)
- 新築時に住宅かし担保責任保険に加入(築10年以内の住宅)
- 新築時に建設住宅性能表示制度を利用(築10年以内の住宅)
1と2は中古住宅の購入前に手続きを行うことが必要で、3と4は事前に確認をしておかないといけません。
特に1と2は任意の検査であるため、自ら動かない限り、誰かが勝手にやってくれていたということは少ないはずです。必ず購入前に確認するようにしましょう。
3. 収入が目安金額より高いと対象外
すまい給付金を受け取るには、対象者の収入の目安にも条件があります。
・消費税10%:収入額の目安が775万円以下
収入の目安がこの金額を超えている方にとっては、この“目安”の範囲が1,000円なのか10万円なのか、どのくらいの幅をもっているのか気になると思います。
曖昧なその理由には、収入を全国一律に把握することが難しいことから、収入ではなく、収入に応じて決まる都道府県民税の所得割額(いわゆる住民税の額)によって、すまい給付金の額を決定する仕組みになっていることが関係します。
ポイント
表向きはわかりやすいように収入で示されていますが、実際にすまい給付金の額を決定するための基準となる数字は、収入ではなく、都道府県民税の所得割額です。
さらに、大事なポイントは、この収入の数字は「夫婦(妻は収入なし)および中学生以下の子どもが2人のモデル世帯」における夫の収入額が目安となっていること。
そのため、家族構成(扶養人数)の違いによって、収入目安を超えていても対象となる方、あるいは逆に、収入が目安より下でも対象外となる方が出てくる可能性があります。
そのため、まずは収入の額にとらわれずに一度、すまい給付金のオンラインシミュレーションを行い、もらえるかどうかの確認してみることをオススメします。
すまい給付金のオンラインシミュレーションについては、下の「もらえる金額の計算方法」で詳しく説明します。
その他の条件
その他の条件に関しては、そこまで複雑なものはありませんが、すべてクリアできているか確認しましょう。
■人
・対象となる住宅が持ち家で、自らが居住していること
・住宅ローンを5年以上組んでいること
・住宅ローンを利用せず現金購入の場合は、年齢が50歳以上*の方
*消費税10%時には、収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の要件が追加
■家
・登記簿上の床面積が50m2以上
・現行の耐震基準を満たしていること
もらえる金額の計算方法

(1)オンラインシミュレーション
すまい給付金を利用することで、大体いくらお金が返ってくるのか知りたい方は、国土交通省がインターネット上に公開している「すまい給付金シミュレーション」を使うと便利です。
・すまい給付金かんたんシミュレーション
http://sumai-kyufu.jp/simulation/kantan/
その場で答えられる5項目(消費税率、所有権、住宅ローンの利用の有無、年収、扶養家族の人数)に答えるだけ。自分が対象者かどうか、いくらもらえるのか、ざっくり知りたい方にオススメです。
・すまい給付金しっかりシミュレーション
http://sumai-kyufu.jp/simulation/shikkari/
源泉徴収票を用意する必要があります。質問項目も多いですが、より正確な数字を知りたい方はこちらから。
(2)手動計算
すまい給付金の額は、以下の計算式によって知ることができます。
まず給付基礎額とは、ベースとなる金額のこと。対象者であれば、消費税8%時は10万円か20万円、30万円のいずれかの金額になります。
次に、持分割合とは、住宅の所有権の割合のこと。1人で所有していると持分割合は100%。また、夫と妻で70%と30%に分けていたりと人によって様々です。
ただし、注意点として、住宅の所有権(持分割合)を持っていても、購入した住宅に住んでいなければ、すまい給付金をもらうことはできません。
例

給付基礎額を知る方法
給付基礎額は、住宅を購入する方の“都道府県民税の所得割額”によって決まります。
都道府県民税の所得割額を知るには、市区町村が発行する課税証明書を手に入れましょう。
課税証明書の入手方法
課税証明書は、新居ではなく、今まで住んでいた住宅の市区町村役場に行けば手に入れられます。
基本的に、窓口は税務課になり、交付手数料は数百円程度。本人であることを証明する運転免許証かパスポート、どちらか1点持っていけばOKです。

ポイントは、何年度の課税証明書が必要なのかを調べておくこと。
購入した中古住宅の引渡し時期によって、必要となる“課税証明書の発行年度”が決まっているので、上の表を参考にしてください。
例えば、2019年3月1日に新居に越してきた方は、2017年の収入が反映された2018年度の課税証明書が必要です。自営業や職業上、収入に波がある方は、対象となる年の収入が510万円を超えていないか注意してください。
役場に行く以外の入手方法
地域にもよりますが、課税証明書は、郵送で取り寄せたり、マイナンバーカードを持っていればコンビニのマルチコピー機で印刷できたりもします。
詳しくは、市区町村役場のホームページをご覧になるか、直接問い合わせてご確認ください。
都道府県民税の所得割額がわかれば、下の表に当てはめるだけで自身の給付基礎額がいくらなのかを知ることができます。
消費税10%の場合( 住宅ローン利用あり)

消費税10%の場合( 住宅ローン利用なし)

政令指定都市 一覧(2019年3月時点)
北海道札幌市、宮城県仙台市、埼玉県さいたま市、千葉県千葉市、神奈川県横浜市、神奈川県川崎市、神奈川県相模原市、新潟県新潟市、静岡県静岡市、静岡県浜松市、愛知県名古屋市、京都府京都市、大阪府大阪市、大阪府堺市、兵庫県神戸市、岡山県岡山市、広島県広島市、福岡県福岡市、福岡県北九州市、熊本県熊本市
※神奈川県は他の都道府県と住民税の税率が異なるため、所得割額が異なります。
中古マンションを探す 中古一戸建てを探す 賃貸物件を探すすまい給付金の申請方法
すまい給付金の申請は、買った家に入居した後に行います。
申請方法には、必要書類を添えて下記のすまい給付金事務局へ郵送する方法と、各都道府県で設けられている最寄りのすまい給付金申請窓口へ直接持っていく方法があります。
ちなみに、申請窓口で給付申請書をもらうことはできません。申請に関する書類は、事前にすべて自分で用意して持参する仕組みです。
行けばなんとなかなるというわけではないので、注意してください。なお、申請書は、すまい給付金のホームページからダウンロードが可能です。
お役立ちメモ
■ すまい給付金事務局
〒115-8691
赤羽郵便局 私書箱38号 すまい給付金申請係
■ 最寄りのすまい給付金申請窓口 検索ページ
http://sumai-kyufu.jp/application/send/index.php
■ すまい給付金 申請書類のダウンロード
すまい給付金をもらうのに必要な書類
中古物件を購入し、すまい給付金を受け取るには、具体的にどんな書類を用意すればよいのでしょうか。
申請に必要となる書類を以下にまとめました。

多くの書類が必要ですが、すでに受け取っている書類に関してはコピーでOKなものもあります。
法務局や役場、金融機関と行くべき場所がたくさんあって面倒に感じるかもしれませんが、一つひとつクリアしていきましょう。
書類を入手するときに注意したいポイント
- 「住民票の写し」はマイナンバーの記載がないものを用意。
- 「住宅ローン契約書」はコピーでOKですが、ローン申込書やお客様控えではなく、あくまで印鑑が入った原本のコピー。
- 「個人住民税の課税証明書」は、年度内に引っ越した場合、新居ではなく旧居の市区町村で発行。
複数で家を購入した場合は“まとめて申請”
必要書類は原則として、その物件を購入した人ごとに必要です。
例えば、夫婦共有名義で家を購入している場合は、夫と妻それぞれの「不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本」「住民票の写し」「課税証明書」「振込口座」を確認できる書類を揃えることになります。
ただし、“まとめて申請”を利用することで、一部の書類をどちらか一方のみの提出で済ませることが可能です。
まとめて申請を行うには「まとめて申請 利用確認書」を添えて提出します。省略できる書類は、以下の3つ。これ以外の書類は、夫婦それぞれで必要になります。
- 不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本
- 住民票の写し
- 不動産売買契約書
当然ながら、以上の書類が正しく揃っていなければ申請は受理されません。書類の発行にお金がかかるものもあるため、準備の際はこまめに確認しながら行うとよいでしょう。
お役立ちメモ
給付申請書の作成方法

給付申請書の作成方法は2通りあります。
- すまい給付金のホームページから申請書をダウンロードしてプリントアウトし、手書きで記入する方法
- ホームページの「申請書作成機能」の入力画面に入り、パソコン上で記入してプリントアウトする方法
オススメは2の“パソコン上で記入する方法”。入力しなければならない項目がわかりやすいため記入漏れのリスクが少なく、間違えても入力し直せばよいので便利です。
ただし、パソコンで入力しても、そのままインターネット申請ができるわけではありません。申請は、あくまでも郵送か窓口に持っていくかです。プリントアウトした書類に、未記入箇所がある場合は、手書きで加筆して完成させればOK。
お役立ちメモ
書類が完成したらどうする?
書類がすべて揃ったら、あとは申請するのみです。オススメはすぐに事務局に郵送するのではなく、全国にある申請窓口に直接もっていく方法。
窓口では書類の不備や漏れがないか、必要書類が揃っているかをその場でチェックしてもらえるため安心なうえ、書類漏れなどで再申請する手間が省けます。
もし、窓口で追加で必要な書類を指摘された場合は改めて手配し、その後は郵送で申請するという方法も可能です。
申請後の流れ
書類の申請後は、すまい給付金事務局による審査が行われます。申請の受付から給付金の振込みまでは、1.5~2ヶ月程度の時間がかかります。
もし、申請内容に誤りなどがあった場合は、さらに時間がかかるようです。またその場合は、電話連絡が来る可能性があるので、連絡が取れるようにしておきましょう。
審査が完了すると「すまい給付金の振込みのお知らせ」というハガキが発送されます。ハガキには、給付金額と振込予定日が書かれています。
そして振込予定日に、給付金の振込みが無事確認できたら完了です。おつかれさまでした。
迷ったら「すまい給付金事務局」に相談

すまい給付金は、住宅の引き渡しを受けてから1年3ヶ月以内に申請すれば、最大50万円がもらえる魅力的な補助金のひとつ。この期間内であれば、すでに購入済みの方も対象になるため、ぜひともチェックしたい制度です。
ただし、ここで紹介した通り、給付金を受け取るにはいくつか条件があり、必要書類も様々あるため、進めていくうちに不安に思うことがあるかもしれません。そんなときは「すまい給付金事務局」に問合せることをオススメします。
■すまい給付金事務局
ナビダイヤル:0570-064-186(9〜17時、土日祝含む、要通話料)
すまい給付金は、条件さえ満たせば誰でも受けられる公的制度です。賢く利用して、ゆとりある新生活をスタートさせてくださいね。
まとめ
・すまい給付金の実施期間は、2021年12月31日まで
・申請は住宅の引き渡しを受けて1年3ヶ月以内
・すまい給付金を利用できるのは1人1回限り
・給付額は、消費税10%時には40万円、50万円が追加されて5段階に
・消費税がかからない個人間売買の物件は対象外
・申請者の収入の目安が775万円以上だと対象外
・中古住宅の場合は第三者による品質検査が必要
・申請書類は複数あり、すべて自分で用意する
・申請は郵送あるいは全国の窓口に持参する
更新日: / 公開日:2019.03.28

