銀行のポスターなどで「最大▲1.8%」といった住宅ローンの金利表示を見たことがありませんか? これだけでは、自分の借入金利が結局何パーセントになるのかすぐにはわからない方も多いと思います。それを理解するためには、住宅ローンの金利がどのようにして決まるのかを知る必要があります。
そこで、住宅ローンを紹介している金融機関の広告の見方や、「基準金利」と「適用金利」の違い、当初タイプと全期間タイプのどちらがお得かなどをご紹介します。
無料で住まいの窓口に相談する住まいの窓口とは住宅ローンについて調べる
住宅ローンの金利ってどんな仕組み?
住宅ローン金利には、もともと設定されている「基準金利」とそこから割引されて実際に顧客が利用できる「適用金利」の2つがあります。「基準金利」とは、主に日本銀行が操作している短期プライムレートに連動する変動金利の元となる金利です。ただ、超低金利政策のもと、ここ10年ほど2.475%で変化していません。この金利が民間金融機関の店頭に表示されている金利になります。しかし、実際にローンを借りるときの金利は基準金利ではありません。

イラスト/あべかよこ
民間金融機関は顧客獲得競争の激化から、基準金利から何パーセント金利を安くするか、という金利優遇を行うようになり、金利が引き下げられていったのです。この金利引き下げ幅が先程の「最大▲1.8%」にあたります。この引き下げ幅は銀行の審査や各銀行によっても変化するので、自分が何パーセント引き下げて借りられるかは最大割引金利とは限らないので、注意が必要です。
先ほど説明した「基準金利」から金利優遇による引き下げ幅を差し引いたものが「適用金利」と呼ばれ、この金利が、みなさんが実際にローンを借りる際の金利になります。こうした背景で、民間金融機関では「基準金利」と「適用金利」の二重表示の構造が生まれたのです。
また、引き下げの方法や表示は銀行の方針によって違うので、表示されている金利が「基準金利」なのか「適用金利」なのかをきちんと確認しましょう。
広告の表示をしっかり理解しよう
では、民間金融機関の金利が広告でどのように表示されているのか、下記の図1を使って、見てみましょう。

図1:広告の表示を読み解こう
店頭表示金利とは、金融機関が設定している元の金利で「基準金利」のこと。この店頭表示金利からどれぐらい引き下げられているのかが▲で表されています。また、民間金融機関では金利プランが用意されており、今回の表示では、当初タイプと全期間タイプのものが併記されています。
当初タイプとは、通常固定金利選択型を選んだ場合に利用できるタイプで、固定金利期間中は金利引き下げ幅が手厚く、期間終了後に引き下げ幅が小さくなるタイプのことです。
もう一方の全期間タイプは、固定金利選択型、変動金利型どちらの場合でも申し込め、返済中の全期間、金利が同率で引き下げられるタイプです。
次に、全期間タイプの金利の表示を見てみましょう。全期間タイプは返済中の全期間で金利が同率で引き下げられるので、当初タイプのように期間によって金利は変化しません。今回の場合は、基準金利から年間1.4%の金利引き下げを返済期間中ずっと受けられることを意味します。
今回の例では、固定金利選択型でも、変動金利選択型でも全期間タイプの金利は同じですが、金融機関によっては固定金利選択型の期間や変動金利かどうかで、金利が異なる場合もあるので、しっかりチェックしましょう。広告の表示をきちんと読み取れるようになり、自分に合ったタイプでローンを組むことが大切です。
住まいの窓口に資金計画を相談する 住宅ローンについて調べる
当初タイプと全期間タイプ、どっちが安く済む?

イラスト/あべかよこ
実際に当初タイプと全期間タイプ、どちらがお得なのか、改めて、図1の例で確認してみましょう。
まず、借入金額3000万円、返済期間35年、固定金利10年のローンを借り入れる人を想定します。また、店頭表示金利、つまり基準金利は、35年間3.9%のままとし、当初タイプの金利は当初10年間▲1.9%、以降▲1.2%。一方、全期間タイプの金利は全期間▲1.4%とします。
当初タイプを選ぶと、当初10年間の適用金利が2.0%、以降の適用金利が2.7%となるので、総返済額は4419万3791円となります。一方、全期間タイプを選ぶと、全期間の適用金利が2.5%となるので、4504万4199円となります。
したがって、当初タイプと全期間タイプの総返済額の差は85万408円になり、当初タイプを選ぶのがお得ということになります。
今回は当初タイプを選ぶほうがお得になりましたが、一概にどちらを選んだらお得とはいえません。
一見、当初の固定金利期間中の金利の引き下げ幅が大きいので、当初タイプのほうがお得に感じる方も多いと思います。しかし、当初の固定金利期間終了後の金利の引き下げ幅は、大きく違うので、全期間タイプがお得な場合もあります。
当初期間終了後の金利の引き下げ幅がどれぐらい当初期間中と違うのかをチェックして、総返済額がどうなるのかを確認すると安心です。
また、全期間タイプは金利の引き下げ幅が当初タイプより小さい一方、全期間同じ比率の金利を支払えば良いので、返済額を安定させたい方や、貯蓄がそれほど多くない人にはおすすめです。
当初タイプか全期間タイプかのどちらが良いのかは人によってそれぞれ違います。ライフプランや返済額の安定度など自分が大事にしていることで決めるのが良いでしょう。
住まいの窓口に資金計画を相談する 住宅ローンについて調べる
更新日: / 公開日:2018.11.27









