地震や台風・雪害など、近年、自然災害の話題が絶えません。大きな自然災害を前に、人間は無力なものだと実感させられますが、充分な災害への備えをすることで、少しは日常生活を安心してすごすことができます。
今回は、防災とアウトドアグッズの関係について、日本のアウトドアシーンを牽引してきた「コールマン」に取材しました。
当編集部の調査でも、いざというときにアウトドアグッズが役立つと考えている人は多いようです。アウトドアのプロが教える防災への備えとは?
物件を探す
キャンプ用品は、外で快適にすごすために作られている
「コールマンでは、東日本大震災から支援活動の一環で被災地にテントや寝袋を提供をしています。2016年4月14日に発生した熊本地震では、ライト・寝袋・テント等3,666個を支援物資として提供しました」と、コールマン ジャパンプレス担当の阿部拓さん。
キャンプや屋外レジャーには、家の快適さを外でも味わうためにアウトドアグッズを持っていくもの。災害時には、このアウトドアグッズがそのまま防災グッズになると言います。
「たとえば、テントやタープを使用することで、パーソナルスペースの確保ができます。テント内にマットや寝袋を敷くと、寝室代わりになります。車中泊はエコノミー症候群が心配ですが、ある程度の広さが確保できるテントなどがあれば、その心配もありません。被災地からも、足を伸ばして眠ることができたという声が寄せられています」。
その他、簡単に組み立てられるキャンプ用の椅子やテーブルでリビングルームをつくったり、コンロやバーナーを使って小さなキッチンにするなど、いざという時にも使えるアウトドアグッズは、意外と多いです。

画像提供:野口健事務所
「東日本大震災」後、ランタンやクーラーボックスの需要が増えた
「東日本大震災のときは、関東圏で計画停電が行われました。その際に需要が大きかったのは、ランタンとクーラーボックスです。この2点は、通常とは違う売れ方をしました。ランタンは懐中電灯に比べてとても明るく、手で持たなくてもいいので、家に電気がきていなくても、料理や食事・トイレに行くなど様々なシーンで使っていただいたようです。クーラーボックスは、冷蔵庫の代わりになるほか、貯水用としても使われました」。
その他、電気の開通が遅かった地域は、ガソリンバーナーやガスバーナーの需要が高まったそうです。燃焼系のアウトドアグッズは、電気が来ないオール電化の家でも重宝しそうです。

左上:ガソリンランタン 左下:バッテリーランタン 右上:ガス-ツーバーナー 右下:クーラーボックス ※画像提供 コールマン ジャパン
物件を探す災害を機に進化する「ランタン」
手提げでも、置いても使用できる照明器具「ランタン」。
コールマンの乾電池を使うバッテリーランタンは計画停電時に需要が高まり、その後、ランタン購入をきっかけにキャンプをはじめる人もいたそうです。
「最新のものはマグネット脱着式で合計5つの光源が確保できます。脱着式になったことで、トイレにひとつ・調理場にひとつ置くなど、キャンプ時はもちろん、災害時にも役立つ工夫がされました。また、USBポートが付いたので携帯電話の充電ができるようになりました。今や、携帯電話はライフラインのひとつですから」。
ランタンはまわりを広く明るく照らす特長があります。懐中電灯と比べると、明るさには大きな差が出ます。

脱着式で様々な場所で使える。機能性が高まった「クアッドマルチパネルランタン」 ※画像提供 コールマン ジャパン
災害時にも役に立つアウトドアの知識「暖をとる」
アウトドアグッズが、防災グッズとしても優れていることが分かりました。
では、キャンプで身につく技術や、アウトドアならではの工夫は、災害時にどのように役立つのでしょうか。
「ランタンには、電池をつかう電池式と、ガソリン等の燃料をつかう燃焼式の2種類があります。万が一のときには、燃焼式の扱いに慣れていると良いと思います。電池式に比べると燃焼式のほうが明るく、燃焼式は『火』なので暖をとれるのも良い点ですね。東日本大震災時にも、燃焼式ランタンは暖をとる用にもつかわれたようです。実は、キャンプで寒いときは、足元に燃焼式ランタンを置くことがあります。もちろん、テント内は火気厳禁です!」
なるほど、燃焼式ランタンを使いこなせると、いざという時に役立ちそうです。

燃焼式ランタンの明るさは、災害時の疲れた心も癒やしてくれそうです
物件を探す災害時にも役に立つアウトドアの知識「水の節約」
次に、水を節約するためコツを聞きました。
「食事後の食器を洗うのにも、水を使います。食事に使用する食器はラップをかけて使うことで、食器を汚さずに使うことができます」。
アウトドアレジャーやキャンプは、「屋外でいかに気持ちよくすごすか」を多くの人やメーカーが工夫してきました。この工夫が集積したアウトドアグッズは、防災グッズとしても優れた機能を発揮してくれそうです。

節水は、普段から気をつけたいですね
災害時にも役に立つアウトドアの知識「屋外トイレ」
「コールマンはカナディアンカヌーのツアーイベントを開催しています。川下りのときにトイレはありません。人目の無い草むらへ行って、穴を掘ってから用を足し、拭いたティッシュペーパーは燃やして、灰にしてから穴を埋めるようにしています」。
避難所のトイレで水が流れず、汚物が詰まってしまうという話はよく聞きます。キャンプやレジャーで、屋外で用を足すことを経験しておくのも、一種の災害に対する備えといえそうです。

屋外で用を足すことも、経験しておくと良いでしょう
物件を探すコールマン社員が防災グッズとして一番購入しているのは…?
東日本大震災・熊本地震で、被災地からコールマンに寄せられたエピソードがあります。
「停電時、ランタンの柔らかな光が癒やしになった」「仮設トイレには照明が無く、持ち運べるランタンが役に立った」「水の運搬にクーラーボックスをつかった」「寝袋はとても暖かく、いつでも動ける格好で眠れる」など、実際にアウトドアグッズは被災地で使われていました。
最後に、コールマンの社員が防災グッズとして一番購入しているものを聞きました。
「分割式のランタンです。ひとつずつ外して持ち歩けるので、キャンプをする時はもちろんですが、災害時にも役立ちます。また、地震直後は身を守るためのアイテムとして、両手が使えるヘッドランプを購入する社員も多かったです」。
そもそも、家のなかのものを外で使えるようにしたのがアウトドアグッズです。日本にアウトドアという概念がやってきてから、洗練されてきたアウトドアグッズたちは、少しの発想の転換で防災に役立つアイテムになりそうです。
みなさんも一度、用意している防災グッズを見直してみませんか。
更新日: / 公開日:2016.11.30










