自由度の高い注文住宅は、選択に迷う場面が多々あります。そこで今回、土地を買って家を建てた人500人にアンケートを取り、どのような家を建て、どのような部分に満足し、満足しなかったのかを調査しました。ぜひ、これから注文住宅を建てるときの参考にしてみてください。
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この記事のポイント
- 家を探す過程で想像よりも難航したのは土地探し
- 予算と希望条件の折り合いが難しい
- 想定予算よりも実際の購入額が高くなった人は7割弱と多数派
- 建築条件付き土地かどうかで、住まいの満足度は変わらない
- 建築費用を安くするために工夫した人が大多数
- こだわったポイントは「間取り」「生活動線」「収納」
- 6ヶ月以内に家を建てた人は住宅性能にこだわる傾向が強い
- 事前に自分の考えを整理しておくことが大切
家を探す過程で想像よりも難航したのは「土地探し」
家を探す過程で大変なのはどこだと思いますか? 実はもっとも「想像より難航した」と回答した人が多かったのは、“土地探し”でした。アンケートでは半数を超える人が「想像より難航した」と回答しています。
ほかにも建築プランの決定や希望条件の整理が4割台と高い傾向にありますが、これらを土地探しが上回ったことが分かりました。
先輩たちが困ったことは「予算」と「土地」
あとから後悔しないために、家を建てた先輩たちが何に困ったのかをもう少し具体的に見ていきましょう。
結果は以下のようになりました。
注文住宅を建てるまでの流れの中で困ったこと(複数回答可) | % |
|---|---|
予算と希望条件の兼ね合いが難しかった | 32.7 |
条件に合う土地がなかなか見つからなかった | 31.0 |
想定外のお金(地盤補強など)がかかってしまった | 17.8 |
建物にお金をかけすぎてしまった | 17.5 |
想定していたよりも完成までに時間がかかった | 15.6 |
土地にお金をかけすぎてしまった | 14.6 |
ハウスメーカー・工務店・設計事務所の選び方が分からなかった | 14.1 |
建築プランを決めるまでの時間がなかった | 13.2 |
設備・デザインにお金をかけすぎてしまった | 12.8 |
家族や親族間で意見が合わなかった | 12.1 |
担当者と相性が合わなかった | 10.1 |
選んだ土地に、建てたいプランの家が建てられなかった | 7.9 |
希望条件と、ハウスメーカー・工務店・設計事務所の特徴がマッチしていなかった | 7.1 |
住宅ローンの審査に通らなかった | 5.3 |
その他 | 1.5 |
ひとつもない | 15.5 |
「予算と希望条件の兼ね合いが難しかった」(32.7%)、「条件に合う土地がなかなか見つからなかった」(31.0%)がそれぞれ3割を超えました。予算と土地に関して困った人が多いことが分かります。予算、希望条件、土地探しについては、特に入念に家族と話し合ったり、検討しておくことが大切そうです。
建築条件付き土地の満足度は低い?高い?
土地を探していると「建築条件付き土地」に出合うことがあります。建築条件付き土地とは、一定期間内に指定された建築会社で家を建てるという条件がついた土地のことです。実際に建築条件付きの土地を選んだ人はどのくらいいるのでしょうか。アンケートでは、約3割の人が「建築条件付き土地」を購入したと回答しています。
建築条件付き土地かどうか(単一回答) | % |
|---|---|
建築条件付き土地だった | 30.8 |
建築条件付き土地ではなかった | 64.6 |
分からない・覚えていない | 4.6 |
建築条件付き土地は制限があって満足度が低いのでは?と思う人もいるかもしれません。実は今回のアンケート結果を見ると、建築条件付き土地と建築条件付き土地ではない場合とで、満足度の差はほとんどありませんでした。

建築条件付き土地は建築会社や工法などは限られますが、すでに土地が造成されていて地盤改良費が不要であったり、土地と建物の窓口が一本化できたりといった、メリットもあります。土地から探す場合は、選択肢のひとつに挙げ、建築会社も含めて希望条件に合うかどうか検討してみるのがいいでしょう。
建築条件付き土地を探す土地が先? 会社選びが先?
先に土地を購入するか、先に家を建てる会社を決めるか。どちらを選ぶかは、その後の計画に大きく影響します。
アンケートでは「先に家を建てる会社を決めてから、土地を購入した」派の方が上回る結果になりました。ただし、「どちらかと言えば」と回答した人も多いことから、同時に進めた人も一定数いると考えられます。
土地が先か、会社が先か(単一回答) | % |
|---|---|
先に土地を購入してから、家を建てる会社を決めた | 17.1 |
どちらかと言えば、先に土地を購入してから、家を建てる会社を決めた | 26.3 |
どちらかと言えば、先に家を建てる会社を決めてから、土地を購入した | 26.4 |
先に家を建てる会社を決めてから、土地を購入した | 26.7 |
分からない・覚えていない | 3.6 |
冒頭のアンケート結果にもあったように、土地探しに難航する人は多く、時間や手間がかかることから、“まずは土地を確保したい”と考える人も多いでしょう。しかし、土地購入を先行すると、思わぬ弊害が出ることがあります。
たとえば、住宅ローンを組むために焦って建築会社探しをすることになったり、土地にお金をかけすぎて家の性能を下げざるを得なかったり。あるいは、その土地では希望する条件の家が建てられないということもあり得ます。
そのため、希望条件を整理し、土地や建物にそれぞれいくらかけられるのか目安をつかんだうえで、進めるのが安心です。
土地選びの相談から可能な建築会社もあるのであわせて相談に乗ってもらうこともできます。
土地から相談できる家の住宅カタログを探す
専門家からのワンポイントアドバイス
土地から選ぶのであればその分価格が高くなることが多く、注文住宅にすると予算が合わないこともあります。土地(エリア)を重視するのか、建物を重視するのかを決めるとよいでしょう。もし、土地(エリア)重視で予算が厳しいのであれば、建売住宅も含めて考えてみる方法もあります。
まだ建築会社を決められない、建売住宅にするか注文住宅にするか決めていないという人は中立の相談窓口である「住まいの窓口」などを活用する方法もあります。
注文住宅は3種類ある。どれを選んだ?
注文住宅は、設計の自由度に応じて、「フルオーダー住宅」「セミオーダー住宅」「規格住宅」の3種類に分けられます。「フルオーダー住宅」がもっとも自由度は高くなりますが、その分工期やコストもかかりやすくなります。
今回のアンケート結果では「フルオーダー住宅」が一番多く68.8%となりました。次いで「セミオーダー住宅」(20.4%)、「規格住宅」(8.4%)という結果です。
注文住宅で建てた家のタイプ(もっとも近いもの) | % |
|---|---|
フルオーダー住宅(ほとんどの項目を自由に決められる住宅) | 68.8 |
セミオーダー住宅(仕様や間取りの一部を自分で決められる住宅) | 20.4 |
規格住宅(決まったパターンの中から選択・組み合わせる住宅) | 8.4 |
分からない・覚えていない | 2.4 |
関連記事:「規格住宅とは? 注文住宅との違いとメリット・デメリット」
いずれのパターンでも満足している人がほとんどでしたが、「非常に満足している」と回答した人の割合はフルオーダー住宅がもっとも高く29.4%となり、セミオーダー住宅は15.2%、規格住宅は16.9%という結果でした。

セミオーダー住宅と規格住宅の満足度の差がほとんどないことからすると、コストや工期を重視する場合には、条件さえ合えば規格住宅も有効な選択肢になりそうです。加えて、建売住宅を視野に入れてみてもいいでしょう。
想定予算よりも実際の購入額が高くなった人は68.8%
ただし、費用には注意しておく必要があります。予算を想定していても、実際の購入額は高くなってしまったという人が多いのです。予算より高くなったという人は68.8%、予算より安くなったという人は7.4%と少数派でした。「ほぼ同じ額」という人は23.8%です。細かく見ていくと以下のようになります。
みんなはどこにこだわった?
予算は無限ではありません。だからこそ、どこにこだわり、どこをあきらめるのかを決める必要があります。ここからは、どのような家を選んだのかをより具体的に見ていきましょう。
注文住宅を建てた先輩500人がこだわったポイントのうち、「非常にこだわった」と回答した人がもっとも多かったのが「間取り」(42.1%)です。「ややこだわった」(39.0%)まで含めると、81.1%を占めます。
次に多かったのが「生活動線」(35.7%)、「収納」(30.8%)で、日々の暮らしに密接な部分にこだわったことがうかがえます。次いで「住宅の耐震性」(29.5%)、「住宅性能」(27.5%)となり、建物に関することが立地に関すること(「交通利便性」「災害に強いエリア」「生活利便性」など)を上回る結果になりました。
「住宅設備」「インテリア」は「非常にこだわった」が2割未満で、全体の中では低い傾向となりました。あとからリフォームや調整可能なものは削ったといえそうです。「床面積の広さ」(14.0%)に関しては、土地が見つからない、予算などからあきらめざるを得なかった可能性が考えられます。
6ヶ月以内に家を建てた人は住宅性能にこだわる傾向が強い
こだわる人も多かった住宅性能に関して見てみると、「耐震・免震・制震構造」(56.3%)、「高気密・高断熱」(54.7%)、「オール電化」(50.3%)、「長期優良住宅」(47.0%)などが約半数で導入されていることが分かりました。
建てた注文住宅の住宅性能についてあてはまるもの(複数回答可) | % |
|---|---|
耐震・免震・制震構造 | 56.3 |
高気密・高断熱 | 54.7 |
オール電化 | 50.3 |
長期優良住宅 | 47.0 |
太陽光発電システム | 38.6 |
省エネ基準適合住宅 | 32.1 |
全館空調 | 20.1 |
防音・遮音 | 19.6 |
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス) | 19.1 |
バリアフリー | 13.4 |
低炭素住宅 | 7.1 |
あてはまるものはひとつもない | 6.1 |
家づくりの時期別に見ると、6ヶ月以内に家を建てた人は、住宅性能を重視する人が多い傾向にあります。なかでも、長期優良住宅、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、省エネ基準適合住宅、高気密・高断熱、防音・遮音、オール電化にこだわった人が、そのほかの期間と比較して多いことが分かります。
住宅性能を高めることは、快適に過ごしやすくなるだけでなく、光熱費の削減にもつながるため、有効な選択肢になります。
2022年度は住宅ローン控除で住宅性能が重視されたり、こどもみらい住宅支援事業が本格始動したりするなど、住宅の省エネ性能に応じて控除額や補助金が変わるため、費用面を重視する人においても取り入れやすくなったのではないでしょうか。
建築費用を安くするためにできる工夫は?
建築費用を安くするために、どのような工夫をしたのでしょうか。結果は以下の表のようになりました。
「工夫したことは特にない」人は13.2%にとどまることから、ほとんどの人が費用を抑えるために何らか工夫して取り組んだことが分かります。もっとも多かったのは「不要な設備を削減した」(35.5%)となり、次いで「家の形状をシンプルにした」(24.4%)、「オープン外構にした」(21.7%)、「床面積を減らした」(21.1%)と続きます。
これらを参考に、何をすれば安くできる可能性があるのかを押さえ、取捨選択に生かしていきましょう。
後悔しないためには、事前にどのような家にしたいか整理しておくことが大切
最後にやってよかったこと、やっておけばよかったことなど、これから探す人に向けた情報をお伝えします。
やってよかったことでは「税金・助成金などをしっかり利用した」が32.9%で1位となりました。2位以降は「施工会社に自分の意見をちゃんと伝えた」(30.7%)、「自分に合った住宅ローンを組んだ」(29.5%)、「どういう家を建てたいか、事前にきちんと検討した」(29.2%)などが続き、資金計画や事前に自分の考えを整理しておくことの大切さが分かります。
これから注文住宅を検討している人に向けてのメッセージから、いくつか抜粋してご紹介します。
「自己判断ではなく、こうしたらいくらかかるかなど何パターンも予算を出してもらう。そうすることで、後からこんなものがあったのかとか、こうすればよかったなどが少なくなると思う」(50歳~69歳女性/岐阜県)
「自分が軸においている評価基準(価格、耐震性、断熱性など)について点数を付け、総合的にどこが高い評価なのかを見える化した。ハウスメーカーの説明を他メーカーにぶつけながら、説明の裏付けをとった」(35歳~49歳男性/千葉県)
「理想を求めればキリがないので、譲れない条件の優先順位をきちんと決めておくこと。優先順位が低い事柄は徹底的に切り詰めること」(35歳~49歳女性/静岡県)
「調査にお金が掛かっても事前に地盤調査を終わらせてから、契約を進める。追加費用が掛かる場合は、迷わないように先に追加費用がいくら以上であったら、諦めるといった閾値を決めておく」(35歳~49歳男性)
注文住宅を検討している人は、まずは資金計画を立て、家族とじっくり話す時間を設けたり、希望の条件を定めることが、家づくりを成功させる鍵といえるでしょう。
関連記事:注文住宅の情報収集は事前の条件整理が鍵! 土地を買って家を建てた先輩500人に調査
LIFULL HOME’S 総研 副所長 兼 チーフアナリスト 中山 登志朗
調査概要
【調査実施期間】
2022年8月26日(金)~8月30日(火)
【調査対象者】
現居住地:全国
過去3年以内に土地を購入して注文住宅を建て、注文住宅の検討に一定関与した20~69歳の男女(学生を除く)
【調査方法】
インターネット調査
【有効回答数】
500人
更新日: / 公開日:2022.10.19















