新宿駅通勤なら、どこに住みますか？
国土交通省が「職住近接のまちづくり」を推進して数年が経ちました。会社の近隣に住む場合には住宅補助や近距離手当を支給するなどの制度を取り入れている企業もありますが、実際に勤務地と居住地の関係はどのようになっているでしょうか？
都内の主要ターミナル駅（東京駅、池袋駅、渋谷駅、新宿駅）周辺に通勤する人たちについて、株式会社ドコモ・インサイトマーケティングが提供する「モバイル空間統計」「di-PiNK」を用いて調査・分析を行いました。
「モバイル空間統計」はドコモの携帯電話ネットワークのしくみを利用して作成される人口統計情報です。1時間ごとの人口を、24時間365日把握することができる新しい人口統計で、実態に近いリアルなデータを知ることができます。
新宿駅周辺について
今回調査した通勤エリアである新宿駅西側（図参照）はJR中央線・総武線、西武新宿線、小田急小田原線、都営地下鉄大江戸線、東京メトロ丸ノ内線などが網の目のように延伸していて駅数も多いため複数の路線と駅が利用可能なケースが多く、全般に交通利便性が高いのが特長です。また、都庁を中心に新宿センタービルや住友ビルなど多数の高層ビルを有するビジネスエリアでもあり、通勤する人の数は251,256人と推定されます。
1位中野富士見町駅（東京メトロ丸ノ内線）
- 住んでいる人数
- 2,101人
- 新宿駅までの所要時間
- 17分（乗換1回）
中野富士見町は、新宿に近い割に閑静な住宅地で落ち着いて住めるという評価が定着しており、以前から人気の高いエリアでした。近年では大手デベロッパーがマンション分譲を相次いで開始するなど、購入できる物件も増えています。東京メトロ丸ノ内線は中野坂上から3両編成の支線で方南町方面へ運行していましたが、方南町駅のホームの改良によって2019年7月から6両編成の運行が可能になりました。もともと新宿駅から3km圏と近く、通勤・通学に便利な住宅地として知られていましたが、直通運転の開始によって方南町行きも利用できるようになり、さらに人気が高まる可能性があります。
この駅が気になったら？
2位新中野駅（東京メトロ丸ノ内線）
- 住んでいる人数
- 1,825人
- 新宿駅までの所要時間
- 15分（乗換なし）
新中野は中野と高円寺のほぼ中間エリアで、東京メトロ丸ノ内線の駅ですがJR中野駅も利用可能な交通利便性を有しています。1位の中野富士見町と同様に新宿至近の住宅地として以前から知られており、また商業地域と住宅地域が混在していて生活に便利なエリアとしても学生や若年層の勤労者に人気があります。中野富士見町と異なるのは、丸ノ内線本線の駅であるため新宿にも荻窪方面にも以前から通勤・通学が至便であったことです。新宿駅に乗り換えなしで6分、東京駅にも同じく乗り換えずに25分程度でアクセス可能な交通利便性が評価されているようです。
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3位東高円寺駅（東京メトロ丸ノ内線）
- 住んでいる人数
- 1,615人
- 新宿駅までの所要時間
- 16分（乗換なし）
2位の新中野の隣駅である東高円寺がアクセスランキング3位に入りました。上位3駅はいずれもエリアが連続しており、駅の違いによるエリア特性の違いはほぼないと言ってよいでしょう。東高円寺は駅周辺に繁華性の高い地域がなく、専ら住宅地として活用されてきました。駅前には「蚕糸の森公園」が隣接しており、環状７号線内側の都心近郊の駅としては珍しく駅前が公園という住環境を有しています。周辺にも公園が多く、都心とは違った落ち着いた住環境が整っている街です。
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4位中野新橋駅（東京メトロ丸ノ内線）
- 住んでいる人数
- 1,596人
- 新宿駅までの所要時間
- 16分（乗換1回）
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5位高円寺駅（JR中央線 他）
- 住んでいる人数
- 1,473人
- 新宿駅までの所要時間
- 8分（乗換なし）
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6位方南町駅（東京メトロ丸ノ内線）
- 住んでいる人数
- 1,387人
- 新宿駅までの所要時間
- 20分（乗換1回）
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7位新高円寺駅（東京メトロ丸ノ内線）
- 住んでいる人数
- 1,378人
- 新宿駅までの所要時間
- 18分（乗換なし）
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8位中井駅（西武新宿線 他）
- 住んでいる人数
- 1,308人
- 新宿駅までの所要時間
- 12分（乗換なし）
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9位鷺ノ宮駅（西武新宿線）
- 住んでいる人数
- 1,215人
- 新宿駅までの所要時間
- 20分（乗換1回）
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10位都立家政駅（西武新宿線）
- 住んでいる人数
- 1,179人
- 新宿駅までの所要時間
- 23分（乗換なし）
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まとめ
新宿駅はJR、地下鉄（東京メトロ＆都営地下鉄）、小田急線、京王線各線の合計乗降客数が一日平均で260万人を超える（「西武新宿」含まず※）、日本最大の乗降客数と広大な駅勢圏を誇るビッグターミナルです。
今回の東京都庁を中心とした新宿駅西側エリアへのアクセスについて上位100駅をランキングすると、特に人気の高い駅が新宿駅の西側エリアに集中していることがわかりました。新宿駅の東側はJR山手線の内側エリアであり、副都心としての機能を有する商業地やビジネスタウンを形成していますが、西側はJR中央線・総武線、小田急小田原線、京王線・京王新線、西武新宿線、都営地下鉄大江戸線、東京メトロ丸ノ内線などが網の目のように延伸していて駅数も極めて多いため、一つのエリアでも複数の路線と駅が利用可能なところが多く、特に中野区、杉並区、世田谷区、練馬区内からのアクセスが良好です。
また、新宿駅西側エリアは、新宿駅へのアクセスが良い割には中野駅周辺などを除くと大規模な商業施設やオフィスビルが少なく、専ら商業地と住宅地の混在エリアとして活用されています。新宿駅西側エリアは、新宿駅を中心とした広汎な通勤・通学圏として、また生活圏として一つの職住近接エリアを形成していることが明らかです。
※乗降客数は各鉄道会社の公表値の合算を概数化
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