第二次安倍政権が掲げた“地方創生”。首都圏への一極集中を是正して、地方の人口減少に歯止めをかけて日本全体の活力を上げようとしているけれど……実際のところはどうなの?!
ということで、2012年から2015年までの住民基本台帳から抽出した移動データより、実際に地方創生が進んでいるのか、市町村別の人口の転入・転出の数字から検証してみました。
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2012年から2015年までの住民基本台帳の人口移動データを見ると、この4年間で転出に対して転入してきた人口がプラスに傾いたのは全国の都道府県のなかでも、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県と首都圏の中心部、そして大阪府、愛知県、福岡県、宮城県、沖縄県と、僅か9都道府県のみでした。

ランク都道府県名超過率(2012年-2015年)
1位東京都120.8%
2位埼玉県108.6%
3位愛知県107.2%
4位宮城県106.9%
5位神奈川県106.1%
6位福岡県105.8%
7位千葉県102.5%
8位大阪府101.8%
9位沖縄県101.1%

つまり、その地に越してきた人数が去って行った人数よりも多かったのは全国押し並べても両手で数えられる程度。その他のエリアではその地を後にする人の割合が多い結果となっています。
その中でも、東京は他のエリアからの転入数の年間平均が409,701人にも上り、流出に対する転入の超過率は20.8%と高い数字を出しています。2位の埼玉県の8.6%という数字を大きく引き離し断トツの首位を獲得する結果となりました。
2020年には東京五輪も開催され、国内のみならず世界各国から注目される東京。政府が目論む地方創生に相反して、この先もますます都心回帰の傾向が色濃くなっていくのではないでしょうか。

 

東京五輪や築地市場の移転で何かと話題の東京

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首都圏に人口が集中する一方で、その地を後にする人が多い傾向にあるエリアもあります。そこで、人々の転出が顕著なワースト3県をピックアップしてみました。

 

【転出率ワーストランキング】
1位 秋田県
2位 青森県
3位 山形県

 

3県ともに東北地方からランクインする結果となりました。
中でも、山形県は直近の2014年と2015年の2年間の転出の人口が多く、転入してきた人口に対する転出の割合はマイナス2.7%にもなり、現在ワースト2位につく青森県とのブービー争いに火が付きそうです。

 

消滅都市候補にならなければいいけれど…

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都道府県名超過率の傾き(2014年-2015年)
東京都1.61%
京都府1.65%
石川県1.76%
香川県3.58%
長野県1.39%

2014年と2015年の超過率の差

 

2012年からの4年間を通じて、結果として転入した人口はマイナスになったけれど、直近の動きで今後の回復の兆しがみられるエリアもありました。
2014年、2015年の2年間に着目すると、流入数をぐっと伸ばしているのは京都府と石川県と香川県と長野県です。その伸び率は東京都に匹敵するほどです。
さらにその1府3県をエリア別に着目してその詳細を見ていきましょう。
京都府では京都市南区、長岡京市、向日市が府内の他の地域を抑えその転入数を大きく伸ばしています。
石川県では中心部である金沢市に続いて、白山市、羽咋市がその数字を伸ばしています。
そして香川県では丸亀市、高松市に続いて綾歌郡宇多津町、小豆郡小豆島町が。
最後に、長野県では長野市、松本市に続いて安曇野市が高い伸び率を見せています。
人が人を呼び、また人が集まる。この先、移住や転居先として注目されるエリアになっていくのではないでしょうか。

 

憧れのエリアに引越そう!

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出典:
政府統計の総合窓口(e-Stat)(http://www.e-stat.go.jp/)住民基本台帳人口移動報告を加工して作成
都道府県(市区郡)ごとに、2012年から2015年の他都道府県(市区郡)への転出人数、他都道府県(市区郡)からの転入人数を算出しました。更に、転出人数と転入人数の差から超過率を算出しました。

 

※2011年3月11日に起きた「東日本大震災」の影響が強く出ていたため、2012年からのデータを活用しました

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更新日: / 公開日:2017.01.14