実際の物件問合せ数からユーザーの住みたい街をランキングした『近畿圏版LIFULL HOME'S コロナ第7波下での住みたい街ランキング』(2023年版中間結果)を発表します。

近畿圏の借りて住みたい街、借りて住みたい街のランキング中間結果をご紹介します。

ポイント

  • 「三ノ宮」が再び暫定トップに
  • 「姫路」「明石」がランクダウンして大阪中心部への一極集中が加速

※「前回比」は2022年2月に発表した2022年LIFULL HOME’S借りて住みたい街ランキングとの比較

順位

前回比

駅名(代表的な沿線名)

1

1アップ↑

三ノ宮(JR東海道・山陽本線)

2

1ダウン↓

江坂(Osaka Metro御堂筋線ほか)

3

3アップ↑

出町柳(京阪本線ほか)

4

キープ→

新大阪(Osaka Metro御堂筋線ほか)

5

4アップ↑

大国町(Osaka Metro御堂筋線ほか)

6

1アップ↑

大正(JR大阪環状線ほか)

7

11アップ↑

京橋(JR 大阪環状線ほか)

8

3アップ↑

阿波座(Osaka Metro中央線ほか)

9

4ダウン↓

武庫之荘(阪急神戸本線)

10

2アップ↑

神戸(JR東海道・山陽本線ほか)

11

8ダウン↓

姫路(JR東海道・山陽本線ほか)

12

1アップ↑

上新庄(阪急京都本線)

13

4アップ↑

北大路(京都市営烏丸線)

14

6ダウン↓

明石(JR東海道・山陽本線ほか)

15

6ダウン↓

東三国(Osaka Metro御堂筋線)

16

38アップ↑

難波(Osaka Metro御堂筋線ほか)

17

13アップ↑

十三(阪急神戸本線ほか)

18

16アップ↑

茨木市(阪急京都本線)

19

10アップ↑

西大路(JR東海道・山陽本線)

19

5アップ↑

西院(阪急京都本線ほか)

19

キープ→

天神橋筋六丁目(阪急千里線ほか)

三ノ宮が再び暫定トップに

前回、近畿圏「借りて住みたい街」ランキングは、2017年から5年連続で1位を独占していた「三ノ宮」が2位となり、代わってOsaka Metro御堂筋線の「江坂」が初めて1位を獲得しましたが、2023年版の中間結果では再び「三ノ宮」が暫定トップに返り咲きました。前回1位の「江坂」も暫定2位と健闘しており、人気の高さを維持しています。

 

「江坂」隣駅の「新大阪」も暫定4位で、大阪駅周辺へのアクセスが容易な御堂筋線北部が借りて住みたい街No.1エリアの状況に変わりはありませんでした。暫定3位は前回6位の京都中心部「出町柳」が3ランクアップ。兵庫、大阪、京都の中心部・人気エリアが仲良くベスト3を分け合いました。

 

暫定トップの「三ノ宮」は神戸市の行財政の中心部で駅周辺には賃貸物件も数多く、生活と交通の利便性がそれぞれ極めて高いレベルで確保されているエリアです。またJR線、阪神線、阪急線、神戸市営地下鉄が乗り入れており、大阪方面へも姫路方面へも交通至便という立地の良さも支持が高い理由の一つです。

 

暫定2位の「江坂」は2駅先の「新大阪」で新幹線とOsaka Metro御堂筋線が交わるため、大阪中心部へのアクセスが良く、さらに単身赴任者が移動するのにも便利で大阪以外の地域からの流入がとても多いエリアとして知られています。

 

暫定3位には「出町柳」が前回から順位を上げてベスト3に入りました。京都御所の近くに位置する京都観光の中心地で、京阪線と叡山電鉄との接続駅でもあることから、以前よりターミナル性もあって比較的賃貸住宅が多く供給されてきたエリアです。大阪へも京阪線で乗り換えることなくアクセス可能なため、毎回上位をキープする人気エリアです。

 

以下、暫定5位は「大国町」(前回同率9位)、6位に「大正」(同7位)、7位に「京橋」(同18位)、8位に「阿波座」(同11位)、9位には「武庫之荘」(同5位)、10位には「神戸」(同12位)がそれぞれランクインし、「京橋」がジャンプアップしたことを除くと、ベスト10の顔ぶれには大きな変化はありませんでした。これらの上位駅の多くは、大阪市内での交通利便性が良好で、賃貸住宅も多く賃料の値ごろ感も高いエリアです。

 

前回18位から7位に上昇した「京橋」はJR線と京阪線が乗り入れるターミナル駅で、大阪メトロも乗り入れる交通利便性の良好な街ですが、庶民的なにぎわいのある繁華性の高いエリアでもあります。また、円安による諸物価高騰の影響もあり、「難波」が前回の54位から一気に暫定16位に、「十三」も13ランクアップの暫定17位へと上昇していて、大阪市内で利便性が良好で“コスパの良い街”も上位に進出しており、他にも「弁天町」「南森町」など、ベスト30圏内には同様の理由でランクアップが期待できそうな街が多く入ってきています。また、暫定順位ですが「姫路」が11位(前回3位)、「明石」が14位(前回8位)へといずれも後退しています。

大阪市および京阪神エリアへの“集中化”進む

首都圏では借りて住みたい街の“郊外化”が進む状況にありますが、近畿圏では正反対の動きが発生しており、大阪市および京阪神エリアへの“集中化”が進んでいることがランキングの動きから明らかです。

 

コロナ禍で近畿圏郊外の街も前々回、前回ランキングでは上位に進出し注目を集めましたが、テレワークの実施率は過去の調査結果(パーソル研究所)から現在20%もしくはそれ以下と推計されるため、現状でも50%超の水準を維持している東京と比較すると、労働環境に大きな違いがあるものと考えられます。コロナ禍でもほぼ毎日通勤することが求められていることから、交通利便性の高いエリアの人気が高く維持されるのは当然のことと言えます。

ポイント

  • 前回4位の「姫路」が暫定トップ
  • 「大宮」「堺筋本町」「西長堀」がマンション開発でジャンプアップ

※「前回比」は2022年2月に発表した2022年LIFULL HOME’S買って住みたい街ランキングとの比較

順位

前回比

駅名(代表的な沿線名)

1

3アップ↑

姫路(JR東海道・山陽本線ほか)

2

キープ→

本町(Osaka Metro御堂筋線ほか)

3

4アップ↑

寝屋川市(京阪本線)

4

3ダウン↓

谷町四丁目(Osaka Metro谷町線ほか)

5

60アップ↑

大宮(阪急京都線)

6

29アップ↑

堺筋本町(Osaka Metro 堺筋線ほか)

7

18アップ↑

垂水(JR山陽本線ほか)

8

96アップ↑

西長堀(Osaka Metro千日前線ほか)

9

3アップ↑

茨木市(阪急京都本線)

10

キープ→

高槻(JR東海道・山陽本線)

11

6ダウン↓

天満橋(京阪本線ほか)

12

1ダウン↓

和泉中央(泉北高速鉄道)

13

25アップ↑

明石(JR東海道・山陽本線ほか)

14

11ダウン↓

三ノ宮(JR東海道・山陽本線)

14

17アップ↑

瓢箪山(近鉄奈良線ほか)

16

10ダウン↓

香里園(京阪本線)

17

41アップ↑

烏丸御池(京都市営烏丸線ほか)

18

42アップ↑

立花(JR東海道・山陽本線)

19

3ダウン↓

樟葉(京阪本線)

20

5ダウン↓

北千里(阪急千里線)

「姫路」が前回4位から上昇しトップに

近畿圏「買って住みたい街」ランキング中間結果は、「姫路」が前回4位から上昇して暫定トップとなりました。前回1位の「谷町四丁目」は暫定4位へとやや後退し、暫定2位には「本町」が前回順位をキープして、暫定3位が大阪・京都のベッドタウン「寝屋川市」でした。前々回まで2年連続1位の「本町」は依然として高い人気を誇りますが、物件価格の違いと広さ、アクセスなどの条件で「姫路」が暫定ながら1位に返り咲きました。

 

今回暫定1位となった「姫路」は、2018年から2年連続の1位に輝いており、その後も2位→7位→4位と上位をキープして今回再び1位を獲得しました。観光産業が中心の「姫路」は、コロナ禍でインバウンドが急減したことにより大きな打撃を受けました。しかし、姫路経済圏自体が活性化したことによってマンション開発は現在でもコンスタントに継続しており、また分譲価格が大阪市内と比較すると3割程度安価に購入可能で広めの物件もあることから、物件価格の上昇が続く中で再び居住エリアとしての注目が集まっています。新大阪駅経由で新幹線を利用すれば所要時間30分というのも魅力です。

 

暫定2位の「本町」は「姫路」とは対照的に大阪の中心部の街であり、専ら商業地として高度利用されてきましたが、数年前からタワーマンションの分譲が本格化し注目されるようになり、ランキングの上位に登場し続けています。職住近接で移動の手間がかからず、大阪市中心部であることのメリットを生かして将来の資産性にも期待するユーザーから支持を集めています。暫定3位の「寝屋川市」は大阪と京都のほぼ中間に位置するベッドタウンで、前回の7位からベスト3入りしました。大型スポーツ施設跡地に大規模マンションが建設される予定があり、人気のベッドタウンがさらに注目度を増しているようです。

 

ベスト3はいずれも話題性のあるマンション開発の進捗があって問合せが増えているものと考えられます。どの街も居住エリアとしてこれまで人気を維持してきましたが、職住遊近接型の効率的な住まい方ができるという共通点があります。

 

以下、暫定5位は「大宮」(前回65位)、6位「堺筋本町」(同35位)、7位「垂水」(同25位)、8位「西長堀」(同104位)、9位「茨木市」(同12位)、10位「高槻」(同10位)がベスト10にランクインしましたが、特に京都市内の「大宮」と大阪市中心部の「西長堀」がランキング急上昇しています。「大宮」は開発のハードルの高い京都市内では珍しいことに2件のマンション開発が重なっており、また「西長堀」でも38階建てのタワーマンションの分譲がありますから、いずれもマンション開発をきっかけとしたジャンプアップであることが分かります。同様に「堺筋本町」と「垂水」にもタワーマンションの分譲計画が決定しています。

 

利便性重視続くが、“街の奥行き”が求心力を高めるケースも

問合せ数に基づいた買って住みたい街ランキングは、マンション開発によって問合せ数が増加することが多く、やはり注目度の高い案件がコンスタントに継続することで街の人気が維持される傾向があります。ただし、「茨木市」や「高槻」のように大阪のベッドタウンとして根強い人気を誇るエリアも上位をキープしており、マンション開発だけでなく住み心地や住環境、教育環境といった“街の奥行き”が求心力を高めているケースも見受けられます。

 

近畿圏では、首都圏のような“二極化”が発生しておらず、コロナ禍が継続する現状においても、マンション開発の継続によって街への注目度が高まり、さらに大阪、神戸、京都各中心部へのアクセスの良好なベッドタウンが支持されるという“利便性最重視”の状況が続いています。

 

調査概要

対象期間

2022年1月1日 ~ 2022年6月30日

 

 

LIFULL HOME’S  ユーザー

┗近畿圏版 大阪府、京都府、兵庫県

 

集計方法

 LIFULL HOME’S  に掲載された賃貸物件・購入物件のうち、問合せの多かった駅名をそれぞれ集計

 

分析

LIFULL HOME’S 総研

 

本件に関するお問合せ先

株式会社LIFULL(ライフル)

メール:sumai-homes@lifull.com

 

LIFULL HOME’S住みたい街ランキング

 

その他のエリアのランキング

更新日: / 公開日:2022.09.14