「見られているかも…」で犯罪を抑制! 防犯カメラ付き賃貸物件

規模の大きなマンションや一戸建て住宅の場合、不審者が侵入できる方法やルートはいくつもあります。そこで犯罪抑止に高い効果を発揮するのが防犯カメラ。「見られている!」と感じさせることで、不審者の侵入を未然に防ぐことができます。

いろんな人が出入りする大規模マンション

●誰が不審者? 見分けがつかない不安

都心の大規模マンションで暮らすYさんには最近大きな心配事ができました。Yさんの住む分譲マンションの共用部で、不審者を見かけたという報告が管理会社から伝えられたのです。

Yさんは小学4年生の娘と夫との3人暮らし。近所のファミレスでパートをしているので、平日の日中は娘が1人で留守番をする時間帯があります。マンションにはオートロックが付いているものの、宅配便の配達など人の出入りが多いので、不審者が紛れ込むリスクは否定できません。

学校からの帰宅時や、遊びに行く際に娘が不審者と遭遇する可能性もあるため、心配でなりません。特に、Yさんの部屋は6階なので、娘も自分も日常的にエレベーターを使っています。もし、密室で不審者に出くわしたら……。かといって、階段なら安心ともいえません。使う人が少なく人目がないので、不審者に出くわした場合の不安を感じてしまいます。

娘に聞いてみると、なんの用事があるのかわからない人を敷地内や廊下で見かけたことがあるといいます。

防犯カメラで犯罪を抑止

マンションのセキュリティーに不安を抱いた人は他にもいたようで、緊急の理事会が開かれ、防犯カメラの設置が提案されました。1台では効果が薄いのでは、という声もあり、複数台を設置することに。

そうなると、費用負担が少し心配になります。Yさん自身は多少の出費はしかたないと思うのですが、1戸あたりの負担が大きくなると、渋る人も出てきそうです。理事会でもそのあたりが話し合われたようで、管理会社からの提案があり、本物の他にダミーカメラを混ぜることで、費用を抑えることになりました。
専門の業者によると、見た目は本物と変わらないので、犯罪の抑止効果はあるのだとか。Yさんが不安に思っていたエレベーターには本物が取り付けられ、各階にモニターが設置されたので、Yさんもひと安心です。

オートロックがあっても不安大

●侵入方法があれこれある大規模マンション

集合住宅のセキュリティー設備として、数多く導入されているものに共用玄関のオートロックがあります。暗証番号やカギでエントランスのドアを開ける仕組みですが、規模の大きなマンションでは、残念ながら効果が限られます。

人の出入りが多いため、宅配を装ったり、住人が出入りするタイミングに合わせて入ったりと、簡単に侵入できる方法がいくつもあるためです。また、エントランス以外にも、廊下や階段などの共用部に侵入できるルートは意外と見つかるものです。

中庭などの共用部も危険あり

大規模マンションにはよく、中庭などの共用部が設けられています。花壇や芝生などがある中庭はすてきな憩いの空間。子どもたちにとっても格好の遊び場です。しかし、そんな中庭には、「外から簡単に入れる」という問題があります。

その他にも、駐車場や自転車置き場など、外から簡単に侵入できる共用部は意外に多いもの。犯罪者の中には雨どいを伝って上階に登る者もいるので、2階以上の廊下や階段だって、安心はできません。時間帯によっては人目がない空間があちこちにあることを犯罪の常習者は知っているんですよね。

分譲マンションの8割に防犯カメラ

●街のあちこちに――進む防犯カメラの普及

防犯カメラを設置するというと、「なんだかやり過ぎでは?」と感じる人がいるかも。でも、最近では駅やコンビニなど、人が多く行き来するところにはほとんどありますよね。犯罪捜査でも活用されることが多く、なにか事件があったら、ご近所の防犯カメラに録画された動画を警察が見にくることも。

実は分譲マンションでも、8割以上に防犯カメラが付いているといわれています。賃貸用マンションでも4割近くの物件に設置されているといいますから、住まいへの普及はずいぶん進んでいます。

女性の社会進出がうたわれる中、今後はますます共働きの世帯が増えると考えられるので、Yさんのように住まいのセキュリティに不安を感じる人も増えるはず。マンションなどの住まいも含め、これからさらに普及が進みそうですね。

女性の一人暮らしや子どもがいる世帯には「見られている?」が重要

「見られているかも?」というのは、大きなプレッシャーなので、よからぬことを考える人は当然、防犯カメラのない物件を選びがち。8割の分譲マンションに設置されているなら、残りの2割のリスクはさらに高くなります。

ですから、女性の一人暮らしや子どもがいる世帯では、防犯カメラ付きの物件を選ぶ意味はとても大きいのです。なお、「見られている?」と思わせれば、犯罪を抑止できるので、ダミーカメラでも一定の効果は期待できます。Yさんのマンションみたいに、費用対効果を考えて、賢く設置するのがおすすめです。

谷垣吉彦

谷垣吉彦ビジネスライター

ビジネスライターとして、不動産を始め、医療や集客など多様なジャンルの書籍制作に関
わる。「暮らしもビジネスも拠点選びがもっとも大切」を信条とし、わかりやすく正確な
情報提供を仕事のテーマとする。

※このページの内容は、2019年2月28日時点での情報です。掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください