東京都「府中市」での子育て体験談。自然豊かで利便性もよい街の子育て支援情報やおすすめエリアを紹介

府中市は東京都のほぼ中央に位置し、自然豊かな歴史の残る街です。都心部へのアクセスがしやすく、府中駅前には大きな商業施設が立ち並び、利便性にも優れています。

私は府中市で2年ほど子育てした後、仕事の関係で泣く泣く区部に引越しました。しかし府中市での子育て生活がどうしても忘れられず、念願かなって再び舞い戻ってきました。府中在住はトータルで12年、府中での子育て年数は10年ほどになります。

田舎すぎず都会すぎない府中市は、子育てにぴったりな街です。この記事では「子育てしやすい府中市の魅力」について伝えます。

府中市で子育て中

まずは府中市の概要です。

府中市の概要

府中市は東京都のほぼ中央に位置し、副都心新宿から西方約22キロメートルの距離にあります。面積は29.43平方キロメートルで、人口は約26万人です。

武蔵国の国府が置かれ、早くから政治・経済・文化の中心地として栄えてきました。現在も東京の近郊都市として発展を続けています。

府中市といえば、府中駅前にそびえ立つ「馬場大門けやき並木」が有名です。源頼義・義家（よしいえ）父子がけやきの苗1,000本を寄進したことに始まるといわれる緑のトンネルは、市内のシンボル的存在です。

都内でも屈指の古社「大國魂神社」では、年間400近いお祭りを開催しています。伝統や文化を感じる一方で、明るくにぎやかな雰囲気もあり、市内を大いに盛り上げてくれます。

府中市内には路線バスの他に、「ちゅうバス」というコミュニティバスが5路線7ルート運行中です。100円で乗車でき(小学生以上)、市民の足となっています。

古代から食べられているもち米「黒米」や、大粒で1房1～2キロもある「大房ぶどう藤稔（ふじみのり）」、菌床栽培の「生椎茸」が府中観光協会の推奨品として認定を受けています。

わが家が子育て環境に府中市を選んだワケ

私は学生時代、府中市にあるスーパーでアルバイトをしていたことがあります。そのときから府中市の街並みや利便性を気に入り、「子育てをするなら府中市で」と密かに決めていました。

そして希望通り府中市で子育てをしてみたところ、予想は的中。子育て環境がとてもよく、不満もまったくありません。ここでは、府中市の子育て環境として特におすすめのポイントを3つ紹介します。

府中市を選んだワケ(1)公園や街路樹が多い

地方出身の私は、自然の豊かな環境で子育てをしたいと考えていました。府中市には大小さまざまな公園があり、子どもを遊ばせたり、家族でゆっくり過ごしたりできる場所が豊富です。通りには街路樹が多く、街の景観は落ち着いています。

府中市を選んだワケ(2)交通の便がよく都心に出やすい

都心部で仕事をしていた私は、都心への出やすさも重視していました。当時住んでいたマンションの最寄り駅である府中駅から新宿までは京王線特急で24分。交通の便がよいことも決め手の1つでした。

府中市を選んだワケ(3)子育て支援が手厚い

府中市は市の財政が潤っていて、子育てへの支援が手厚いと聞いたことも大きなポイントです。実際に住んでみると、医療費の助成や給食費の無償化など、家計にやさしい支援が多くて助かりました。

実際どう？府中市の子育て

子育て世帯にも手厚い支援がある府中市。ここでは、実際の子育て支援情報を紹介します。

数字で見る府中市の子育て事情

府中市の年少人口(0～14歳)は約3万1,000人です(2024年11月時点)。4年前の年少人口が約3万3,000人(2020年10月1日現在)だったことを踏まえると、やや少子化傾向にあります。

府中市内の保育施設数は以下のとおりです。(2024年11月26日時点)
・公立保育所11園
・私立保育園48園
・地域型保育3園

現在の保育所等の待機児童数は0人となっており、入園しやすい環境が整えられています。また、府中市内の幼稚園数は17園、すべて私立園です。(2024年11月26日現在)

府中市の子育て支援情報

ここでは府中市の子育て支援の中で、知っておきたい５つの情報を紹介します。最新情報は、府中市の公式ホームページで確認できます。

府中市の子育て支援情報(1)医療費の助成

府中市では0歳から18歳までの子どもが健康保険診療でかかった医療費を助成してくれます。子どもはどうしても体調を崩しやすいですが、費用を気にせず受診できるので気兼ねなく病院に通えます。

ただし、入院時にかかる食事療養標準負担額や健康保険診療が適用されない場合は助成の対象にならないため、注意が必要です。くわしい情報は府中市の公式ホームページで確認できます。

府中市の子育て支援情報(2)給食費の無償化

2023年10月より市立小・中学校に在籍する児童・生徒の給食費が無償化されました。原油価格や物価高騰等の影響を受けている子育て世帯の負担を軽減するための施策です。小学生が2人いるわが家としては非常にありがたく、恩恵にあずかっています。

府中市で提供されるのは、国産食材を使用し、手作りにこだわった「安全・安心の学校給食」です。わが家の子どもたちも給食が大好きで、その日の給食メニューやおいしかった食材が毎日話題に上がっています。

府中市の子育て支援情報(3)子育て支援施設「たっち」「しらとり」

府中市には「たっち」と「しらとり」という子育て支援施設が2ヶ所あります。

「たっち」は親子ひろばや談話コーナー、子育て相談室、一時預かり保育室などが設置されています。

【リフレッシュ保育(一時預かり)】1時間800円

「しらとり」には親子ひろばの他、保護者の状況に合わせて子どもを預かってもらえるトワイライトステイとショートステイもあります。トワイライトステイは22時まで、ショートステイは7日間まで子どもを預かってくれるサービスです。

【トワイライトステイ】19時まで600円 19時以降は30分ごとに100円加算
【ショートステイ】1日1,800円 食事代1食300円

私は子どもと2人きりの状況がつらくなったときに、「たっち」の親子ひろばに行って子どもを遊ばせたり、支援員さんに話を聞いてもらったりしていました。
また、予約は必要ですが、子育て相談室を利用したこともあります。子育ての心配事をリラックスしながら話せるため、気持ちがスッキリ晴れたことを覚えています。子育てをしていると悩みを一人で抱え込んでしまうことも多いため、困り事や悩み事をサポートしてくれる「たっち」と「しらとり」は、心強い居場所になりました。

府中市の子育て支援情報(4)放課後子ども教室「けやきッズ」

府中市内の市立小学校全校で実施している放課後子ども教室「けやきッズ」は、放課後や長期休業期間中に子どもが自由に過ごせる場所で、授業のある日は帰宅せずそのまま参加できます。

市内在住の小学生が対象となっており、費用は原則無料です。友達と遊具で遊んだり、イベントに参加したりと楽しいひとときを過ごせるようで、わが家もよく利用しています。

府中市の子育て支援情報(5)ファミリー・サポート・センター事業

ファミリー・サポート・センター事業とは、仕事や家庭の都合で育児を手伝ってほしい人と、育児の手助けをしたい人がお互いに助け合う援助活動のことです。

対象は0歳から10歳の子どものいる家庭で、保育施設の送り迎えや一時的な預かりをお願いできます。手助けしてくれるのは市内在住・在勤の人で、近所に頼れる人ができる安心感は思っていたよりも大きかったです。

• 月曜日から金曜日の7時から19時：1時間700円
• 月曜日から金曜日の～7時または19時～：1時間900円
• 土曜日・日曜日・祝日・年末年始：1時間900円
• 子どもが病気回復期の場合：1時間900円

府中市での子育て体験談

ここでは府中市に住んでみて感じた子育てのしやすさを体験談とともに伝えます。

府中市で子育てをする魅力

府中市で子育てをして感じた魅力が3つありました。

府中市で子育てをする魅力(1)広い歩道が多い

府中市は幅に余裕のある歩道が多いです。そのため、ベビーカーを押して歩くときや幼い子どもと歩くときでもストレスを感じにくく、ゆったりと歩けます。学校の登下校で毎日安全な歩道を歩けることは、安心につながっています。

府中市で子育てをする魅力(2)自然豊かで住環境が落ち着いている

たくさんの公園と街路樹のある街並み、府中市の自然の豊かな環境に触れるとほっとします。駅から離れたところに広がるのは閑静な住宅街です。落ち着いた住環境で治安の不安を感じたことはありません。のんびりとした生活環境で、子育てをするには十分すぎる環境が整っています。

府中市で子育てをする魅力(3)地元に根付いた祭りがたくさんある

府中市では大國魂神社の祭りや地元自治会の祭りなど、一年間を通してさまざまな祭りが開催されています。

子どもたちは神輿を引いたりお囃子を習ったり、歴史や伝統文化に触れる経験ができます。わが家は祭りに参加することで地域の人とのかかわりが増え、知り合いのパパやママとの関係性も深くなりました。

地域とのつながりを感じられる伝統的な催しは、親子ともどもメリットが大きいです。

府中市の子育て世帯におすすめのスポット

子育てしやすい街、府中市。ここでは子育て世帯におすすめのスポットをご紹介します。

おすすめスポット(1)都立府中の森公園

都立府中の森公園は、広大で四季折々の植物や木々に囲まれた自然の豊かな公園です。

大型遊具のあるゾーンと芝生の広がる丘、夏になると水が流れるじゃぶじゃぶ池など、楽しみ方はさまざまです。何度行っても飽きず、子どもをのびのびと遊ばせられるので、休日には多くの家族連れでにぎわっています。

特におすすめなのは遊具広場です。大きな複合遊具・トランポリン遊具・滑り台・ブランコ・砂場と、子どもが喜ぶ遊具は一通りそろっていて、子どもがなかなか帰りたがらずに困るほどです。

園内には広々とした遊歩道が続いています。少し歩くだけでも森の中にいるような感覚になれ、心からリフレッシュできます。

施設名：府中の森公園
所在地：東京都府中市浅間町1-3-1
アクセス：京王線「東府中」より　徒歩10分

おすすめスポット(2)府中市立中央図書館

府中市立中央図書館は、市民会館と図書館が併設された「ルミエール府中」の中にある図書館です。

広々としたキレイな館内の3階にあるのが子ども向け絵本コーナーにある、靴を脱いで上がれる「おはなしのへや」では、読み聞かせ会が催されるほか、親子で自由に絵本を楽しめます。「おはなしのへや」の近くには、カーテンで仕切れる授乳室やおむつ交換のできるベッドもあり、小さな子ども連れでも安心です。

ルミエール府中の1階にあるおしゃれなカフェは、ゆったり過ごせておすすめです。本を読んだりカフェでお茶をしたり、親子で1日楽しめます。

施設名：府中市立中央図書館
所在地：東京都府中市府中町2-24　ルミエール府中3階・4階・5階
アクセス：京王線「府中駅」より　徒歩7分
開館時間： 9:00～22:00まで
休館日：第1火曜日・第3月曜日とその翌日
※休日（祝日・振替休日）に当たる場合は直後の平日が休館

年末年始(12月29日から1月3日まで) ルミエール府中休館日・蔵書点検日・システム更新等点検日（広報などでお知らせあり）※休館日カレンダーを確認のうえ、訪れてください。

府中市の住まい事情

ここでは、府中市の家賃相場を見てみましょう。

府中市の近隣地域との家賃相場を比較すると、府中市の2LDK・3K・3DKの家賃相場が15.71万円に対し、近隣の国立市は17.25万円、小金井市は18.49万円でした。

国立市や小金井市はJR中央線が通っており、都心までのアクセスがよりよいため、家賃相場が高くなっているものと思われます。しかし、府中市も京王線・JR線・西武線が通っており、都心までのアクセスに不便はありません。沿線にこだわらない世帯は、家賃相場が低い府中市に住む方が経済的です。

府中市は、京王線府中駅まで特急で新宿駅から24分、京王八王子駅から17分。JR府中本町駅まで、快速で川崎駅から35分、立川駅から8分です。家賃を抑えながら、都心に限らずあらゆる立地にアクセスしやすい点も魅力的です。

府中市の子育て世帯におすすめのエリア

ここでは、府中市で子育て世帯におすすめのエリアを紹介します。

府中市の子育て世帯におすすめのエリア(1)府中駅周辺

府中駅には京王線特急が停車し、駅ビル・駅ナカ商業施設があります。駅から徒歩圏内に、図書館・警察署・市役所などの公共機関がそろっています。

また、駅改札から直結徒歩1分の場所にある商業施設「くるる」には、映画館やレストランだけでなく、子育て支援センター「たっち」も併設されています。室内はボールプールやいろいろな遊具など、キッズコーナーが充実しており、天候の悪い日でも子どもを遊ばせることが可能です。

府中市の子育て世帯におすすめのエリア(2)分倍河原駅周辺

京王線とJR南武線が乗り入れている分倍河原駅は、2路線の全列車が停車するターミナル駅です。連絡改札を通ることで簡単に乗り換えられることもあり、利用者も多いです。

駅のすぐそばから続いている商店街にはチェーン店から個人店までたくさんの飲食店が立ち並んでいて、外食をするのに困らないでしょう。駅から徒歩4分ほどの場所にあるのが商業施設「MINANO」。飲食店・スーパーマーケット・日用品店が入っていて、日常生活に必要なものはほぼすべてそろいます。

府中市は落ち着いて子育てをしたい人にぴったりの街

府中市のキャッチフレーズ「ほっとするね　緑の府中」。まさにほっと一息つきながらのんびり子育てしたいファミリーにおすすめの市です。自然や歴史を感じながら情緒豊かな生活を送れます。

子育てに必要なものがそろい、どこにでもアクセスしやすい利便性も持ち合わせている府中市は、子育てするのにぴったりな街です。引越しをお考えの子育て世帯の方は、候補の1つにして検討してみてはいかがでしょうか。