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横浜はクラフトビール好きにはたまらない街!醸造家に聞いた、ビール愛が高まる横浜暮らし
横浜はクラフトビール好きにはたまらない街!醸造家に聞いた、ビール愛が高まる横浜暮らし

横浜はクラフトビール好きにはたまらない街!醸造家に聞いた、ビール愛が高まる横浜暮らし

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醸造所の数だけ、味に個性があるクラフトビール。ぜひクラフトビールが似合う街で味わいたいものです。

今、横浜が「クラフトビールの街」として活気づいていることをご存じでしょうか。今回は造り手である齋藤健吾さんへの取材を通じて、横浜のクラフトビールライフの魅力を紹介していきます。

横浜はビール造り発祥の地

横浜とクラフトビール。とても相性のよいイメージがします。それは横浜が日本のビール造りの発祥の地であることに由来します。

横浜開港とビール醸造所の誕生

幕末に開港した横浜には数多くの西洋人がやって来ました。ストレスの多い異国での暮らしの息抜きはやはりアルコール。しかし、長期間の移動で味が変化してしまうビールは輸入には適さなかったのです。

そこで1869(明治2)年、横浜に日本初のビールの醸造所が設立され、国産ビールの製造が開始されました。1885(明治18)年にはジャパン・ブルワリー・カンパニーが設立。唯一の日本人株主として岩崎彌之助(三菱財閥第2代社長、岩崎彌太郎の弟)が出資し、翌年には渋沢栄一も株主になります。このジャパン・ブルワリーが発売したのが「キリンビール」でした。文明開化の時代、産業としての日本初のビール造りが始まり、横浜の味として全国へと広がっていったのです。

明治40年頃の横浜山手工場(キリンビール提供)
明治40年頃の横浜山手工場(キリンビール提供)

クラフトビール醸造所のある波止場のレストラン

今回訪れたクラフトビールの醸造所があるのは、みなとみらい21地区、新港ふ頭ターミナルの商業施設「横浜ハンマーヘッド」です。メインエントランスの左側にレストラン「QUAYS pacific grill(キーズ パシフィック グリル)」があります。“QUAY”は英語で波止場や岸壁などを意味する単語。埠頭の立地にちなんで名付けられました。

料理のコンセプトは、太平洋で捕れた各国のサーモンなどのシーフードをはじめ、ハンバーガー、パスタなどをカジュアルに楽しめるニューアメリカンスタイル。窓の外には、横浜の海とみなとみらいのビル群が広がり、近未来的な風景を見ながら時間を過ごせます。

キーズのエントランスで。ナンバーナイン・ヘイジー(右)、ハンマーヘッド・エール(左) © K. Isozaki
キーズのエントランスで。ナンバーナイン・ヘイジー(右)、ハンマーヘッド・エール(左) © K. Isozaki

クラフトビール醸造家は本場を経験した齋藤氏

キーズのもうひとつの特徴は店内に3つのものづくりの現場があること。ジンの蒸溜所、コーヒーの焙煎所、そしてクラフトビールの醸造所です。

麦汁を製造するタンク。醸造所は見て美しい設備を目指して設計  © K. Isozaki
麦汁を製造するタンク。醸造所は見て美しい設備を目指して設計 © K. Isozaki

クラフトビール醸造所「ナンバーナイン・ブリュワリー」の責任者「ブリューマスター」を務めるのは齋藤健吾さんです。

十数年前、齋藤さんはあるクラフトビールに感動し、人生が変わったそうです。ビール造りのプロフェッショナルであるブリュワーを志し、千葉県の醸造所で10年にわたりクラフトビール造りを経験。その後、2年間、クラフトビールの本場であるオーストラリアとニュージーランドの醸造所でビール造りを学び、2019年のキーズ立ち上げ時にブリューマスターに就任しました。

醸造所で飲むクラフトビールがおいしい訳

キーズのメニューには、常時8種類ほどのクラフトビールがありますが、そのすべてを店内の醸造所で造っています。「タンクから出したビールが一番、うまいんです。毎日、味見をする僕ら、造り手の特権ですね」と齋藤さん。ビールは流通して振動を与えると味が変化してしまいます。タンクが見える場所、つまり醸造所に併設された飲食店で飲むクラフトビールがフレッシュで、おいしいのです。

横浜市には10ヶ所以上のクラフトビール醸造所があり、みなとみらい21地区を含む中区の徒歩圏内には5つもの醸造所が稼働中。これだけコンパクトなエリアに醸造所が集まるのは日本でも珍しいといいます。その醸造所の多くはが飲食店を併設しているので、フレッシュなビールを飲むことができます。齋藤さんはこう語ります。「ハンマーヘッド横浜から馬車道駅、桜木町駅に向かうエリアにも『レボブリューイング』や『横浜ビール』の醸造所があります。ガラス越しに醸造所が見られて、オリジナリティがあるからいろんな味を楽しめるし、レベルも高い。クラフトビールの飲み歩きができるのも横浜の魅力です」。

ナンバーナイン・ブリュワリーのブリューマスター、齋藤健吾さん
ナンバーナイン・ブリュワリーのブリューマスター、齋藤健吾さん

クラフトビールの裾野を広げたい

ナンバーナイン・ブリュワリーのビール造りのコンセプトは、「Refreshing & Drinkable!」。すっきりとして飲み飽きない味わいです。コクは深いけど、香りが豊かで、料理との相性もよい飲み心地。クラフトビールを飲んだことのない人でも飲みやすい味にすることで、クラフトビールの裾野を広げることを目指しています。

外はカリカリ、中はジューシーの「フライドチキン」は至福の相性  © K. Isozaki
外はカリカリ、中はジューシーの「フライドチキン」は至福の相性 © K. Isozaki

「”横浜に来たからクラフトビールを飲んでみよう。飲んだら、香りがよくておいしかった”、そう思ってもらえるとうれしいですね。クラフトビールに興味を持ってもらいたいから、ガラス張りの醸造所だし、お客さまの多い時間帯に合わせて作業することもあります。ビール造りに興味があるお客さまには醸造所をご案内しています」

【横浜×クラフトビール】で地域社会に貢献する

齋藤さんが指揮を執るナンバーナイン・ブリュワリーは、国内最高峰のクラフトビール審査会「ジャパン・グレートビア・アワーズ」で、2022年に「ナンバーナイン・ヘイジー」が、2023年には「ハンマーヘッド・エール」が金賞を受賞。齋藤さん自身もクラフトビールのコンテストで審査員を務めるなど、クラフトビールの醸造家として国内屈指の実力者なのです。

アップサイクリングとは?捨てられる柑橘類をクラフトビールに

腕利きの醸造家として理想の味を追求する一方で、齋藤さんは柔軟な発想でクラフトビールの世界を広げています。そのひとつが廃棄物や副産物からより価値の高い製品を生み出す「アップサイクリング」です。

ミカンの栽培では、一部の果実を青いうちに摘んで出荷用に甘いミカンを育てます。この青ミカンは従来、ほとんどが廃棄されていました。また、正月飾りに使われているダイダイも消費量が減り、大量に余っています。齋藤さんは、青ミカンやダイダイを使って季節限定のクラフトビールを製造。柑橘類の爽やかな香りと果汁で飲みやすい味わいに仕上げます。「ダイダイ・シトラス・エール」を飲んでみましたが、本当に爽やかでおいしい!天然果汁の甘さなので料理とも合いそうです。

ダイダイを栽培する農家を訪れ、生産者と交流する齋藤さん(齋藤氏提供)
ダイダイを栽培する農家を訪れ、生産者と交流する齋藤さん(齋藤氏提供)

クラフトビール造りで生まれる「モルト粕」を横浜で循環、活用する

齋藤さんは、クラフトビールを醸造する過程で排出される「モルト粕(かす)」のアップサイクリングにも取り組んでいます。モルト粕を地鶏のエサとして提供するほか、製紙の原料として使用する「クラフトビールペーパー」のプロジェクトにも参画しています。

ナンバーナイン・ブリュワリーでは、クラフトビールペーパーを製造する横浜市内の会社「kitafuku」にモルト粕を提供するとともに、この紙を名刺やビールのギフトボックスなどに使用。齋藤さんは今後、横浜市や商工会の活動を通じてつながりを得たキリンビールにも呼びかけ、クラフトビールペーパーを横浜発の大きなムーブメントにしていきたいと構想を練っています。

齋藤さんは今、異業種の人々とのネットワークを広げながら、クラフトビールを通じて社会に貢献できることを一つひとつ実行しています。人の出会いから生まれる地域での好循環は、クラフトビールの物語として価値を生み、人々を魅了し、地元にファンを生んでいくのです。

【横浜×クラフトビール】で街をもっとおもしろく

キーズ開店の翌年、2020年にはコロナ禍でビール造りができない時期を経験した齋藤さん。「ビールを飲んでもらえることは、当たり前ではない」ことを痛感しました。だからこそ、「ビール造りの目的は、飲んだ人の笑顔を見ることです」と言い切ります。その強い思いは、「横浜をクラフトビールの街に」という志を共にする仲間との活動として街へと広がっています。

ビアバイクで醸造所巡り

活動のひとつが「ビアバイク」です。クラフトビールを「ガソリン」として飲みながら、参加者が足でペダルをこぎ、醸造所を巡るツアーです。ビアバイクにはガイドや生演奏のミュージシャンも同乗し、横浜の文化を学びながら、ビールと音楽に酔いしれます。20代からシニアまで幅広い層に人気があり、個人での参加だけではなく、団体による貸し切りといったさまざまな楽しみ方があります。ビアバイクには横浜に暮らす人々も数多く参加しているといいます。クラフトビールの飲み比べをしながら、地元の魅力を再発見できるイベントなのです。
参考:YOKOHAMA BEER BIKE http://www.yokohamabeer.com/BEERBIKE.html

醸造所を巡るビアバイク。ビールを味わいながら横浜観光も楽しめる(齋藤氏提供)
醸造所を巡るビアバイク。ビールを味わいながら横浜観光も楽しめる(齋藤氏提供)

「ビアバイクが到着すると、参加者に醸造所をご案内するのはもちろん、ビールの原料となるモルトを食べてもらっています」と齋藤さん。このモルトは、ビール造りを学んでいたニュージーランドから調達しています。
「食べてみると、ビールの味や香りがモルトのものであることが分かります。苦いと感じていたものが味わいとして変わり、飲み比べてモルトの違いも楽しむこともできます。体験を通じてビールの固定観念をどんどん変えていきたいですね」

醸造所でビールをテイスティング(横浜ビールにて:齋藤氏提供)
醸造所でビールをテイスティング(横浜ビールにて:齋藤氏提供)
モルトは香ばしく、うまみがあり、ビールのおつまみにもなりそう © K. Isozaki 
モルトは香ばしく、うまみがあり、ビールのおつまみにもなりそう © K. Isozaki 

横浜はクラフトビールが結集するイベントが目白押し

クラフトビールに関するイベントも定着し始めています。
2022年7月には、横浜赤レンガ倉庫が主催する「ベイウォークマーケット」との共同企画で「カンパイヨコハマ」を開催。横浜ハンマーヘッドの前の通りに横浜のクラフトビール醸造所8社の屋台が出店しました。
周囲にはキッチンカーやマーケットも。各社のビールを1ヶ所で飲み比べができ、おいしい料理が食べられるクラフトビールファンにはたまらないイベントです。2022年は夏と秋に開催され、今後も継続していく予定です。

また、みなとみらい21地区では「ビアフェス」や「ジャパンブルワーズカップ」といった大規模なクラフトビールイベントも開催されています。齋藤さんが実感するのは、クラフトビールを暮らしの中で楽しむ方が着実に増
えていることです。「ビアバイクも、ベイウォークマーケットも、来場者で話した方の半数以上は横浜の方でした。クラフトビールが身近にあることは、横浜で暮らす魅力の一つになっていると思います」

朝も夜も、クラフトビールに満ちた横浜の日常

日々、職場としてのキーズに通う齋藤さん。クラフトビールが暮らしに根付き始めているエピソードを話してくれました。「キーズでは、週末に限りモーニング営業をしています。店内にはドッグフレンドリーのエリアがあるので、愛犬の散歩をしながらモーニングを食べに来て、クラフトビールを飲んでいる方もいます。日常を離れた優雅な時間の過ごし方ですね。
それと、キーズのアルコール度数1.2%のクラフトビールを目指してジョギングをしている方もいます。シューズメーカーの方にも『走った後に、キーズの1.2%ビールは最高!』と言っていただきました」

散歩にジョギング。住んでいるからこそ楽しめるクラフトビアライフといえそうです。

500種類以上のクラフトビール!横浜ハンマーヘッドの”驚愕のコンビニ”

横浜ハンマーヘッド1階のセブンイレブン。圧巻の品ぞろえがSNSでも話題に
横浜ハンマーヘッド1階のセブンイレブン。圧巻の品ぞろえがSNSでも話題に

横浜で暮らしながらクラフトビールを楽しむうえでは、もちろん家飲みも充実させたいところです。何といっても訪れたいのが、横浜ハンマーヘッドのセブン・イレブン。
ビール好きの間では「狂ったセブン」という異名で知られるこの店舗、なんとクラフトビールの品ぞろえは500種類以上!キーズで食事をした後、家飲み用に各国のクラフトビールを買い込むのも楽しいでしょう。

初めて目にするビールばかり。各国のカラフルなラベルデザインがおしゃれ
初めて目にするビールばかり。各国のカラフルなラベルデザインがおしゃれ

宝探しのように野毛で店を開拓

みなとみらい21地区を離れて、桜木町駅(JR京浜東北・根岸線、横浜市営地下鉄ブルーライン)の西側にある野毛地区もクラフトビール好きにはたまらないエリアです。飲食店が密集していますが、数多くのお店でクラフトビールを提供しています。齋藤さんも、横浜でキーズの次に好きな場所は、野毛の繁華街だといいます。

「野毛に行くとワクワクします。クラフトビールを飲める店が選び放題です。狭くてディープな感じも、みなとみらいとはまた違った雰囲気でいいですね。川沿いに小さなお店が軒を連ねる『都橋商店街』にもスタンディングでクラフトビールを楽しめるお店があります。よい店を発見する喜びは、多種多様な銘柄から自分好みを探すクラフトビールの魅力に通じるかもしれませんね」

横浜でクラフトビールが飲める店を紹介する「CRAFT BEERMAP」(2019年版)
横浜でクラフトビールが飲める店を紹介する「CRAFT BEERMAP」(2019年版)

クラフトビールを横浜の誇りに

クラフトビールの飲めるお店が密集する野毛の最寄り駅は、桜木町。横浜駅まではJR根岸線で4分ほどです。みなとみらい地区のキーズの最寄りはみなとみらい線の馬車道駅で、横浜駅までは約5分。横浜駅からは、JR東海道線、JR総武線快速・横須賀線、東急東横線、京浜急行などに乗り換えできるので、渋谷、品川、東京、新宿など都心へのアクセスはとても良好です。

また、横浜では2020年にJR関内駅前の市庁舎が移転し、2026年春のグランドオープンに向けて、跡地の再開発が進められています。ホテルや商業施設、オフィス、エンターテインメント施設を併せもったビルで、隣接する横浜スタジアムに直結します。歴史ある港町の風情に最先端の機能が融合し、街の機能とにぎわいが高まっていくことはお墨付きです。

関内駅エリアを中心に再開発が進む横浜。街の進化はクラフトビールとの相性をさらに上げてくれるものだと齋藤さんは語ります。

「横浜には歴史もあれば、新しい街もあります。おしゃれで、かっこいい街になっていき、暮らす人、遊びに来る人のテンションが上がれば、普段の暮らしにクラフトビールをプラスアルファしたくなる。クラフトビールが横浜の誇りになる日、”クラフトビールといえば横浜!”となる日を目指して、活動していきたいですね」

齋藤さんをはじめ、クラフトビールを愛する人々が集う日常がある横浜。クラフトビール好きはぜひ、この街での暮らしを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

(齋藤氏提供)
(齋藤氏提供)

取材協力:QUAYS pacific grill
キーズ パシフィック グリル
住所:神奈川県横浜市中区新港2丁目14-1横浜ハンマーヘッド 1、2階
電話:045-900-0310
http://quayspacificgrill.jp

PR・記事協力・素材提供:横浜市

山口 剛

フリーランスライター。出版社や企業、大学、行政からのオファーを受け、取材記事をライティングしている。インタビューを通じて対象者の思いを引き出し、聴き、ひもとき、ストーリーとして再構築することを生きがいとする。好きなアーティストはSION、村上春樹、立川志の輔、神田伯山。出身は千葉県銚子市。現在は東京の下町に在住。思い入れ深い街は、横浜、札幌、新宿、福岡、ロンドン、ホーチミン、マニラ。

※掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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