都心から電車でおよそ1時間。東京都多摩地区の西側に位置する青梅市は、人口12万人ほどの暮らす街で、山と川に囲まれた自然豊かな環境です。

人口がゆるやかに減少しつつも 今、若い世代の移住や古民家のリノベーションが流行り、住みたい街として憧れている人も多いと聞きます。

私もかつて大学時代を青梅で過ごし、特に商店街には思い入れが詰まっています。今回はそんな青梅の商店街を歩きながら、人々の暮らしに触れ、路地や蔵、看板といった地域の魅力を紹介します。

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※掲載情報は執筆時点のものです。営業時間などが変更になる場合があるため、お出かけ前に公式サイトなどで最新情報をご確認ください。

 

この日の街歩きは梅雨入りであいにくの雨。今回は青梅駅から線路沿いを歩き、民家の間をぬって旧青梅街道の商店街を一周しました。

 

J R青梅線青梅駅を降りると、駅の外観そのものが歴史的建造物のようで、レトロ好きにはたまらないスポットです。

 

1924(大正13)年、当時の青梅駅はまだ珍しい3階建ての鉄筋コンクリートで改築されました。

 

青梅駅正面

 

ロータリーから直線、左右に伸びる通りは旧青梅街道。観光名所になっている商店街が見えます。反対に駅のすぐ裏手には小学校があり、子育て世代の方にも暮らしやすい地域です。

 

今回は、まず駅を背に線路沿いを歩きます。近くに高校があり、学生たちとすれ違いました。

 

青梅線沿線には多くの踏切があり、ほんの数メートル歩くだけでも「また踏切が!」と驚きました。

 

山のふもとにある図書館や寺院へ向かう道すがら、その入り口のように踏切があるのは珍しく、高架化が進む今、他の地域ではなかなか見ることができない光景です。

 

踏切が見つけにくい場所にあるのも魅力的

 

中でも、私が好きな踏切は「秋葉第二踏切」。ここは秋葉山神社の参道となっていますが、手前には大きな蔵があり、踏切からは石段しか見えず、その先がどうなっているのか想像をかき立てます。

 

こうした味のある風景が、普段の生活で見られるのはうれしくなります。

 

撮り鉄ではないですが、テンションが上がりました

 

旧青梅街道に出ると、古くから営業する金物店、洋服店、電気屋、本屋などが並びます。

 

今やこうした商店街はシャッター通りが多いですが、青梅市には活気が戻ってきています。加えて今風のおしゃれなカフェなども点在します。

 

昼間から飲める居酒屋も

 

散策して気が付いたのは花屋の多さ!わずか数百メートルの通りや、路地を含め4店舗もありました!「花を飾って、暮らしを楽しむ人が多いのかな」と想像します。

 

目に飛び込むのは丸みを帯びた昭和の赤いポスト。青梅の街並みを象徴しているように見えました。

 

今も投函できるポスト

 

一方、商店だけでなく、市民のサークルやイベントなどが開催できる広々とした公共施設もあります。

 

この日は、施設入り口にキッチンカーが出ていて、何やら催し物を開催。親子連れが目立ち、雨の中で笑い声が聞こえてきました。

 

街を歩いていると「ここで写真を撮りたい!」とスマホをカメラモードにして構える瞬間があります。

 

そんな時は大体が路地を見つけた時です。

 

今にも下駄を履いた子どもが走ってきそうな雰囲気

 

青梅市は商店街から一本それると、静かな味のある路地が現れ、ひんやりとした空気が漂います。

 

石畳や曲がりくねった道、古い家屋。なぜ、いまだにこの風景が残されているのか。青梅は江戸時代には宿場町として栄え、昭和に入ってからは養蚕や織物業も盛んだった歴史のある街でした。

 

地元の方によれば、かつてはホテルのような堅固な建物がなく、宿は引き戸や障子で仕切られていたため、泥棒や空き巣に狙われやすかったそうです。

 

そこで道幅をあえて狭くし、細い路地を多くつくることで、不審者が入り込みにくい構造にした、という言い伝えがあります。

 

防犯の知恵と工夫が今も残る

 

旧青梅街道は平坦ですが中心部から離れると途端に急坂になり、住宅地が広がっています。歩き慣れるまでは、少しきつい坂に感じるかもしれませんが、いい運動になります。

 

静かな住宅街の中には高齢者向けのデイサービス、子どもの公園などがあり、長年暮らす人たちの生活風景が見えていました。

 

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昭和幻燈館

 

青梅駅から徒歩5分ほどで到着する、「昭和幻燈館」。

 

昭和初期の青梅の暮らしを知ることができるジオラマや、有田ひろみ・ちゃぼの母娘で手がける愛らしい猫のイラストや人形などが展示されています。

 

 思わずにっこりしたくなる素朴な作品

名称:昭和幻燈館

住所:〒198-0084 東京都青梅市住江町9

営業時間:水・木・金・土・日・祝日 10時00分~17時00分

定休日:月・火

住吉神社

 

昭和幻燈館の隣に、思わず見上げてしまう立派な鳥居があります。

 

その先に続く石段を登れば、江戸時代以前から地域の人々に信仰されてきた由緒ある社「住吉神社」にお参りできます。

 

青梅では商売繁盛や家内安全を願って訪れる人も多いといいます。

 

神社に続く坂道

 

今回は、雨だったので真正面の石段を登るのは控え、裏手にある坂から境内へ。住吉神社の裏は青梅線が通り、電車が走る音がしっかり聞こえてきます。

 

静けさの中で一歩一歩踏みしめながら歩くと、心地よい鳥の鳴き声が聞こえました。

 

油断できない石段

 

石段を登らなくても絶景を見ることができ、お得な気分。帰りは石段をゆっくり降りましたがとても急なので、足元が不安な方は境内裏の坂道を通って帰るのが安全です。

名称:住吉神社

住所:〒198-0084 東京都青梅市住江町12

ジャズレコードがかかるナミオ珈琲

 

住吉神社から駅の方向に見えるのが、レトロな蔵構えの昭和レトロ商品博物館。その一階がカフェになっています。

 

「ナミオ珈琲」の由来は、店主の渡邉藍さんが飼い猫二匹の名前から付けたのだとか。

 

ドーナツの種類が豊富

 

ほっと一息つきたい時に一人でも気軽に入れるカフェとして、近隣住民の憩いの場になっています。

名称:ナミオ珈琲

住所:〒198-0084 東京都青梅市住江町65 昭和レトロ商品博物館 1F

営業時間:10時30分~17時30分(ラストオーダー 17時)

定休日:木・日・祝日

民家に猫石

 

ここまで読んで、お気づきの方もいるかもしれないですが、青梅は「猫」をテーマにした街づくりを行っています。建物や看板、庭にある石まで猫!

 

「今日は猫アートを探すぞ!」と意識して街を歩いてみるのも、楽しみのひとつかもしれません。

 

路地に飾られる猫の絵画

昭和の貴重な映画看板

 

街のいたるところで発見するのが、手描きの昭和の映画看板。青梅在住の映画看板絵師 久保板観さんが手描けていたことで注目され、街全体に映画看板を置いていました。

 

ですが現在は老朽化し、さらに台風の被害などに遭い、看板が破損。多くの看板は撤去され、以前より見かけなくなりました。

 

ですが、今から18年ほど前、当時青梅市にあった明星大学の学生たちが町おこしの一環で、商店街とコラボし、映画看板を描き上げました。その時の看板が今もところどころに残されています。

 

画像右上の看板は、私が学生時代に描いたもの

 

久しぶりに見ると、若干古びていましたが、今もなんとか健在…。久保板観さんの看板だけでなく、他のアーティストたちの看板にも注目しながら歩くのもおすすめです。

古民家を改装してカフェにした

 

商店街の裏路地に佇む、昭和の民家をリノベーションしたカフェ兼ギャラリー&ライブスペース。画家や音楽家として活動する樋詰司さん、薫さん夫妻が運営しています。

 

「青梅も一時はシャッター通りになった時期がありました。今は商店を始める人のために店舗を貸すなど、新しいことに挑戦することができます」と話すのは妻の薫さん。

 

音楽をやってみたい人、興味がある人は立ち寄ってみると新しい出会いがありそうです。

 

私も取材後に夜はライブを鑑賞

名称:アトリエよぎ

住所:〒198-0084 東京都青梅市住江町53

営業時間:木・金・土 11時30分~15時00分(L.o.14時30分)、日・祝日 11時30分~20時00分(L.o.19時)

定休日:月・火・水

instagram:@yobanashiya_mogi

 

今回1時間半、雨の中をゆっくり歩くことで、「青梅=レトロ」という言葉で語りきれないこの街の良さがありました。

 

誰もが子どもの頃にどこかで見た懐かしい風景や匂いがよみがえる、そんな瞬間がありました。

 

そこには暮らす人の愛情や、移住者にもやさしい空気が流れています。この安心感こそが、青梅の人気の理由かもしれません。

 

「せわしない毎日からはちょっと離れたい」「自分らしい日々を送りたい」と願う人にはうってつけの地域だと感じました。

 

アートを取り入れた路地は、他にはない良さがあった

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更新日: / 公開日:2026.02.27