梅田からも程近い野田阪神・海老江のエリアへ、2022年に移転した「awaiya books」。住宅が並ぶ静かな小径に佇む姿は、ここだけ時の流れが変わったような洗練された空気を身にまとい、思わず足を止める人も。
約400冊の本が並ぶ「awaiya books」は、本屋であるだけでなくカフェでもあり、そしてライブラリーのような役割ももっているそう。ちいさなお店ながらさまざまな顔を持ったこの場所について、コンセプトデザインをされた、みなもさんへお話をお聞きしました。大阪府の物件を探す
ライブハウスの中で、間借りで始まった「awaiya books」

―扉を開くと、壁面に並ぶ本の姿が。一見謎めいた雰囲気ですが、扉を開いた瞬間とても素敵な空間に心が躍りました。2022年に移転されたとのことですが、それまではどこにあったのでしょうか?
みなもさん:「もともとはJR塚本駅にありました。というのもオーナーが塚本で『ELEVATY』というライブハウスをやっていて、そこで間借りで本屋をやってみたら?という話をもらって。他にも1日バーをやる人がいたりと、ライブハウスを他の形で使うアイデアとして『awaiya books』を提案しました」

―前から本屋を開きたいと思っていたのですか?
みなもさん:「元々本は好きですが、本屋さんは自分にとってすごく尊敬する方々なので恐れ多くて、今も本屋ですとは名乗りきれないままです。ただ、塚本には雰囲気の合う本屋さんがなくて、それなら本に出会える空間を私なりに作ってみようと思ってはじめました。が、コロナ禍で『ELEVATY』がライブハウスとしての営業がほとんどできなくなってしまって。そこで『awaiya books』を本格的にやってみとうという話になって、喫茶も始めました」

―移転のきっかけは、なんだったのでしょう?
みなもさん:「コロナ禍を経て、ライブハウスが以前のように稼働するようになったからですね。嬉しいことに『awaiya books』としてのお客さまも増えてきていたので、『awaiya books』として新しい場所を持とう、ということになりました。せっかくなら梅田に近いところで挑戦してみたいなというのもあり、海老江や中津あたりで探している中で、この物件に出会いました」
―それまでこの辺にも来たことがあったんですか?
みなもさん:「そうですね、近くに好きなお店があったり、なんとなくは知っていました。福島区は福島駅前のイメージだと賑やかな印象ですが、このあたりは静かな住宅街です。この場所も築90年ぐらいの長屋で、周りにはあたらしいマンションもありますが昔から住んでいる方も多くて。あとここから歩いて5分くらいのところには長い歴史のある神社があって、夏祭りには地元の方や子どもたちで賑わいます。都会だけど落ち着いた雰囲気があって、歴史や風情のあるいい町だなと思って」

―確かに梅田の近くとは思えない落ち着きですよね。
みなもさん:「そうなんです。梅田まで自転車で行ける距離なのに、そこまでにぎやか過ぎなくて。この距離感や温度感がいいなって。ここも最初はすごく古くてボロボロだったんです(笑)。でも、吊り天井を外してみたら屋根裏の古い木材がめっちゃかっこよかったり。他にも使われていた建材を活かしたりしながら、自分たちでも改装しました。ちなみに本棚もオーナーの手作りです。」

いろいろな人の視点を行き来する「awai(あわい)」を感じる場として
―1階から2.5階まで続く本棚には、いろいろなジャンルの本が揃っていますね。
みなもさん:「今、全部で400冊ぐらいあります。3分の1ぐらいが新刊ですね」

―図書館のような利用の仕方もできると聞いたのですが、どういうことなのでしょう?
みなもさん:「古本とドネー本は、ご購入後2週間以内なら返却ができます。デポジット制の図書館のような感じです。私は本を結構買う方なのですが、読みたい本を全部買うとなると置くスペースがないし床も抜けそうで(笑)。だから自分と同じような人がいるかもしれないなと思って、買って読んで返せるシステムにできたらすごくいいなって。でもみなさん、気に入って買って帰られるので、読み終わった本を返却する人はまだほとんどいないです (笑)」
―おもしろいシステムですね。確かに、本はどんどん増えていくと、棚に入りきらなくなってスペースが…。ちなみに、ドネー本というのは?
みなもさん:「お客様から寄付していただいた本たちです。間借り時代はギャラリーもやっていたからユニークなお客様も多くて、自分では選ばなかったけど店の雰囲気に合う絶妙な本をいただいたり。最近は年末年始に『ドネー本』期間を作っていて、期間中は寄付のお礼としてオリジナルカレンダーをお渡ししています」
―本を通した交流と広がりがあって、おもしろいですね。改めて本棚をじっくり見ていくと、ドネー本があるからこそ生まれた選書棚なのだと感じます。
みなもさん:「棚の本は、ドネー本と私が選書した本の他にも、オーナーやスタッフが選んだものもあって、ベースは似ているけどいろんな視点が混ざっていると思います。『awaiya books』という名前の由来も、分けきれない間(あわい)という部分に目を向けてほしいという思いがあって。なんでも、見えているものが全てではないというか。私たちはそこに光を当てるきっかけや、そういった時間を提供したいと思っています」


―なるほど。つまり複数の人が選書した本が並ぶのは、知らず知らずのうちに視点を行き来しているようで、おもしろいですね。それこそ目に見えない部分というか。
みなもさん:「そうなんです。詩の本も多いのですが、書いてある言葉そのものだけでなく、それを読んで自分の心が遠くへ行くという体験を提供したくて。そういういろいろな行き来を、私たちは『awai(あわい)』と呼んでいて、ここはそれを感じていただく場所だと考えています」
―とても素敵だなと思います。
みなもさん:「ありがとうございます。なので、本や喫茶を提供してはいるんですが、どちらかというと、八百屋さんみたいな感じで、そういう行き来を提供する『あわい屋さん』として在りたいですね」

◆今回取材したお店
「awaiya books」
住所:大阪府福島区海老江2-7-22
電話:無し
営業時間:13:00〜17:30、日曜10:30〜18:00
定休日:不定休
Instagram:@ awaiyabooks
大阪の中心地の近くで、昭和の風情を味わう・野田阪神
住宅街にポツンと佇む「awaiya books」。扉を開けるとゆっくりとした時が流れる空間が広がり、喧騒やあらゆる情報から離れ、新たな本との出会いを体験できるお店です。長屋の並びにあり、隠れ家的な雰囲気があります。
自宅の近くにあれば、休日ゆっくり読書を楽しみたい時はもちろん、忙しい平日の中で自分の時間を過ごせる大切な場所として欠かせない存在になりそうです。
最寄駅はOsaka Metro千日前線の野田阪神駅とJR大阪環状線の野田駅。また、近くにはJR東西線の海老江駅もあり、3つの路線を利用可能。千日前線を使えばなんばや日本橋へも1本で出られる他、環状線を使えば大阪へも2駅です。
東西線ならば、大阪天満宮駅へも1本で行けるなど、3路線あるからこそさまざまな駅に出やすいのが特徴です。学生の一人暮らしにも、中心地に通勤する社会人にもぴったりな街。家賃相場は6万円台前半万円なので、お手頃な価格で物件選びができそうですね。ぜひ一度、3駅の物件情報を探してみませんか。
◆本記事の担当者
取材・文:小島知世 写真:沖本明
大阪府の物件を探す更新日: / 公開日:2026.02.27










