いい街にはいい書店があるというのが、本当かはわからないけれど、いい書店がいい影響を街に与えるのは確かなことでしょう。

それは、本はさまざまな知識や知恵を与えてくれるものと同時に、いい書店はそれをうまく人と結びつけてくれているから。

この記事ではそんな大阪の書店とその店から見える近隣の様子をご紹介します。

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※掲載情報は執筆時点のものです。営業時間などが変更になる場合があるため、お出かけ前に公式サイトなどで最新情報をご確認ください。

 

2022年4月で丸3年、現在4年目に突入した大阪・本町にある書店「toi books」。

 

文字通りtoiとは問いのことで、問いを与えてくれる本を通して、さまざまなことを考えられるようにと、店主の磯上竜也さんが命名しました。

 

取り扱うのは、文芸が主、絵本や漫画、写真集など。

 

10坪以下の空間に店主の思いがぎゅっとつまり、背の高い本棚には、「仕事って何だろう」「美味しいとしあわせ」「それぞれの暮らし」など、何が置いてあるのかな?と興味を持たせてくれるオリジナルのジャンルでセレクトされています。

 

それはまるで本を読んだ時にふと思い浮かぶような言葉。そういった工夫がさらにとっつきやすさを生んでいます。

 

 

そんな魅力もさることながら、「toi books」では壁を使った展示のほか、著者を招いてのトークなど、本を販売するための発信に余念がありません。

 

磯上竜也さん:「小さいお店なので、自分がやりたいと思ったことに積極的に反応して、実現させていきたいと思っています。

 

ですが、オープンしてすぐ、コロナ禍になってしまって、ほぼ営業はコロナと共にという感じで。だから思ったようなことが全然できてないんです。

 

今は、著者を招いたりして、そういうイベントをしたり展示ももっと増やしていきたいなと思っています。店内に短編小説が散らばっているような展示もしてみたくて、思案中です。

 

あとは購入いただいたお客さんに栞をお渡しして、その栞にすごく小さな物語が載っているようなそういうものも作ってみたいなと思っています。そういった体験から、文芸により触れ合ってほしいなと」

文芸はビジネス書などの実用書と違いすぐに売れるという商材ではなく、だからこそ、ストロークの長いアプローチがじわじわと染み入るような取り組みが後で効いてきます。

 

toi booksはまさにそれを実行しているのです。

 

磯上竜也さん:「後藤明生さんのコレクションなんですが、その中の1つに『しんとく問答』という短編集があります。それはさまざまなきっかけから大阪の名所などの土地に注目し、街を散策しているんです。文献を調べたり、掘り下げるような形で。

 

でも、決して学術的にやるというよりももっと街歩きに近い、その辺りが肩肘張らずに自分の住んでいる街をどう見るのかを考えるきっかけになったり、街歩きを楽しんでおもしろく読める1冊になっています。

 

大阪にいる人にとっては馴染みのある地名が出てくることもありますし、書かれたのが少し前なので、その頃ともう景色が違う。そんなことも楽しむ要素の1つでもあるなと思います。

 

シンプルに街を楽しむという点でいうと、『路上園芸観察』という本がいいです。

 

タイトルの通りではあるのですが、道路脇の植え込みや大きな会社の社屋の前に植えている木、舗装された道路の脇に生えてきている雑草、それらを普段は風景の一部としてしかみていなかったものに目を向けて、そのおもしろさを追求している本なんです。

 

パターンなども提示していて、どこの場所というよりも、自分の街でも路上園芸という視点を持てば、見方が変わってくるという好例です。自分の住む街の解像度が上がりますよね」

「後藤明生コレクション4後期」(国書刊行会)

「たのしい路上園芸観察」(グラフィック社)

 

本町の丼池筋にある「toi books」が入居するOSKビルには、1階にチャイ店、2階にはアパレルや古着店と買い物が楽しくなるお店が。

 

元々、大阪・本町といえば、オフィスビルが中心で、周辺のお店といえばランチを目的とした飲食店、または文具店などが主流。

 

若者が趣味のために買い物をする店というのはほぼありませんでした。しかし、このOSKビルとその周辺には、局所的に若者が楽しめる、わざわざ訪れたくなるお店が入居。

 

また、隣のビルにはうどん店、アパレル、ギャラリーなど半径50メートル圏内にそんなお店が凝縮しています。

 

磯上竜也さん:「うちのビルのオーナーは文化にとても寛容で、私も元々計画が完璧なわけではなかったのですが、自分の目指しているものやどういったことがやりたいのかをきちんとお話しさせていただき、ご理解をしてもらったという経緯があります。

 

隣のビルも同じような状況にあるというのは聞いたことがあります。そういった状況が重なり合い、今のこの区画があります。ぜひ、この丼池ストリートの現象を肌で感じてください」

 

磯上竜也さん:「他にも、このビルではないですが近くに新しい書店ができたというニュースも聞きましたし、意外に徒歩圏内に古本店も含め、書店が結構あります。『colombo cornershop』、少し足を延ばさないといけませんが、『FOLK old bookstore』と。巡ってもらうのも楽しいと思いますよ」

今回取材したお店

「toi books」

住所:大阪府大阪市中央区久太郎町3-1-22 OSKビル204号室

電話:無し

営業時間:12:00〜19:00

定休日:木曜

※只今臨時営業OPEN 12:00~19:00 / 月・火・金・土・日 ※表記確認中

https://mailtotoibooks.wixsite.com/toibooks

「toi books」のある本町は、Osaka Metro御堂筋線・四つ橋線・中央線と3路線が利用できる交通の便がいい街。

 

オフィス街という顔を持ち平日は多くの会社員で賑わっています。飲食店の数も多く、外食を楽しみたい人にもおすすめです。

 

近くには大阪万博の年・1970年に創業した商業施設「船場センタービル」も。ショッピングにグルメをはじめとした、さまざまな店が集まっています。

 

本町へ興味を持った方は、ぜひ物件情報を探してみてくださいね。

 

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更新日: / 公開日:2026.02.27