LIFULL HOME'Sに2023年に掲載された物件のうち、実際の検索・問合せ数から算出した
"実際に探されている街・駅"のランキング結果です。
買って住みたい街は購入物件の順位、借りて住みたい街は賃貸物件の順位です。
首都圏(東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県)の
ランキング結果を発表します
買って住みたい
勝どき
都営大江戸線
キープ
平塚
JR東海道本線ほか
1アップ
大宮
JR京浜東北・根岸線ほか
5アップ
首都圏版
「買って住みたい街」ランキング 総評
1位は5年連続の「勝どき」! 東京の“衛星都市”が上位に躍進
首都圏「買って住みたい街」ランキングは、「勝どき」が2020年から5年連続となる1位を獲得し、新型コロナウイルスの5類移行後も圧倒的な強さを示しました。2019年の16位から2020年に1位にジャンプアップして以降、注目を集め続けています。特に、昨今の都内での新築マンション価格高騰により、すでに竣工している「勝どき」の物件は価格面や広さ、規模でも優位性が群を抜いており、コロナ禍~東京五輪開催~アフターコロナという期間の象徴的な物件であり続けていることが明らかになりました。
都心近郊では、前回20位の「南砂町」が7位に浮上し、同様に前回67位だった「五反田」が10位、「浅草」も前回の114位(前々回4位)から一気に17位まで順位を戻しており、隣接する「両国」も前回128位から20位へと急浮上しています。また「後楽園」も前回74位から19位へと躍進し、隣接する「春日」が前回の99位から29位まで上昇しました。いずれも駅周辺での大規模な物件開発が話題となっており、物件に対する注目度の高さを反映しての順位となっています。対照的に前回5位の「田町」は31位に、11位だった「半蔵門」は244位まで順位を下げており、大規模な物件開発の発生および終了によって激しい順位変動が見られます。
また、前回2位の「横浜」は9位に、4位だった「茅ケ崎」は8位へとやや順位を下げたものの、2位「平塚」(前回3位)、3位「大宮」(同8位)、4位「八王子」(同9位)と駅勢圏(駅周辺の繁華性が高いエリア)が広い都心以外の“衛星都市”(=ベッドタウン)がそろって上位に進出しました。ここ数年続く物件価格の高騰によって、ファミリー層を中心に、都心周辺から郊外方面で交通および生活利便性の高いエリアを積極的に選択する傾向が年々明確になっており、安定して上位を維持しています。都心と比較すると物件の価格に大きな違いがあり、割安感があることも人気の理由です。
さらには、「借りて住みたい街」ランキングで1位を獲得した「本厚木」は今回も6位と健闘。同じく3位の「八王子」は4位、同4位の「大宮」が3位となっており、生活や交通利便性などのバランスが良好なことは、賃貸ユーザーだけでなく購入ユーザーにとっても歓迎すべき条件となっていることが分かります。
今回の「買って住みたい街」のポイントは、前回7位から5位に浮上した「八街」、11位の「千葉」(前回10位)、12位の「東松山」(同30位)、16位の「大網」(同27位)など、首都圏郊外と準郊外の街が前回よりさらに上位に進出していることです。2020年以降続いたコロナ禍とそれに伴うテレワークの実施によって、首都圏での居住ニーズは徐々に郊外化し始めましたが、2023年春以降、移動制限が解除され本格的にコロナ後の社会に移行しても“都心回帰”という揺り戻しの動きはごく一部に限られており、都心から1時間以上かかる準郊外エリアが上位を維持しています。円安の進行は建築資材を海外に頼る住宅産業を直撃し、“建設業&運輸業の2024年問題”が取り沙汰されるなかで人件費の高騰も続いています。ここ数年は明らかな住宅価格の高騰が発生しており、一時的な避難措置と考えられていた居住ニーズの郊外化は、完全に定着したものと見ることができます。折しも「異次元の少子化対策」の実施で子育て世帯のテレワークが強く推奨されたり、郊外に位置する自治体が独自の子育て支援策を打ち出したりするようになったことが、居住ニーズの郊外化に大きな影響を与えています。その結果、「買って住みたい街」ベスト30のうち都心・近郊に位置する街は10駅にとどまっており、コロナ5類移行後のマーケットにおいても前回の8駅から大きな変化はありません。コロナ禍を契機として住宅と住宅環境に向けられる目は、特に子育て世代において大きく変わったといえるでしょう。
借りて住みたい
本厚木
小田急小田原線
キープ
葛西
東京メトロ東西線
4アップ
八王子
JR中央線ほか
キープ
首都圏版
「借りて住みたい街」ランキング 総評
アフターコロナも「本厚木」が1位! 都心近郊に居住ニーズが戻り始める
首都圏「借りて住みたい街」ランキングは、全体としては2021年以降続いている郊外化傾向が今回も継続しているものの、都心近郊に位置する街が徐々に上位に進出してきており、アフターコロナの変化を見据える動きも表れ始めています。
コロナ禍で3年連続1位だった神奈川県央部の「本厚木」がコロナ5類移行後の今回も1位となり、4年連続トップに輝きました。これは本格的にコロナ後の社会に移行しても、消費者物価の高騰、および人材確保や子育て支援の側面が強調され始めたテレワークの継続などによって、首都圏における郊外エリアでの賃貸ニーズが依然高いことを示しています。1位の「本厚木」は東京から1時間超、新宿からは50分程度でアクセス可能で、ここ数年の開発によって駅勢圏(駅周辺の繁華性が高いエリア)が拡大しており、生活利便性もさらに向上しています。また余暇を過ごすアクティビティも豊富にそろっていて、オンもオフも充実した生活を可能にするエリアとしてコロナ禍での注目が高まり、コロナ後には都心エリアでの賃料の上昇傾向が顕著になったことから、比較的賃料水準が低い「本厚木」周辺での賃貸ニーズの顕在化が継続したものと考えられます。アンケート調査ではなく、実際の問合せ数から算出される借りて住みたいという「本厚木」の人気は、多くの賃貸ユーザーから支持され、定着したことが分かります。
この傾向および意向は、3位の「八王子」(前回3位)、4位「大宮」(同2位)、6位「柏」(同4位)、11位「千葉」(同11位)でも同様で、都心方面へのアクセスが良好であること(乗り換えなしで行けて終電が夜遅くまである)、駅勢圏が広く、生活利便性もいいこと、都心周辺と比較して賃料水準が安価であること、などの条件が整っている点が共通しています。
また、今回は2位に「葛西」が前回の6位から上昇し、初めてベスト3にランクインしました。東京都江戸川区に所在する「葛西」は東京の東側に位置し、旧江戸川を都県境として千葉県浦安市と隣接しており、都内でありながら比較的賃料水準が安価なエリアとして知られています(「浦安」も前回22位から17位に浮上)。そのため、初めて都内に居住するエントリー賃貸ユーザーからのニーズが高く、またインバウンドの需要も非常に高いエリアです。都内では、コロナ前は今回12位にランクインしている「池袋」が毎回1位を獲得して人気が高かったのですが、コロナ禍を経て交通利便性や繁華性よりも、相応に便利で賃料水準が安価なエリアであること(=コスパが良好であること)が都内での人気の要因となっていることが明らかです。
ただし、今回のランキングではコロナ後を見据えた動きも明らかになり始めており、東京都の市部では「吉祥寺」(今回21位)と並んで人気の高い5位の「三鷹」(前回5位)、前回同様7位で東京にも横浜にも交通利便性が良好な「川崎」、9位の「町田」(前回8位)、14位の「西川口」(前回10位)などの準近郊の人気エリアが前回同様に上位を維持しています。
同時に今回は8位の「北千住」、12位「池袋」、13位「三軒茶屋」、16位「高円寺」、22位「荻窪」、23位「中野」、27位「大森」、29位「錦糸町」などベスト30に都心近郊の街も続々とランクインしています。区内に所在する駅はベスト30のうち12駅に上っており、その多くは前回よりも順位を上げていることから、首都圏での賃貸ニーズはコロナ禍での移転先である郊外方面もしくは比較的利便性の高い準近郊で定着するとともに、都心方面へと回帰する動きも明確になっています。その意味では首都圏における賃貸ニーズが、コロナ後の新たな動きとして“二極化”しつつあると見ることができるでしょう。
買って住みたい・借りて住みたい街ランキング
- 対象期間
- 2023年1月1日 ~ 2023年12月31日
- 対象者
- LIFULL HOME’S ユーザー
首都圏は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県を対象とした
- 集計方法
- LIFULL HOME’S に掲載された賃貸物件・購入物件のうち、問合せの多かった駅名をそれぞれ集計
- 分析
- LIFULL HOME’S 総研
過去の住みたい街ランキング
過去に実施した住みたい街ランキングはこちらからご覧いただけます。一部調査手法が異なります。
街選びのお役立ち情報
本件に関するお問い合わせ先
株式会社LIFULL(ライフル)
メール:sumai-homes@lifull.com
更新日: / 公開日:2024.01.31





















