マンスリーマンションとは、1ヶ月単位で借りられる短期賃貸マンションです。

特別な準備をしなくても、すぐに新生活をスタートできるため、用途と期間が決まっている短期滞在者にとって利用しやすいのが特徴とされています。

ただ、入居するためには審査を受ける必要があるため、無職の人にとっては手続きに不安を感じてしまう面もあるでしょう。

今回は無職でも利用できるのかどうか、審査の仕組みや利用時の注意点を踏まえながら解説します。
マンスリーマンションを探す

マンスリーマンションの賃料支払いの仕組み

 

結論から言うと、マンスリーマンションの契約方法や審査の仕組みは、通常の賃貸物件と大きく異なり、きちんと条件を満たせば無職でも利用することができます。

 

ここでは、その理由を2つのポイントから見ていきましょう。

 

一般的な賃貸物件では、入居後に長期にわたり継続的に家賃を支払うことが必要となるため、入居審査も厳しくなりやすい面があります。

 

借主の収入や勤務状況といった「支払い能力」を審査して、安定して家賃を捻出できるのかが判断されるのです。

 

一方、マンスリーマンションは事前に契約期間が決まっており、「入居費用をまとめて前払いする」のが一般的です。そのため、最初にまとまった資金を用意できるのであれば、定職の有無に関わらず利用することができるのです。

 

通常の賃貸物件では、貸主との間で「普通借家契約」を結びます。普通借家契約では、借主の立場が強く、「貸し手(大家さん)側は正当な理由がない限り契約の更新を拒絶できない」と決められているのが特徴です。

 

また、仮に借主の使用におけるマナー違反や家賃の滞納などのトラブルが起こっても、裁判などの法的手続きを経ずに、借主を強制的に退去させることは難しいとされています。

 

そのため、一般的な賃貸物件の入居審査においては、借主の収入だけでなく「マナーを守ってもらえるか」「長期にわたって家賃の滞納がなく安心して貸せるか」といった点から借主の「人柄」や「経済力」などもチェックされるケースが多いのです。

 

一方、マンスリーマンションで交わされる契約は「定期借家契約」と呼ばれ、「契約の更新がない」のが大きな特徴です。決められた期間が終了したら、改めて契約し直さない限り、借主は必ず退去しなければなりません。

 

こうした契約方法の違いも、マンスリーマンションが無職でも利用しやすい理由のひとつとなっています。

マンスリーマンションの審査の基準とポイント

 

前述の理由から、マンスリーマンションの入居審査は、通常と比べて簡易的な手続きとなることが多いようです。もちろん「申し込めば誰でも問題なく入居できる」というわけではありません。

 

ここでは、マンスリーマンションの審査の仕組みと注意点について見ていきましょう。

 

マンスリーマンションの入居審査は、メールやFAXによる書類提出で行われることが多いようです。

 

入居審査では、運転免許証や健康保険証などの「身分証明書」が必要となるので、申し込みにあたっては、あらかじめこれら証明書のコピーを用意しておきましょう。

 

また、契約者・入居者の名前や住所、連絡先、利用目的などを記載した書類と、貸主によっては連帯保証人の情報などを記載した書類も必要となります。

 

審査では、書類に不備がないかどうかも重要なポイントとなるので、案内にしたがって漏れのないように準備を進めましょう。

 

多くの場合、審査に通過したら契約の申込書が郵送で届き、その後に入金を済ませると入居という手順となります。

 

マンスリーマンションの審査では、入居後のトラブル予防の観点から「利用目的」を確認されることがあります。

 

「長期観光のために滞在したい」「受験・就職活動の拠点として利用したい」など、明確な利用動機があれば問題はありません。

 

念のため、記載を求められたときにスムーズな対応ができるよう、あらかじめ利用目的を明確にしておきましょう。

 

また、無職の人が利用する場合には、運営会社によって「保証金」が必要となるケースがあるので、事前にホームページなどでこれら入居にあたっての注意点を確認することも大切です。

マンスリーマンションを探す

マンスリーマンションのメリット

 

マンスリーマンションには、短期滞在に適したさまざまなメリットがあります。ここでは、3つの項目に分けて具体的に見ていきましょう。

 

マンスリーマンションでは、あらかじめ生活に必要な家具・家電が備え付けられているのが大きな特徴です。また、電気やガスといったライフラインの開通手続きは運営会社が行ってくれるため、自分で行う必要がありません。

 

インターネット回線が完備されている物件も増えているため、特別な準備をしなくても、すぐに新生活をスタートできるのがメリットです。

 

通常の賃貸物件では、初期費用として「家賃の4~6ヶ月分」程度の入居費用が発生します。一方、マンスリーマンションでは、家賃と管理費、水道光熱費、退去時の清掃費といった入居中に必要となる費用を前払いするのみです。

 

このように、入居時のコストを抑えられる点も、短期滞在に適した特徴のひとつといえます。

 

例外はあるものの、マンスリーマンションでは保証人や保証会社が原則不要であり、手続きがシンプルである点も大きなメリットです。

 

先ほども紹介したように、通常の賃貸物件のように家賃未払いなどのトラブルが起こらない仕組みとなっているため、基本的には手短な審査だけで借りることができます。

マンスリーマンションを利用する際の注意点

 

短期滞在利用においては、とても利便性の高いマンスリーマンションですが、いくつか注意しておくべきポイントもあります。ここでは、注意点を詳しく解説します。

 

マンスリーマンションは入居時の費用を抑えられる半面、家賃は通常の賃貸物件よりも割高であるため、長期滞在には適していないとされています。1ヶ月の賃料で比較をすると、マンスリーマンションは通常の賃貸マンションの1.5~2倍が相場です。

 

エリアや設備といった条件によっても異なるものの、一般的な賃貸マンションと比較すれば家賃は高い傾向があるため、長く住めば住むほどコストがかかりやすくなってしまうのです。

 

ここでは、一例として、東京都新宿区のマンスリーマンションA(ワンルーム)と、類似した条件を持つ賃貸マンションBで実際に入居費用を比べてみましょう。

マンスリーマンションの場合

 

入居期間

1ヶ月

3ヶ月

6ヶ月

初期費用※

2万2,000円

3万8,500円

3万8,500円

家賃合計額

10万5,000円

32万2,000円

63万7,000円

トータルコスト

12万7,000円

36万500円

67万5,500円

※清掃費で計算

賃貸マンションの場合

 

入居期間

1ヶ月

3ヶ月

6ヶ月

初期費用※

12万2,500円

12万2,500円

12万2,500円

家賃合計額

7万500円

21万1,500円

42万3,000円

トータルコスト

19万3,000円

33万4,000円

54万5,500円

※敷金1ヶ月、鍵交換費用、事務手数料で計算

 

あくまで一例であり、それぞれのマンションの立地やグレードの差異はありますが、今回取り上げたケースでは「入居期間3ヶ月」を超えると、マンスリーマンションのほうがトータルコストは高くなってしまうことが分かりました。

 

もちろん、マンスリーマンションでは家具・家電を購入する必要がないため、実際には半年以内程度ならお得と考えることもできます。

 

ただ、その費用を計算に入れても、入居後1年を経過すれば費用が逆転してしまうケースがほとんどでしょう。

 

マンスリーマンションは、契約時に入居期間を決めて、賃料をまとめて支払う必要があります。

 

そのため、敷金や礼金はかからなくても、期間によっては初めに用意しなければならないお金は高額になることもある点に注意しておきましょう。

 

マンスリーマンションも通常の賃貸物件と同じように、自身の故意や過失により室内を破損してしまった場合には、修繕費用を負担しなければならない可能性があります。

 

なお、マンスリーマンションにおいて特に注意しておきたいのは「備品の取扱い」です。

 

自分で家具・家電を用意する賃貸物件とは異なり、備品についても故意や過失による破損があった場合には、修繕費用の負担を求められるケースがあります。

 

そのため、事前に備え付けの家具や家電、その他設備の取扱いルールを確認しておきましょう。

マンスリーマンションを探す

マンスリーマンションを探す

 

いくつかの注意点を理解しておけば、マンスリーマンションは利便性が高く、審査もシンプルなので、とても利用しやすい仕組みといえます。

 

「受験や就職活動の拠点」としての利用はもちろん、「一人暮らしのお試しとして住んでみたい」「趣味の作業スペースを持ちたい」といったさまざまなニーズに対応してくれるのが魅力です。

 

マンスリーマンションをお探しの際には、「LIFULL HOME’Sマンスリー」が便利です。住みたいエリアから簡単に物件を絞り込めるとともに、駅近の物件特集なども取扱っているので、ぜひご活用ください。

  • マンスリーマンションは無職でも利用することが可能
  • 契約期間分の賃料を前払いする仕組みであり、定期借家による契約となる
  • 審査では案内にしたがって身分証明書などの必要書類を漏れなく準備することが大切
  • 入居時の費用は抑えられるものの、賃料は通常の賃貸物件よりもやや高く設定されるため、長期滞在には向かない
  • マンスリーマンション探しには「LIFULL HOME’Sマンスリー」が便利
マンスリーマンションを探す

公開日: