ツーバイフォー工法、洋風住宅……日本で先駆けて取り組んできた「三井ホーム」

住宅業界のリーディングカンパニートップにインタビューをし、「日本の未来の住まいはどのように変化をし、住まいに携わる企業の使命はどういうものか」を考える【NEXT 日本の住まい】企画。

インタビュアーを務めるのは、株式会社 LIFULL 井上 高志 代表取締役社長。株式会社 LIFULL は、「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージとし、不動産ポータルサイトLIFULL HOME'Sを運営している。「住まいは人の幸せに直結する」という考えのもと、この【NEXT 日本の住まい】企画を通じて、日本の住まいを担う企業のトップの想いとその企業の取組みをインタビューを通じて伝える。

今回は、三井グループのひとつで三井不動産グループの企業である三井ホーム株式会社(※以下、三井ホーム)を紹介する。

三井ホームは、日本でツーバイフォー工法がオープン化された1974年に設立された。1978年には、日本の洋風住宅の先駆けとなる「ウィンザー」を発表。生活が西洋化する中で、三井ホームの洋風住宅は高級住宅地でよくみられるようになり、当時の人々の憧れの住まいとなった。1980年には、カナダのバンクーバーに事務所を開設するなど海外展開も開始し、国内においてはインテリアコーディネーター制度を発足させ全国に組織化している。また、1982年には、業界に先駆けて全商品に「10年間保証」を導入。その後も高温多湿で地震が多い日本の気候風土に適した住まいづくりを目指し、様々な技術改良を重ね、ツーバイフォー工法を独自の「プレミアム・モノコック構法」に進化させた。

2020年にブランドスローガンを新たに「憧れを、かたちに。」とすることを発表。2021年には、サステナビリティブランド「&EARTH with WOOD」を立ち上げ、その中で木造マンションブランド「MOCXION(モクシオン)」を発表。業界の注目を集めている。

ツーバイフォー工法とともに戸建て住宅業界を牽引し、新たに技術力の革新で木造マンションにも取り組む三井ホームの住まいづくり・街づくりへの思いを、三井ホーム株式会社 代表取締役社長 池田 明氏にお話を伺った。

写真左)三井ホーム株式会社 代表取締役社長 池田 明氏</br>
写真右)株式会社LIFULL 代表取締役社長 井上 高志氏写真左)三井ホーム株式会社 代表取締役社長 池田 明氏
写真右)株式会社LIFULL 代表取締役社長 井上 高志氏

三井ホームの沿革と経営理念

<b>池田 明:</b>三井ホーム株式会社 代表取締役社長。1961年生まれ。1985年三井不動産入社。三井不動産アコモデーション事業本部 賃貸住宅事業部長などを経て、2019年4月に代表取締役社長に就任、現在に至る。池田 明:三井ホーム株式会社 代表取締役社長。1961年生まれ。1985年三井不動産入社。三井不動産アコモデーション事業本部 賃貸住宅事業部長などを経て、2019年4月に代表取締役社長に就任、現在に至る。

井上氏:御社は、木造ツーバイフォー工法をいち早く取り入れたツーバイフォー建築のリーディングカンパニーとして、住宅業界を牽引されてきました。また、住宅業界の中でも早期から海外展開も進めていらっしゃっております。また2020年にはブランドスローガンも変更したと聞いております。まずは、三井ホームの沿革と経営理念をお聞かせいただけるでしょうか。

池田氏:弊社は1974年に三井不動産の戸建事業を担う会社として設立されました。当時は高度経済成長期で新しい住宅地なども開発されていた時代です。三井不動産が行う街づくりを住宅を建てることで担っていくという会社であったわけです。やがて、住宅の供給量が徐々に満たされるにつれ、ライフスタイルに合わせた個性ある間取りや外観デザインが求められるようになり、弊社は高性能・高品質なオーダーメイドの注文住宅を手掛ける住宅メーカーとして成長してまいりました。その後、成長期を経て人口減少・少子高齢化などの社会構造の変化により、住宅の市場規模も少しづつ縮小し、お客様の要望もより多様化した時代になってきました。三井不動産グループは三井不動産レジデンシャルや三井不動産リアルティなど、数々のお客様へのソリューションを提供していますが、それぞれのソリューション連携をより強固にし、複雑化したお客様のニーズにシームレスに対応するため、三井ホームは2018年に三井不動産の完全子会社となったというのが今までの大きな流れです。

<b>池田 明:</b>三井ホーム株式会社 代表取締役社長。1961年生まれ。1985年三井不動産入社。三井不動産アコモデーション事業本部 賃貸住宅事業部長などを経て、2019年4月に代表取締役社長に就任、現在に至る。1978年に発表された「ウィンザー」は、日本の洋風住宅の先駆けとなった

そんな中、2019年に私が社長に就任して、最初に手掛けたのが、中長期の経営課題達成に向け行ったリブランディングとなります。社員に今後どういったベクトルとモチベーションで仕事と向き合うのか、お客様など外部に対して、どう他の企業と差別化するのかを示すために行ったものです。その具体的な理念はナンバリングをしたブランドブックという形で全社員に配布をいたしました。リブランディングを実施するにあたって、全社員やお客様へのアンケートなどを行って、三井ホームの強みと弱みは何か、守り続けていくものと変えるべきものを整理しました。この取り組みでは、創業以来使用し続けてきたロゴを洗練させたり、パーパス(弊社の存在意義)や提供価値・行動指針などを明確にしています。

<b>池田 明:</b>三井ホーム株式会社 代表取締役社長。1961年生まれ。1985年三井不動産入社。三井不動産アコモデーション事業本部 賃貸住宅事業部長などを経て、2019年4月に代表取締役社長に就任、現在に至る。三井ホームの全社員に配布されたブランドブック。骨子をカード化し、携帯できるようにも工夫したという

2019年、社長就任とともに行った三井ホームのリブランディング

<b>井上 高志:</b>株式会社 LIFULL 代表取締役社長。1997年株式会社ネクスト(現LIFULL)を設立。インターネットを活用した不動産情報インフラの構築を目指して、不動産・住宅情報サイト「HOME'S(現:LIFULL HOME'S)」を立ち上げ、日本最大級のサイトに育て上げる。現在は、国内外あわせて約20社のグループ会社、世界63ヶ国にサービス展開している。井上 高志:株式会社 LIFULL 代表取締役社長。1997年株式会社ネクスト(現LIFULL)を設立。インターネットを活用した不動産情報インフラの構築を目指して、不動産・住宅情報サイト「HOME'S(現:LIFULL HOME'S)」を立ち上げ、日本最大級のサイトに育て上げる。現在は、国内外あわせて約20社のグループ会社、世界63ヶ国にサービス展開している。

井上氏:大々的にリブランディングされたのですね。その具体的な内容について教えてください。

池田氏:一番最初のパーパスの部分ですが、ここに理念が凝縮されているといっても過言ではないと思いますが「高品質な木造建築の提供を通して時を経るほどに美しい持続可能なくらしとすまいを世界に拡げていく」としています。これを我々の会社の存在意義にしまして、いろいろなことを考え取り組むときに立ち返っていくというものとしています。また、弊社の提供すべき4つの価値を「安心」「感動」「満足」「豊かさ」と再定義し、それを確実にお客様にお届けするために、全社員が心がけるべき行動を「誠実」「挑戦」「連携」の3つの行動指針として整理しました。連携についてもグループや協力会社といかにシナジーを生み出すのかなどを明記しました。ブランドブックの骨子はカード化して全社員に配布していますし、さらに各拠点ごとに「ブランドエバンジェリスト(伝道師)」を選任し、リブランディングを定着させるための先導役として活躍してもらっています。

井上氏:それは、素晴らしいですね。何故、今回就任を機にリブランディングをしようと思われたのでしょうか。

池田氏:会社としての特長を明確にしていかないと生き残れない、と感じたことが大きいですかね。競合他社は、ハウスメーカーとしてだけでなく、多様な事業展開を図っていてデベロッパーとしての事業展開もしている。一方、我々は三井不動産グループの連携を活かした総合力で成果を上げることを求められています。独自の会社としての特長を伸ばしていかないと、そもそもグループの中での立ち位置や業界の中でも特徴が薄れてしまう。生き残っていくためには、より付加価値の高い商品を提供していかなければならない。仕事の質を高め、4つの提供価値を通してパーパスを実現し、お客様にご評価いただける企業となるための指標が必要だと感じたからです。

井上氏:リブランディングによるプラスの効果は見え始めていますか。

池田氏:その後コロナやウッドショックなどがあり、今のところ直接の業績には大きなインパクトとして明確には見えていませんが、定量的なものというより、定性的なものでは顕在化してきています。ひとつには、その後のNPS(ネットプロモータ-スコア)では、確実にお客様の評価のスコアがあがってきました。これから、経営上の数字にいかに結び付けていけるかが重要だと考えています。

井上氏:これから成果として実のりがあるのが楽しみですね。

三井不動産グループのシナジーと「経年優化」という考え方

三井不動産グループのシナジーと「経年優化」という考え方

井上氏:御社を含めて三井不動産グループは本当に幅広い事業展開をされていますが、グループ企業としてのシナジーについてお聞かせください。

池田氏:グループで取り組んでいるシナジーですが、三井不動産の中に「すまいとくらしの連携本部」というものがあり、三井ホームや三井不動産レジデンシャル、三井不動産リアルティなどが属しています。かつては遠心力を働かせグループ会社ごとに業績を追いかけ成長していき、足し算をしていくのが効率がよいという考え方でしたが、今はマーケットも複雑になってきましたから、よりお客様へ有効にサービスを提供することが必要で、その中心となっているのが「すまいとくらしの連携本部」です。例えば土地を探している、また家も建てたいというお客様のニーズに対してなど、より連携を深めてサービス提供にあたるということがここ数年増えてきています。また、契約後や入居後のサービスとして三井不動産グループは「三井のすまいLOOP」というメンバーシップサービスを提供しています。現在は首都圏のみですが、そのサービスを年々拡充しているところです。

三井不動産グループのシナジーと「経年優化」という考え方三井不動産グループのメンバーシップサービス「三井のすまいLOOP」

井上氏:三井不動産グループは共通で「経年優化」のすまいという言葉を掲げていらっしゃいます。池田社長のお考えをお聞かせください。

池田氏:「経年優化」という考え方は、三井不動産グループ全体として一番大切にしている経営理念です。これは、建物自体もそうですし、植栽も時とともに育っていく、またコミュニティも時を経るごとに良くなっていく。ストック社会といわれる中で、如何に安心して快適に長く住んでいただけるかを大事にし、またそれが価値にもつながる、そういったすまいづくりをしようという理念です。残念ながら日本の場合、木造建物の価値は20年くらいでゼロになってしまうのが現状です。おそらく世界の中では、特異なことだと思います。経年優化というのは、たとえば、お客様が長年住んだ住まいをご売却する中で、きちんと住まいの価値を査定をして、売却が成立し、また次のオーナー様が資産としてすまうことができる、経年優化のすまいというのは、そういった価値をもつすまいということです。このことを企業文化として三井不動産グループ各社が取組んでいるということです。

三井ホームの安心・安全の家づくりの技術力と強みとは

井上氏:御社のすまいづくりについて、お聞かせてください。近年、地震だけでなく、水害や風害による大規模な被害も多く出ています。安心・安全なすまいづくりについて御社の取り組みやお考えはどういったものなのでしょうか。

池田氏:安心安全なすまい、というのは家に求められる価値の中で一番高いものです。安心安全で、そのうえでいかに快適に住んでいただけるかというのが、我々がお客様に提供するべきものです。家づくりとして、ツーバイフォー工法を進化させた「プレミアム・モノコック構法」 で建てた家はそのすべてを満たしているものであると自負しております。耐震性能は「震度7に60回耐えた家」というCMも提供していますが、実際の実証データとしてもその建物の強固さは証明されています。また、我々は大きな地震が起きた時、必ず全棟調査を実施をしており、そのデータを国土交通省などの関係省庁や大学、一般の方などにも公開をしております。近年、震度7以上の地震は5回おきていますが、深刻な被害を受けた家は一棟もないという報告を受けております。また、弊社の工法ですと、建物が壊れないだけでなく、実は家の中の揺れが小さく、家具等の転倒被害も少ないということも分かっております。
耐火性能に関しても、ツーバイフォーは構造特性上躯体の中に火が回りにくく気密性も高いため、外からの火を入れないだけでなく、内部で火災が発生した時にはその気密性で、時間が経つと自然消火に向かうほど耐火性能を備えた造りになっています。

井上氏:安心・安全面で高い住宅性能を備えていらっしゃるのですね。このあたりの技術力の高さは非常に強みですよね。

池田氏:いままで三井ホームの家は、どちらかというと外観やインテリアなどの情緒的なイメージが強かったかもしれません。しかし、実は技術力もすごいんだということをお客様にお伝えするために、近年はその技術力の高さ、ハードスペックを映像やデータでしっかりお客様にみてもらうための施設を全国各地につくっています。

三井グループのひとつで三井不動産グループの企業である三井ホーム株式会社。ツーバイフォー工法とともに戸建て住宅業界を牽引し、新たに技術力の革新で木造マンションにも取り組む三井ホームの住まいづくり・街づくりへの思いを、代表取締役社長に伺った。過酷な耐震実験で強さを実証 
※国立研究開発法人 土木研究所での実物大振動実験

井上氏:御社は、医療系の建築や施設建築も得意分野だと聞いております。

池田氏:医療系の建物が多いのは三井ホームの強みです。これまで医療建物を数多く扱ってきた経験から、そこで培ってきたノウハウやお客様のニーズストックが商品企画に生きてきます。また、数多くのお医者様の情報ネットワークももっているので、社内では「ドクターズレント」と呼んでいますが、土地の有効活用をお考えの土地オーナー様に診療所を建築してもらい、お医者様をテナントしてセットする事業も得意としています。診療圏調査というマーケティングをして、この地域にはこの分野の医院が少ないというニーズを探り、そのエリアに求められる診療所をつくるなど価値創造につながる取り組みもしています。そういった核の建物ができると、今度は近くに薬局が必要だったり、また、医療系の取り組みの延長線上でもあるのですが、介護施設や老人ホームなどをつくって面の開発につながる取り組みになります。保育園や幼稚園なども数多く手掛けていて、三井不動産グループでいくと大規模なショッピングモールの近くにつくったりもしています。これは、ショッピングモールで働く方々にも非常に喜ばれています。

三井グループのひとつで三井不動産グループの企業である三井ホーム株式会社。ツーバイフォー工法とともに戸建て住宅業界を牽引し、新たに技術力の革新で木造マンションにも取り組む三井ホームの住まいづくり・街づくりへの思いを、代表取締役社長に伺った。三井ホームの医院建築の実例

「MOCXION(モクシオン)」が変える木造集合住宅の可能性

井上氏:御社は2021年、木造マンション「MOCXION(モクシオン)」を発表され、話題となりました。こちらの取り組みについて教えていただけるでしょうか。

池田氏:「MOCXION(モクシオン)」は、今までRC造や鉄骨造が常識であった中層の集合住宅を木造でつくるという取り組みです。アメリカとくに西海岸やカナダでは、7・8階くらいまでの中層階の集合住宅は木造がほとんどで、それが上場リートの資産としてもごく普通にありますし、分譲マンションもあたりまえに木造が多いです。日本では中層階の木造住宅は地震や火事に弱いという固定観念があって、なかなか発達してこなかった。
今後カーボンニュートラルという世界を目指すときに、住宅では如何に木を使っていくかということが大切になってくる。だったらここに挑戦しようよ、ということで取り組んだものです。

井上氏:海外では普通に資産価値のある木造集合住宅に日本でいち早く取り組まれたのですね。

木造マンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」木造マンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」

池田氏:しかし、いろいろなことをクリアしていかないと「しょせんは木造だろう」となりかねません。最初に考えたことは木造建築の価値向上です。「MOCXION(モクシオン)」の第一号物件となるモクシオン稲城では住宅性能表示の劣化対策等級3(最高等級)を取得しています。 劣化等級3というのは、75年から90年の耐久性を有するいわゆる100年住宅のことですが、我々はごく普通にそういう建物をつくっている。では、まずこれを法定耐用年数22年ではなく、きちんとその物理的耐用年数を評価してもらおうということで、第三者調査を実施し、エンジニアリングレポートを作成しました。このお墨付きをいただいたことでモクシオン稲城は、監査法人の承認を経てRC造と同じ減価償却期間47年としています。減価償却期間が長いということはリセールした場合にもRCと同じになります。
あとは賃貸住宅の分類についてですが、日本の場合、これまでは木造というだけでマンションではなくアパートという表記となっていました。明確に定義はなかったにもかかわらずそれが慣習になっていた。これも公取に働きかけたり、御社のような物件情報を扱う媒体の方々、プレハブ協会の方々にもご協力をいただいて「マンション」という定義をつくってもらいました。3階建て以上の共同住宅であること、劣化対策等級が3以上、耐震等級が3以上、もしくは耐火等級4(もしくは耐火建築)などの条件を満たせばマンションと呼べるようになりました。このこともあって、木造であっても建物は堅固、ZEH-Mに対応し環境にも身体にもやさしいということで、堂々と木造マンションへの取り組みを進めています。

井上氏:「MOCXION(モクシオン)」の取り組みがさまざまな住宅の課題の解決につながりますね。

池田氏:実は「MOCXION(モクシオン)」のネーミングにはこだわっていまして、木造のマンションを示す造語ですが、「MOC」は「三井ホーム オリジナル コンストラクションメソッド」、「ION」は森林浴のマイナスイオンを意味し、それらを「×」掛け合わせることで「木造マンションが、街の中に一棟の豊かな森をつくる」 というのがコンセプトなんです。

ウィズコロナ、アフターコロナとこれからのすまい

井上氏:コロナ禍で社会の価値観は非常に変化してきました。時代の要請に対する今後の御社の商品についてはいかがでしょうか?

池田氏:家にいる時間が長くなっているので、より快適な住まいづくりをしたいというお客様が増えています。我々としては、家にいる時間の価値をどれだけ高めることができるかが重要であると考えています。その中でお客様からご評価いただいているのは、高気密・高断熱な「プレミアム・モノコック構法」の特性を活かした、スペースを無駄なく使いきる自由自在な空間設計をした住まいです。弊社では、m2(平米)設計ではなく、m3(立米)設計だとお伝えしていますが、家の本来の広さは面積ではなく体積こそが広さそのものと考えています。吹き抜けやスロープシーリングなど、天井が高い大空間を使って、ロフトをつくるなど自由に空間の中を設計できるということです。
また、機能面でいうと、全館空調「スマートブリーズ」がm3設計を可能にしました。1台の機械で冷暖房の空気を家中に送るという仕組みですが、居室だけでなく玄関や廊下、洗面・トイレなどもオールシーズン温度ムラが少ない快適な空気環境を実現できるため、m3設計には大きなメリットを発揮します。さらに、コロナ禍になってからも新しい商品を出していますが、多彩なワークスペースや家事ラク空間などに加え、家の外と内をボーダレスにつなぐ半戸外空間「ラナイ」をつくるのもおすすめです。仕事も遊びも自分らしく楽しめることが、今後の住まいにますます求められるのではないでしょうか。

「プレミアム・モノコック構法」と全館空調の特性を活かした開放的な空間設計であるm3(立米)設計事例「プレミアム・モノコック構法」と全館空調の特性を活かした開放的な空間設計であるm3(立米)設計事例

井上氏:さまざまな取り組みについてのお話、ありがとうございました。最後に池田社長のこれからのすまいについてのお考えをお聞かせていただけるでしょうか?

池田氏:人々の考えやニーズが多様化していくことは疑いの余地がありません。その中でもこのコロナ禍を経て思うことは、リモートワークが社会に定着してきた中、より家で過ごす時間がたくさんとれる人が多くなってくるといいな、と感じています。
今、郊外の住宅の空き家が増えてきていますが、アクセスは少し遠くても環境の良い場所を再生させるためにどうやっていけばいいかな、とも考えます。例えば、駅前再開発の考え方として、パークアンドライドのような自動車よりももう少し軽いゴルフ場のカートで、高齢者が移動しやすくなれば駅からの距離も苦でなく、逆に環境の良い郊外の再生にもつながるのかと思います。高齢者でなくても、郊外の広い住宅で住みたいというご家族にもニーズがあると考えます。コロナ以降の働き方とモビリティの変化、郊外の住宅の見直しと再生ができれば空き家問題のひとつの解決になるのかも、と思っています。
郊外に住むと配送でものを買うことも多くなりますが、マンションで普通になってきた宅配ロッカーを戸建でもスマートロック付きで住戸ごとにつくっていくことも必要でしょうね。
家で過ごす時間が長くなると、その分、私たちの会社などが価値を提供しやすくなります。ラナイやコーナーを活用した書斎など、家の中の空間の自由度をあげ、家にいる時間を最大限楽しめるような家づくりをしていきたいと思っています。

井上氏:御社の幅広い取り組みやお考えをお聞きできました。これからの時代のすまいについて、非常に示唆に富んだお話だったと思います。本日は、本当にありがとうございました。

「プレミアム・モノコック構法」と全館空調の特性を活かした開放的な空間設計であるm3(立米)設計事例三井ホーム株式会社 本社(東京:新宿)にて(2022年4月6日 撮影)