マイホームを持とうと考える際に、住宅ローンの利用を検討することも多いものです。LGBTQカップル向けの住宅ローンを提供する金融機関も増えており、利用環境は広がっています。

LGBTQ向けの住宅ローンを利用するときは基本的な仕組みや必要書類、各種契約についてポイントを押さえておくことが大事です。今回は、LGBTQ向けの住宅ローンについて詳しく解説します。
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多様性に対する意識の高まりを受けて、LGBTQ向けの住宅ローンを提供する金融機関は増えています。自治体が発行する「パートナーシップ証明書」の提出を不要としているところもあり、手続きの簡素化が進められています。

 

また、従来は法律婚の夫婦や親子などしか認められていなかった住宅ローンの連帯保証人についても、同性のパートナーを認める金融機関も出てきました。ペアローンの利用を同性カップルに認めるなど柔軟な対応を取るところも増えているので、LGBTQの方々にとって以前よりもマイホームを取得しやすい環境が整ってきているといえます。

 

パートナーと同居するにあたって、将来のことを考えてマイホームの取得を検討することは大切です。住宅ローンについて相談できる窓口が増えているため、十分に納得したうえで契約を進められるでしょう。

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同性カップルが住宅ローンを組む際には、一般的な書類に加えて「合意契約に係る公正証書」「任意後見契約に係る公正証書および登記事項証明書」などが必要になります。これらの書類の内容をきちんと把握したうえで、準備しておきましょう。

「合意契約に係る公正証書」とは、二人が愛情と信頼に基づいた真摯(しんし)な関係であり、共同生活を営むにあたって責任を持ち協力していくことを当事者間の契約として証明する公正証書のことを指します。公正証書は公証役場で作成をする公文書であり、一般的な契約書と比べて証拠力に優れているのが特徴です。

任意後見契約とは、将来自身の判断能力が不十分になってしまったときに、パートナーに生活面の世話や財産管理を代理で行ってもらうために結ぶものです。公正証書を作成したうえで、きちんと登記していることを示す書類が登記事項証明書です。

 

公正証書は原則として、契約をする本人が公証役場に出向いて作成を申し込みます。申し込みから書類の作成までに2~3週間程度かかるので、時間的に余裕を持って取り組むことが大切です。

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団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの契約者に万が一のことがあった場合に、保険金を住宅ローンの残債の返済に充てる生命保険です。多くの金融機関では団信への加入を義務付けていることが多いですが、住宅金融支援機構のフラット35では任意加入となっています。

 

LGBTQカップルの場合、金融機関によって取扱い方は異なるものの、パートナーと共に加入することが可能です。団信に加入していれば、一方に万が一のことがあっても、パートナーに負担をかけなくて済むので安心してローン契約を結べます。

 

ただし、相続に関しては遺言書がなければ行えないケースもあるので注意が必要です。住宅ローン契約を結ぶときには、将来のことも見据えたうえで必要なことを決めていきましょう。

ペアローンを検討する

 

住宅ローン契約を結ぶときには、収入合算が行えるかどうかは大事なポイントです。ここでは、ペアローンの基本的な仕組みと公正証書の作成方法について解説します。

ペアローンは、借入額をそれぞれが折半する「2本並立型」と、1人が契約者となりもう1人が連帯保証人となる「1本連帯型」があります。どちらの仕組みも収入合算を行えるので、1人で住宅ローンを組むよりも大きな借り入れを行えます。

 

2本並立型の場合では、各自が負担した借入額に応じてマイホームの所有形態を共有持ち分とすることも可能です。金融機関によって、取り扱っている住宅ローンの種類も異なるので、よく確認しておきましょう。

 

また、LGBTQカップルがペアローンを利用するときは、前述の「合意契約に係る公正証書」と「任意後見契約に係る公正証書および登記事項証明書」の提出が求められます。住宅ローンの返済は長期にわたるため、後からもめないためにも事前にしっかりと取り決めを行っておくことが大切です。

 

マイホームを購入するタイミングだからこそ、将来のことについてもいろいろと話しやすいといえます。気になる点はそのままにせず、安心して暮らせるように準備を整えてみましょう。

「合意契約に係る公正証書」は、渋谷区などが発行しているパートナーシップ証明書に記載されている文言に沿って作成すれば、特に問題ありません。「任意後見契約に係る公正証書および登記事項証明書」と併せて公証役場で作成することになり、費用は公証人手数料として数万円程度です。

 

司法書士などの専門家に依頼した場合は、さらに10万円程度の費用が必要になります。したがって、まずは自分たちで作成をしてみて、必要に応じて専門家のサポートを受けるのもひとつの方法です。

 

公正証書の作成を通じて、パートナーと将来のことについてよく話し合う時間を設けることが何よりも大切だといえます。お互いが納得できる形で取り決めを行っておくことで、新しい生活のスタートをスムーズに切れるはずです。

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将来を話し合う

 

マイホームを取得するには、住宅ローンの審査や書類の作成、どのエリアに住むかなどさまざまなことを決めなければなりません。パートナーとよく話し合うことが重要ですが、マイホームについて気軽に相談できるところを見つけておくと安心です。

 

LIFULL HOME’Sの「LGBTQ マイホーム講座・個別相談」では、住まいの選び方や資金計画、公正証書の作成方法などについて無料で学べます。住宅の取得だけでなく、入居後の暮らしや将来のことについて幅広く考える機会を得られるはずです。

 

LGBTQに理解のある不動産会社の紹介や物件の相談、必要な書類の作成をサポートしてくれる専門家を紹介してもらえるので、心強い味方が得られます。「マイホームの取得について、何から始めればいいか分からない」「同性カップルで住宅ローンを組めるのか?」「相続について教えてほしい」など、個別の事情に合わせて住まいの窓口が無料でサポートしてくれます。

 

パートナーと新しい生活を始めるためには、事前の準備がとても大切です。住まいの窓口を活用して、マイホームの取得や住宅ローン、相続に関する悩みを解決してみましょう。

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  • LGBTQ向けの住宅ローンを取り扱う金融機関は増えている
  • LGBTQのカップルが住宅ローン契約を結ぶときに必要となる書類を押さえておこう
  • 団体信用生命保険はパートナーと共に加入することが可能
  • 住宅取得後のことも考えて、ペアローンの組み方や公正証書の作成についてきちんと決めておこう
  • LIFULL HOME’Sの「LGBTQ マイホーム講座・個別相談」では、住まいの選び方や資金計画などについて詳しく学べる
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更新日: / 公開日:2021.09.13