- 建て替えで更地になると固定資産税が上がることがある
- 家を取り壊して更地にすると「住宅用地の特例」が適用されなくなり、土地の固定資産税が最大6倍になる場合があります。ただし、毎年1月1日時点で一定の要件を満たせば、税額の上昇を抑えることが可能です。
詳しくは、「建物がないと固定資産税は高額になる」をご覧ください。 - 特例を継続するための主な条件
- 建て替えの前後で土地の所有者が同じであることや、翌年中に新しい家が完成すること、1月1日時点で新しい家の建築工事に着手していることなど、所定の要件をすべて満たすと、引き続き特例が適用されます。
詳しくは、「固定資産税が上がらないための要件とは?」をご覧ください。 - 建て替え前に知っておきたい注意点
- 家の解体工事は、特例の条件である「建築工事の着手」とは見なされません。また、中古住宅を購入後に年内解体し、更地の状態で年を越してしまうと特例の対象外となるため注意が必要です。
詳しくは、「住宅用地の認定を受けられないケースについて」をご覧ください。
住宅の建て替えを検討している方の中には、「建て替え中も固定資産税が発生するのか?」という疑問を抱いている方も多いと思います。
結論から言うと、建て替え中であっても固定資産税は発生します。さらに、通常の固定資産税に比べて高い額を支払わなければいけない可能性もあります。
なぜ住宅の建て替えを行うと固定資産税が高額になってしまう可能性があるのでしょうか。それは、“小規模住宅用地の特例”もしくは“一般住宅用地の特例”という制度が大きく関係しています。
これらの特例は、当該土地に住宅が立っていることを前提に課税評価額の減税が受けられるため、1月1日時点で当該土地に住宅が立っていなければ受けることはできません。
今回は、特例を受けられなかった際の固定資産税額や特例を受けるための要件について紹介します。
建物がないと固定資産税は高額になる
1月1日時点で当該土地に住宅が立っていなければ、住宅の敷地が200m2以下であれば立っているときの6倍、住宅の敷地が200m2を超えていれば立っているときの3倍の固定資産税を納めなければいけません。
これは“小規模住宅用地の特例”または“一般住宅用地の特例”という制度があるからです。
小規模住宅用地の特例とは、住宅用地が200m2以下である場合に適用される特例で、固定資産税が1/6になる制度です。
一方の一般住宅用地の特例とは、住宅用地が200m2を超える場合に適用される特例で、固定資産税が1/3になる制度です。
通常、当該土地に住宅が立っていれば、住宅用地の面積がどちらに該当するかにより、その計算式に基づいた割合で固定資産税が軽減されます。
しかし、建て替えを目的に家屋を解体し、そのまま1月1日を迎えてしまった場合はこの特例が適用されないため、固定資産税が軽減されることなく、通常税額の納税義務が発生します。
ただし、建て替えを目的に家屋を解体した際には、ある一定の要件を満たすことで、固定資産税が軽減されることになっています。その要件について確認していきましょう。
固定資産税が上がらないための要件とは?

前述したとおり、通常は1月1日時点で建物が立っていなければ、固定資産税は特例が適用されず、高額になってしまいます。ただし、一定の要件をすべて満たし住宅用地として認められれば、固定資産税が上がりません。
住宅用地として認められるための要件は全部で5つです。
- 当該土地が前年1月1日において住宅用地であったこと
- 当該土地が1月1日時点で住宅建設工事が着工されており、翌年までに完成すること
- 住宅の建て替えが建て替え前と同一の敷地で行われていること
- 当該年度と前年度において、土地の所有者が同一であること
- 当該年度と前年度において、住宅の所有者が同一であること
住宅用地の認定を受けられないケースについて
注意が必要なのは「2. 当該土地が1月1日時点で住宅建設工事が着工されており、翌年までに完成すること」の要件についてです。
まず、“1月1日時点で住宅建設工事が着工“とありますが、これに解体工事は含まれません。
認められるのは1月1日時点で家屋解体工事が終了し、建築確認申請を提出し、3月末日までに新たな住宅の建設工事が始まっている場合であるため気をつけましょう。
また、「5. 当該年度と前年度において、住宅の所有者が同一であること」という要件を満たさないケースもあります。
これは、年の途中で中古住宅を購入し、建て替え工事に着工したが1月1日をまたいでしまったというような場合です。
以上のように、建て替えや中古住宅の購入を行う時期によっては、建て替え中の住宅について特例が認められない場合があるため、事前によく確認しましょう。
建て替え工事を行う時期に注意しよう

建て替え工事は既存の家屋を解体することから始まります。家屋解体にかかる日数の目安としては、30~50坪程度の木造住宅であれば解体工事着工から整地まで1週間程度です。
ただし、解体を担当する会社や住宅の構造、床面積などによって異なるので、余裕を持って解体工事の依頼をしましょう。
基本的に住宅を建て替える場合には、固定資産税の特例が適用されることがほとんどです。
しかし、今回紹介したような条件に当てはまらない場合は固定資産税が高額となってしまうため、建て替えを行う際は要件を満たして特例が適用されるよう、建て替え時期に注意をするとともに、余裕を持った計画を立てるようにしましょう。
無料で住まいの窓口に相談する リフォームVS建て替え講座
よくある質問
Q1. 家を建て替えている間、土地の固定資産税はかかりますか?
A1. はい、土地を所有している限り、建物がなくても固定資産税は毎年かかります。特に、課税の基準日である1月1日時点で更地だと「住宅用地の特例」が適用されず、税額が高くなる可能性があるので注意しましょう。
Q2. 建て替え中に固定資産税が上がってしまうのは、なぜですか?
A2. 住宅が建っている土地には、固定資産税が安くなる「住宅用地の特例」が適用されています。家を取り壊して更地にすると、この特例の対象から外れてしまうため、税額が上がってしまうのです。
Q3. 建て替え中の固定資産税を安く抑える方法はありますか?
A3. 一定の条件を満たせば、建て替え中も引き続き「住宅用地の特例」を受けられます。たとえば、「建て替え後も土地の所有者が同じ」「翌年中に新しい家が完成する」といった条件があります。スケジュールを工夫することがポイントです。
Q4. 建て替えのスケジュールを立てるうえで、一番の注意点は何ですか?
A4. 税金の基準日である「1月1日」のタイミングです。年内に解体を終えた場合、翌年の1月1日までに新しい家の建築に着手していなければ、特例を受けられません。解体工事は建築の「着手」にあたらないため、工務店などと入念に計画を立てましょう。
Q5. 中古住宅を購入してすぐに建て替える場合も、税金は安くなりますか?
A5. 中古住宅の購入後にすぐ建て替える場合も注意が必要です。土地の所有者になった年の1月1日時点で更地だったり、建築に着手できていなかったりすると、特例を受けられないケースがあります。事前に不動産会社へ建て替えスケジュールを相談しておくと安心です。
更新日: / 公開日:2019.08.30










