- 住み心地は価値観に合わせて選ぼう
- 広さや静かさを重視するなら一軒家、セキュリティを求めるならマンションがおすすめです。日当たりや風通しは物件ごとに違うため、どちらがご自身の暮らしに合うか見極めましょう。
詳しくは、「一軒家VSマンション『住みやすさ』はどう違う?」をご覧ください。 - 購入価格は総額で考えよう
- 平均購入価格は、マンションの方が一軒家より割高な傾向にあります。諸費用は物件の条件によって変わるため、総額で資金計画を立てることが大切です。
詳しくは、「一軒家VSマンション『購入価格・諸費用』はどう違う?」をご覧ください。 - 維持管理の手間と自由度の違いを理解しよう
- マンションは管理を専門の会社に任せられますが、管理費などがかかります。一方、一軒家はご自身で維持管理が必要なものの、月々の費用は抑えやすく、リフォームも自由に行いやすいのが魅力です。
詳しくは、「一軒家VSマンション『購入後の負担』はどう違う?」をご覧ください。
マイホームを購入するうえでは、「一軒家とマンションのどちらを購入するか」というポイントが最初の分岐点となります。
大事なマイホームの選択ですから、さまざまな判断基準で比較をしながら、自分に適した方をじっくり見極めることが大切です。
今回は一軒家とマンションの違いについて、「住みやすさ」や「購入価格」「購入後の負担」の3点から詳しく見ていきましょう。
一軒家VSマンション「住みやすさ」はどう違う?

一軒家とマンションでは、住み心地に大きな違いがあります。どちらの方が優れているかは、住む人の価値観によっても異なるので、判断基準ごとにていねいに考えていくことが大切です。
広さを確保しやすいのは一軒家
独立行政法人 住宅金融支援機構が調査した「2020年度フラット35利用者調査」では、住宅種別の平均面積について以下のように示されています。
住宅の種類 | 平均住宅面積(m2) |
|---|---|
注文住宅 | 124.4 |
土地付き注文住宅 | 111.1 |
建売住宅 | 101.1 |
中古一戸建て | 113.2 |
新築マンション | 66.2 |
中古マンション | 67.9 |
あくまで平均値ではありますが、住宅の広さからすると、やはり一軒家は集合住宅であるマンションよりも広さを確保しやすいといえます。
一軒家は平均して100平米を超える広さを持っているのに対し、マンションでは70平米以下が平均であり、両者の間には30平米近くの差があることが分かります。
30平米といえば、「18~19畳」程度の広さにあたるため、一軒家とマンションの間には「大きめのリビング1つ分」あるいは「8畳程度の居室2つ分」の差があるということになります。
また、間取りの自由度も一軒家の方が高いので、「広々とした吹き抜けが魅力のLDK」「隠れ家のような小さめの書斎」など、特殊な間取りも実現できるのが魅力です。
日当たりと風通しは条件による
一般的に、日当たりや風通しは高さのあるマンションの方が優れているといえます。しかし、住まいの階数や周辺環境によっても大きく異なるので、マンションならすべて恵まれているとはいえません。
反対に、一軒家でも隣家から十分な距離が確保されていたり、土地が高台にあったりすれば、日当たりには恵まれます。また、風通しは窓の大きさや設置場所で向上させることも可能です。
ただ、マンションの高層階で得られるような「眺望の良さ」は、一軒家では獲得するのがなかなか難しい、マンションならではの魅力です。
セキュリティ性はマンションの方が高い
セキュリティ性については、オートロックや防犯カメラ、宅配ボックスなどの設備が充実しているマンションの方が高いといえます。
また、一軒家にはない特徴として、「管理体制がしっかりしている」という点も挙げられます。
総戸数の多いマンションでは、管理人が24時間常駐している「常駐管理」の物件もあるため、有人管理による安心感は大きなメリットです。
一軒家の場合、ホームセキュリティ設備のラインナップは充実しているものの、自分で導入を検討しなければなりません。
騒音トラブルの回避は一軒家の方が有利
集合住宅であるマンションは、どうしても住戸同士の距離が近いため、生活音などの騒音によるトラブルが起こりやすくなります。
特に隣接した左右の部屋や上下階には生活音などが伝わりやすいため、十分に配慮して生活する必要があります。
それに対して、一軒家では上下階の音を気にする必要がないのに加えて、隣家との距離が離れていれば楽器の演奏なども問題なく行えます。
ただ、道路を通行する車両の騒音・振動など、外から入ってくる騒音については、高層階にあるマンションよりも一軒家の方がダイレクトに伝わってしまうので、立地によってはストレスを感じる場合もあるでしょう。
<一覧表で比較>一軒家VSマンションの「住み心地」の違い
項目 | 一軒家 | マンション |
|---|---|---|
広さ・間取り | ○広さを確保しやすい ○自由度が高い ○部屋ごとの独立性が高い | ✕自由度は低い ○生活動線がまとまりやすい |
日当たり・風通し | ○窓の大きさや配置を工夫できる ✕立地によっては1階部分の日当たりが悪いこともある | ○高層階なら日当たり・風通しを確保しやすい |
セキュリティ性 | ✕防犯設備を自分で整える必要がある | ○防犯設備が充実 |
設備 | ○予算の範囲で自由に設備を組み合わせられる | ○充実した共用設備が利用可能 |
騒音問題 | ○比較的トラブルが起こりにくい ✕周辺道路の音が気になることもある | ✕十分な配慮が必要 ○外部からの音は入りにくい |
近所付き合い | ○親密になりやすい | ○適度な距離感が保たれる |
一軒家VSマンション「購入価格・諸費用」はどう違う?

続いて、購入時の費用面から、一軒家とマンションの違いを比較してみましょう。
マンションの購入費用は高騰している
先ほども参照した「2020年度フラット35利用者調査」によれば、住宅の種類別の平均所要資金は以下のとおりです。
住宅の種類 | 平均所要資金 |
|---|---|
注文住宅 | 3,534万円 |
土地付き注文住宅 | 4,397万円 |
建売住宅 | 3,495万円 |
中古一戸建て | 2,480万円 |
新築マンション | 4,545万円 |
中古マンション | 2,971万円 |
購入する住宅面積を踏まえて考えても、マンションは一軒家と比べておおむね割高になると判断できます。
また、国土交通省が公表している「不動産価格指数(住宅)」を見ても、一軒家の価格はここ15年程度でそれほど大きな変化が見られないのに対し、マンションの価格は2008年時点の1.7倍近くにまで膨れ上がっていることが分かります。
マンションの価格には共用設備の費用も含まれているので、一概に両者を比較することはできませんが、同じ広さの住宅を手に入れるうえでは一軒家の方が割安です。
諸費用は新築か中古かで異なる
住宅を購入するときには、手数料や各種税金といった諸費用がかかります。諸費用については、個別の物件ごとに若干の違いはありますが、物件の種類別に以下のような目安があります。
諸費用の目安
- 新築注文住宅:物件価格の3~6%
- 新築建売住宅:物件価格の6~9%
- 新築マンション:物件価格の3~6%
- 中古一軒家:物件価格の6~9%
- 中古マンション:物件価格の6~9%
新築と中古で諸費用が異なるのは、仲介手数料の有無が大きく関係しています。新築注文住宅では、土地を除いて仲介業務が行われることはありません。
また、新築マンションは通常、建てたデベロッパーが売主となるため、同じく仲介業務が生じません。一方、新築建売住宅や中古物件は、基本的に仲介業務が行われるので、仲介手数料が発生します。
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一軒家VSマンション「購入後の負担」はどう違う?

続いて、「購入後の負担」から、一軒家とマンションを比較していきましょう。
一軒家は自分自身で計画的なメンテナンスが必要
マンションでは共用部分の管理や修繕は管理会社が行ってくれるため、自分であれこれと計画を立てる必要はありません。
修繕費用についても、共用部分に関しては修繕積立金として毎月一定金額の積み立てが行われます。
それに対して、一軒家はすべてを自分でコントロールしなければならないため、維持管理の負担はマンションよりも大きいです。
屋根や外壁、水回りの設備など、箇所によって修繕しなければならないタイミングは異なるので、メンテナンス費用は定期的に貯蓄する必要があります。
維持費はマンションの方が高くなりやすい
マンションの場合は、修繕積立金と管理費を毎月支払う必要があり、一軒家よりも維持費はかかりやすいといえます。
もちろん、一軒家でも定期的な積み立てを行う必要はありますが、マンションの修繕積立金はあくまでも共用部分の修繕に使われるという点を理解しておくことが大切です。
室内の設備を修繕したり、入れ替えたりするための費用は別途で捻出しなければならないため、一軒家よりコストがかさみやすいといえるのです。
また、駐車場付きの一軒家と比べると、マンションは駐車場代もかかるので、さらに費用が大きくなってしまいます。
リフォームの自由度なら一軒家、管理の手軽さならマンション
リフォームの自由度でいえば、当然ながらマンションよりも一軒家に軍配が上がります。
法令や土地の利用制限の範囲内であれば、増改築も自由に行えるので、ライフプランに合った使い方ができるのが魅力です。
一方、マンションは共用部分の管理を任せられるので、住んでからの維持に関する負担は軽くなります。
一軒家VSマンション「どちらに向いているか」はどう見極める?

これまでご紹介したように、一軒家とマンションにはさまざまな違いがあるので、特徴を正しく理解したうえでどちらにすべきかを判断することが大切です。
ここでは、判断基準の参考例として、一軒家とマンションそれぞれに向いている人の特徴を解説します。
一軒家に向いている人
一軒家に適しているのは、以下のような特徴に当てはまる人です。
- 土地を所有したい
- 毎月の維持費を抑えたい
- 車を複数台所有している
- 広い庭がほしい
- 自由にペットを飼いたい
- 生活音を気にしたくない
- 子育てに良い環境を選びたい
- 両親との同居など、世帯人数の変化が想定される
一軒家の魅力はやはり土地を所有できる点と、自由に生活できる点にあります。
ガレージを充実させて車を複数台所有したり、広い庭でバーベキューを楽しんだりと、敷地内を自由に使えるのはマンションにない魅力といえるでしょう。
なお、ペットの飼育はマンションでも許可がもらえる場合もありますが、大型犬などは認められない物件も多いです。
ペット可の物件でも、頭数や種類には制限が設けられるのが一般的なので、一軒家の方が自由度は高いといえます。
マンションに向いている人
マンションに向いているのは、以下のような特徴に当てはまる人です。
- 通勤や通学に便利なところに住みたい
- 生活利便性の高いエリアに住みたい
- 老後の暮らしを考えたい
- 自分で管理をあまりしたくない
- 車よりも電車やバスの利用が多い
- セキュリティ面を大事にしたい
マンションは一軒家と比べて駅に近い商業地域などに建てられることも多いので、交通利便性・生活利便性に優れる傾向があります。
また、ワンフロアのためバリアフリー性が高く、セキュリティも充実しているので、老後の生活を考えやすいのもメリットです。
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マイホーム選びで失敗しないために第三者のアドバイスも参考にしてみよう

一軒家とマンションはそれぞれ特徴があり、求める暮らしによって向き不向きがあります。とても重要な選択になるので、どちらを選ぶか迷うときには、専門家からアドバイスを受けてみるのも大切です。
LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」なら、専任のハウジングアドバイザーが住まいに関するさまざまな悩みに答えてくれます。
住まいの条件整理も客観的な視点から手伝ってもらえるので、自分では気づかなかったようなヒントが得られることもあるはずです。
住まいの窓口のサービスは無料で利用できるので、マイホーム探しに悩んだときには、ご利用を検討してみてください。
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まとめ

- 広さや間取りの自由度は一軒家に軍配が上がる
- セキュリティ面はマンションの方が充実している
- 維持費はマンションの方が高くなりやすいが、メンテナンスの負担は軽い
- 一軒家は管理の負担が大きい半面、リフォームの自由度が高いのが魅力
- 住まいに求める条件によってどちらが向いているかは異なるため、専門家に相談するのも1つの方法
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よくある質問
Q.1 一戸建てとマンション、どちらを選ぶべきか基本的な違いを教えてください。
A.1 一戸建ては、庭や駐車場など敷地全体を自由に利用でき、間取りの自由度も高いのが魅力です。一方、マンションは駅に近いなど便利な立地が多く、セキュリティ設備も充実しています。ご自身のライフスタイルで何を優先したいかを考えることで、どちらが合っているかが明確になります。
Q.2 小さい子どもがいるので、生活音で近所に迷惑をかけないか心配です。騒音トラブルが少ないのはどちらですか?
A.2 上下階や隣室への音を気にする必要がないため、騒音トラブルは一戸建ての方が起こりにくいです。隣家と距離があれば、子どもの足音や楽器の演奏もしやすいでしょう。ただし、周辺道路の交通量など、立地によっては屋外からの音が気になる場合もあります。
Q.3 夫婦共働きで日中留守にしがちです。セキュリティ面で安心できるのはどちらのタイプですか?
A.3 セキュリティを重視する場合、マンションの方が設備は充実しています。多くの物件でオートロックや防犯カメラが導入されており、管理人が常駐していることもあります。一戸建てでもホームセキュリティを導入できますが、ご自身で契約・管理する必要があります。
Q.4 購入時にかかる費用(物件価格や諸費用)は、一戸建てとマンションでどちらが高い傾向にありますか?
A.4 同じ広さや立地で比較すると、マンションの方が割高な傾向です。物件価格とは別に税金や手数料などの諸費用もかかり、その金額は新築か中古か、また不動産会社の仲介の有無などによって異なります。
Q.5 購入後の維持費(管理費や修繕費)をなるべく抑えたいです。どちらのほうが安く済みますか?
A.5 月々の維持費は、一戸建ての方が抑えやすい傾向です。マンションは管理費や修繕積立金などが毎月かかりますが、一戸建てに月々の固定費はありません。ただし、将来の修繕に備えて、ご自身で計画的に費用を積み立てておく必要があります。
Q.6 将来、家族構成の変化に合わせてリフォームや増改築をしたいです。自由度が高いのはどちらですか?
A.6 リフォームや増改築の自由度は、一戸建ての方が高いです。法律の範囲内であれば、間取りの変更や増改築もできます。一方、マンションは管理規約でリフォームに制限があり、窓や玄関ドアといった共用部分を個人で変更することはできません。
Q.7 家のメンテナンスや管理の手間を考えると、どちらが楽でしょうか?
A.7 管理の手軽さを重視するなら、マンションがおすすめです。エントランスや廊下など共用部分の管理は管理会社が行うため、手間がかかりません。一戸建ては、外壁や屋根のメンテナンスなど、すべてご自身で計画して手配する必要があります。
Q.8 一戸建てとマンション、どちらに向いているか判断できません。何か目安はありますか?
A.8 「土地の所有」「庭でのガーデニング」「複数台の駐車スペース」などを希望する方は一戸建てが向いています。一方、「駅近などの利便性」「セキュリティ」「老後の暮らしやすさ」を重視するなら、マンションが選択肢になるでしょう。
Q.9 いろいろ比較しても迷ってしまいます。専門家の意見を聞くことはできますか?
A.9 可能です。マイホームは大きな買い物なので、専門家から客観的なアドバイスをもらうことも有効です。LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」のように、無料でハウジングアドバイザーに相談できるサービスもあるので、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
更新日: / 公開日:2021.10.22










