建替えを検討している場合、新築やリフォームとの違いや建替えのメリット・デメリット、費用の相場などを把握しておきたいという人も多いでしょう。
そこで今回は、建替えの際に知っておきたい知識をまとめて解説。建替えの流れや使えるローンの種類、建替えの際の注意点なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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建替えとは?

まずは、建替えの定義や新築・リフォームとの違い、建替えを行う築年数の目安を整理しておきましょう。
建替えの定義
建替えとは、既存の建物を基礎部分から解体・撤去したあとで、その跡地に新たな建物を建てることを指します。
建物の老朽化や家族のライフスタイルの変化などが建替えのきっかけになることが多いでしょう。
建替えと新築の違い
新築は、更地に新しく基礎をつくり、家を建てることを指します。
新たに家を建築するという点では、建替えと新築に違いはありませんが、建替えでは既存の建物を解体・撤去する過程がある点が大きな違いといえます。
また、建物が建てられたことのない土地に新築する場合、水道管の引き込みが必要になりますが、建替えではその必要はありません。
住み慣れた土地に新居を建てられるのも、建替えならではの特徴です。
建替えとリフォームの違い
建替えでは、建物の基礎ごと解体し、更地にしてから家を新築しますが、リフォームでは、建物の基礎や柱、梁などを残して工事を行います。既存の建物を取り壊すか、活用するかが大きな違いとなります。
建替えとフルリフォーム、どちらにするか迷っている場合は、下記をチェックしてみてください。

建替えはどのくらいの築年数で行うのが目安?
国土交通省の2023年度「住宅市場動向調査」によると、家を建替えたり住み替えたりした人が、建替え前・住み替え前に住んでいた住宅の平均居住年数は、全国平均で31.5年です。
取得時期の傾向としては、1985年~1994年に建築した住宅がもっとも多くなっています。
建物の性能や老朽化の進み具合にもよりますが、統計データから見ると、築30年くらいが建替え時期の目安といえるでしょう。
建替えを行う際の築年数の目安については、下記の記事で詳しく解説しています。

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建替えを行う際の主な流れ

実際に建替えを行う場合、どのような流れで進めればいいのでしょうか? ここでは、建替えに必要な主な工程と期間の目安を見ていきましょう。
建替えの工程 | 期間の目安 |
|---|---|
1.ハウスメーカーを探す | 2〜3ヶ月 |
2.建替えプランと見積もりの提出を受け、プランを固める | |
3.住宅ローンの事前審査に申し込む | |
4.工事請負契約を交わす | 3〜4ヶ月 |
5.住宅ローンの本審査に申し込む | |
6.解体・撤去を依頼する | |
7.仮住まいを決めて引越す | |
8.解体・撤去工事 | 5〜7ヶ月 |
9.地盤調査、改良工事(必要な場合) | |
10.新築工事 | |
11.引き渡し、登記手続き | |
12.仮住まいから新居に引越す |
建替えの工程は新築と共通している部分も多くありますが、建替えでは既存の家を解体・撤去するため、仮住まいへの引越しが必要で、新築よりも工程が複雑になり、工事期間も長くなります。
建替えの詳しい手順について知りたい方は、下記をチェックしてみてください。

建替えのメリット・デメリット

家の老朽化や家族のライフスタイルの変化などによって、建替えやリフォームを検討している場合、それぞれの特徴を把握し、住宅に合った方法を選ぶことが大切です。
ここでは、建替えの主なメリット・デメリットを紹介します。
建替えのメリット
建替えでは、元の家を解体して更地にしてから新築するため、間取りを一から設計でき、耐震性能や断熱性能なども一新できます。
そのため、部屋の配置や広さ、建物の性能面における悩みなどを抜本的に解消できる点がメリットです。災害などで地盤の緩みが懸念される地域では、地盤補強ができる点も大きな魅力となるでしょう。
また、解体後の建築に関しては新築と同様のステップを踏むため、完成の時期や最終的な費用を予想しやすいのもメリットの一つです。
一方リフォームでは、既存の家の基礎や柱、梁などを活かして工事をするため、間取りに制限が生まれることがあります。
また、工事の途中で基礎などの構造体に劣化が見つかった場合、想定よりも工事期間が延びたり費用がかさんだりすることがあるでしょう。
ただ、耐震や断熱などの建物性能については、性能向上リフォームで改善することが可能です。
建替えのデメリット
建替えの主なデメリットは、費用と工期に関する点です。建替えは解体・撤去費用や新築費用がかかることから、リフォームと比較して費用が高く、工事期間が長くなりやすいというデメリットがあります。
また、建替えでは元の家を取り壊すため、仮住まいが必要です。建替え工事に1年以上かかるケースもあり、賃貸物件を借りる場合は仮住まいの費用がかさむ場合もあるでしょう。
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建替えにかかる費用の内訳と相場

建替えでは、新築工事費のほか、解体費用や仮住まいの費用などが必要になりますが、実際どのくらいかかるのでしょうか? ここからは、建替え費用の内訳や坪数別の相場などを解説します。
建替えにかかる費用の内訳
建替えにかかる費用は、おおまかに「解体工事費」「建築費」「地盤調査費」「地盤改良費」「諸費用」「仮住まい・引越し費用」の6つに分けられます。
それぞれの費用の目安は以下のとおりです。
費用の内訳 | 費用の目安 |
|---|---|
解体工事費 | 木造…4万~5万円/坪 軽量鉄骨造…6万~7万円/坪 鉄筋コンクリート造…6万~8万円/坪 |
建築費 | 2,000万円〜 |
地盤調査費 | 5万〜10万円 |
地盤改良費 | 表層改良工事…30万~50万円 柱状改良工事…70万~100万円 |
諸費用 ・登録免許税 ・不動産取得税 ・印紙税 ・設計料 ・火災保険料 ・地震保険料 ・住宅ローン手数料 など | 100万円〜 |
引越し費用(2回分) | 約20万円 |
仮住まい費用 | 100万円〜 |
解体工事費は、住宅の構造や面積、立地、建物の状態によって異なりますが、100万〜300万円ほどかかるケースが多いでしょう。
解体会社によっても異なるため、複数の事業者に見積もりを依頼することが大切です。
建築費は、希望する間取りや広さ、設備、依頼するハウスメーカーなどによって大きく変わります。
参考までに、国土交通省の2023年度「住宅市場動向調査」を見てみると、建替え時の住宅建築資金の全国平均は5,745万円(解体費を含め)となっています。
平均価格には解体費が含まれていることもあり高額ですが、ローコスト住宅であれば1,000万円台に収まるケースもあるでしょう。
しかし、外構などの付帯工事費なども考慮し、少なくとも2,000万円以上はかかると見込んでおいた方が安心です。
その他、建物の登録免許税・不動産取得税などの税金や、設計料、火災保険料・地震保険料、住宅ローン手数料などの諸費用も必要になります。
諸費用の目安は新築住宅(注文住宅)の場合、物件価格のおよそ3〜6%とされているため、100万円以上かかるケースも少なくありません。
建替えでは、仮住まいの費用がかかります。たとえば、家賃15万円の仮住まいを借りる場合、工期が1年にわたれば、家賃だけで180万円かかります。
また、2回分の引越し費用が必要です。「LIFULL引越し」のシミュレーターで、費用が高くなる3月の金額を算出すると、家族で同都道府県内に引越した場合、1回あたり約11万円前後になります。
引越し費用は人数や荷物の量、時期や依頼する会社などによって異なりますが、2回分で約20万円が目安といえるでしょう。
30坪の家を建替える場合の費用シミュレーション
次に、30坪の家を建替える場合の費用を見ていきましょう。
国土交通省の2023年度「住宅市場動向調査」で示されている建替えの際にかかる建築費と延床面積の全国平均から計算すると、坪単価の全国平均は約155万円です。
また、大手ハウスメーカーの坪単価の相場は、50万〜150万円とかなり幅があります。
そこでここでは、坪単価50万円、坪単価100万円、坪単価150万円の3つのパターンで、30坪の家に建替える際の本体工事費と付帯工事費、諸費用、解体・撤去費用の目安を見ていきます。
坪単価 | 本体工事費 | 付帯工事費 諸費用 解体・撤去費用 | 合計 |
|---|---|---|---|
50万円 | 1,500万円 | 650万円 | 2,150万円 |
100万円 | 3,000万円 | 1,150万円 | 4,150万円 |
150万円 | 4,500万円 | 1,650万円 | 6,150万円 |
あくまで目安になりますが、30坪では、坪単価50万円でも2,000万円以上かかることが分かります。

坪数ごとの建替え費用の相場
次に、坪数ごとの建替え費用の相場を見ていきましょう。坪単価100万円で試算すると、坪数ごとの本体工事費と付帯工事費、諸費用、解体・撤去費用の目安は下記のようになります。
延床面積 | 本体工事費 | 付帯工事費 諸費用 解体・撤去費用 | 合計 |
|---|---|---|---|
20坪 | 2,000万円 | 800万円 | 2,800万円 |
30坪 | 3,000万円 | 1,150万円 | 4,150万円 |
40坪 | 4,000万円 | 1,500万円 | 5,800万円 |
50坪 | 5,000万円 | 1,950万円 | 6,950万円 |
60坪 | 6,000万円 | 2,300万円 | 8,300万円 |
比較してみると、坪数が10坪増えるだけで、1,150万〜1,650万円増えているのが分かります。
建替えでは上記にプラスして、地盤調査費や地盤改良費、仮住まい・引越し費用がかかるため、費用を概算する場合は、そうした費用を含めて計算するようにしましょう。
建替えの費用についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。





建替え費用を抑える方法は?
ここまで建替え費用の相場を見てきましたが、建替えにかかる費用を抑えるにはどうしたらいいのでしょうか?
主な方法としては、下記の4つが挙げられます。
- 複数の会社から見積もりを取る
- 間取りや設備などをシンプルにする
- 補助金や助成金を活用する
- リフォームへの切り替えを検討する
新築工事や解体工事の費用は、ハウスメーカーや工務店、解体業者によって異なるため、複数の会社に同じ条件で見積もりを依頼し、費用を比較することが大切です。
設計の際は、間取りや設備、性能などをシンプルにすると、費用をぐっと抑えられます。必ず実現したいポイントと妥協できるポイントをあらかじめ決めておくといいでしょう。
また、補助金や助成金を活用するのもおすすめです。自治体によっては、解体費用を一部助成する制度を設けているケースもあります。
新築費用についても、一定の条件を満たせば補助金が出たり、減税制度が適用されたりする場合もあるため、ハウスメーカーなどに事前に確認するようにしましょう。
また、「建替えだとどうしても予算をオーバーしてしまう」という場合は、リフォームへの切り替えを検討するのも一つの方法です。
老朽化の進み具合や工事内容にもよりますが、リフォームであれば費用を建替えの7割程度に抑えられることもあります。
ただし、建物の基礎部分や耐震性能、地盤などの改良が必要な場合は、建替えの方が安く済むケースもあるため、総合的に判断することが大切です。


建替えに利用できるローンの種類

建替え費用は安くないため、ローンの利用を検討している人は多いでしょう。ここでは、建替えに利用できるローンを4つ紹介します。
住宅ローン
「住宅ローン」は、家や土地を担保にすることで融資を受けられるローンです。前の家を建てるときに利用した場合でも、返済が終わっていれば、再度申し込みできます。
一般的な住宅ローンでは、団体信用生命保険(団信)に加入でき、住宅ローン控除も適用されるため、残債がない場合は、まず住宅ローンの利用を検討してみましょう。
ペアローン
「ペアローン」は、夫婦や親子などの2人で1つの住宅ローンを組み、返済も2人で行うローンのことです。団体信用生命保険や住宅ローン控除についても、親子や夫婦、それぞれが利用できます。
それぞれの収入に応じて借入れできるため、単独でローンを組むよりも借入額を増やせたり、審査に通りやすくなったりするのが特徴です。
そのため、1人の収入では希望する借入額に届かない場合などに検討したいローンの組み方といえます。
ただし、どちらかが仕事を辞めたり、休職や転職したりして収入が減った場合は、返済が難しくなるケースも少なくありません。
夫婦で組む場合は、離婚の際にトラブルが起きることもあるため、慎重に検討したうえで利用するようにしましょう。

建替えローン
「建替えローン」は、現在利用している住宅ローンと建替え用のローンを一本化するローンです。「住み替えローン」と呼ばれる場合もあります。
今の家の住宅ローンが残っており、通常の住宅ローンが利用できない場合は、建替えローンを利用するのも一つの方法です。
ただし、建替えローンは、借入額が高額になりやすく、審査に通りにくいというデメリットもあります。
「審査に通らなかった」「返済に追われて家計が厳しい」といった事態を避けるためにも、事前にしっかりと返済プランを立てておくようにしましょう。
つなぎ融資
「つなぎ融資」とは、住宅ローンの融資が実行されるまでのつなぎとして、一時的に資金を借りられる制度のことです。
通常、住宅ローンの融資は、家の引き渡しの際に実行されますが、工事の着工金や中間金といった工事費の一部は、その都度現金で支払う必要があります。
自己資金が不足しており、そうした代金の支払いが難しくても、つなぎ融資を利用すれば建替えを実現することが可能です。
つなぎ融資について詳しく知りたい方は、下記をチェックしてみてください。

建替えに使えるローンや利用の流れについては、下記で詳しく解説しています。

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建替えを行う際の注意点

家を建替えるときは、どのような点に気をつけたらいいのでしょうか? 最後に、建替え時の注意点を整理しておきましょう。
「再建築不可物件」は建替えができない
区域によっては、一度解体・撤去してしまうと、新しい家を建てられない「再建築不可物件」に該当するケースもあるため、注意が必要です。
建築基準法では「都市計画区域や準都市計画区域では、道幅4m以上の道路に敷地が2m以上接していない場合、建物を建ててはいけない」と定められています。
これを「接道義務」といいますが、建築基準法や都市計画法が制定される以前に建てられた家のなかには、この接道義務を果たしておらず、建替えができない家もあるのです。
また、接道義務を満たしていても、自治体の条例によって再建築ができない場合もあるため注意しましょう。
建替えを検討している場合は、今の家が再建築不可物件に該当しないか、自治体の条例による制限がないかなど、事前に確認することが大切です。

接道義務を果たす必要がある
前述したように、建替えで新しく家を建てる場合は、接道義務を守る必要があります。敷地が接している道路が道幅4m未満の場合、敷地面積を狭めて、道幅を4m以上確保するのも一つの手です。
接道義務を果たすのが難しく、建替えができない場合は、フルリフォームへの切り替えを検討してみてもいいかもしれません。
建替えできない場合の対策については、下記で詳しく解説しています。

地盤調査を行う必要がある
建替えを行う際は、新築工事と同様に地盤調査が必要です。特に、地盤調査が義務付けられた2000年より前に建てられた家は、地盤調査を行っていないケースも少なくありません。
地盤の状態が悪いと、地盤沈下が起きて家が傾いたり、地震や台風の被害を受けたりするリスクもあるため、地盤の状態を改めて確認しておく必要があります。

仮住まい先を早めに探す必要がある
建替えの際は、解体・撤去工事が始まる前に仮住まいへ引越す必要があります。
賃貸物件やマンスリーマンションを借りる場合、条件に合った物件がすぐには見つからないこともあるため、早めに探しておくことが大切です。

記事のおさらい
築年数が古くなったら建替えが必要?
近年では住宅の性能が上がっているため、築年数だけで判断できない部分もありますが、築30年以上の場合、建替えを検討してみてもいいかもしれません。
家を建替える場合の手順は?
建替えの際は、まずハウスメーカーに建替えプランと見積もりを出してもらい、工事請負契約を交わします。その後、既存の家の解体・撤去工事を行ってから、新築工事を行うのが一般的な流れです。
新しく家を建替えるとどんなメリット・デメリットがある?
家を建替える最大のメリットは、間取りや設備などを自由に変更できる点です。老朽化による不具合などを抜本的に解消することもできます。一方、デメリットとしては、工期が長くなる点や費用がかかる点が挙げられます。
建替えはいくらかかる?
依頼するハウスメーカーや家の大きさ、設備のグレードなどにもよりますが、建築費だけで2,000万円以上はかかると見込んでおいた方がいいでしょう。
建替えでは住宅ローンを利用できる?
前の家の住宅ローンを完済できていれば、建替えを行う際にも住宅ローンを利用できます。
建替えができない家もある?
都市計画区域や準都市計画区域にあり、接道義務を果たしていない物件は、「再建築不可物件」に該当するため建替えができません。
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