木造の注文住宅の工法には、さまざまな種類があります。工法によって建てられる住宅の特徴が異なるため、事前に具体的な仕組みを理解しておくことが大切です。今回は注文住宅の工法のなかでも、「ツーバイフォー工法」に焦点を当て、メリット・デメリットやほかの工法との違いについて見ていきましょう。
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ツーバイフォー工法とは

ツーバイフォー(2×4)工法とは、木造住宅の建築工法のひとつです。ここではまず、ツーバイフォーの基本的な仕組みについて解説します。
ツーバイフォー工法の仕組み

ツーバイフォー工法とは、「木造枠組壁工法」のうちのひとつであり、天井、壁面、床の計6面で箱をつくってから、窓などをくり抜いて建てる工法のことを指します。おおまかな構造部を面で組み立てていくことから、作業工程が効率的になる点が大きな特徴です。
ツーバイフォー工法は、主にアメリカやカナダで用いられていた工法であるものの、国内においても1974(昭和49)年から一般的に使用されるようになりました。効率のよさと住居の頑丈さに強みがあるため、導入されて以降は普及率が上昇傾向にあります。
なお、ツーバイフォー工法の名前は、使用される角材が「2インチ×4インチ」であることに由来します。角材のサイズによって、同じ木造枠組壁工法でも2×6、2×8、2×10のようにいくつかの種類に分かれます。
木の家の住宅カタログを探すツーバイフォー工法のメリット

ツーバイフォー工法には、大きく分けて5つのメリットがあります。
メリット
- 耐震性・耐風性が高い
- 気密性、断熱性、防音性に優れている
- 防火性能が高い
- 品質が安定している
- 工期が短くなりやすい
壁面で構造部を組み立てていくツーバイフォー工法は、地震や台風といった自然災害に対する耐性が高いのが特徴です。また、そのほかの工法と比べて高気密・高断熱が実現しやすいため、外気の影響を受けにくく冷暖房効率の高い住宅づくりが可能です。
住宅の性能については、ほかにも耐火性の高さが挙げられます。ツーバイフォー工法で建てられた住宅のほとんどが耐火・準耐火構造となるため、火災保険も安くなるのです。
ツーバイフォー工法で使用される建材は、一定の部分まで工場などで製品化されます。現場ではパネルを組み立てる作業が中心となるため、施工者の腕によって品質が左右される心配がなく、品質の安定性が保たれる点もメリットです。
また、同様の理由から工期も大幅に短縮され、人件費を含む建築コストが安くなりやすいといった面もあります。
高気密・高断熱住宅の住宅カタログを探すツーバイフォー工法のデメリット

豊富なメリットを備えるツーバイフォー工法ですが、一方で以下のようなデメリットもあります。
デメリット
- 間取りの柔軟性が低い
- リフォームの自由度が低い
- 高気密のため結露による湿気やカビの対策が必要
面で組み立てることを前提としたツーバイフォー工法では、あまり自由に間取りを変更することができません。壁を取り払って広いリビングを設けたり、大きな窓を設置したりといったことはできず、間取りに制限がかかってしまうのです。
また、構造の特性上、リフォームによる間取りの変更も制限されてしまいます。後から壁を撤去したり、窓・ドアを設置したりする際には、壁量計算や耐力壁の配置などを再検討する必要があるため、改築には不向きな工法です。
メリットの裏返しではあるものの、高気密になるツーバイフォー住宅は湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい面もあります。そのため、快適な住環境を維持するためには、通気性を確保するなどの結露対策が必要です。
施工会社を探す 無料で住まいの窓口に相談する木造住宅の工法にはほかにどんなものがある?

木造住宅の工法には、ツーバイフォー工法以外にもさまざまな種類があります。ここでは、主な木造住宅の工法について見ていきましょう。
木造軸組工法

木造軸組工法は「在来工法」とも呼ばれ、日本で古くから使用されている伝統的な工法のことを指します。「面」で組み立てていくツーバイフォー工法に対して、柱や梁(はり)といった「線」で組み立てていくのが木造軸組工法の最大の特徴です。
工法が規格化されていない分、間取りの自由度が高く、窓なども大きくつくることができます。一方で、設計や建築には熟練した技量が必要となり、施工者の力量によって品質が左右されてしまう点はデメリットです。
ただ、現在でも多くの住宅がこの工法で建てられており、豊富なノウハウを持っている施工会社は多いといえます。そのため、依頼先選びをきちんと行えば、問題なく品質の高い住宅づくりを行えます。
プレハブ工法

プレハブ工法とは、骨組みや壁、天井などの部材をできるだけ工場で生産し、建築現場で組み立てる方法のことです。主に厚さ6mm未満の軽量鉄骨を使用してつくられる点が特徴であり、一戸建ての住宅の工法のひとつとして選択されることもあります。
さまざまな工法のなかでも特に工期が短く、品質も安定している点が大きなメリットです。一方で、製品が規格化されていることから、デザインの幅は狭くなりがちな面があります。
木造住宅の工法別シェア率
林野庁の「平成30年度森林・林業白書」によれば、平成30年時点で新設された木造住宅のうち、76%が在来工法によって建てられているとされています。また、ツーバイフォー工法は22%、木質プレハブ工法が2%となっています。
ただ、これまでにも見てきたとおり、ツーバイフォー工法の割合は年々上昇しているのも事実です。そうした背景には、日本農林規格(JAS)の改正によって国産材のツーバイフォー工法部材が適正に評価されるようになったことや、建材の供給体制が整備されてきていることなども大きく関係しています。
木の家の住宅カタログを探す同じ工法でも差が生まれる? 耐震性の高い住宅づくりのポイント

木造注文住宅の工法にはさまざまな種類がありますが、技術の発展や建築基準法の改正などにより、どの工法でも一定以上の耐震性を満たせるようになっています。つまり、工法による耐震性の差はほとんどなくなっているのです。
そのため、住宅の耐震性を考えるうえでは、工法以外の部分にも目を向けることが大切となります。ここでは、耐震性に影響を与える主なポイントを見ていきましょう。
耐震等級
耐震等級は品確法(住宅の品質確保の促進に関する法律)によって定められた指標であり、「建物がどのくらいの地震に耐えられるか」を示す基準です。等級には耐震性能の高さによって以下のような3段階があり、等級3がもっとも優れた耐震性能を示しています。
等級1:現行の建築基準法で定められた基本の耐震性能を満たす
等級2:等級1の1.25倍の耐震強度を持つ。避難場所指定される学校・病院と同程度
等級3:等級1の1.5倍の耐震強度を持つ。災害復興拠点となる消防署・警察署と同程度
施工会社のなかには、耐震等級3を標準としているところがあります。等級3は一般的な住宅として十分な耐震性を備えているといえるため、施工会社選びの判断基準として押さえておくとよいでしょう。
地盤の強度
住宅の耐震性は、建物だけでなく地盤の状態にも左右されます。注文住宅を建てる土地を選ぶ際には、しっかりと地盤調査を行い、専門家に詳しい状態をチェックしてもらうことが大切です。
ただ、地盤調査には費用がかかってしまうため、事前にある程度の候補を絞っておくとよいでしょう。自治体が発行している「ハザードマップ」や国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」などを利用すれば、候補となる土地の状態をある程度確かめることができます。
施工会社の信頼性
住宅づくりは依頼者と施工会社の二人三脚で進めていくものです。そのため、信頼できる施工会社を見極めることも重要なポイントとなります。
施工会社には大手ハウスメーカー、地域密着型の工務店、独立系設計事務所といったさまざまなタイプがあり、それぞれ強みとする部分が異なっています。また、同じタイプの施工会社でも、担当者の対応や見積もりのていねいさなどには違いがあるのです。
納得のいく住宅づくりを行うためにも、複数の会社に見積もりを依頼し、慎重に比較検討をしましょう。
耐震・免震・制震住宅の住宅カタログを探すツーバイフォーは安定した品質と住宅性能の高さが魅力

- ツーバイフォー工法は、住宅の基本的な構造を「面」で組み立てるのが特徴
- 耐風性・防火性・気密性・断熱性に優れている点がメリット
- 作業工程が効率化されているため、安定した品質と工期の短さも強み
- 間取りの自由度が低い、カビが発生しやすい点はデメリット
- 耐震性については、技術の進歩や法令の改正などによって、工法による差が少なくなっている
更新日: / 公開日:2021.03.19










