春に食べたい、栄養満点の三つ葉レシピ。爽やかな日本のハーブを楽しもう

みなさんは普段から「三つ葉」を食べますか？
スーパーでもどちらかというとメインの葉野菜からは少し離れたところに並んでいる三つ葉。お吸い物や茶わん蒸しの彩りとして登場し、脇役の印象をお持ちの方が多いと思います。

しかし、脇役にするにはもったいない！ 実は三つ葉には栄養素が豊富に含まれているんです。健康な体づくりに役立ったり、独特の香りが料理のアクセントになったりと、うれしい効果・効能がたくさんあります。
今回は、春の野菜である三つ葉の栄養やレシピなど、あまり知られていない魅力をご紹介します。

春の三つ葉には魅力がいっぱい

脇役になりがちな三つ葉ですが、たくさんの魅力があります。
私は家庭菜園をしていますが、とあるマルシェで農家の方から三つ葉の苗を分けていただいたことがあります。これがきっかけで三つ葉の魅力に気づき、イメージがガラリと変わったのです。

三つ葉とは？

三つ葉はせり科みつば属の多年草です。一度植えると年を越して何度も収穫することができます。日本が原産地ということもあり、和食との相性は抜群です。日本各地の野山にも自生していて、山菜採りの際に一緒に収穫することもできます。

三つ葉という名前の通り、茎から分かれた葉には三枚の葉がついているのが特徴です。三つ葉には大きく三種類あり、それぞれの特徴をまとめてみました。

① 糸三つ葉
スーパーでよく見かけるのは、この糸三つ葉です。ハウスで水耕栽培されているので年中収穫できます。また、水耕栽培のため根の部分にスポンジがついて売られているのが特徴です。葉は小さいですが、香りは強く、アクが少ないので生食にも向いています。

② 根三つ葉
細いごぼうのような根がついている三つ葉です。他の三つ葉に比べると、特に栄養価が高くなっています。根がついていることもあり日持ちもします。味も濃く、歯ざわりもいいのが特徴です。

③ 切り三つ葉
白い茎と薄い緑の葉が特徴的な三つ葉です。発芽とともに遮光した部屋に移して栽培されるため色素が薄くなっています。アクが少なく、茎から上の部分を束ねて売られています。関東を中心に出回っているため、関西出身の私はまだ見たことがありません。いつかは見てみたい野菜の一つです。

三つ葉の旬

年中スーパーで見かける三つ葉ですが、品種によって旬の時期は異なります。一番身近な品種の糸三つ葉は水耕栽培のため、年中流通しています。しかし、切り三つ葉は12~2月の冬の時期、根三つ葉は3～4月の春が旬です。
切り三つ葉は関東が中心で、関西ではほぼ出回らないため、全国的に見ると三つ葉の旬は春といえるでしょう。

三つ葉の香りの特徴

三つ葉はシャキシャキとした歯ごたえと、特徴的な香りがあります。三つ葉の爽やかな香りの素は、クリプトテーネンやミツバエンという香り成分です。これは、日本を代表するハーブの一種でもあります。

これらの香り成分には、主に消化を促し食欲を増進する作用があります。また、神経を安定させて気持ちをリラックスさせ、イライラを解消する鎮静作用もあります。食欲がないときやストレスを感じやすい方にはおすすめの野菜です。ただ、これらの香り成分は揮発性が高いため、購入後はなるべく早く新鮮なうちに消費することをおすすめします。
食卓では茶わん蒸しやお吸い物といった彩りで使われることも多いです。他の葉野菜の代わりにお浸しやあえ物、生食ではサラダなど幅広い料理にも向いています。

三つ葉の栄養

三つ葉には、いろいろな栄養素が含まれています。ここでは三つ葉に多く含まれる栄養素や、その効果・効能についてご紹介します。

① β-カロテン
三つ葉には、動脈硬化といった生活習慣病の予防によいとされるβ-カロテンが豊富に含まれています。また、β-カロテンは体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、目や皮膚の粘膜を保護してくれることから視力の低下や肌トラブルの改善、免疫力の向上にも役立つ成分です。他にも抗酸化作用もあるのでアンチエイジング効果も期待でき、健康と美容を支える栄養素といえるでしょう。

② カリウム
カリウムには塩分に含まれるナトリウムを排泄する役割があるため、むくみや高血圧の予防に役立ちます。しかし、水溶性のため水と触れることで栄養素が溶け出てしまいますので、調理の際には注意しましょう。

③ 葉酸 赤血球の生成や代謝、細胞の生成にも関わることから、体の発育に大きく関与する栄養素です。脳卒中や心筋梗塞といった生活習慣病の予防にも効果があるとされている栄養素です。

三つ葉の旬を意識してみよう

近年、スーパーに出回る三つ葉はほとんどが水耕栽培のため、栄養素は年間を通して大きく変わりません。しかし、根三つ葉や切り三つ葉は旬の時期に収穫したもののほうが、それ以外の時期に収穫したものに比べると栄養素が高いです。

そのため、根三つ葉や切り三つ葉が旬の時期にはそちらを優先的に、他の時期には水耕栽培の三つ葉を選ぶといったように使い分けることで、年中三つ葉を楽しめますよ。

三つ葉の美味しいレシピ

料理の彩りとして活躍することが多い三つ葉ですが、香りや栄養を活かしてさまざまなレシピで楽しむことができます。ぜひ春に試していただきたい、三つ葉を主役にしたレシピを3つ紹介します。

1. 三つ葉とツナのポン酢和え

<材料>
・三つ葉：2束
・ツナ缶：80g
・ポン酢：大さじ1

<作り方>
① 三つ葉の根元を切り落とし洗った後、耐熱容器に入れてラップをし、電子レンジで500w2分加熱する。
② ①を食べやすい大きさに切る。
③ ツナ缶の油分を絞る。
④ ②③ポン酢を一緒に混ぜ合わせてできあがりです。

ワンランクアップのポイント
・三つ葉は湯がいてもいいですが、湯がくには時間がかかりますし、水と触れることで水溶性の栄養素が水に溶け出てしまいます。時間短縮と少しでも栄養素を逃さないために、電子レンジを使った調理法がおすすめです。
・お好みでゴマやかつお節を振りかけて食べると、風味もアップしてより美味しくいただけます。

2. 三つ葉としらすの中華炒め

<材料>
・三つ葉：1束
・しらす：小1パック
・卵：2個
・ごま油：大さじ1

<作り方>
① 三つ葉は根元を切り落として洗い、ざく切りにする。
② 卵を溶いて、しらすと混ぜ合わせておく。
③ フライパンにごま油を引き、軽くざく切りにした三つ葉を炒めた後、②を流し込む。

ワンランクアップのポイント
・三つ葉の風味としらすの塩分で調味料なしでも十分に食べることができますが、お好みで鶏がらスープの素を入れて調整することも可能です。

3. 三つ葉とささみの和風ナムル

<材料>
・ささみ：200g
・三つ葉1袋
・にんじん：1/4本
・酒、塩：適量
◎白だし：大さじ1
◎柚子胡椒：小さじ1/2
◎塩：少々
◎ごま油：小さじ1
◎白ごま：大さじ1

<作り方>
① 筋を取ったささみは耐熱容器に乗せて、塩と酒をふり、ふんわりとラップをかけます。500wで2分ずつ計4分、ささみを裏返しながら電子レンジで加熱しましょう。
② ①ができあがったら少し冷ました後、ほぐす。
③ 三つ葉の根元を切り落とし洗った後、耐熱容器に入れてラップをし、電子レンジで500w2分加熱する。
④ ③を食べやすい大きさに切る。
⑤ にんじんは皮をむき、千切りにしておく。
⑥ ②④⑤◎の調味料を合わせて合える。

ワンランクアップのポイント
・三つ葉は切ってから電子レンジで加熱すると、表面積が増えるので栄養素が抜け出やすくなります。そのため、加熱後に切ることで、栄養素の流出を抑えることができます。

三つ葉の栄養素を逃がさない食べ方

① 生食
三つ葉独特の香り成分であるクリプトテーネンやミツバエンは揮発性が高く、加熱することで香りが落ちてしまいます。そのため、香りを楽しみたい方や、三つ葉独特のシャキシャキとした食感を楽しみたい方には生食がおすすめです。

② 湯がく
三つ葉に限らず、葉野菜を調理するときは湯がくことも多いです。しかし各レシピの<ワンランクアップのポイント>でもご紹介しましたが、湯がくとカリウムなどの水溶性の栄養素が水に溶け出てしまいます。せっかくの三つ葉の栄養素が減ってしまうので、電子レンジを使った調理法がおすすめです。

また、スーパー売られているものはアクが少ないのでアク抜きは特に必要ありません。しかし、野生の三つ葉はとてもアクが強いので、その場合は沸騰させた水でサッとゆでてアク抜きをしましょう。

③ 油と一緒に食べる
三つ葉に含まれるβ-カロテンは脂溶性であるため、油を使った料理で吸収率が高まります。生で食べる際にもオリーブオイルを少しかけてみたり、炒めたり揚げ物にすることで吸収されやすくなります。炒めるとかさが減り、生食よりもたくさんの量を一度に食べられます。

三つ葉の選び方と保存方法

新鮮な三つ葉の選び方と、保存方法についてご紹介します。

新鮮な三つ葉の選び方

新鮮な三つ葉を選ぶ際のポイントは、以下の3つです。

・葉の緑色が鮮やかで、色が濃い。
・茎にみずみずしさがあり、根元までピンと張っている。
・香りが強いもの。

三つ葉は鮮度が落ちると、すぐに葉が黄色く変色してしまいます。また、根がカットされて販売されているものもありますが、根がついたままの三つ葉の方が風味や香りもよく、長持ちします。少し不便な点もありますが、根がついたものの方ほうが栄養の流出も少ないですよ。

長持ちする三つ葉の保存方法

三つ葉は鮮度が落ちやすいので、購入から2～3日で食べきりたいですが、少しでも長持ちさせるための保存方法をご紹介します。

・三つ葉を濡れたキッチンペーパーなどの柔らかい紙や布に包み、ビニール袋に入れて野菜室で立てて保管する。
・三つ葉を保存容器に入れ、三つ葉が浸るくらいの水を入れて冷蔵庫で保存し、毎日水を替える。
・根がついたまま、根が浸るくらいの水を入れた容器に入れる。
・よく洗った三つ葉を使いやすい大きさに切り、ファスナー付きの保存袋に入れて冷凍保存する。(ただし、歯ざわりなどが損なわれるので、生食には不向きです)。

三つ葉は乾燥に弱く、独特の香りも飛びやすいため、乾燥を防ぐ保存方法がよいでしょう。上手に保存できると、冷蔵保存で4～5日、冷凍保存で1ヶ月ほど持ちます。

キッチンが充実した住まいで旬野菜を楽しもう

キッチンが広々と使いやすいと、毎日の料理も楽しくなりますね。今回はわが家のキッチンをもとにこだわりポイントをご紹介します。

広い調理スペース

広い調理スペースは、ストレスフリーで調理を進めるためには欠かせません。食材を切ったり水洗いした野菜を置いておいたり、できた料理を並べたり。調理スペースが少ないと、すぐにキッチンがごちゃごちゃとしてしまいストレスを感じやすくなります。
また、調理する場所以外にもシンクとコンロの両サイドにスペースがあると、常備しておきたいものを手に取りやすい場所に収納できます。

3口コンロ

お料理好きの方であれば、私は3口コンロをおすすめします。複数のメニューを同時に作れますし、できあがったアツアツの鍋やフライパンの置き場に迷うこともなく、空いたコンロにひとまず置いておけるのも便利です。

ゆとりのある食器洗い乾燥機

少し値が張りましたが「妥協せずに選んでよかった！」と思えるのは、家族の人数+2人分の余裕のある食器洗い乾燥機です。わが家は5人家族だったので、7人用の食器洗い乾燥機を選びました。家族の食器以外にも調理をする際にお皿や食器を使うので、ここは少し奮発しても日常生活のことを考えると妥協したくない点です。

まとめ

今回は、名脇役・三つ葉の魅力とキッチン選びのポイントを紹介しました。
私自身、この記事の執筆を通して改めて三つ葉の魅力を実感しました。これからわが家はしばらく三つ葉ブームが続きそうです。